「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/02/17
「小松温泉牧場」で働いとったんや
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ルガル(2024年スプリンターズSなど)
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
エンペラーワケア(フェブラリーS)
ガイアフォース(フェブラリーS)
アグリ(阪急杯)
エランティス(大和S)
タイセイドラード(ヒヤシンスS)
ウインスノーライト(河原町S)
キャプテンネキ(河原町S)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。

彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおったから、杉山君もレースを見るようになったそうやな。

中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。

でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。

高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。

その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。

で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。

武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。

この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。

結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。

それから、一昨年までの7年間は、

2017年→18勝・獲得賞金2億7649万円
2018年→19勝・獲得賞金4億8159万円
2019年→30勝・獲得賞金5億7709万円
2020年→42勝・獲得賞金11億4271万円
2021年→37勝・獲得賞金8億0939万円
2022年→47勝・獲得賞金11億7224万円
2023年→55勝・獲得賞金15億6006万円

っちゅう形で、2021年以外は順調に勝ち星と賞金を積み重ねとったし、特に一昨年は、「調教師リーディング1位」になっとって、稼いだ賞金も今までで一番の数字だったんや。

ただ、去年は、53勝を上げたんやけど、調教師リーディングでは、55勝を上げて1位やった矢作芳人厩舎に2勝の差を付けられた3位やったし、根岸Sと武蔵野Sを勝ったエンペラーワケアと、シルクロードSとスプリンターズSを勝ったルガル以外の馬があまり活躍できんかったこともあって、稼いだ賞金が「14億3402万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、杉山君は、「一昨年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、今年は、エリカエクスプレスでフェアリーS、サトノシャイニングできさらぎ賞を勝つなど、先週までに8勝を上げて、「調教師リーディング2位」になっとるし、「1億7046万円」っちゅう、他のどの厩舎よりも多い賞金を稼いどるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

こういった中、今週は、

■1着賞金が1億2000万円のフェブラリーS
エンペラーワケア
ガイアフォース

■1着賞金が4300万円の阪急杯
アグリ

■1着賞金が2200万円の大和S
エランティス

など、7頭を特別レースに登録してきましたんで、どれも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2025/02/17
お祖父さんが神奈川県の厚木市に作ったのは…
高木登調教師(美浦)

主な管理馬:
ウシュバテソーロ(2023年ドバイワールドCなど)
ニシノデイジー(2022年中山大障害など)
サウンドトゥルー(2016年チャンピオンズCなど)
スノードラゴン(2014年スプリンターズS)

今週の主な登録馬:
ワープスピード(ダイヤモンドS)
グロバーテソーロ(金蹄S)

担当者:調教師情報部 元調教師N

お祖父さんが馬主さんという、競馬が身近な環境で育った高木登君は、麻布獣医大学(現在の麻布大学)まで馬術を続けた後、1988年に競馬学校の厩務員課程に入って、その後は、2019年の2月に定年で引退した伊藤正徳さんの厩舎で厩務員をやって、それからは、野平好男さんと山崎彰義さんと加藤征弘君と浅野洋一郎君の厩舎で調教助手をやっていました。

ちなみに、高木君のお祖父さんは、神奈川県の厚木市に「高木競走馬育成牧場」という外厩施設を作っていて、今は、高木君の叔父にあたる高木秀男さんが代表をやっているんですよ。

2006年、調教師の試験に受かった高木君は、次の年に自分の厩舎を開業して、初めの年こそ、レースに使った頭数が少なかったので「5勝・獲得賞金1億1252万円」という成績でしたが、その後は、2年目に15勝、3年目に17勝と、順調に数字を伸ばしていましたし、2014年は、マイネルフロストを使った毎日杯で初めて重賞を勝つと、その後も、ウインマーレライを使ったラジオNIKKEI賞を勝って、スノードラゴンを使ったスプリンターズSで初めてGIを勝つなど、17勝を上げて、「5億4643万円」の賞金を稼いでいました。

そして、去年までの5年間も、

2020年→21勝・獲得賞金3億4968万円
2021年→21勝・獲得賞金4億2351万円
2022年→37勝・獲得賞金6億1873万円
2023年→26勝・獲得賞金5億5184万円
2024年→27勝・獲得賞金6億1731万円

