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注目調教師
2024/11/05
神奈川大学の工学部建築学科を出ています
木村哲也調教師(美浦)

主な管理馬:
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ジオグリフ(2022年皐月賞)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
レガレイラ(エリザベス女王杯)
コスタノヴァ(武蔵野S)
ボールドゾーン(ラッキーライラックC)

担当者:調教師情報部 元調教師O

木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。

でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。

2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。

その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、

2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円

という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。

でも、その後の3年間は、

2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円

と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいましたから、一昨年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、一昨年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、全部で34勝を上げて、稼いだ賞金は「16億4896万円」と、素晴らしい成績を残していました。

そして去年は、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいて、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、全部で44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字になっていましたし、2018年に続いて2回目になる「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。

ただ、今年は、チェルヴィニアでオークスと秋華賞を勝つなど、先週までに32勝を上げていますけど、4月に1勝もできなかったことや、去年は8勝もしていた重賞を2勝しかできていないこともあって、稼いだ賞金が「9億9125万円」と、まだ去年の半分くらいですから、今の木村君は、「一昨年や去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

それに彼の厩舎は、JRAで17億5655万円、海外で約4億7000万円の賞金を稼いでいたイクイノックスを、去年のジャパンCを最後に引退させていますから、私が木村君でしたら、「その分を他の馬で稼ぎたい」とも考えますね。

そういった中、今週は、1着賞金が1億3000万円のエリザベス女王杯にレガレイラ、1着賞金が4000万円の武蔵野Sにコスタノヴァ、1着賞金が1840万円のラッキーライラックCにボールドゾーンを登録していますので、私が木村君でしたら、どれも全力で仕上げるのは間違いありません。

2024/11/05
ナリタブライアンの生産牧場で働いていました
宗像義忠調教師(美浦)

主な管理馬:
ナランフレグ(2022年高松宮記念)
ウインキートス(2021年目黒記念)
フェイムゲーム(2014年アルゼンチン共和国杯など)
バランスオブゲーム(2006年中山記念など)

今週の主な登録馬:
ルージュリナージュ(エリザベス女王杯)
シリウスコルト(福島記念)
コムストックロード(オーロC)

担当者:調教師情報部 元調教師N

福島県出身の宗像義忠君は、実家が農家で、馬の生産もやっていて、小さい頃、お父さんに何度か福島競馬場に連れて行ってもらったことがきっかけで、競馬に興味を持ったそうですね。

高校に入る時は、「実家を継いで農業をやろう」と考えていたそうで、農業科のある高校に進学したんですが、その頃、実家にいた繁殖牝馬が病気で死んでしまって、「獣医になって、馬を守れるようになりたい」と思ったそうです。

実際、その後は、北里大学に受かって、獣医学部のある青森県に引っ越して、馬術部に入っていて、「調教師になりたい」と考え始めたのはその頃だという話を聞いています。

大学を卒業してからは、馬術部の先輩に勧められて、ナリタブライアンを生産したことでよく知られている、北海道の新冠にあった早田牧場の支場で1年半くらい働いて、1980年から、オークス馬のダイナカールを管理していたことでよく知られている高橋英夫さんの厩舎で調教助手をやって、そこで12年ほど経験を積んで、1992年、調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は、使った頭数が少なかったので6勝止まりでしたけど、その後は、2年目に14勝、3年目に21勝と、順調に数字を伸ばしていて、2011年には、開業してから一番多い34勝を上げていたんですよ。

それに、バランスオブゲームを使った2001年の新潟2歳Sで初めて重賞を勝つと、その他にも、ウインブレイズを使った2003年の鳴尾記念や、フェイムゲームを使った2018年のダイヤモンドSなど、今までに重賞を23回も勝っています。

こういう風に、いい結果を残せているのは、高橋さんの厩舎で調教助手をやっていた時に、さっき名前を挙げたダイナカールや、1988年のテレビ東京賞3歳牝馬S(現在のフェアリーS)と1989年のクイーンCを勝ったカッティングエッジなど、走る馬を間近で見ていた経験をしっかり活かせているからなのでしょう。

