「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/02/12
一昨年は「18億6413万円」の賞金を稼いでいましたけど…
木村哲也調教師(美浦)

主な管理馬:
レガレイラ(2024年有馬記念など)
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
チェルヴィニア(京都記念)
レッドキングリー(共同通信杯)
ニュージーズ(銀蹄S)

担当者:調教師情報部 元調教師M

木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。

でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。

2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。

その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、

2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円

という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。

でも、その後の3年間は、

2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円

と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいました。

もちろん、2022年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら34勝を上げて、稼いだ賞金は「16億4896万円」という素晴らしい成績を残しています。

それに、一昨年もいい流れが続いて、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいましたし、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、他も入れたら44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字で、2018年に続いて二度目の「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。

ただ、去年は少し勢いがなくなっていて、チェルヴィニアでオークスと秋華賞、レガレイラで有馬記念を勝つなど、全部で36勝を上げましたけど、4月に1勝もできなかったことや、一昨年は8勝もしていた重賞を3勝しかできなかったこともあって、稼いだ賞金が「16億3280万円」と、一昨年を下回ってしまいました。

そして、今年も悪い流れが続いていて、先週までに4勝を上げていますけど、根岸Sを勝ったコスタノヴァ以外の馬があまり活躍できていないこともあって、稼いだ賞金が「7476万円」と、去年の同じ時期(2月11日【日】まで)の「1億0339万円」を下回っていますから、今の木村君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返したい」と考えているのでしょうね。

そういった中、今週は、1着賞金が6200万円の京都記念にチェルヴィニア、1着賞金が4100万円の共同通信杯にレッドキングリーなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録していますので、私が木村君でしたら、どれも全力で仕上げます。

2025/02/12
サイレンススズカの厩舎におったんや
中内田充正調教師(栗東)

主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
マディソンガール(クイーンC)
アスクコンナモンダ(洛陽S)
ポルカリズム(雲雀S)
シャイニングソード(箱根特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、少し前まで牧場の代表をやっとった中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の副会長理事もやっとります。

「信楽牧場」は、できたのが1970年っちゅう、関西では一番長くやっとる外厩施設で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を構えとるんや。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。

卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやった、アメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

結局、10年くらい海外で勉強しとった充正君は、日本に戻ってから、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。

そんで、中内田君の厩舎は、開業した2014年が「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
2020年→36勝・獲得賞金7億7341万円(同12位)

っちゅう形で順調に実績を積み重ねとって、2021年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ、2022年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、2021年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11勝の差を付けられた3位やったし、一昨年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、48勝を上げて、今までで一番多い「17億4265万円」の賞金を稼いどったんやけど、リーディングは、55勝で1位の杉山晴紀厩舎に7勝の差を付けられた3位やったんですわ。

そんでもって去年は、クイーンズウォークでクイーンCとローズS、プログノーシスで金鯱賞を勝つなど、重賞を5勝して、他も入れたら42勝を上げたんやけど、リーディングは、55勝を上げて1位の矢作芳人厩舎に13勝の差を付けられた10位やったし、GIを勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「10億3610万円」と、一昨年を大きく下回っとったんや。

それに、今年も悪い流れが続いとって、ロードデルレイで日経新春杯を勝っとるんやけど、先週までに4勝しかできとらんこともあって、稼いだ賞金が「1億3034万円」と、去年の同じ時期(2月11日【日】まで)の「1億3840万円」を、ホンの少しとは言え下回っとるんで、今の中内田君は、「エエ頃の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円のクイーンCにマディソンガール、1着賞金が2700万円の洛陽Sにアスクコンナモンダなど、4頭を特別レースに登録しとるんで、「どれも勝負懸かり」と見ておくべきやろ。

2025/02/12
武幸四郎君などが競馬学校騎手課程の同期なんですよ
村田一誠調教師(美浦)

主な管理馬:
サンデイビス(2024年京都ハイジャンプ)

今週の主な登録馬:
リトルジャイアンツ(共同通信杯)
ピーターサイト(小倉ジャンプS)
スピーディブレイク(箱根特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

新潟県の柏崎市で生まれ育った村田一誠君は、周りに競馬関係者がいた訳ではなく、お父さんは設計の仕事をしていたんですけど、競馬が大好きだった従兄から、顔を合わせる度に「騎手になった方がいい」と勧められて、それを聞いて乗り気になったご両親が、競馬学校騎手課程の願書を取り寄せて、本人が受験することになって、めでたく合格しましたので、「第13期生」として入学しました。

競馬学校の同期には、

秋山真一郎君→現在は技術調教師
江田勇亮(ゆうすけ)君→現役
勝浦正樹君→去年の4月に引退
武幸四郎君→現在は調教師
武士沢友治君→現在は競馬学校の教官
松田大作君→一昨年の12月に引退

などがいます。

1994年に松永勇厩舎からデビューした村田君は、最初の年こそ9勝しか上げられなかったんですけど、次の年は26勝と、一気に成績を伸ばしていました。

その後は、2007年のアルゼンチン共和国杯をアドマイヤジュピタで勝つなど、重賞を6勝していて、他も入れたら、全部で392勝を上げています。

2020年に、6回目の挑戦で調教師の試験に合格した村田君は、その年の12月に乗り役を引退して、それからは、引退する前に所属していた藤原辰雄厩舎で、厩舎をどうやって運営するかなどを学んでいました。