という形で順調に実績を積み重ねていましたし、一昨年は、ウシュバテソーロを使ったドバイワールドCを勝って、696万ドル(約9億0480万円)の賞金を稼いでいたんですよ。

ただ、今年は、先週までに平場の1勝しか上げられていないこともあって、稼いだ賞金が「5179万円」と、去年の同じ時期(2月18日【日】まで)の「6339万円」を下回っていますから、今の高木君は、「賞金の高いレースを勝って一気に巻き返したい」と考えているのでしょうね。

こういった中、今週は、1着賞金が4300万円のダイヤモンドSにワープスピード、1着賞金が1840万円の金蹄Sにグロバーテソーロを登録していますので、「どっちも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せません。

2025/02/17
タケホープの生産牧場で働いとったんや
吉岡辰弥調教師(栗東)

主な管理馬:
ブローザホーン(2024年宝塚記念など)
ディスペランツァ(2024年アーリントンC)
ノーブルロジャー(2024年シンザン記念)
ジャスティンロック(2021年京都2歳S)

今週の主な登録馬:
フォーチュンタイム(阪急杯)
サウスパンク(マーガレットS)
ブルーアイドガール(秋吉台特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

京都府京都市の伏見区向島(むかいじま)出身の吉岡辰弥君は、競馬好きのお父さんと京都競馬場に行ったのがきっかけで「騎手になりたい」と思うようになって、小学校6年生から競馬場の乗馬センターに通っとりました。

せやから、中学校3年生の時に競馬学校の騎手課程を受けたんやけど、そん時にはだいぶ身長が伸びとったし、試験に落ちてしもうたんで、目標を厩務員課程に切り替えて、中学校を卒業してすぐ、1973年のダービーと菊花賞を勝ったタケホープとかを生産したことでよう知られとる、北海道の浦河にある谷川牧場で働いとったんですわ。

そんで、まだ16歳やった、1993年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、同じ年の7月から藤岡範士(のりひと)厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやっとりました。

その後、2008年の3年に角居勝彦厩舎に移って、そこで10年くらい調教助手をやって、2018年の7月から、調教師の試験に受かった12月までは、中竹和也厩舎で調教助手をやっとったんですわ。

吉岡君が角居厩舎と中竹厩舎におった時には、走る馬を何頭も担当しとって、調教師の試験に受かったすぐ後、2018年のホープフルSを勝ったサートゥルナーリアも彼の担当馬でしたな。

試験に受かってから厩舎を開業するまでの間は、技術調教師として中内田充正君の厩舎に所属して、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなどを教わっとったし、角居厩舎のキセキがフランスに遠征した時に帯同して、海外経験も積んどったんですわ。

2020年の3月に自分の厩舎を開業した吉岡君は、トゥインクルリーフを使った3月15日(日)の中京6Rで、「JRA初出走・初勝利」を飾っとって、他も入れたら、年末までに「14勝・獲得賞金2億4590万円」っちゅう、最初の年としてはまずまずの成績を残しとりました。

2年目やった2021年は、スマッシャーを使ったユニコーンSで初めての重賞勝ちを飾ると、ジャスティンロックを使った京都2歳Sも勝つなど、「27勝・獲得賞金4億7586万円」っちゅう、前の年を大きく上回る成績を残しとったんですわ。

そんでもって2022年は、「22勝・獲得賞金3億7274万円」っちゅう成績で、2021年を大きく下回ってしもうたんやけど、一昨年は、「38勝・獲得賞金5億6780万円」っちゅう素晴らしい成績を残して、巻き返しに成功しとります。

それに、去年もエエ流れが続いとって、地方では、ディクテオンを使った白山大賞典を勝って、「3000万円」の賞金を稼いどったし、JRAでは、ブローザホーンを使った宝塚記念で「初のGI勝ち」を飾るなど、重賞を3勝して、他も入れたら32勝を上げて、稼いだ賞金が「9億1891万円」と、開業してから一番の数字になっとったんですわ。

