「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/03/10
去年は「9億9846万」の賞金を稼いどりますな
安田翔伍調教師(栗東)

主な管理馬:
ダノンデサイル(2024年ダービーなど)
ピューロマジック(2024年北九州記念など)
オメガパフューム(2020年東京大賞典など)
キングオブコージ(2020年目黒記念など)

今週の主な登録馬:
デシエルト(金鯱賞)
オメガインペリアル(恋路ケ浜特別)
コーチェラバレー(ゆきやなぎ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師I

誰でもよう知っとる通り、安田翔伍君は、同じ栗東に厩舎を構えとって、去年の3月5日(火)に引退した安田隆行君の次男ですな。

隆行君は、乗り役やった頃に、1991年の皐月賞とダービーをトウカイテイオーで勝つとか、通算680勝を上げとったし、厩舎を開業してからは、ダートの重賞を6勝したトランセンドや、スプリンターズSと高松宮記念を勝ったカレンチャンや、香港スプリントを連覇するなど、重賞を9勝したロードカナロアとか、よう走る馬を何頭も管理しとったから、競馬ファンなら誰でも、彼のことをよう知っとるんやろ。

それに隆行君は、2019年に、「62勝・獲得賞金12億9916万円」っちゅう成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっとりましたな。

翔伍君は、中学3年生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験に落ちてしもうて、次の年も受けようと思っとったんやけど、高校に通っとるうちに体が大きくなってしもうたんで、騎手になるのを諦めたそうや。

せやけど、「競馬の世界に進みたい」と考えとった彼は、高校を中退して、北海道の新冠にある「ノースヒルズマネジメント」(現在のノースヒルズ)で働いてから、半年くらいアイルランドに留学しとって、帰国した後は、3年ほど「ノーザンファーム空港」で働いて、それから、2002年に競馬学校の厩務員課程に入ったんですわ

2003年に競馬学校を出た後、翔伍君は、その年の1月から親父さんの厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、カレンチャンやロードカナロアとかを担当するなど、2016年、調教師の試験に受かるまでの14年間、ずっと親父さんの厩舎で経験を積んどったんや。

そんで、「社台ファーム」で技術調教師として経験を積んでから、2018年の3月に自分の厩舎を開業した翔伍君は、それから年末までに、オメガパフュームを使ったシリウスSで初めて重賞を勝つなど、JRAで「9勝・獲得賞金2億4480万円」っちゅう成績を残しとって、その後も、JRAでは、

2019年→23勝・獲得賞金3億5386万円
2020年→21勝・獲得賞金4億6222万円
2021年→28勝・獲得賞金5億2015万円
2022年→23勝・獲得賞金6億4208万円

ちゅう形で賞金が「右肩上がり」になっとったし、オメガパフュームを使った2018年の東京大賞典で初めてのG1勝ちを飾っとって、他も入れたら、この馬でJRAと地方交流を合わせて重賞を8勝もしとるんやから、親父さんの厩舎で走る馬を担当しとった経験をよう活かせとるんやろ。

そんで一昨年は、ジャスティンカフェを使ったエプソムCを勝つなど、27勝を上げたんやけど、JRAと地方で7億円以上を稼いどったオメガパフュームを引退させたことが響いて、稼いだ賞金は「5億7671万円」と、2022年を下回っとったんですわ。

せやから、去年の翔伍君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、去年はダノンデサイルでダービーと京成杯、ピューロマジックで葵Sと北九州記念、デシエルトで中日新聞杯を勝つなど、21勝を上げとって、稼いだ賞金が「9億9846万円」と、今までで一番の数字になっとりました。

それに、今年もエエ流れが続いとって、地方で、ロードフォンスを使ったかきつばた記念を勝って、「3000万円」の賞金を稼いどるし、JRAでは、ダノンデサイルでアメリカJCCを勝つなど、先週までに8勝を上げて、稼いだ賞金が「1億8233万円」と、去年の同じ時期(3月10日【日】まで)の「1億0389万円」を大きく上回っとるんですわ。

もちろん、今の翔伍君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の金鯱賞にデシエルトとか、特別レースに3頭を登録してきましたんで、ワシが翔伍君やったら、どれもキッチリ仕上げますわ。

2025/03/10
お父さんはダイワメジャーを管理していましたね
上原佑紀調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
ピコチャンブラック(スプリングS)
ニコラウス(伊良湖特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

上原佑紀君は、同じ美浦に厩舎を構えていて、2006年の天皇賞・秋など、GIを5勝したダイワメジャーや、2017年の高松宮記念を勝ったセイウンコウセイなどの調教師としてよく知られている、上原博之君の次男ですね。

