「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2024/07/16
調教助手時代に担当馬が菊花賞を勝っとるんや
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
ガイアフォース(2022年セントライト記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
エルトンバローズ(中京記念)
ソレイユヴィータ(中京記念・テレQ杯)
ジャスティンエース(TVh賞)
キャプテンネキ(九州スポーツ杯)
シークレットキー(天草特別)
リミットバスター(釧路湿原特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。

彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。

中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。

でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。

高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。

その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。

で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。

武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。

この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。

結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。

それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使ったダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。

そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝って、JRAでは、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、勝ち星と賞金のどっちも、開業からずっと右肩上がりになっとりました。

せやけど2021年は、「37勝・獲得賞金8億0939万円」っちゅう成績で、初めて前の年を下回ってしもうたんやから、一昨年の杉山君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。

実際、一昨年は、ガイアフォースでセントライト記念を、ジャスティンパレスで神戸新聞杯を勝つなど、「47勝・獲得賞金11億7224万円」っちゅう素晴らしい成績を残して、調教師リーディングは4位になっとりました。

去年は、ジャスティンパレスで天皇賞・春と阪神大賞典を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら55勝を上げて、稼いだ賞金は「15億6006万円」と、今までで一番の数字やったし、初めて調教師リーディング1位になっとったんですわ。

そんで今年は、先週までに24勝を上げとるんやけど、根岸Sを勝ったエンペラーワケアとシルクロードSを勝ったルガル以外の馬があまり活躍できとらんこともあって、稼いだ賞金が「5億1157万円」と、まだ去年の3割くらいやし、調教師リーディングでは、31勝を上げて1位の堀宣行厩舎と7勝差の6位になっとります。

もちろん、今の杉山君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

こういった中、今週は、1着賞金が4100万円の中京記念にエルトンバローズとソレイユヴィータ(テレQ杯にも登録)、1着賞金が1840万円のTVh賞にジャスティンエースなど、6頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どれも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2024/07/16
関西で一番古い外厩施設の出身なんですわ
中内田充正調教師(栗東)

主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
エスコーラ(中京記念)
ミッキーチャレンジ(九州スポーツ杯)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の副会長理事もやっとります。

「信楽牧場」は、関西で一番古い外厩施設で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。

卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやった、アメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

結局、10年くらい海外で勉強しとった充正君は、日本に戻ってから、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。

そんで、開業して初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
2020年→36勝・獲得賞金7億7341万円(同12位)

っちゅう形で順調に実績を積み重ねとって、2021年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ、一昨年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、一昨年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11勝差を付けられた3位やったし、去年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、48勝を上げて、今までで一番多い「17億4265万円」の賞金を稼いどったんやけど、リーディングは、55勝で1位の杉山晴紀厩舎に7勝差を付けられた3位やったんですわ。

そんでもって今年は、クイーンズウォークでクイーンC、プログノーシスで金鯱賞を勝つなど、先週までに28勝を上げとるんやけど、リーディングは、31勝を上げて1位の堀宣行厩舎に3勝差を付けられた4位やし、GIを勝てとらんこともあって、稼いだ賞金が「6億1539万円」と、去年の同じ時期(7月16日【日】まで)の「10億0254万円」を大きく下回っとります。

せやから、今の中内田君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の中京記念にエスコーラ、1着賞金が1550万円の九州スポーツ杯にミッキーチャレンジを登録しとるんで、「どっちも勝負懸かり」と見ておくべきやろ。

2024/07/16
マイラーズCが乗り役時代の初勝利でしたな
武幸四郎調教師(栗東)

主な管理馬:
ライトクオンタム(2023年シンザン記念)
セキフウ(2021年兵庫ジュニアグランプリ)
ウォーターナビレラ(2021年ファンタジーS)
ハッピーアワー(2019年ファルコンS)

今週の主な登録馬:
タガノパッション(中京記念)
オウバイトウリ(TVh賞)
シルバーカレッジ(北辰特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

誰でもよう知っとる通り、武幸四郎君は、武豊君の弟で、同期には、

秋山真一郎君→現在は技術調教師
江田勇亮(ゆうすけ)君→現役
勝浦正樹君→今年の4月に引退
武士沢友治君→現在は競馬学校の教官
松田大作君→去年の12月に引退
村田一誠君→現在は調教師

とかがおって、1997年に、親父さんの武邦彦厩舎からデビューしとったし、初勝利が重賞のマイラーズCっちゅう、派手なデビュー週でしたな。

その後も、ティコティコタックに乗った2000年の秋華賞や、ウインクリューガーに乗った2003年のNHKマイルCや、ソングオブウインドに乗った2006年の菊花賞や、メイショウマンボに乗った2013年のオークスとかを勝っとって、2016年の12月に調教師の試験に受かって、次の年の2月に乗り役を引退するまでに、6つのGIを含めて重賞を28勝、全部で693勝っちゅう実績を残しとったんや。