2009年の宗像君は、東京新聞杯と富士Sを勝ったアブソリュートの活躍などで、32勝を上げて、「5億7281万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。

それから、2021年までの5年間は、

2017年→20勝・獲得賞金3億7984万円
2018年→18勝・獲得賞金3億6460万円
2019年→15勝・獲得賞金2億9888万円
2020年→26勝・獲得賞金3億7060万円
2021年→14勝・獲得賞金4億3862万円

という物足りない数字が続いていましたけど、一昨年は、ナランフレグを使った高松宮記念で初めてGIを勝つなど、15勝を上げて、稼いだ賞金が「5億5818万円」と、2009年の次にいい数字だったんですよ。

ただ、去年は、全部で15勝を上げましたけど、中山金杯を勝ったラーグルフ以外の馬がイマイチだったこともあって、稼いだ賞金が「3億9013万円」と、一昨年を下回ってしまいました。

それに、今年も悪い流れが続いていて、重賞を勝てていないことなどから、先週までに稼いだ賞金が「2億3542万円」と、まだ去年の6割くらいですから、もちろん、今の宗像君は「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

そうそう、宗像君は、今年の7月26日(金)に「70歳の誕生日」を迎えていて、来年の2月一杯で定年になりますので、今は、「引退までになるべく多く稼いでおきたい」とも考えているのでしょうね。

こういった中、今週は、1着賞金が1億3000万円のエリザベス女王杯にルージュリナージュ、1着賞金が4300万円の福島記念にシリウスコルト、1着賞金が2700万円のオーロCにコムストックロードを登録していますので、私が宗像君でしたら、どの馬も全力で仕上げます。

2024/11/05
ナリタトップロードの厩舎で調教助手をやっとりましたな
杉山佳明調教師(栗東)

主な管理馬:
コスタボニータ(2024年福島牝馬S)
イフェイオン(2024年フェアリーS)

今週の主な登録馬:
コスタボニータ(エリザベス女王杯)
ローレルオーブ(デイリー杯2歳S)
ナイトアクアリウム(銀嶺S)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

兵庫県出身の杉山佳明君は、北海道の浦河にある「軽種馬育成調教センター」(BTC)の研修を受けて馬乗りの勉強をして、千歳の「社台ファーム」で働いた後、2009年の6月に「競馬学校」の厩務員課程に入ったんですわ。

次の年の11月からは、スワーヴリチャードとかでよう知られとる庄野靖志君の厩舎で厩務員をやって、2011年の1月からは調教助手をやって、2013年の6月に、ナリタトップロードとかでよう知られとる沖芳夫厩舎に移ったんや。

2019年の2月に沖さんが定年で引退した後は、上村洋行厩舎で調教助手をやって、この年の12月に、8回目の挑戦で調教師の試験に受かっとります。

それから杉山君は、美浦の加藤征弘厩舎と栗東の中竹和也厩舎で技術調教師をやっとりました。

ちなみに、加藤厩舎で技術調教師をやっとった理由は、杉山君が「社台ファーム」におった2002年に、同じ「社台ファーム」で働いとったことのある加藤君が厩舎を開業して、転厩してきた馬をどんどん勝たせとったのを見て、「いつか加藤征弘厩舎で勉強したい」と思ったからなんですわ。

2021年の3月に自分の厩舎を開業した杉山君は、エピローグを使った3月27日(土)の中京9Rで初勝利を上げとって、他も入れたら、年末までの成績が「14勝・獲得賞金2億4430万円」っちゅう、調教師としてまずまずのスタートを切っとったんや。

それに、開業2年目やった一昨年は、「19勝・獲得賞金3億7583万円」っちゅう成績で、2021年を大きく上回っとりました。

そんで去年は、全部で18勝を上げたんやけど、稼いだ賞金が「3億6269万円」と、一昨年を下回っとったんで、今年を迎えるにあたって、杉山君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうな。

