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注目調教師
2024/06/24
オルフェーヴルの調教を付けとったんや
吉村圭司調教師(栗東)

主な管理馬:
オオバンブルマイ(2022年京王杯2歳Sなど)
エアアンセム(2018年函館記念)
ダッシングブレイズ(2017年エプソムC)
クイーンズリング(2016年エリザベス女王杯など)

今週の主な登録馬:
エイシンスポッター(北九州記念)
オフトレイル(ラジオNIKKEI賞・柳川特別)
アルーリングビュー(TVh杯)
エイシンフェンサー(TVh杯)

担当者:調教師情報部 元調教師I

吉村圭司君は、熊本の荒尾競馬(2011年に廃止)で40年以上も調教師をやっとって、2000年に引退するまで、1310勝を上げとった吉村務さんの息子なんや。

小さい頃から競馬が身近やった吉村君は、早くからこの道に進もうと決めとったそうで、中学を卒業する時には、JRA競馬学校の騎手課程に受かっとったんやけど、体が大きくなって、減量が厳しいっちゅうことで、入学を辞退したんですわ。

競馬学校に入る直前の辞退やったから、すぐ高校には入れんで、一年間は荒尾で持ち乗りの仕事をしとったんやけど、その後は、荒尾市にある定時制の学校に入って、卒業してからは、オジュウチョウサンやビービーガルダンとかを生産したことでお馴染みの「坂東牧場」(北海道沙流郡日高町)で、一年半ぐらい働いとったんや。

その頃の「坂東牧場」は、1995年のチューリップ賞を勝ったユウキビバーチェや、1997年の高松宮杯を勝ったシンコウキングとかが、放牧のために使っとりましたな。

そんで吉村君は、1996年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月からは飯田明弘厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、それから7年間、飯田厩舎で経験を積んで、2004年の3月に、開業したばっかりやった池江泰寿君の厩舎に移ったんですわ。

吉村君は、池江厩舎で調教助手をやっとった頃に、ドリームジャーニーやオルフェーヴルとか、走る馬の調教を付けとったんで、ホンマにエエ経験になったんでしょうな。

で、2010年の12月に調教師の試験に受かった吉村君は、調教助手をやっとった池江厩舎で技術調教師として経験を積んで、2012年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

開業した年は、池江君から引き継いだポップアイコンで初勝利を上げるなど、「9勝・獲得賞金1億4998万円」っちゅう成績を残しとったし、それからも、

2013年→13勝・獲得賞金2億0829万円
2014年→27勝・獲得賞金3億9056万円
2015年→20勝・獲得賞金4億4595万円
2016年→27勝・獲得賞金5億3006万円

っちゅう形で順調に数字を伸ばしとって、特に2016年は、クイーンズリングを使ったエリザベス女王杯で初めてGIを勝つなど、初めて賞金が5億円を超えとったんや。

せやけど、その後は、

2017年→19勝・獲得賞金4億8823万円
2018年→28勝・獲得賞金4億8696万円
2019年→22勝・獲得賞金4億1938万円
2020年→18勝・獲得賞金3億2021万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6523万円

っちゅう形で成績が伸び悩んどったから、一昨年の吉村君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんでしょうな。

実際、一昨年は、オオバンブルマイで京王杯2歳Sを勝つなど、「29勝・獲得賞金5億4855万円」っちゅう、勝ち星と賞金のどっちも2021年までと比べてかなりエエ数字やったんですわ。

更に去年は、オオバンブルマイを使ったオーストラリアのゴールデンイーグルを勝って、525万豪ドル(約5億円)の賞金を稼いどったし、JRAでは、ハヤブサナンデクンを使ったマーチS、オオバンブルマイを使ったアーリントンCを勝つなど、全部で30勝を上げて、稼いだ賞金は「6億6179万円」と、今までで一番の数字になっとりました。

そんで今年は、先週までに10勝を上げとるんやけど、重賞を勝てとらんこともあって、稼いだ賞金が「2億0661万円」と、まだ去年の3割ぐらいなんで、今の吉村君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の北九州記念にエイシンスポッター、1着賞金が4100万円のラジオNIKKEI賞にオフトレイル(柳川特別にも登録)、1着賞金が1840万円のTVh杯にアルーリングビューとエイシンフェンサーを登録してきましたんで、どれも「勝負懸かり」とワシは見とるんですわ。


2024/06/24
日本大学の獣医学部で馬術をやっていたんですよ
上原佑紀調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
アレグロブリランテ(ラジオNIKKEI賞)
クリダーム(TVh杯)

担当者:調教師情報部 元調教師N

上原佑紀君は、同じ美浦に厩舎を構えていて、2006年の天皇賞・秋など、GIを5勝したダイワメジャーや、2017年の高松宮記念を勝ったセイウンコウセイなどを管理していたことでよく知られている、上原博之君の次男ですね。

