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注目調教師
2024/03/04
アイルランドに行ってガリレオの厩舎で働いとりましたな
中村直也調教師(栗東)

主な管理馬:
ライオットガール(2023年レパードS)
ヤマニンサルバム(2023年中日新聞杯)

今週の主な登録馬:
ヤマニンサルバム(金鯱賞)
セシリエプラージュ(フィリーズレビュー)
ロゼフレア(フィリーズレビュー)
アドヴァイス(アクアマリンS)
アグラシアド(房総特別)
ハヤテノフクノスケ(ゆきやなぎ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師H

1978年の8月生まれで、大阪出身の中村直也君は、競馬とは関係のない普通の家庭で育ったんやけど、人気漫画やった「風のシルフィード」を読んだことと、ゲームの「ダービースタリオン」をやったことがきっかけで、この世界に興味を持つようになって、高校を出てからは、英語と馬のことを教えてくれるオーストラリアの学校に行って、その後は、アイルランドに行って、エイダン・オブライエン厩舎で働いとったんですわ。

エイダン・オブライエン君は、皆さんもよう知っとる通りで、ガリレオ、ディラントーマス、デザートキングとか、数え切れんほど多くの馬でGIを勝っとって、世界中でよう知られとる調教師やな。

日本に帰ってきてからの中村君は、2004年の1月、JRA競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月からは湯浅三郎厩舎で厩務員をやって、2005年の2月からは調教助手をやって、2007年に定年で湯浅厩舎が解散してからは、小崎憲厩舎で調教助手をやっとりました。

2020年、めでたく調教師の試験に受かった中村君は、定年で引退した浅見秀一君の厩舎を引き継ぐ形で、一昨年の3月に開業しとって、それから年末までに、「17勝・獲得賞金2億9654万円」っちゅう、初めの年としては優秀な成績を残しとったんですわ。

それに、去年もエエ流れが続いとって、ライオットガールを使ったレパードSで初めて重賞を勝つと、ヤマニンサルバムを使った中日新聞杯も勝つなど、全部で24勝を上げて、稼いだ賞金は「5億1019万円」と、一昨年を大きく上回っとりました。

ただ、今年は先週までに平場の5勝しか上げとらんこともあって、稼いだ賞金が「7556万円」と、去年の同じ時期(3月5日【日】まで)の「1億0535万円」を大きく下回っとるんですわ。

もちろん、今の中村君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の金鯱賞にヤマニンサルバム、1着賞金が5200万円のフィリーズレビューにセシリエプラージュとロゼフレアなど、特別レースに6頭を登録してきましたんで、どれも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2024/03/04
東京農工大学の馬術部に入っていたんですよ
国枝栄調教師(美浦)

主な管理馬:
アカイトリノムスメ(2021年秋華賞など)
アーモンドアイ(2018年牝馬三冠など)
アパパネ(2010年牝馬三冠など)
マツリダゴッホ(2007年有馬記念など)


今週の主な登録馬:
ハヤヤッコ(金鯱賞)
フィアスプライド(中山牝馬S)
アップトゥミー(房総特別)
ウィズグレイス(房総特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

国枝栄君は、岐阜県本巣郡の北方(きたがた)町出身で、近くに笠松競馬場があったことから、競馬に興味を持つようになって、地元の本巣高校に通っていた頃、「この世界で働きたい」と思ったそうです。

高校を出てからの彼は、東京農工大学農学部の獣医学科に入って、もちろん、この頃には馬術部に入っていましたし、卒業してからは、大学の2年先輩で、当時、八木沢勝美厩舎で調教助手をやっていて、今は調教師をやっている高橋裕君の紹介で、山崎彰義厩舎の調教助手になったんですよ。

ちなみに、山崎さんと言えば、1987年の新潟大賞典をセッテジュノーで勝つなど、通算で247勝を上げています。

国枝君は、山崎厩舎の調教助手になってから、ずっとそこで腕を磨いて、1989年に調教師の試験に受かって、1990年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は、使った頭数が少なかったので8勝止まりでしたが、2年目は9勝、3年目と4年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、開業9年目だった1998年には、ブラックホークを使ったダービー卿CTで、初めて重賞を勝っています。

それに、国枝君の厩舎は、2010年にアパパネで、2018年にアーモンドアイで、それぞれ牝馬三冠を勝つなど、厩舎を開業してから今までに、GIを21勝、重賞を64勝もして、2019年には、アーモンドアイを使ったドバイターフで初めて海外のG1を勝ちましたね。