実際、今年はイフェイオンを使ったフェアリーSで初めての重賞勝ちを飾っとるし、その他にも、コスタボニータで福島牝馬Sを勝つなど、先週までに19勝を上げて、稼いだ賞金が「4億8439万円」と、もう去年の数字を大きく上回っとるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が1億3000万円のエリザベス女王杯にコスタボニータ、1着賞金が3800万円のデイリー杯2歳Sにローレルオーブ、1着賞金が1840万円の銀嶺Sにナイトアクアリウムと、3頭を特別レースに登録しとりますんで、ワシは、「杉山君がどれもメイチに仕上げてくる」と見とるんですわ。

そうそう、杉山君の厩舎は、今年が開業4年目とキャリアが浅いこともあって、まだGIを勝てとらんので、エリザベス女王杯のコスタボニータには、「この馬で初めてのGI勝ちを」ちゅう思いも込められとるんやろうな。

2024/11/05
ブラックホークを管理していましたね
国枝栄調教師(美浦)

主な管理馬:
アカイトリノムスメ(2021年秋華賞など)
アーモンドアイ(2018年牝馬三冠など)
アパパネ(2010年牝馬三冠など)
マツリダゴッホ(2007年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
エリカヴィータ(エリザベス女王杯)
サリエラ(エリザベス女王杯)
サトノエルドール(福島記念)
プラチナトレジャー(福島記念)
ルージュアルル(ユートピアS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

国枝栄君は、岐阜県本巣郡の北方(きたがた)町出身で、近くに笠松競馬場があったことから、競馬に興味を持つようになって、地元の本巣高校に通っていた頃、「この世界で働きたい」と思ったそうです。

高校を出てからの彼は、東京農工大学農学部の獣医学科に入って、もちろん、この頃には馬術部に入っていましたし、卒業してからは、大学の2年先輩で、当時、八木沢勝美厩舎で調教助手をやっていて、今年の3月5日(火)に調教師を引退した高橋裕君の紹介で、山崎彰義厩舎の調教助手になったんですよ。

ちなみに、山崎さんと言えば、1987年の新潟大賞典をセッテジュノーで勝つなど、通算で247勝を上げています。

国枝君は、山崎厩舎の調教助手になってから、ずっとそこで腕を磨いて、1989年に調教師の試験に受かって、1990年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は、使った頭数が少なかったので8勝止まりでしたが、2年目は9勝、3年目と4年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、開業9年目だった1998年には、ブラックホークを使ったダービー卿CTで、初めて重賞を勝っています。

それに、国枝君の厩舎は、2010年にアパパネで、2018年にアーモンドアイで、それぞれ牝馬三冠を勝つなど、厩舎を開業してから今までに、GIを22勝、重賞を69勝もしていますし、2019年には、アーモンドアイを使ったドバイターフで、初めて海外のG1を勝ちましたね。

2018年、アーモンドアイなどの活躍で、「45勝・獲得賞金16億0611万円」という素晴らしい成績を残した国枝君は、2021年までの3年間も、

2019年→44勝・獲得賞金12億4822万円
2020年→44勝・獲得賞金15億9603万円
2021年→48勝・獲得賞金13億5194万円

と書けば分かる通り、毎年、10億円以上の賞金を稼いでいました。

そして一昨年は、7月2日(土)に節目の「JRA通算1000勝」を達成しましたけど、全体では「39勝・獲得賞金8億8881万円」という成績で、勝利数と賞金のどちらも2021年までを大きく下回ってしまいましたし、去年も、サクセッションで新潟ジャンプSを、フィアスプライドでターコイズSを勝つなど、全部で41勝を上げましたけど、GIに2回しか馬を使えなかったことなどから、稼いだ賞金は「8億0741万円」と、やはり2021年までの数字を大きく下回ってしまったんですよ。

もちろん、今年を迎えるにあたって国枝君は、「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えていたのでしょうし、実際、今年は、ステレンボッシュで桜花賞を勝つなど、重賞を5勝していて、他も入れたら、先週までに28勝を上げて、稼いだ賞金が「10億0155万円」と、もう去年を上回っていますから、今の国枝君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が1億3000万円のエリザベス女王杯にエリカヴィータとサリエラ、1着賞金が4300万円の福島記念にサトノエルドールとプラチナトレジャーなど、5頭を特別レースに登録していますので、どれも「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に国枝君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。