「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2024/07/22
乗り役時代にニシノミラーで金杯を勝っていましたね
武藤善則調教師(美浦)

主な管理馬:
モリアーナ(2023年紫苑S)
ラインカリーナ(2019年関東オークス)
ザラストロ(2012年新潟2歳S)
セラフィックロンプ(2010年愛知杯など)

今週の主な登録馬:
モリアーナ(クイーンS)

担当者:調教師情報部 元調教師N

皆さんもよく知っている通り、武藤善則君は、まだ現役で頑張っている柴田善臣君や、今は調教師をやっている石橋守君や岩戸孝樹君や須貝尚介君などと同じで、1982年に「第1期生」として競馬学校の騎手課程に入っていて、1986年に黒坂洋基さんの厩舎からデビューしました。

当時の黒坂厩舎には、1988年と1989年の根岸Sで2着だったツクバセイフウや、1990年の目黒記念で2着だったミナガワイチザンなどのオープン馬が何頭かいて、武藤君はそれらの主戦だったんですよ。

乗り役としての彼は、1989年の金杯・東(現在の中山金杯)をニシノミラーで勝つなど、調教師の試験に受かって引退した2001年までに、全部で154勝を上げていました。

ちなみに、水野貴広厩舎に所属していて、2017年に、関東の新人騎手賞にあたる、「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていた武藤雅君は、武藤君の長男です。

武藤君も、デビューした1986年に「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていて、親子で受賞したのは初めてのことだったんですよ。

2003年に自分の厩舎を開業した武藤君は、最初の年こそ、レースに使った数が少なかったので7勝止まりでしたけど、2004年には14勝、2005年には15勝と、コンスタントに勝ち星を上げていましたし、2008年には、セラフィックロンプを使った愛知杯で、初めての重賞勝ちを飾っています。

2012年には、ザラストロを使った新潟2歳Sを勝つなど、「23勝・獲得賞金3億7954万円」という成績を残していました。

それに、一昨年までの5年間は、

2018年→16勝・獲得賞金2億6790万円
2019年→17勝・獲得賞金2億7418万円
2020年→17勝・獲得賞金3億0776万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6947万円
2022年→23勝・獲得賞金3億8047万円

と書けば分かる通り、成績が「完全に右肩上がり」になっていましたし、一昨年は、2012年と2013年に並ぶ過去最多の勝利数で、稼いだ賞金は今までで一番の数字だったんですよ。

そして去年は、モリアーナを使った紫苑Sを勝ちましたけど、全部で12勝しか上げられなくて、稼いだ賞金は「2億8649万円」と、一昨年を大きく下回ってしまいましたから、今年を迎えるにあたって武藤君は、「一昨年の勢いを取り戻したい」と考えていたのでしょう。

実際、今年は、先週までに10勝を上げていて、稼いだ賞金が「2億0178万円」と、去年の同じ時期(7月23日【日】まで)の「1億6451万円」を大きく上回っていますから、もちろん、今の武藤君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうし、そういった中、今週は、1着賞金が3800万円のクイーンSにモリアーナを登録していますので、私が武藤君でしたら、間違いなくメイチに仕上げますね。

2024/07/22
加藤征弘君が転厩馬をどんどん勝たせとったのを見て…
杉山佳明調教師(栗東)

主な管理馬:
コスタボニータ(2024年福島牝馬S)
イフェイオン(2024年フェアリーS)

今週の主な登録馬:
イフェイオン(クイーンS)
ナバロン(摩周湖特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

兵庫県出身の杉山佳明君は、北海道の浦河にある「軽種馬育成調教センター」(BTC)の研修を受けて馬乗りの勉強をして、千歳の「社台ファーム」で働いた後、2009年の6月に「競馬学校」の厩務員課程に入ったんですわ。

次の年の11月からは、スワーヴリチャードとかでよう知られとる庄野靖志君の厩舎で厩務員をやって、2011年の1月からは調教助手をやって、2013年の6月に、ナリタトップロードとかでよう知られとる沖芳夫厩舎に移ったんや。