お父さんの仕事を考えれば当然ですが、佑紀君は、小学3年生の頃から馬術をやっていて、高校時代には「全日本ジュニア選手権」で優勝していましたし、その頃から、「将来は馬に関わる仕事をしたい」と考えていて、そのために、今は神奈川県の藤沢市に校舎がある日本大学の獣医学科に進学して、そこではもちろん馬術部に入っていましたし、「全日本学生馬術会」で優勝するほどの腕前だったんですよ。

大学を卒業した後は、美浦トレセンの診療所で獣医として働いていたんですけど、「自分の経験が調教師として活かせるんじゃないか」と思って、2016年から「ノーザンファーム空港」(住所:北海道苫小牧市美沢114-2)で働いていましたし、競馬学校に入学する前には、2021年のクイーンエリザベス2世Sなど、G1を6勝もしたバーイードを管理していたことでよく知られているイギリスのウィリアム・ハガス厩舎や、フランスの小林智厩舎で、1年間ぐらい馬のことを学んでいました。

帰国してからは、2017年に競馬学校の厩務員課程に入って、2018年からは池上昌和厩舎で厩務員と調教助手をやって、2019年からは堀宣行厩舎で調教助手をやって、3回目の挑戦だった2021年に、調教師の試験に合格しています。

ちなみに、佑紀君は1990年の生まれで、平成生まれが調教師になったのは、彼が初めてだったんですよ。

試験に合格した後は、開業するまでに時間があったので、藤沢和雄厩舎と国枝栄厩舎と矢作芳人厩舎と中内田充正厩舎で研修を受けていましたし、武幸四郎厩舎のセキフウがサウジアラビアとドバイに遠征した時と、新谷功一厩舎のクラウンプライドがアメリカに遠征した時は、技術調教師として帯同していました。

そして、一昨年の3月に厩舎を開業していて、同期の調教師には、小栗実君と緒方努君と西園翔太君がいます。

一昨年の佑紀君は、年末までに「16勝・獲得賞金2億1110万円」という、最初の年としてはまずまずの成績を残していましたし、勝利数が、同期の中では一番だったんですよ。

こうやっていいスタートを切れたのは、調教助手をやっていた時と、自分の厩舎を開業する前に、色々な厩舎で学んだことをしっかりと活かせているからなのでしょうね。

そして去年は、26勝を上げていて、その他にも、スプリングSに使ったアレグロブリランテが2着に入るなど、稼いだ賞金が「5億0593万円」と、一昨年の2倍以上になっていました。

それに、今年もいい流れが続いていて、ポッドベイダーでマーガレットSを勝ったこともあって、稼いだ賞金が「5256万円」と、去年の同じ時期(3月10【日】まで)の「5137万円」を少しとは言え上回っていますから、今の佑紀君は、「この勢いを止めたくない」と考えている筈です。

そんな中、今週は、1着賞金が5400万円のスプリングSにピコチャンブラック、1着賞金が1550万円の伊良湖特別にニコラウスを登録してきましたので、どっちもメイチに仕上げてくるでしょうね。

そうそう、佑紀君の厩舎は、一昨年の3月に開業したばかりということもあって、まだ重賞を勝てていませんから、スプリングSのピコチャンブラックには、「初めての重賞勝ちをこの馬で」という思いも込められていると私は見ています。

2025/03/10
社台系の生産馬はほとんど預かっとらんのですわ
昆貢調教師(栗東)

主な管理馬:
アンジュデジール(2018年JBCレディスクラシックなど)
ヒルノダムール(2011年天皇賞・春など)
ローレルゲレイロ(2009年スプリンターズSなど)
ディープスカイ(2008年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
マテンロウバローズ(スプリングS)
マテンロウアレス(難波S)

担当者:調教師情報部 元調教師H

昆貢(こん・みつぐ)君は、キタノカチドキやニホンピロウイナーとかを管理しとった服部正利さんの厩舎から、1978年に乗り役としてデビューして、1989年に引退した後、福島信晴厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1999年に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとりますな。

昔から彼は、「日高の生産馬で結果を出すことが、競馬界全体の活性化に繋がる」っちゅう信念を持っとって、実際に、今、預かっとる34頭は、日高にある牧場で生産された馬が中心で、「社台ファーム」や「ノーザンファーム」とか、社台系の牧場で生産された馬はほとんど預かっとらんのですわ。

せやけど、浦河の笠松牧場で生産されたディープスカイで2008年のダービーとNHKマイルCを勝っとるし、新冠の村田牧場で生産されたローレルゲレイロで2009年の高松宮記念とスプリンターズSを勝っとって、その他にも、静内の橋本牧場で生産されたヒルノダムールで2011年の天皇賞・春を勝っとるんやから、ホンマに大したもんですな。