そして、勇退した藤原君の厩舎を引き継ぐ形で、2021年の12月21日(火)に自分の厩舎を開業しています。

開業したのが遅かったので、流石に最初の年は勝ち星を上げられなかったんですけど、去年までの3年間は、

2022年→7勝・獲得賞金8605万円
2023年→5勝・獲得賞金1億0428万円
2024年→11勝・獲得賞金2億5630万円

という形で賞金が「右肩上がり」になっていましたし、特に去年は、サンデイビスを使った京都ハイジャンプで、調教師としては初めての重賞勝ちを飾っているんですよ。

ただ、今年は、先週までに2勝しか上げられていないこともあって、稼いだ賞金が「2804万円」と、去年の同じ時期(2月11日【日】まで)の「3998万円」を下回っていますから、今の村田君は、「少しでも去年のペースに近付けたい」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の共同通信杯にリトルジャイアンツなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録していますから、「どれも勝負懸かり」と考えておくべきでしょうし、実際に村田君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せません。

2025/02/12
実家が北海道の門別にある生産牧場です
高柳瑞樹調教師(美浦)

主な管理馬:
スターズオンアース(2022年オークスなど)
アイスジャイアント(2021年JBC2歳優駿)
ホウオウイクセル(2021年フラワーC)
タマノブリュネット(2016年レディスプレリュード)

今週の主な登録馬:
エストゥペンダ(クイーンC・共同通信杯)

担当者:調教師情報部 元調教師O

高柳瑞樹君は、実家が北海道の門別にある生産牧場で、もちろん、彼は子供の頃から牧場の仕事を手伝っていました。

2017年に調教師の試験に受かって、2018年の3月に栗東で厩舎を開業した高柳大輔君は、瑞樹君の弟で、歳は二つ違いです。

瑞樹君が馬に乗り始めたのは、札幌光星高校の馬術部に入ってからで、当時は札幌競馬場の乗馬センターでも練習していました。

そして、スポーツ推薦で入った明治大学でも、もちろん馬術部に入っていて、1997年には主将を任されていましたし、その年に明治大学の馬術部は、「全日本学生三大大会」で団体優勝を飾ったんですよ。

大学を卒業する頃、実家の牧場を継ぐかどうかを両親に相談したところ、お父さんからトレセンで働くことを勧められて、1999年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から吉永正人厩舎で厩務員をやって、次の月からは伊藤伸一厩舎で調教助手をやっていました。

6回目の挑戦だった2010年に、調教師の試験に受かった瑞樹君は、技術調教師として、栗東の藤原英昭厩舎に所属して、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、その年の12月21日(火)に自分の厩舎を開業しています。

それから、実際に馬を走らせ始めた2011年が5勝、2012年が10勝、2013年が17勝、2014年が20勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2015年には、今までで一番の25勝を上げて、「3億2186万円」の賞金を稼いでいました。

2016年は、JRAでは「22勝・獲得賞金2億9183万円」と、前の年の数字を少し下回ってしまいましたけど、地方で、ヴィータアレグリアを使った1着賞金が2100万円のマリーンCと、タマノブリュネットを使った1着賞金が3100万円のレディスプレリュードを勝っていたんですよ。

でも、その後の4年間は、

2017年→16勝・獲得賞金2億4834万円
2018年→16勝・獲得賞金2億4194万円
2019年→24勝・獲得賞金2億7497万円
2020年→14勝・獲得賞金2億6538万円

という形で成績が伸び悩んでいましたから、2021年の瑞樹君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。

実際、2021年は、ホウオウイクセルを使ったフラワーCで、初めてJRAの重賞を勝つなど、「21勝・獲得賞金2億9972万円」という成績を残していて、勝ち星と賞金のどっちも、前の年を上回っていましたし、地方では、アイスジャイアントを使った1着賞金が3000万円のJBC2歳優駿を勝っていました。

そして、2022年も勢いは続いていて、スターズオンアースで桜花賞とオークスを勝つなど、全部で18勝を上げて、稼いだ賞金は「7億6852万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。

でも、一昨年は11勝しか上げられなくて、しかも、ジャパンCで3着、有馬記念で2着だったスターズオンアースと、京阪杯を勝ったトウシンマカオ以外の馬があまり活躍できなかったこともあって、稼いだ賞金は「7億3091万円」と、2022年を下回ってしまいました。

それに、去年も状況が良くなった訳ではなくて、16勝を上げましたけど、オーシャンSとセントウルSを勝ったトウシンマカオ以外の馬がほとんど活躍できなかったこともあって、稼いだ賞金が「3億8527万円」と、一昨年を大きく下回っています。

もちろん、今年を迎えるにあたって、瑞樹君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうね。

実際、今年は、先週までに3勝を上げていて、稼いだ賞金が「5306万円」と、去年の同じ時期(2月11日【日】まで)の「2437万円」を大きく上回っていますから、今の瑞樹君は、「この勢いを止めたくない」と考えている筈です。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円のクイーンCにエストゥペンダ(共同通信杯にも登録)を登録してきましたので、間違いなくメイチに仕上げてくるでしょうね。