「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/06/16
神奈川大学の工学部建築学科を卒業しているんですよ
木村哲也調教師(美浦)

主な管理馬:
レガレイラ(2024年有馬記念など)
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
チェルヴィニア(しらさぎS)
ウンブライル(府中牝馬S)
レッドヴェロシティ(ストークS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。

でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。

2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。

その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、

2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円

という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。

でも、その後の3年間は、

2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円

と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいました。

もちろん、2022年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら34勝を上げて、稼いだ賞金は「16億4896万円」という素晴らしい成績を残しています。

それに、一昨年もいい流れが続いて、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいましたし、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、他も入れたら44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字で、2018年に続いて二度目の「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。

ただ、去年は少し勢いがなくなっていて、チェルヴィニアでオークスと秋華賞、レガレイラで有馬記念を勝つなど、全部で36勝を上げましたけど、4月に1勝もできなかったことや、一昨年は8勝もしていた重賞を3勝しかできなかったこともあって、稼いだ賞金が「16億3280万円」と、一昨年を下回ってしまいました。

もちろん、今年を迎えるにあたって、木村君は巻き返しに燃えていたのでしょうし、実際、今年は、コスタノヴァで根岸SとフェブラリーSを、ヘデントールでダイヤモンドSと天皇賞・春を勝つなど、先週までに17勝を上げていて、稼いだ賞金が「6億9516万円」と、去年の同じ時期(6月16日【日】まで)の「5億8302万円」を大きく上回っていますから、今の木村君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。

そういった中、今週は、1着賞金が4100万円のしらさぎSにチェルヴィニア、1着賞金が3800万円の府中牝馬Sにウンブライルなど、特別レースに3頭を登録していますので、私が木村君でしたら、どれも全力で仕上げます。

2025/06/16
担当馬のコスモドリームがオークスを勝っとるんですわ
大橋勇樹調教師(栗東)

主な管理馬:
ナムラリコリス(2021年函館2歳S)
ニホンピロアワーズ(2012年ジャパンCダートなど)
ナムラタイタン(2011年武蔵野S)

今週の主な登録馬:
ニホンピロキーフ(しらさぎS)
カネトシブルーム(姫路S)
メイショウシナノ(姫路S)

担当者:調教師情報部 元調教師H

滋賀県出身の大橋勇樹君は、実家で草競馬用の馬を飼っとったことがきっかけで、子供の頃から「競馬の世界で働きたい」と考えとって、小学3年生の頃から乗馬をやっとったんや。

そんで、大学を出た後、1984年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からの2年間は、ヤエノムテキとかでお馴染みやった荻野光男さんの厩舎で調教助手をやっとったんですわ。

1986年の10月からは松田博資厩舎に移って、そん時には持ち乗りの調教助手としてコスモドリームを担当しとって、この馬が、1988年のオークスを勝ったんやから、大橋君は、「この世界でやっていける」っちゅう自信を持てたんやろな。

でもって、1990年の3月から目野哲也厩舎で調教助手をやって、2002年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業したんですわ。

最初の年は、「6勝・獲得賞金7172万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、

2005年→9勝・獲得賞金1億2401万円
2006年→11勝・獲得賞金2億0661万円
2007年→11勝・獲得賞金2億2974万円
2008年→14勝・獲得賞金2億8094万円
2009年→24勝・獲得賞金3億2924万円

っちゅう形で順調に勝ち星と賞金を積み重ねとりました。

こうやって、大橋君が順調に勝てたんは、小さい頃から馬をよう見とったことと、松田博資厩舎におった頃で言うたら、さっき名前を出したコスモドリームとか、目野哲也厩舎におった頃で言うたら、1996年のマイラーズCを勝ったニホンピロプリンスとか、1997年のガーネットSを勝ったストーンステッパーとか、走る馬を何頭も見てきた経験を、しっかりと活かせとるからなんやろ。

2011年には、ナムラタイタンを使った武蔵野Sで初めての重賞勝ちを飾っとったし、2012年には、ニホンピロアワーズを使ったジャパンCダートで初めてのGI勝ちを飾っとって、結局、この年は16勝を上げて、「4億3930万円」の賞金を稼いどったんや。

