「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2024/08/12
ルーラーシップの香港遠征に帯同しとりましたな
中内田充正調教師(栗東)

主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
プログノーシス(札幌記念)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の副会長理事もやっとります。

「信楽牧場」は、関西で一番古い外厩施設で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。

卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやった、アメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

結局、10年くらい海外で勉強しとった充正君は、日本に戻ってから、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。

そんで、開業して初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
2020年→36勝・獲得賞金7億7341万円(同12位)

っちゅう形で順調に実績を積み重ねとって、2021年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ、一昨年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、2021年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11勝差を付けられた3位やったし、去年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、48勝を上げて、今までで一番多い「17億4265万円」の賞金を稼いどったんやけど、リーディングは、55勝で1位の杉山晴紀厩舎に7勝差を付けられた3位やったんですわ。

そんでもって今年は、クイーンズウォークでクイーンC、プログノーシスで金鯱賞を勝つなど、先週までに28勝を上げとるんやけど、リーディングは、35勝を上げて1位の堀宣行厩舎に7勝差を付けられた7位やし、GIを勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「6億3840万円」と、まだ去年の4割にも届いとらんのや。

せやから、今の中内田君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にプログノーシスを登録しとるんで、「勝負懸かり」と見ておくべきやろ。

2024/08/12
調教助手としてロードカナロアを担当しとったんや
安田翔伍調教師(栗東)

主な管理馬:
ダノンデサイル(2024年ダービーなど)
ピューロマジック(2024年北九州記念など)
オメガパフューム(2020年東京大賞典など)
キングオブコージ(2020年目黒記念など)

今週の主な登録馬:
ピューロマジック(CBC賞)
ダノンミカエル(NST賞・上越S)

担当者:調教師情報部 元調教師S

安田翔伍君の親父さんは、同じ栗東で厩舎を構えとって、今年の3月5日(火)に引退した安田隆行君ですな。

隆行君は、乗り役やった頃に、1991年の皐月賞とダービーをトウカイテイオーで勝つとか、通算680勝を上げとったし、厩舎を開業してからは、ダートのG1を4勝したトランセンドや、スプリンターズSと高松宮記念を勝ったカレンチャンや、香港スプリントを連覇するなど、G1を6勝したロードカナロアとか、よう走る馬を何頭も管理しとったから、競馬ファンなら誰でも、彼のことをよう知っとるんやろ。

それに隆行君は、2019年に、「62勝・獲得賞金12億9916万円」っちゅう成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっとりましたな。

その次男として生まれた翔伍君は、中学3年生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験に落ちてしもうて、次の年も受けようと思っとったんやけど、高校に通っとるうちに体が大きくなってしもうたんで、騎手になるのを諦めたんや。

せやけど、「競馬の世界に進みたい」と考えとった彼は、高校を中退して、北海道の新冠にある「ノースヒルズマネジメント」(現在のノースヒルズ)で働いてから、半年くらいアイルランドに留学しとって、帰国した後は、3年ほど「ノーザンファーム空港」で働いて、それから、2002年に競馬学校の厩務員課程に入っとりました。

2003年に競馬学校を出た後、翔伍君は、その年の1月から親父さんの厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、カレンチャンやロードカナロアとかを担当するなど、2016年、調教師の試験に受かるまでの14年間、ずっと親父さんの厩舎で経験を積んどったんや。

そんで、「社台ファーム」で技術調教師として経験を積んでから、2018年の3月に自分の厩舎を開業した翔伍君は、それから年末までに、オメガパフュームを使ったシリウスSで初めて重賞を勝つなど、JRAで「9勝・獲得賞金2億4480万円」っちゅう成績を残しとって、その後も、JRAでは、

2019年→23勝・獲得賞金3億5386万円
2020年→21勝・獲得賞金4億6222万円
2021年→28勝・獲得賞金5億2015万円
2022年→23勝・獲得賞金6億4208万円

ちゅう形で賞金が「右肩上がり」になっとったし、オメガパフュームを使った2018年の東京大賞典で初めてのG1勝ちを飾っとって、他も入れたら、この馬でJRAと地方交流を合わせて重賞を8勝もしとるんやから、親父さんの厩舎で走る馬を担当しとった経験を、しっかり活かせとるんやろ。

そんで去年は、ジャスティンカフェを使ったエプソムCを勝つなど、27勝を上げたんやけど、JRAと地方で7億円以上を稼いどったオメガパフュームを引退させたことが響いて、稼いだ賞金は「5億7671万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。

せやから、今年を迎えるにあたって安田君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、今年はダノンデサイルでダービーと京成杯、ピューロマジックで葵Sと北九州記念を勝つなど、先週までに14勝を上げとって、稼いだ賞金が、「6億7031万円」と、もう去年を上回っとって、今までで一番の数字になっとるから、今の翔伍君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のCBC賞にピューロマジック、1着賞金が2200万円のNST賞にダノンミカエル(上越Sにも登録)を特別レースに登録してきましたんで、どっちもキッチリ仕上げてくるやろうな。

2024/08/12
芝浦工業大学の工学部を卒業しているんですよ
奥村武調教師(美浦)

主な管理馬:
キミワクイーン(2023年函館スプリントS)
ノースブリッジ(2023年アメリカJCCなど)
クールキャット(2021年フローラS)
ライジングリーズン(2017年フェアリーS)