お父さんの仕事を考えれば当然ですが、佑紀君は、小学3年生の頃から馬術をやっていて、高校時代には「全日本ジュニア選手権」で優勝していましたし、その頃から、「将来は馬に携わる仕事をしたい」と考えていて、そのために、日本大学の獣医学部に進学して、そこではもちろん馬術部に入っていましたし、「全日本学生馬術会」で優勝するほどの腕前だったんですよ。

大学を卒業した後は、美浦トレセンの診療所で獣医として働いていたんですけど、「自分の経験が調教師として活かせるんじゃないか」と思って、2016年から「ノーザンファーム空港」で働いていましたし、競馬学校に入学する前には、2021年のクイーンエリザベス2世Sなど、G1を6勝もしたバーイードを管理していたことでよく知られているイギリスのウィリアム・ハガス厩舎や、フランスの小林智厩舎で、1年間ぐらい馬のことを学んでいました。

帰国してからは、2017年に競馬学校の厩務員課程に入って、2018年からは池上昌和厩舎で厩務員と調教助手をやって、2019年からは堀宣行厩舎で調教助手をやって、3回目の挑戦だった2021年に、調教師の試験に合格しています。

ちなみに、佑紀君は1990年の生まれで、平成生まれが調教師になったのは、彼が初めてだったんですよ。

試験に合格した後は、開業するまでに時間があったので、藤沢和雄厩舎と国枝栄厩舎と矢作芳人厩舎と中内田充正厩舎で研修を受けていましたし、武幸四郎厩舎のセキフウがサウジアラビアとドバイに遠征した時と、新谷功一厩舎のクラウンプライドがアメリカに遠征した時は、技術調教師として帯同していました。

そして、去年の3月に厩舎を開業して、同期の調教師には、小栗実君と緒方努君と西園翔太君がいます。

去年の佑紀君は、年末までに「16勝・獲得賞金2億1110万円」という、最初の年としてはまずまずの成績を残していましたし、勝利数が、同期の中では一番だったんですよ。

こうやっていいスタートを切れたのは、調教助手をやっていた時と、自分の厩舎を開業する前に、色々な厩舎で学んだことをしっかりと活かせているからなのでしょうね。

そして今年は、先週までに9勝を上げていて、その他にも、スプリングSに使ったアレグロブリランテが2着に入ったことなどにより、稼いだ賞金が「2億3798万円」と、もう去年の数字を上回っています。

もちろん、今の佑紀君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のラジオNIKKEI賞にアレグロブリランテ、1着賞金が1840万円のTVh杯にクリダームを登録してきましたので、どっちもメイチに仕上げてくるでしょうね。

そうそう、佑紀君の厩舎は、去年の3月に開業したばかりということもあって、まだ重賞を勝てていませんから、ラジオNIKKEI賞のアレグロブリランテには、「初めての重賞勝ちをこの馬で」という思いも込められていると私は見ています。

2024/06/24
親父さんがトウカイテイオーに乗っとりましたな
安田翔伍調教師(栗東)

主な管理馬:
ダノンデサイル(2024年ダービーなど)
オメガパフューム(2020年東京大賞典など)
キングオブコージ(2020年目黒記念など)
ワンダーリーデル(2019年武蔵野S)

今週の主な登録馬:
ピューロマジック(北九州記念)

担当者:調教師情報部 元調教師S

誰でもよう知っとる通り、安田翔伍君の親父さんは、同じ栗東で厩舎を構えとって、今年の3月5日(火)に引退した安田隆行君ですな。

隆行君は、乗り役やった頃に、1991年の皐月賞とダービーをトウカイテイオーで勝つとか、通算680勝を上げとったし、厩舎を開業してからは、ダートのG1を4勝したトランセンドや、スプリンターズSと高松宮記念を勝ったカレンチャンや、香港スプリントを連覇するなど、G1を6勝したロードカナロアとか、よう走る馬を何頭も管理しとるから、競馬ファンなら誰でも、彼のことをよう知っとるんやろ。

それに隆行君は、2019年に、「62勝・獲得賞金12億9916万円」っちゅう成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっとりましたな。

翔伍君は、中学3年生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験に落ちてしもうて、次の年も受けようと思っとったんやけど、高校に通っとるうちに体が大きくなってしもうたんで、騎手になるのを諦めたそうや。

せやけど、「競馬の世界に進みたい」と考えとった彼は、高校を中退して、北海道の新冠にある「ノースヒルズマネジメント」(現在のノースヒルズ)で働いてから、半年くらいアイルランドに留学しとって、帰国した後は、3年ほど「ノーザンファーム空港」で働いて、それから、2002年に競馬学校の厩務員課程に入っとりました。

2003年に競馬学校を出た後、翔伍君は、その年の1月から親父さんの厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、カレンチャンやロードカナロアとかを担当するなど、2016年、調教師の試験に受かるまでの14年間、ずっと親父さんの厩舎で経験を積んどったんや。