乗り役を引退してからの幸四郎君は、藤沢和雄さんの厩舎で技術調教師をやって、馬の仕上げ方や、厩舎をやりくりする方法とか、色んなことを教わっとりました。

で、幸四郎君は、2018年の3月に自分の厩舎を開業しとって、同期は、高柳大輔君、武英智(ひでのり)君、田中博康君、林徹君、安田翔伍君、和田勇介君の6人ですな。

結局、2018年の幸四郎君は、「16勝・獲得賞金2億7735万円」っちゅう成績を残しとって、これは、同期の中で一番の数字やったし、2019年は、ハッピーアワーを使ったファルコンSで初めての重賞勝ちを飾るなど、「14勝・獲得賞金2億9222万円」っちゅう、2年目としてはまあまあの成績を残しとりました。

そんで、開業3年目やった2020年は、「28勝・獲得賞金4億6492万円」っちゅう成績で、勝ち星と賞金のどっちも大きく伸ばしとったし、2021年は、ウォーターナビレラを使ったファンタジーSを勝つなど、「34勝・獲得賞金5億9270万円」っちゅう素晴らしい成績を残しとったんですわ。

せやけど一昨年は、「29勝・獲得賞金4億9897万円」っちゅう成績で、2021年を下回ってしもうたんやから、去年の幸四郎君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際に去年は、ライトクオンタムを使ったシンザン記念を勝つなど、全部で32勝を上げとって、稼いだ賞金は「6億7887万円」と、今までで一番の数字やったんや。

ただ今年は、先週までに13勝しかできとらんこともあって、稼いだ賞金が「2億9711万円」と、去年の同じ時期(7月16日【日】まで)の「3億5837万円」を大きく下回っとるから、今の幸四郎君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の中京記念にタガノパッション、1着賞金が1840万円のTVh賞にオウバイトウリなど、3頭を賞金の高い特別レースに登録しとるんで、ワシが幸四郎君やったら、どれも気合いを入れて仕上げますわ。

2024/07/16
中山大障害を3連覇したポレールの調教を担当しとりました
鈴木孝志調教師(栗東)

主な管理馬:
セルバーグ(2023年中京記念)
コルテジア(2020年きさらぎ賞)
グランドボヌール(2019年サマーチャンピオン)

今週の主な登録馬:
セルバーグ(中京記念)

担当者:調教師情報部 元調教師H

鈴木孝志君は、1994年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の1月から岩元市三厩舎で厩務員をやっとりました。

そんで、1996年の1月から調教助手をやって、2009年の12月に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業するまでの17年間、ずっと岩元厩舎におったんですわ。

1996年の春と秋、1997年の春と、中山大障害を3連覇したポレールは、鈴木君が調教を担当しとりましたな。

師匠の岩元さんからは、「誠実にひとつひとつ努力しなさい」と教えられたそうで、鈴木君が調教師になってからは、開業1年目が「5勝・獲得賞金5469万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、

2011年→7勝・獲得賞金1億2947万円
2012年→17勝・獲得賞金2億3025万円
2013年→18勝・獲得賞金2億8119万円
2014年→17勝・獲得賞金2億9968万円
2015年→23勝・獲得賞金4億1104万円

っちゅう形で実績を積み重ねとりました。

こういう風に、調教師になってからが順調やったんは、岩元さんの教えとか、調教助手をやっとった時に、さっき名前を挙げたポレールとか、GIを7つも勝ったテイエムオペラオーとか、走る馬を間近で見とった経験をしっかりと活かせとるからなんでしょうな。

その後の3年間は、

2016年→15勝・獲得賞金3億3507万円
2017年→17勝・獲得賞金2億8925万円
2018年→20勝・獲得賞金3億2961万円

っちゅう形で伸び悩んどったんやけど、2019年は、「29勝・獲得賞金4億3225万円」と、数字を伸ばしとって、しかも、グランドボヌールを使った地方交流のサマーチャンピオンで初めて重賞を勝っとったし、2020年は、コルテジアを使ったきさらぎ賞で、初めてJRAの重賞を勝つなど、「30勝・獲得賞金5億0229万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったんや。

せやけど、2021年と一昨年は、

2021年→15勝・獲得賞金3億0817万円
2022年→20勝・獲得賞金3億8991万円

っちゅう成績で、2020年を大きく下回ってしもうたから、去年の鈴木君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、去年は、セルバーグを使った中京記念を勝つなど、27勝を上げて、稼いだ賞金は「4億4231万円」と、一昨年を上回っとりました。

そんで今年は、先週までに14勝を上げて、稼いだ賞金が「2億2925万円」と、去年の同じ時期(7月16日【日】まで)の「2億2267万円」を、僅かとは言え上回っとるんで、今の鈴木君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の中京記念にセルバーグを登録してきましたんで、「勝負懸かり」とワシは見とります。