今週の主な登録馬:
ノースブリッジ(札幌記念)
ショウナンアメリア(知床特別)
ホウオウプレミア(大通公園特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

東京都板橋区出身の奥村武君は、周りに競馬関係者がいた訳ではないんですが、13歳の時、オグリキャップとホーリックスが叩き合った1989年のジャパンCを見て、競馬に興味を持ったそうですね。

次の年の、アイネスフウジンが勝ったダービーは、お母さんと一緒に見ていたそうで、その時、心の底から競馬が好きになって、中学2年生の頃には騎手を目指していたそうですが、身長が伸びてしまい、体重を落とせなくなってしまったため、騎手になることを諦めたそうです。

その後は、普通に会社勤めをしようと思って、1999年に芝浦工業大学の工学部金属工学科を卒業したんですが、「やっぱり馬に関わりたい」と思って、北海道の浦河にある育成牧場の「ディアレストクラブ」で働いて、2001年の10月、競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から高橋義博厩舎で厩務員をやって、2003年の2月から国枝栄厩舎で調教助手をやっていました。

奥村君が国枝厩舎にいた時には、2010年の牝馬三冠など、GIを5つも勝ったアパパネを担当していて、彼自身、「その時の経験は自分にとって大きな財産だ」と言っていましたし、「国枝先生の教えはすごく勉強になった」とも言っていましたね。

三度目の挑戦だった2013年の12月、調教師の試験に受かった奥村君は、次の年の3月に自分の厩舎を開業していて、2017年には、ライジングリーズンを使ったフェアリーSで初めて重賞を勝っていましたし、2018年には、「25勝・獲得賞金3億8236万円」という成績を残していたんですよ。

でも、その後の2年間は、

2019年→10勝・獲得賞金2億1167万円
2020年→19勝・獲得賞金2億6851万円

と書けば分かる通り、物足りない数字でしたから、2021年の奥村君は「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、その後の3年間は、

2021年→21勝・獲得賞金3億3100万円
2022年→27勝・獲得賞金4億7575万円
2023年→30勝・獲得賞金6億2091万円

と、右肩上がりの成績になっていて、特に去年は、ノースブリッジでアメリカJCCを勝って、キミワクイーンで函館スプリントSを勝つなど、勝利数と賞金のどちらも今までで一番の数字だったんですよ。

ただ、今年は流れが悪くなっていて、先週までに8勝しかできていませんし、巴賞と函館記念を連勝しているホウオウビスケッツ以外の馬があまり活躍できていないこともあって、稼いだ賞金が「2億3131万円」と、まだ去年の3割ぐらいですから、今の奥村君は、「去年までの勢いを取り戻したい」と考えているんでしょうね。

こういった中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にノースブリッジなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録してきましたので、「どれも勝負懸かり」と見ておくべきです。

2024/08/12
2008年の皐月賞とダービーを勝っとるんですわ
昆貢調教師(栗東)

主な管理馬:
アンジュデジール(2018年JBCレディスクラシックなど)
ヒルノダムール(2011年天皇賞・春など)
ローレルゲレイロ(2009年スプリンターズSなど)
ディープスカイ(2008年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
アウスヴァール(札幌記念)
トップナイフ(札幌記念)

担当者:調教師情報部 元調教師H

昆貢(こん・みつぐ)君は、キタノカチドキやニホンピロウイナーとかを管理しとった服部正利さんの厩舎から、1978年に乗り役としてデビューして、1989年に引退した後、福島信晴厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1999年に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとりますな。

昔から彼は、「日高の生産馬で結果を出すことが、競馬界全体の活性化に繋がる」っちゅう信念を持っとって、実際に、今、預かっとる35頭は、日高にある牧場で生産された馬が中心で、「社台ファーム」や「ノーザンファーム」とか、社台系の牧場で生産された馬はほとんど預かっとらんのですわ。

せやけど、浦河の笠松牧場で生産されたディープスカイで2008年のダービーとNHKマイルCを勝っとるし、新冠の村田牧場で生産されたローレルゲレイロで2009年の高松宮記念とスプリンターズSを勝っとって、その他にも、静内の橋本牧場で生産されたヒルノダムールで2011年の天皇賞・春を勝っとるんやから、ホンマに大したもんですな。

昆君の厩舎は、ディープスカイがGIを2勝した2008年に、20勝を上げて、「9億0432万円」っちゅう、今までで一番の賞金を稼いどりました。

けど、それからは数字が伸び悩んどって、2021年までの3年間も、

2019年→獲得賞金4億3822万円
2020年→獲得賞金4億4526万円
2021年→獲得賞金4億1375万円

と書けば分かる通り、賞金が2008年の半分以下やったんや。

そんな訳で、一昨年の昆君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と気合いを入れとったんやろうし、実際、マテンロウオリオンを使ったシンザン記念と、マテンロウレオを使ったきさらぎ賞を勝つなど、稼いだ賞金が「5億2006万円」と、前の3年を大きく上回っとります。

ただ、去年は12勝しかできとらんし、重賞を勝てんかったこともあって、稼いだ賞金が「4億0699万円」と、一昨年を大きく下回っとったんや。

それに、今年も悪い流れが続いとって、先週までにまだ5勝しかできとらんこともあって、稼いだ賞金が「1億9153万円」と、まだ去年の半分以下なんやから、今の昆君は、「一昨年の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にアウスヴァールとトップナイフを登録しとるんで、ワシが昆君やったら、どっちもメイチに仕上げますわ。