2019年の2月に沖さんが定年で引退した後は、上村洋行厩舎で調教助手をやって、この年の12月に、8回目の挑戦で調教師の試験に受かっとります。

それから杉山君は、美浦の加藤征弘厩舎と栗東の中竹和也厩舎で技術調教師をやっとりました。

ちなみに、加藤厩舎で技術調教師をやっとった理由は、杉山君が「社台ファーム」におった2002年に、同じ「社台ファーム」で働いとったことのある加藤君が厩舎を開業して、転厩してきた馬をどんどん勝たせとったのを見て、「いつか加藤征弘厩舎で勉強したい」と思ったからなんですわ。

2021年の3月に自分の厩舎を開業した杉山君は、エピローグを使った3月27日(土)の中京9Rで初勝利を上げとって、他も入れたら、年末までの成績が「14勝・獲得賞金2億4430万円」っちゅう、調教師としてまずまずのスタートを切っとったんや。

それに、開業2年目やった一昨年は、「19勝・獲得賞金3億7583万円」っちゅう成績で、2021年を大きく上回っとりました。

そんで去年は、全部で18勝を上げたんやけど、稼いだ賞金が「3億6269万円」と、一昨年を下回っとったんで、今年を迎えるにあたって、杉山君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうな。

実際、今年はイフェイオンを使ったフェアリーSで初めての重賞勝ちを飾っとるし、その他にも、コスタボニータで福島牝馬Sを勝つなど、先週までに10勝を上げて、稼いだ賞金が「3億2479万円」と、もう去年の数字を上回るのは時間の問題になっとるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円のクイーンSにイフェイオン、1着賞金が1550万円の摩周湖特別にナバロンを登録しとりますんで、ワシは、「杉山君がどっちもメイチに仕上げてくる」と見とるんですわ。

2024/07/22
日本獣医畜産大学を出てから「日本装蹄師会」の講習を受けていました
畠山吉宏調教師(美浦)

主な管理馬:
ウインブライト(2019年香港Cなど)
マイネルホウオウ(2013年NHKマイルC)
シンボリグラン(2005年CBC賞)
マイネルデュプレ(2004年共同通信杯)

今週の主な登録馬:
ウイングレイテスト(アイビスSD)
ウインチェレステ(新潟ジャンプS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

畠山吉宏君は、静岡県で生まれたんですが、母方のお祖父さんが、「青森牧場」のオーナーでした。

「青森牧場」と言えば、1964年の「桜花賞」と「オークス」を勝ったカネケヤキや、1971年の「オークス」を勝ったカネヒムロや、1978年の「有馬記念」を勝ったカネミノブなどを生産したことでお馴染みですね。

子供の頃から、何度も「青森牧場」で馬を見ていた畠山君は、お祖父さんに連れられて、よく競馬場に来ていて、カネヒムロが「オークス」を勝った時の口取り写真には、当時、8歳だった畠山君が写っているんですよ。

元々、畠山君は、「青森牧場を継ぎたい」と思っていたそうですが、レースを見ている内に、「調教師になりたい」と考えるようになって、高校を卒業してからは、日本獣医畜産大学(現在の日本獣医生命科学大学)に進みました。

大学に入ってからは、馬術部ではなく、東京競馬場の乗馬センターで馬に乗り始めたそうで、大学を卒業した後に、乗馬センターの先生から受けたアドバイスに従って、「日本装蹄師会」の講習を半年ほど受けていたんですよ。

そして畠山君は、1986年の11月から1998年の2月までは二本柳一馬さんの厩舎で、1998年の3月から1999年の2月までは根本康広君の厩舎で、それぞれ調教助手をやって、2000年の3月に自分の厩舎を開業しました。

最初の年に、「18勝・獲得賞金2億6385万円」という成績を残していた畠山君は、その後も順調に勝ち星と賞金を積み重ねていて、マイネルデュプレを使った2004年の共同通信杯で初めて重賞を勝つと、その後も、シンボリグランを使った2005年のCBC賞や、マイネルホウオウを使った2013年のNHKマイルCや、ローズプリンスダムを使った2017年のレパードSなど、今までにJRAの重賞を10勝しています。

2018年の畠山厩舎は、ウインブライトを使った中山記念を勝つなど、21勝を上げて、今までで一番多い「4億0115万円」の賞金を稼いでいましたし、2019年は、同じウインブライトで中山金杯と中山記念を勝つなど、JRAで「3億3646万円」の賞金を稼いでいて、この馬でクイーンエリザベス2世Cと香港Cも勝っていて、これを入れると、「約7億7500万円」の賞金を稼いでいたんですよ。