ただ、今年は、先週までに5勝を上げとるんやけど、重賞に一度しか馬を使えとらんこともあって、稼いだ賞金が「9697万円」と、去年の同じ時期(2月18日【日】まで)の「1億1861万円」を下回っとるんで、今の吉岡君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4300万円の阪急杯にフォーチュンタイムとか、特別レースに3頭を登録してきましたんで、ワシが吉岡君やったら、どれも気合いを入れて仕上げますわ。

2025/02/17
日本獣医畜産大学の卒業生やな
斉藤崇史調教師(栗東)

主な管理馬:
ジェラルディーナ(2022年エリザベス女王杯など)
キラーアビリティ(2021年ホープフルSなど)
クロノジェネシス(2021年宝塚記念など)
ラウダシオン(2020年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
セッション(阪急杯)
ヤマニンウルス(小倉大賞典)
アメリカンビキニ(マーガレットS)

※ヤマニンウルスはフェブラリーSにも登録しているが、現時点では賞金不足で除外対象

担当者:調教師情報部 元調教師I

神奈川県出身の斉藤崇史君は、中学生の時に、マヤノトップガンが勝った1995年の有馬記念を見たことがきっかけで競馬が大好きになって、高校生の時に、夏休みを使って北海道の牧場で1ヶ月くらい住み込みで働いて、そん時に、「調教師を目指す」と決めたそうですな。

せやから、進学先に日本獣医畜産大学(今の日本獣医生命科学大学)を選んで、もちろん馬術部に入っとったし、在学中は、「小松温泉牧場」(住所:石川県小松市埴田町21)でアルバイトをしとって、四年生の時には、もっと馬のことを勉強するために、半年くらいアイルランドに留学しとって、卒業した後は、2年くらい「ノーザンファーム」(住所:北海道勇払郡安平町早来源武275)で働いとったんですわ。

それから、2007年の6月に競馬学校の厩務員課程に入っとって、次の年の2月からは松永幹夫厩舎で厩務員を、7月からは調教助手をやっとったんや。

松永厩舎に入ってから1年くらいの時に斉藤君は、レッドディザイアの担当になって、この馬が2009年の秋華賞を勝っとるし、ドバイとアメリカに遠征した時も帯同しとったんですわ。

2014年の12月、調教師の試験に受かった斉藤君は、2016年の3月に自分の厩舎を開業しとって、この年は「7勝・獲得賞金1億4086万円」っちゅう成績を残しとりました。

でもって、その後の3年間は、

2017年→17勝・獲得賞金2億9929万円
2018年→25勝・獲得賞金3億9086万円
2019年→24勝・獲得賞金5億9503万円

と書けば分かる通りで、賞金が「完全に右肩上がり」やったし、特に2019年は、クロノジェネシスを使ったクイーンCで初めて重賞を勝つと、この馬を使った秋華賞で、初めてGIを勝ったんですわ。

この後も、斉藤君の厩舎はエエ流れが続いて、2020年は、ラウダシオンを使ったNHKマイルC、クロノジェネシスを使った宝塚記念と有馬記念を勝つなど、重賞を5勝、全部で34勝を上げて、稼いだ賞金は「13億5145万円」と、今までで一番の数字やったし、2021年も、クロノジェネシスを使った宝塚記念、キラーアビリティを使ったホープフルSを勝つなど、今まで一番多い44勝を上げとって、2020年の次に多い「11億6956万円」の賞金を稼いどりました。

ただ、その後の3年間は、ジェラルディーナで2022年のエリザベス女王杯、クロワデュノールで去年のホープフルSを勝つなど、重賞を11勝もしとるんやけど、全体では、

2022年→37勝・獲得賞金11億0689万円
2023年→29勝・獲得賞金7億7421万円
2024年→42勝・獲得賞金8億0950万円

っちゅう成績で、2021年までを大きく下回っとります。

それに、今年も状況があまり変わっとらんで、スマイルスルーを使った小倉ジャンプSを勝っとるんやけど、先週までに3勝しかできとらんこともあって、稼いだ賞金が「7377万円」と、去年の同じ時期(2月18日【日】まで)の「8519万円」を下回っとるんですわ。

もちろん、今の斉藤君は、「エエ頃の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、阪急杯(1着賞金4300万円)にセッション、小倉大賞典(同)にヤマニンウルスとか、特別レースに3頭を登録してきましたんで、どれもメイチに仕上げてくるやろ。