昆君の厩舎は、ディープスカイがGIを2勝した2008年に、20勝を上げて、「9億0432万円」っちゅう、今までで一番の賞金を稼いどりました。

それからは数字が伸び悩んどって、2021年までの3年間も、

2019年→獲得賞金4億3822万円
2020年→獲得賞金4億4526万円
2021年→獲得賞金4億1375万円

と書けば分かる通り、賞金が2008年の半分以下やったんやけど、2022年は、マテンロウオリオンを使ったシンザン記念と、マテンロウレオを使ったきさらぎ賞を勝つなど、稼いだ賞金が「5億2006万円」と、前の3年を大きく上回っとります。

ただ、一昨年は12勝しかできとらんし、重賞を勝てんかったこともあって、稼いだ賞金が「4億0699万円」と、2022年を大きく下回っとったんや。

それに、去年も悪い流れが続いとって、全部で6勝だけやったこともあって、稼いだ賞金が「2億5485万円」と、一昨年を大きく下回っとったから、今年を迎えるにあたって、昆君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。

実際、今年は、先週までにもう6勝を上げとって、その他にも、マテンロウレオがアメリカJCCで2着に入ったこともあって、稼いだ賞金が「8335万円」と、去年の同じ時期(3月10日【日】まで)の「6053万円」を上回っとります。

そんな中、今週は、1着賞金が5400万円のスプリングSにマテンロウバローズ、1着賞金が1840万円の難波Sにマテンロウアレスを登録しとるんで、ワシが昆君やったら、「この勢いを止めたくない」と考えて、どっちもメイチに仕上げるやろうな。

2025/03/10
お父さんが北島三郎さんの母校で校長を務めていたそうですね
相沢郁調教師(美浦)

主な管理馬:
ヴェルデグリーン(2014年アメリカJCCなど)
ダンスインザモア(2005年スプリングSなど)
ジョウテンブレーヴ(2001年マイラーズCなど)
ウメノファイバー(1999年オークスなど)

今週の主な登録馬:
ライラック(金鯱賞)
スワローシチー(スプリングS)
コスモジンバック(阿見特別)
ルーチェロッサ(房総特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

北海道出身の相沢郁(いくお)君は、高校を出てから、神奈川県の相模原市にある麻布大学の獣医学部に進んでいて、その頃、門別の白井牧場でアルバイトをしたことがきっかけで、「JRAの獣医になりたい」と思ったそうですが、その後、「やっぱり調教師になりたい」と思うようになったそうです。

彼がアルバイトをしていた白井牧場と言えば、1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティアや、2000年の桜花賞を勝ったチアズグレイスなどを生産したことでお馴染みですね。

ちなみに、相沢君のお父さんは高校の先生で、北島三郎さんの母校、函館西高校の校長を務めたこともあるそうですよ。

競馬学校を出た後の相沢君は、1986年の11月から、前田禎(ただし)厩舎で調教助手をやって、1997年に38歳で調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、ずっと前田厩舎で腕を磨いていました。

前田厩舎と言えば、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなどでお馴染みですね。

1998年に開業してからの相沢君は、その年の11月に、ウメノファイバーを使った京王杯3歳Sで早くも重賞を勝つと、次の年にも、ウメノファイバーでクイーンCとオークスを勝つなど、今までにJRAの重賞を20勝しています。

2014年の相沢厩舎は、ヴェルデグリーンでアメリカJCCを勝つなど、全部で18勝を上げて、「5億7189万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいましたし、2019年は、エメラルファイトでスプリングS、ブラックホールで札幌2歳Sを勝つなど、2012年と並んで一番多い29勝を上げて、「5億0600万円」の賞金を稼いでいました。

でも、その後の5年間は、

2020年→21勝・獲得賞金4億3069万円
2021年→10勝・獲得賞金3億0009万円
2022年→21勝・獲得賞金3億9150万円
2023年→17勝・獲得賞金3億2990万円
2024年→12勝・獲得賞金2億4363万円

と書けば分かる通り、成績が伸び悩んでいますから、今年を迎えるにあたって、相沢君は、巻き返しに燃えていた筈です。

実際、今年は、先週までに稼いだ賞金が「6621万円」と、去年の同じ時期(3月10日【日】まで)の「4828万円」を上回っていますから、今の相沢君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の金鯱賞にライラック、1着賞金が5400万円のスプリングSにスワローシチーなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたので、「どれも勝負懸かり」と私は見ていますし、実際にどう仕上げてくるのか、最後まで注目したいところですね。