そんで、「社台ファーム」で技術調教師として経験を積んでから、2018年の3月に自分の厩舎を開業した翔伍君は、それから年末までに、オメガパフュームを使ったシリウスSで初めて重賞を勝つなど、JRAで「9勝・獲得賞金2億4480万円」っちゅう成績を残しとって、その後も、JRAでは、

2019年→23勝・獲得賞金3億5386万円
2020年→21勝・獲得賞金4億6222万円
2021年→28勝・獲得賞金5億2015万円
2022年→23勝・獲得賞金6億4208万円

ちゅう形で賞金が「右肩上がり」になっとったし、オメガパフュームを使った2018年の東京大賞典で初めてのG1勝ちを飾っとって、他も入れたら、この馬でJRAと地方交流を合わせて重賞を8勝もしとるんやから、親父さんの厩舎で走る馬を担当しとった経験をよう活かせとるんやろ。

そんで去年は、ジャスティンカフェを使ったエプソムCを勝つなど、27勝を上げたんやけど、JRAと地方で7億円以上を稼いどったオメガパフュームを引退させたことが響いて、稼いだ賞金は「5億7671万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。

せやから、今年を迎えるにあたって安田君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、今年はダノンデサイルでダービーと京成杯、ピューロマジックで葵Sを勝つなど、先週までに10勝を上げとって、稼いだ賞金が、「5億7446万円」と、もう去年とほぼ同じ数字になっとるんで、今の翔伍君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の北九州記念にピューロマジックを登録してきましたんで、キッチリ仕上げてくるやろ。

2024/06/24
ミホノブルボンの厩舎におったんですわ
森秀行調教師(栗東)

主な管理馬:
キャプテントゥーレ(2008年皐月賞)
ノボトゥルー(2001年フェブラリーSなど)
エアシャカール(2000年菊花賞など)
シーキングザパール(1997年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
ジャスパークローネ(北九州記念)
ディヴィナシオン(北九州記念)
フロムダスク(バーデンバーデンC)
ジャスパーグレイト(薩摩S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

森秀行君は、1981年の2月から戸山為夫厩舎で厩務員をやって、この年の11月からは調教助手をやっとりました。

戸山厩舎っちゅうたら、1968年のダービーを勝ったタニノハローモアとか、1992年の皐月賞とダービーを勝ったミホノブルボンなどを管理しとったことでお馴染みですな。

1993年、調教師の試験に受かった森君は、この年の5月に戸山さんが亡くなったんで、急遽、厩舎を引き継ぐ形で9月に開業しとります。

で、2ヶ月後には早くも、レガシーワールドを使ったジャパンCを勝って、周りをアッと言わせましたな。

それからも、シーキングザパールを使った1997年のNHKマイルCや、エアシャカールを使った2000年の皐月賞と菊花賞や、ノボトゥルーを使った2001年のフェブラリーSや、キャプテントゥーレを使った2008年の皐月賞とか、大きなレースで結果を残しとるし、2009年には、それまで渡辺栄さんと山内研二さんの二人しか達成しとらんかった、「JRA全10場重賞制覇」を達成しとります。

ちなみに森君は、管理馬を海外のレースにどんどん挑戦させとって、1995年にはフジヤマケンザンで「香港国際C」(現在の香港C)を勝っとったし、その後も、1998年にはフランスの「モーリス・ド・ギース賞」をシーキングザパールで、2000年にはイギリスの「ジュライC」をアグネスワールドで、2020年はサウジアラビアの「サンバサウジダービーC」をフルフラットで、2021年は「サウジダービー」をピンクカメハメハで、それぞれ勝っとりますな。

2001年の森君は、「54勝・獲得賞金12億4585万円」っちゅう、開業してから一番の成績を残しとったし、2006年も、「48勝・獲得賞金12億0238万円」っちゅう、エエ成績を残しとりました。

けど、それからは伸び悩んどって、2020年までの5年間も、

2016年→22勝・獲得賞金4億2380万円
2017年→14勝・獲得賞金3億5125万円
2018年→18勝・獲得賞金3億9746万円
2019年→15勝・獲得賞金3億2025万円
2020年→21勝・獲得賞金3億7260万円

っちゅう、昔の森厩舎を知っとる者やったら、誰が見ても物足りん数字が続いとったんや。

せやから、2021年の森君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、それからの3年間は、

2021年→33勝(重賞は3勝)・獲得賞金6億9150万円
2022年→26勝(重賞は2勝)・獲得賞金6億2770万円
2023年→31勝(重賞は1勝)・獲得賞金7億4841万円

っちゅう形で巻き返しに成功しとります。

そんで今年は、先週までに10勝を上げとるんやけど、重賞に5回しか馬を使えとらんし、この5頭が揃って着外に負けとることもあって、稼いだ賞金が「2億1406万円」と、まだ去年の3割ぐらいやから、今の森君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の北九州記念にジャスパークローネとディヴィナシオン、1着賞金が1840万円のバーデンバーデンCにフロムダスクとか、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるやろうな。