「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/12/15
慶応大学の商学部を卒業しているんですよ
手塚貴久調教師(美浦)

主な管理馬:
ユーバーレーベン(2021年オークス)
シュネルマイスター(2021年NHKマイルCなど)
フィエールマン(2019年天皇賞・春など)
アユサン(2013年桜花賞)

今週の主な登録馬:
リアライズシリウス(朝日杯FS)
ボンドガール(ターコイズS)

担当者:調教師情報部 元調教師N

栃木県出身の手塚貴久君は、地方の宇都宮競馬(2005年3月に廃止)で調教師をやっていた手塚佳彦さんの長男で、佳彦さんは、足利競馬場と宇都宮競馬場で29連勝したドージマファイターを管理していたことでお馴染みですね。

お父さんの仕事を考えると意外ですが、手塚君は、ほとんど馬と関わらずに育ったそうで、慶応大学(本部所在地:東京都港区三田2-15-45)の商学部を卒業する前には、大手飲料メーカーなど、いくつかの会社から内定をもらっていて、そのままサラリーマンになる予定だったそうですよ。

でも、大学を卒業する前に、佳彦さんと行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになったそうです。

そして、手塚君の伯父にあたる、ライスシャワーの調教師としてお馴染みの飯塚好次(よしじ)さんに相談したところ、「それならJRAでやった方がいい」と言われて気持ちが決まったそうで、就職の内定を断って、当時、鵡川にあった西山牧場で1年くらい働いて、その後、1989年に競馬学校の厩務員課程に入りました。

ちなみに手塚君は、オーナーブリーダー・「ミルファーム」の代表をやっている清水敏(さとし)さんと大学の同期で仲が良くて、2005年の「三田祭」(慶応大学の学園祭)では、二人で一緒に講演会に出ていたんですよ。

そうそう、手塚君には、二人の息子さんがいて、次男は、2011年の「東日本大震災」で多くの方が被害を受けてしまったのを見て、「復興に関わりたい」と思い、「建築関係の仕事に就く」と決めたそうで、大学院を出て、2019年の4月から東京の会社で働いているそうですよ。

長男の貴徳君は、立教大学に進んでから、「競馬の道に進みたい」と考えて、馬術部に入ったんですが、経験者ばかりが揃っていた馬術部では、最後までレギュラーになれなかったそうですし、この頃には、診断した医師が、「足を切断しなければならないかも」と考えるほどの大ケガをしてしまったそうです。

それに、貴徳君は、立教大学を卒業して、「ノーザンファーム」で働いてから、競馬学校の厩務員過程に入ったんですが、その在学中にも大ケガをして、卒業が半年遅れになってしまいました。

ただ、それからずっと相沢郁厩舎で調教助手をやっていた貴徳君は、去年の12月、めでたく調教師の試験に受かっていますし、このことについて、前に手塚君は、

「私だったら、競馬の世界で働くことを諦めていると思いますが、そういう意味では、本当によく頑張っていると思います」

という話をしていましたよ。

話を本人のことに戻しますと、競馬学校を出た後の手塚君は、相川勝敏厩舎で厩務員をやって、佐藤全弘(まさひろ)厩舎で調教助手をやって、1999年の3月に自分の厩舎を開業しました。

最初の年こそ8勝止まりでしたけど、その後は、2年目が10勝、3年目が15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2004年には30勝を上げていましたし、その後も、2010年が19勝だった以外は、毎年20勝以上しています。

それに、手塚君の厩舎は、開業1年目だった1999年に、ベルグチケットを使ったフェアリーSで初めて重賞を勝っていて、その後も、アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、アユサンを使った2013年の桜花賞や、アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSや、フィエールマンを使った2018年の菊花賞と2019年と2020年の天皇賞・春など、今までにJRAで、GIの10勝を含めて重賞を41勝もしていますし、2022年には、ウインマリリンを使った香港ヴァースで、「初めての海外G1勝ち」を飾っているんですよ。

その中でも、2021年は、ウインマリリンで日経賞とオールカマー、シュネルマイスターでNHKマイルCと毎日王冠、ユーバーレーベンでオークスを勝つなど、「重賞7勝を含む45勝・獲得賞金13億3529万円」という成績で、勝ち星と賞金のどちらも今までで一番の数字でしたし、一昨年は、ソールオリエンスを使った皐月賞など、重賞を3勝、他も入れたら33勝を上げて、稼いだ賞金が「11億7308万円」と、2021年の次にいい数字でした。

ただ、去年は流れが悪くなっていて、34勝を上げましたけど、アルテミスSを勝ったブラウンラチェット以外の馬があまり活躍できなかったこともあって、稼いだ賞金が「7億7520万円」と、一昨年を大きく下回ってしまったんですよ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、手塚君は巻き返しに燃えていたのでしょうし、実際、今年は、重賞を3勝するなど、先週までに34勝を上げて、稼いだ賞金が「13億2960万円」と、去年を大きく上回っていますから、今の手塚君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の朝日杯FSにリアライズシリウス、1着賞金が3800万円のターコイズSにボンドガールを登録していますから、「どっちも勝負懸かり」と私は見ています。

2025/12/15
エピファネイアに乗っとったんですわ
福永祐一調教師(栗東)

主な管理馬:
ダイヤモンドノット(2025年京王杯2歳S)
ランフォーヴァウ(2024年デイリー杯2歳S)
ドロップオブライト(2024年CBC賞)

今週の主な登録馬:
ダイヤモンドノット(朝日杯FS)
ドロップオブライト(ターコイズS)
ランフォーヴァウ(ターコイズS・コールドムーンS)
レッドダンルース(2025ヤングJSFR中京第2戦)


担当者:調教師情報部 元調教師Y

誰でもよう知っとる通り、福永祐一君の親父さんは、乗り役として、ニホンピロムーテーで1971年の菊花賞を勝って、インターグロリアで1977年の桜花賞とエリザベス女王杯を勝つなど、通算で981勝っちゅう実績を残した福永洋一さんですな。

そんな洋一さんの長男として育った福永君は、中学生の時、騎手になることを決めたんやけど、親父さんの洋一さんが、落馬事故に巻き込まれた時の大ケガが原因で引退しとったこともあって、家族からは大反対されたんやけど、それを押し切って競馬学校を受験したんですわ。

1回目の受験では、二次試験の前に骨折してしもうたこともあって不合格やったんやけど、高校に通いながら次の年にもう一回受験して、1993年に「第12期生」として競馬学校の騎手課程に入ったんや。

ちなみに、競馬学校の同期には、現役の乗り役やったら、柴田大知君、古川吉洋君、和田竜二君がおって、今は調教師をやっとる高橋亮君も同期なんですわ。

1996年に北橋修二厩舎から乗り役としてデビューした福永君は、その年にいきなり53勝を上げて、最多勝利新人賞を受賞しとったし、2年目やった1997年には、キングヘイローに乗った東京スポーツ杯3歳S(現在の東京スポーツ杯2歳S)で初めての重賞勝ちを飾っとって、4年目やった1999年には、プリモディーネに乗った桜花賞で初めてのGI勝ちを飾っとりました。

それから、福永君は、引退するまでに、ラインクラフトに乗った2005年の桜花賞とNHKマイルCや、エピファネイアに乗った2013年の菊花賞や、ジャスタウェイに乗った2013年の天皇賞・秋と2014年のドバイデューティフリーや、コントレイルに乗った2020年の牡馬三冠など、JRAで、GIの34勝を含めて、重賞160勝、通算2636勝っちゅう素晴らしい実績を残しとるし、2011年と2013年は騎手リーディングの1位になっとります。

ちなみに福永君は、2013年に、フジテレビのアナウンサーやった松尾翠さんと結婚しとるんや。

2022年、めでたく調教師の試験に合格した福永君は、リメイクに乗った一昨年のリヤドダートスプリントを最後に引退して、それからは、美浦の木村哲也厩舎とか田中博康厩舎とか、色々な厩舎で研修を受けとって、去年の3月に、解散した安田隆行厩舎や松永昌博厩舎とかの馬を引き継ぐ形で自分の厩舎を開業したんですわ。

福永君と同期の調教師は、小椋研介君、河嶋宏樹君、高橋一哉君、千葉直人君、藤野健太君、森一誠君、矢嶋大樹君の7人がいますな。

開業してから、福永君の厩舎は、ドロップオブライトを使ったCBC賞で、調教師としては初めての重賞勝ちを飾ると、ランフォーヴァウでデイリー杯2歳Sも勝つなど、全部で17勝を上げて、稼いだ賞金が「4億3966万円」っちゅう、同期の中では一番の成績を残しとりました。

それに、開業2年目の今年は、ダイヤモンドノットで京王杯2歳Sを勝つなど、先週までに27勝を上げとるし、稼いだ賞金が「5億1212万円」と、去年を上回っとるんで、今の福永君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の朝日杯FSにダイヤモンドノット、1着賞金が3800万円のターコイズSにドロップオブライトとランフォーヴァウ(コールドムーンSにも登録)など、4頭を特別レースに登録してきましたんで、ワシが彼やったら、どれも全力で仕上げますわ。

それに、福永君は、さっき書いた通り、重賞は勝っとるんやけど、まだGIを勝てとらんので、朝日杯FSのダイヤモンドノットには、「調教師としては初めてのGI勝ちをこの馬で」っちゅう思いも込められとるんやろうな。

2025/12/15
矢作芳人君が面接の練習を手伝っとったそうですな
松下武士調教師(栗東)

主な管理馬:
ショウナンバルディ(2021年中日新聞杯)
ジョーカナチャン(2020年アイビスSD)
レシステンシア(2019年阪神ジュベナイルFなど)
カラクレナイ(2017年フィリーズレビュー)

今週の主な登録馬:
ビップデイジー(ターコイズS)
ショウナンハクラク(タンザナイトS)
ロードフロンティア(コールドムーンS)
ロードラビリンス(ベテルギウスS)
ケンタッキーホーム(ポインセチアS)
ビップジーニー(尾張特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

大阪出身の松下武士君は、中学生の時から、実家の近くにあった乗馬クラブに通っとって、高校生になった頃には、「競馬の世界で働きたい」と考えとったそうや。

実際、高校を出てからは牧場で働いとったし、2003年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の1月から安田伊佐夫厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、2008年のジャパンCダートで2着やったメイショウトウコンなどを担当しとりました。

その後は、武田博厩舎と清水久詞厩舎で調教助手をやって、5回目の挑戦やった2013年の12月に、32歳の若さで調教師の試験に受かっとります。

2015年の3月に厩舎を開業するまでの間、松下君は、矢作芳人厩舎で技術調教師をやって、矢作君と一緒に、アメリカの「キーンランド・セプテンバーセール」に行って馬の見方を教わったり、実際に厩舎をどうやって回したらエエんかなどを教わっとったんですわ。

ちなみに矢作君は、松下君の調教師試験に向けて、面接の練習を手伝っとったそうで、松下君はそのことを今でも感謝しとるし、「矢作先生を目標に頑張りたい」と話しとりましたな。

2015年の松下君は、小野幸治厩舎から引き継いだオースミムーンで6月の東京ジャンプSを勝って、早くも「初めての重賞勝ち」を飾っとったし、9月にもこの馬で阪神ジャンプSを勝つなど、全体で「14勝・獲得賞金2億4965万円」っちゅう数字を残しとって、2016年は、「27勝・獲得賞金3億7711万円」と、一気に数字を伸ばしとったんですわ。

それに、2021年までの5年間も、

2017年→16勝・獲得賞金3億6178万円
2018年→22勝・獲得賞金3億7402万円
2019年→20勝・獲得賞金5億0551万円
2020年→22勝・獲得賞金4億8365万円
2021年→21勝・獲得賞金5億8492万円

っちゅう安定した成績を残しとって、特に2019年は、レシステンシアを使った阪神ジュベナイルFで初めてのGI勝ちを飾っとったし、2021年は、阪急杯とセントウルSを勝ったレシステンシアや、中日新聞杯を勝ったショウナンバルディなどの活躍で、開業してから一番の賞金を稼いどりました。

ただ、去年までの3年間は、

2022年→19勝・獲得賞金4億1209万円
2023年→25勝・獲得賞金3億5793万円
2024年→23勝・獲得賞金4億0804万円

っちゅう形で数字が伸び悩んどったから、今年を迎えるにあたって、松下君は巻き返しに燃えとったんやろうな。

実際、今年は、シャマルで、地方交流重賞の黒船賞と、地方交流G1のかしわ記念とさきたま杯を勝って、この3レースで「1億9000万円」の賞金を稼いどるし、JRAでは、ショウナンザナドゥでフィリーズレビュー、キャンディードで中京2歳Sを勝つなど、先週までに18勝を上げて、稼いだ賞金が「4億2863万円」と、もう去年を上回っとるんですわ。

もちろん、今の松下君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円のターコイズSにビップデイジー、1着賞金が2300万円のタンザナイトSにショウナンハクラク、1着賞金が2200万円のコールドムーンSにロードフロンティアなど、6頭を特別レースに登録してきましたんで、「どれも勝負懸かり」とワシは見とるんや。

2025/12/15
立命館大学の馬術部でキャプテンをやっとりました
西園翔太調教師(栗東)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
タガノアラリア(朝日杯FS)
タガノバビロン(ベテルギウスS)
ウイントワイライト(六甲アイランドS)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1990年に滋賀県で生まれた西園翔太君は、同じ栗東に厩舎を構えとって、2012年のマイルCSを勝ったサダムパテックとかを管理しとったことでよう知られとる、西園正都君の長男ですな。

子供の頃、翔太君は、乗り役を目指しとったんやけど、目が悪かったことなどが原因で、乗り役になるのを諦めて、将来の目標を調教師に決めたそうですわ。

そんで、乗馬クラブに通っとった翔太君は、立命館大学でも馬術部に入っとって、そこではキャプテンをやっとりました。

大学を卒業した後の翔太君は、2014年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から、正都君の厩舎でずっと調教助手をやっとったんですわ。

翔太君がおった頃の西園正都厩舎には、さっき名前を挙げたサダムパテックの他にも、2018年のヴィクトリアマイルを勝ったジュールポレールとか、走る馬が何頭もおったんで、こういう馬達と関われたんやから、翔太君にとってはホンマにエエ経験やったんでしょうな。

4回目の挑戦やった2021年の12月に、31歳の若さでめでたく調教師の試験に受かった翔太君は、藤沢和雄厩舎や矢作芳人厩舎とかで技術調教師をやっとって、馬の仕上げ方とか、厩舎をやりくりする方法とか、色んなことを教わっとったんや。

そんで、一昨年の3月に自分の厩舎を開業した翔太君は、年末までに「12勝・獲得賞金2億3903万円」っちゅう、開業1年目としてはまずまずの成績を残しとったし、去年は、「15勝・獲得賞金2億9246万円」っちゅう成績で、一昨年の数字を上回っとったんですわ。

それに、今年もエエ流れが続いとって、先週までに30勝を上げて、稼いだ賞金が「4億7011万円」と、去年を上回っとりますな。

もちろん、今の翔太君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の朝日杯FSにタガノアラリアなど、3頭を特別レースに登録してきましたんで、「どれも勝負懸かり」とワシは見とるんや。

それに、翔太君は、一昨年の3月に厩舎を開業したばかりっちゅうこともあって、まだ重賞を勝てとらんから、今回は、「初めての重賞勝ちをGIのここで」っちゅう思いも込められとるんやろ。