でも、それから一昨年までの3年間は、

2020年→16勝・獲得賞金2億7053万円
2021年→15勝・獲得賞金2億8387万円
2022年→11勝・獲得賞金2億7496万円

という形で数字が伸び悩んでいましたから、去年の畠山君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。

実際、去年は、ウイングレイテストでスワンSを勝つなど、17勝を上げて、稼いだ賞金が「3億5382万円」と、前の3年を大きく上回っていました。

そして今年は、先週までに9勝を上げていて、稼いだ賞金が「1億7578万円」と、去年の同じ時期(7月23日【日】まで)の「1億6204万円」を上回っていますから、今の畠山君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。

そういった中、今週は、1着賞金が4100万円のアイビスSDにウイングレイテスト、1着賞金が2900万円の新潟ジャンプSにウインチェレステを登録していますので、私が畠山君でしたら、どっちもメイチに仕上げるのは間違いありません。

2024/07/22
開業して2ヶ月後にジャパンCを勝っとりましたな
森秀行調教師(栗東)

主な管理馬:
キャプテントゥーレ(2008年皐月賞)
ノボトゥルー(2001年フェブラリーSなど)
エアシャカール(2000年菊花賞など)
シーキングザパール(1997年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
グレイトゲイナー(アイビスSD)
ジャスパークローネ(アイビスSD)
ディヴィナシオン(アイビスSD)

担当者:調教師情報部 元調教師T

森秀行君は、1981年の2月から戸山為夫厩舎で厩務員をやって、この年の11月からは調教助手をやっとりました。

戸山厩舎っちゅうたら、1968年のダービーを勝ったタニノハローモアとか、1992年の皐月賞とダービーを勝ったミホノブルボンなどを管理しとったことでお馴染みですな。

1993年、調教師の試験に受かった森君は、この年の5月に戸山さんが亡くなったんで、急遽、厩舎を引き継ぐ形で9月に開業しとります。

で、2ヶ月後には早くも、レガシーワールドを使ったジャパンCを勝って、周りをアッと言わせましたな。

それからも、シーキングザパールを使った1997年のNHKマイルCや、エアシャカールを使った2000年の皐月賞と菊花賞や、ノボトゥルーを使った2001年のフェブラリーSや、キャプテントゥーレを使った2008年の皐月賞とか、大きなレースで結果を残しとるし、2009年には、それまで渡辺栄さんと山内研二さんの二人しか達成しとらんかった、「JRA全10場重賞制覇」を達成しとります。

ちなみに森君は、管理馬を海外のレースにどんどん挑戦させとって、1995年にはフジヤマケンザンで「香港国際C」(現在の香港C)を勝っとったし、その後も、1998年にはフランスの「モーリス・ド・ギース賞」をシーキングザパールで、2000年にはイギリスの「ジュライC」をアグネスワールドで、2020年はサウジアラビアの「サンバサウジダービーC」をフルフラットで、2021年は「サウジダービー」をピンクカメハメハで、それぞれ勝っとりますな。

2001年の森君は、「54勝・獲得賞金12億4585万円」っちゅう、開業してから一番の成績を残しとったし、2006年も、「48勝・獲得賞金12億0238万円」っちゅう、エエ成績を残しとりました。

けど、それからは伸び悩んどって、2020年までの5年間も、

2016年→22勝・獲得賞金4億2380万円
2017年→14勝・獲得賞金3億5125万円
2018年→18勝・獲得賞金3億9746万円
2019年→15勝・獲得賞金3億2025万円
2020年→21勝・獲得賞金3億7260万円

っちゅう、昔の森厩舎を知っとる者やったら、誰が見ても物足りん数字が続いとったんや。

せやから、2021年の森君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、それからの3年間は、

2021年→33勝(重賞は3勝)・獲得賞金6億9150万円
2022年→26勝(重賞は2勝)・獲得賞金6億2770万円
2023年→31勝(重賞は1勝)・獲得賞金7億4841万円

っちゅう形で巻き返しに成功しとります。

そんで今年は、先週までに12勝を上げとるんやけど、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「2億8912万円」と、まだ去年の3割ぐらいなんやから、今の森君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のアイビスSDにグレイトゲイナーとジャスパークローネとディヴィナシオンを登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるやろうな。