「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2024/04/15
オペラハウスの厩舎で武者修行しとったんですわ
池江泰寿調教師(栗東)

主な管理馬:
アルアイン(2019年大阪杯など)
サトノアラジン(2017年安田記念など)
サトノダイヤモンド(2016年有馬記念など)
オルフェーヴル(2011年牡馬三冠など)

今週の主な登録馬:
ソウルラッシュ(マイラーズC)
アステロイドベルト(鎌倉S・湘南S)
トーセンアラン(鎌倉S)
レッドヴァジュラ(燧ケ岳特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

池江泰寿(やすとし)君は、2011年の2月に調教師を引退した池江泰郎(やすお)さんの長男で、泰郎さんは、ディープインパクトやメジロマックイーンとかでGIを17勝もして、他も入れたら重賞を70勝、通算で845勝っちゅう実績を残しとりますな。

泰寿君は、保育園から中学校まで武豊君とずっと同級生で、栗東トレセンができる前は、厩舎があった京都競馬場でよう一緒に遊んどって、その頃は、豊君と同じで乗り役を目指しとったんや。

けど、体が大きくなってしもうたんで、乗り役になるのを諦めて調教師になると決めたんですわ。

そんで、一浪して入った同志社大学の文学部を卒業してから、1993年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からは、オークスを勝ったケイキロクや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかでお馴染みやった浅見国一(くにいち)さんの厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、1994年の6月には、泰郎さんの厩舎に移っとりました。

ちなみに泰寿君は、1993年のコロネーションCを勝ったオペラハウス、1996年のジャパンCを勝ったシングスピール、2010年のイギリスダービーと凱旋門賞を勝ったワークフォースとか、強い馬を何頭も管理しとったイギリスのマイケル・スタウト厩舎と、エーピーインディ、フサイチペガサス、サンデーブレイクとか、日本の馬主さんの持ち馬を管理したことがある、アメリカのニール・ドライスデール厩舎で、1995年から2年くらい武者修行をしとったんですわ。

そんで、2004年に自分の厩舎を開業した泰寿君は、初めの年こそ4勝止まりやったけど、2005年は20勝と、一気に数字を伸ばしとったし、2008年には51勝もして、初めて調教師リーディング1位になっとりました。

しかもこの年は、2位が46勝の泰郎さんやったから、親子で調教師リーディングのワンツーでしたな。

2011年には、オルフェーヴルで牡馬のクラシックを全部勝って、親父さんと同じ「三冠トレーナー」になっとるし、結局この年は、重賞を11勝、全部で49勝を上げて、「23億8602万円」の賞金を稼いどったんですわ。

これは、2004年に藤沢和雄君が残しとった「23億1700万円」を上回る一番の記録で、これだけの成績を残せたんは、浅見さんや泰郎さんの厩舎や海外の厩舎で勉強してきた「馬の仕上げ方」を、自分の厩舎でしっかりと活かせとるからやろうな。

そんで、2012年には2回目のリーディング1位になっとって、2017年は、アルアインを使った皐月賞、サトノアラジンを使った安田記念、ペルシアンナイトを使ったマイルCSとか、重賞を10勝、全部で「63勝」を上げて、3回目のリーディング1位になっとったし、賞金も「18億4737万円」を稼いどったんですわ。

けど、2021年までの4年間は、

2018年→46勝・獲得賞金13億4400万円
2019年→45勝・獲得賞金13億1681万円
2020年→38勝・獲得賞金10億2171万円
2021年→36勝・獲得賞金8億6330万円

っちゅう数字で、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」やったんや。

せやから、一昨年の泰寿君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ジャンダルムでスプリンターズSを勝つなど、全部で47勝を上げて、賞金が「14億5371万円」と、2021年の勝利数と賞金を大きく上回とったんですわ。

そんで、去年は、ヴェルトライゼンデで日経新春杯を、ママコチャでスプリンターズSを勝つなど、重賞を5勝したんやけど、全部で35勝と、一昨年の勝利数を大きく下回ったこともあって、稼いだ賞金は「13億6699万円」と、一昨年を下回ってしもうたんや。

それに今年も悪い流れが続いとって、先週までに8勝しかできとらんし、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「2億0227万円」と、去年の同じ時期(4月16日【日】まで)の「3億4656万円」を大きく下回っとるんで、今の泰寿君は、「一昨年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が5900万円のマイラーズCにソウルラッシュなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたんで、ワシが泰寿君やったら、間違いなくどれも気合いを入れて仕上げますわ。

2024/04/15
シンガポール航空国際Cが初めてのGI勝ちでした
加藤征弘調教師(栗東)

主な管理馬:
グラティアス(2021年京成杯)
ノンコノユメ(2018年フェブラリーSなど)
グレンツェント(2017年東海Sなど)
シャドウゲイト(2010年中京記念など)

今週の主な登録馬:
アドマイヤベル(フローラS)
リッキーマジック(鎌倉S)

担当者:調教師情報部 元調教師M

加藤征弘(ゆきひろ)君は、お祖父さんとお父さんが馬主さんという、競馬が身近な家庭で育っていて、子供の頃は乗馬のスポーツ少年団に入っていましたし、高校に進んでからは、馬術部に入っていましたから、競馬の世界を目指したのは、自然なことだったのでしょう。

1991年の5月に競馬学校の厩務員課程に入った加藤君は、その年の9月からは、クライムカイザーで1976年のダービーを勝つなど、乗り役として大活躍した加賀武見さんの厩舎で厩務員をやって、同じ年の11月からは、1991年の中山大障害・春(今の中山グランドジャンプ)を勝ったシンコウアンクレーなどでお馴染みの二本柳俊一さんの厩舎で調教助手をやって、1994年の3月からは、安田記念を勝ったトロットサンダーなどでお馴染みの相川勝敏さんの厩舎で調教助手をやっていました。

それから、2001年に調教師の試験に受かった加藤君は、栗東の森秀行厩舎で技術調教師をやって経験を積んで、次の年の3月に自分の厩舎を開業しています。

加藤君は、最初の年こそ「12勝・獲得賞金1億5238万円」という成績でしたけど、次の年は「26勝・獲得賞金4億4246万円」と大きく数字を伸ばしていましたし、3年目だった2004年は、ピットファイターを使った武蔵野Sで初めて重賞を勝つなど、「32勝・獲得賞金4億7382万円」という成績を残していました。

しかも、2007年には、シャドウゲイトを使ったシンガポール航空国際Cで、初めてのG1勝ちを海外で飾っていましたし、2011年には、フィフスペトルで京成杯AHを勝つなど、「39勝・獲得賞金6億9069万円」という、今までで一番いい数字を残していましたから、厩務員や調教助手だった頃に、さっき名前を挙げたトロットサンダーなど、走る馬を間近で見てきた経験をしっかり活かせているのでしょうね。

2015年の加藤君は、ノンコノユメで地方交流G1のジャパンダートダービーを勝って「4500万円」の賞金を稼いでいましたし、JRAでは、この馬でユニコーンSと武蔵野Sを勝つなど、「30勝・獲得賞金6億3629万円」という成績を残していました。

でも、去年までの5年間は、

2019年→33勝・獲得賞金5億4207万円
2020年→31勝・獲得賞金5億8243万円
2021年→29勝・獲得賞金4億3763万円
2022年→29勝・獲得賞金4億8075万円
2023年→29勝・獲得賞金4億5568万円

という形で数字が伸び悩んでいましたから、今年を迎えるにあたって加藤君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。

実際、今年は、エコロブルームでニュージーランドTを勝つなど、先週までに9勝を上げていて、稼いだ賞金が「2億0827万円」と、もう去年の半分近くになっていますから、今の加藤君は、「この勢いを止めたくない」と考えている筈です。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフローラSにアドマイヤベル、1着賞金が1840万円の鎌倉Sにリッキーマジックと、賞金の高い特別レースに2頭を登録してきましたので、私が加藤君でしたら、どっちも全力で仕上げるのは間違いありません。

2024/04/15
「ダービースタリオン」がきっかけで調教師になったんや
中村直也調教師(栗東)

主な管理馬:
ライオットガール(2023年レパードS)
ヤマニンサルバム(2023年中日新聞杯)

今週の主な登録馬:
エルフストラック(フローラS)
ラヴァンダ(フローラS)

担当者:調教師情報部 元調教師H

1978年の8月生まれで、大阪出身の中村直也君は、競馬とは関係のない普通の家庭で育ったんやけど、人気漫画やった「風のシルフィード」を読んだことと、ゲームの「ダービースタリオン」をやったことがきっかけで、この世界に興味を持つようになって、高校を出てからは、英語と馬のことを教えてくれるオーストラリアの学校に行って、その後は、アイルランドに行って、エイダン・オブライエン厩舎で働いとったんですわ。

エイダン・オブライエン君は、皆さんもよう知っとる通りで、ガリレオ、ディラントーマス、デザートキングとか、数え切れんほど多くの馬でGIを勝っとって、世界中でよう知られとる調教師やな。

日本に帰ってきてからの中村君は、2004年の1月、JRA競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月からは湯浅三郎厩舎で厩務員をやって、2005年の2月からは調教助手をやって、2007年に定年で湯浅厩舎が解散してからは、小崎憲厩舎で調教助手をやっとりました。

2020年、めでたく調教師の試験に受かった中村君は、定年で引退した浅見秀一君の厩舎を引き継ぐ形で、一昨年の3月に開業しとって、それから年末までに、「17勝・獲得賞金2億9654万円」っちゅう、初めの年としては優秀な成績を残しとったんですわ。

それに、去年もエエ流れが続いとって、ライオットガールを使ったレパードSで初めて重賞を勝つと、ヤマニンサルバムを使った中日新聞杯も勝つなど、全部で24勝を上げて、稼いだ賞金は「5億1019万円」と、一昨年を大きく上回っとりました。

そんで今年は、ライオットガールが地方交流重賞の兵庫女王杯を勝って、3000万円の賞金を稼いどって、JRAでは、先週までに6勝を上げとるんやけど、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「1億2157万円」と、去年の同じ時期(4月16日【日】まで)の「1億7022万円」を下回っとるんですわ。

もちろん、今の中村君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフローラSにエルフストラックとラヴァンダを登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2024/04/15
ミスターシービーを管理していた松山康久さんが大学の先輩ですね
伊藤大士調教師(美浦)

主な管理馬:
エエヤン(2023年ニュージーランドT)
ミライヘノツバサ(2020年ダイヤモンドS)

今週の主な登録馬:
エエヤン(マイラーズC)
ヒドゥンキング(尾瀬特別)
アンタノバラード(浄土平特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

伊藤大士(だいし)君は、神奈川県の相模原市にある麻布大学の獣医学部を出ています。

麻布大学と言えば、1996年の朝日杯3歳Sを勝ったマイネルマックスや、2012年の天皇賞・春を勝ったビートブラックでお馴染みの中村均さんや、2017年のオールカマーを勝ったルージュバックでお馴染みの大竹正博君や、ミスターシービーや、ジェニュインなどを管理していて、2014年に引退した松山康久さんなどが通っていたところです。

大学を出た後、伊藤君は、1996年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から、キヨヒダカやヒダカハヤトなどを管理していた森安弘昭さんの厩舎で厩務員をやって、その後は、上原博之厩舎で調教助手をやって、調教師の試験に受かった2009年まで、ずっと上原厩舎にいました。

伊藤君がいた頃の上原厩舎には、2000年の新潟3歳Sを勝って、同じ年の阪神3歳牝馬Sで2着に入ったダイワルージュや、2004年の皐月賞などGIを5つも勝ったダイワメジャーのように、走る馬がたくさんいましたから、こういう風に走る馬を間近で見られたのは、きっといい経験になったのでしょうね。

2009年の3月に厩舎を開業した伊藤君は、準備期間が短くて、レースに使った頭数が少なかったので、その年は5勝止まりでしたけど、2年目は12勝と、一気に数字を伸ばしていましたし、2016年は、「20勝・獲得賞金3億7384万円」という、勝ち星と賞金の両方で開業してから一番の成績を残していました。

でも、それから一昨年までは、

2017年→10勝・獲得賞金2億3639万円
2018年→14勝・獲得賞金2億4994万円
2019年→13勝・獲得賞金2億1928万円
2020年→10勝・獲得賞金2億5895万円
2021年→11勝・獲得賞金2億0816万円
2022年→12勝・獲得賞金2億0117万円

という形で成績が伸び悩んでいましたから、去年の伊藤君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、去年は、エエヤンでニュージーランドTを勝つなど、全部で12勝を上げて、稼いだ賞金は「2億9033万円」と、一昨年を大きく上回っていたんですよ。

ただ、今年は完全に勢いが止まっていて、先週までに5勝を上げていますど、重賞を勝てていないこともあって、稼いだ賞金は「8386万円」と、去年の同じ時期(4月16日【日】まで)の「1億4333万円」を大きく下回っていますから、もちろん、今の伊藤君は、「去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

こういった中、今週は、1着賞金が5900万円のマイラーズCにエエヤンなど、3頭を特別レースに登録していますので、「どれも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。