それからは伸び悩んどって、2022年までの5年間は、

2018年→18勝・獲得賞金3億1701万円
2019年→19勝・獲得賞金3憶2817万円
2020年→13勝・獲得賞金2億4111万円
2021年→24勝・獲得賞金3億9723万円
2022年→16勝・獲得賞金3億2781万円

っちゅう、2012年と比べたら物足りない数字やったけど、一昨年は、「28勝・4億5188万円」っちゅう、今までで一番の成績やったんですわ。

ただ、去年は、18勝しかできんかったこともあって、稼いだ賞金が「3億8261万円」と、一昨年を大きく下回っとったし、今年も悪い流れが続いとって、先週までに10勝を上げとるんやけど、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「1億7828万円」と、まだ一昨年の4割にも達しとらんのや。

もちろん、今の大橋君は、「一昨年の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のしらさぎSにニホンピロキーフとか、賞金の高い特別レースに3頭を登録しとるんで、ワシが彼やったら、どれもメイチに仕上げるやろうな。

2025/06/16
元横綱・稀勢の里関と同じ中学校に通っていました
林徹調教師(美浦)

主な管理馬:
ミアネーロ(2024年フラワーC)
ソングライン(2022年安田記念など)
アナザーリリック(2022年福島牝馬S)
クレッシェンドラヴ(2020年七夕賞など)

今週の主な登録馬:
アスコルティアーモ(府中牝馬S)
ミアネーロ(府中牝馬S)

担当者:調教師情報部 元調教師O

林徹君は、お父さんの仕事の関係で、10歳の時、千葉県の佐原市から、美浦の隣にある茨城県の竜ケ崎市に引っ越してきて、中学2年生の時、ウイニングチケットが勝った1993年のダービーを見て、競馬に興味を持ったそうです。

そうそう、彼が通っていた龍ケ崎市立の長山中学校は、元横綱・稀勢の里関の出身校で、林君は、野球部の先輩なんですよ。

進学校として有名な東京の開成高校に通っていた頃、「競馬の世界で働きたい」と思うようになった林君は、東京大学の医学部に進んでから、馬術部に入っていました。

ちなみに、競馬関係者の中で、開成高校の卒業生には、栗東で調教師をやっている矢作芳人君がいますし、東大の卒業生には、美浦で調教師をやっている小笠倫弘(みちひろ)君がいるんですよ。

東大を卒業した後、林君は、美浦トレセンの近くにある外厩施設の「ミホ分場」で4年くらい働いていて、当時、そこには、ゼンノロブロイ、ダンスインザムード、バランスオブゲームなど、走る馬が何頭も調整に来ていましたので、いい経験になったのでしょう。

それから、2006年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から本間忍厩舎で厩務員をやって、11月からは加藤和宏厩舎で調教助手をやって、その後は、田子冬樹厩舎と矢野英一厩舎で、調教師の試験に受かった2016年の12月まで調教助手をやっていました。

試験に受かってからの林君は、技術調教師として、社台ファームやノーザンファームや追分ファームで研修を受けた後、イギリスやアイルランドなど、海外に足を運んでいましたし、帰国してからは、同じ開成高校を出ている矢作君の厩舎で、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、2018年の3月に自分の厩舎を開業しています。

開業した年は、「10勝・獲得賞金1億1574万円」という成績でしたけど、2年目だった2019年は、クレッシェンドラヴを使った福島記念で初めて重賞を勝つなど、「18勝・獲得賞金3億1862万円」と大きく数字を伸ばしていました。

2020年は、「14勝・獲得賞金2億3938万円」という成績で、前の年の数字を下回ってしまいましたけど、2021年は、ソングラインを使った富士Sを勝つなど、24勝を上げて、賞金も「4億0467万円」と、巻き返しに成功していたんですよ。

2022年は、ソングラインを使った1351ターフスプリント(サウジアラビアのG3)で、「初めての海外重賞勝ち」を飾って、1着賞金90万ドル(約1億0400万円)を稼ぎましたし、JRAでは、同じソングラインを使った安田記念で「初めてのGI勝ち」を飾るなど、全部で22勝を上げて、「5億7782万円」の賞金を稼いでいました。

それに、一昨年もいい流れが続いていて、ソングラインでヴィクトリアマイルと安田記念を勝つなど、今までで一番多い30勝を上げて、稼いだ賞金も「7億3274万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。

ただ、去年は、14勝と、一昨年の勝利数を大きく下回ってしまいましたし、「稼ぎ頭」だったソングラインを引退させたことや、フラワーCを勝ったミアネーロ以外の馬があまり活躍できなかったこともあって、稼いだ賞金が「3億4875万円」と、やはり一昨年を大きく下回ってしまいました。

そして、今年も状況が良くなった訳ではなくて、先週までに6勝しか上げられていませんし、重賞を勝てていないこともあって、稼いだ賞金が「1憶1047万円」と、一昨年のペースを大きく下回っていますから、今の林君は、「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうし、こういった中、今週は、1着賞金が3800万円の府中牝馬Sにアスコリティアーモとミアネーロを登録していますので、「どっちも勝負懸かり」と考えておいた方がいいでしょうね。

2025/06/16
ファインモーションの厩舎から乗り役としてデビューしたんや
千田輝彦調教師(栗東)

主な管理馬:
タガノアザガル(2015年ファルコンS)

今週の主な登録馬:
ダディーズビビッド(しらさぎS)
ラケマーダ(しらさぎS)

担当者:調教師情報部 元調教師T

千田輝彦君は、1985年に競馬学校の騎手課程に「第4期生」として入って、エアグルーヴやファインモーションとかを管理しとったことでよう知られとる伊藤雄二厩舎から、1988年に乗り役としてデビューしとって、1993年に落馬事故で亡くなってしもうた岡潤一郎君や、今は調教師をやっとる菊沢隆徳君や、今は調教助手をやっとる岸滋彦君とかが同期なんや。

乗り役やった頃の千田君は、スカーレットブーケに乗った1992年の京都牝馬特別(現在の京都牝馬S)で初めて重賞を勝つと、ユーセイフェアリーに乗った1992年の阪神牝馬特別(現在の阪神牝馬S)や、ジャングルポケットに乗った2000年の札幌3歳S(現在の札幌2歳S)とか、2008年の11月に引退するまでに、重賞を6勝しとって、通算で278勝を上げとりましたな。

乗り役を引退してからは、藤岡健一厩舎で調教助手をやって、2010年の2月に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

最初の年は3勝止まりやったけど、2年目には18勝と一気に数字を伸ばしとったし、5年目やった2015年には、タガノアザガルを使ったファルコンSで初めて重賞を勝つなど、全部で13勝を上げて、「3億1488万円」の賞金を稼いどったし、2019年は、19勝を上げて、「3億1028万円」の賞金を稼いどりました。

そんでもって2022年は、11勝しかできなかったんやけど、オープンで4回も連に絡んだダディーズビビッドと、神戸新聞杯で2着に入ったヤマニンゼストの活躍などで、稼いだ賞金は「3億2953万円」と、三度目の「3億円超え」やったし、一昨年は、「26勝・獲得賞金5億8516万円」っちゅう成績で、勝利数と賞金のどっちも今までで一番の数字やったんや。

ただ、去年は勢いが止まっとって、全部で21勝を上げたんやけど、前の年に10勝もしとった特別レースを5勝しかできんかったこともあって、稼いだ賞金が「3億8525万円」と、一昨年を大きく下回ってしもうたんですわ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、千田君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、先週までに12勝を上げて、その他にも、パラディレーヌがフラワーCで2着、タガノアビーがオークスで3着に入っとることもあって、稼いだ賞金が「3億2046万円」と、もう去年の8割ぐらいになっとるんで、今の千田君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のしらさぎSにダディーズビビッドとラケマーダを登録しとるんで、この2頭にどんな思惑が込められとるんか、最後まで念入りに確認するべきやろ。