2018年、アーモンドアイなどの活躍で、「45勝・獲得賞金16億0611万円」という好成績を残した国枝君は、2021年までの3年間も、

2019年→44勝・獲得賞金12億4822万円
2020年→44勝・獲得賞金15億9603万円
2021年→48勝・獲得賞金13億5194万円

と書けば分かる通り、毎年、10億円以上の賞金を稼いでいました。

でも一昨年は、7月2日(土)に節目の「JRA通算1000勝」を達成しましたけど、全体では「39勝・獲得賞金8億8881万円」という成績で、勝利数と賞金のどちらも2021年までを大きく下回ってしまいましたし、去年も、サクセッションで新潟ジャンプSを、フィアスプライドでターコイズSを勝つなど、全部で41勝を上げていますけど、GⅠに2回しか馬を使えなかったことなどから、稼いだ賞金は「8億0741万円」と、やはり2021年までの数字を大きく下回ってしまったんですよ。

それに、今年も悪い流れが続いていて、先週までに8勝を上げていますけど、重賞を勝てていないこともあって、稼いだ賞金が「1億3908万円」と、去年の同じ時期(3月5日【日】まで)の「1億3079万円」とほとんど変わりませんから、今の国枝君は、「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の金鯱賞にハヤヤッコ、1着賞金が3800万円の中山牝馬Sにフィアスプライドなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録していますので、どの馬も「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に国枝君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せません。

2024/03/04
去年と今年は海外でよう稼いどるんやけど…
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
パンサラッサ(2023年サウジCなど)
ラヴズオンリーユー(2021年ブリーダーズCフィリー&メアターフなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
ドナベティ(フィリーズレビュー)
グランスラムアスク(中山牝馬S)
ラヴェル(中山牝馬S)
スコールユニバンス(東風S)
ホウオウフウジン(オークランドTRT)
シュタールヴィント(恋路ヶ浜特別・天神橋特別)
リーゼントミー(伊良子特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、毎年、東京大学に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それからは、皆さんもよう知っとるように、菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。

矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目やった2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとったし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。

しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」、「馬を語り、馬に学ぶ」っちゅう3冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。

ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。

実際、去年はJRAだけで「507戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎は「479戦」と、かなり近い数字やったけど、3番目に多い美浦の斎藤誠厩舎が「376戦」やったんやから、どれだけ多かったんがよう分かりますな。

2014年の矢作君は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は「57勝」を上げて、また1位になっとりました。

そんで、2021年までの3年間も、

2019年→54勝・獲得賞金19億1331万円(調教師リーディング2位)
2020年→53勝・獲得賞金20億3556万円(同1位)
2021年→52勝・獲得賞金16億5818万円(同2位)

っちゅうエエ成績を残しとって、特に2021年は、ラヴズオンリーユーを使ったブリーダーズCフィリーズ&メアターフや、マルシュロレーヌを使ったブリーダーズCディスタフとか、海外でG1を4勝もしとったし、一昨年も矢作君の厩舎は勢いが続いとって、JRAで、「重賞4勝を含む59勝・獲得賞金12億7726万円」っちゅう成績を残して、「四度目のリーディング1位」になっとって、海外でも、パンサラッサを使ったドバイターフとか、重賞を4勝もしとったんや。

それに去年は、パンサラッサを使ったサウジCを勝って、このレースだけで1000万ドル(約13億5000万円)を稼いどったし、JRAでは、51勝を上げたんやけど、リーディングは、55勝でトップやった杉山晴紀厩舎と4勝差の2位で終わっとって、前の年に4勝しとった重賞を、一つしか勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「11億0206万円」と、一昨年を大きく下回ってしもうたんですわ。

そんでもって今年は、フォーエバーヤングを使ったサウジダービーを勝って、90万ドル(約1億3500万円)の賞金を稼いどるんやけど、JRAでは、先週までに6勝だけで、調教師リーディングは、11勝を上げて1位の野中賢二厩舎に5勝の差を付けられとるし、稼いだ賞金は「1億1955万円」と、まだ去年の1割くらいなんや。

もちろん、今の矢作君は、「早く上との差を詰めなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、フィリーズレビューにドナベティ、中山牝馬Sにグランスラムアスクとラヴェルなど、全部で7頭を特別レースに登録してきましたんで、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。

2024/03/04
野平祐二さんの厩舎に行ってシンボリルドルフを見ていたそうですね
大和田成調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
オメガウインク(フィリーズレビュー)

担当者:調教師情報部 元調教師M

大和田成(なる)君は、大和田稔さんの息子さんで、稔さんは、乗り役時代に、ブツシヤンに乗った1967年の安田記念や、オンワードウエルに乗った1967年のオールカマーなど、重賞を8勝、通算で316勝を上げていました。

それに稔さんは、調教師としても、スイートカーソンを使った1983年のオールカマーや、シノンシンボリを使った1987年の中山大障害・秋や、ミスターブランディを使った1989年の関屋記念や、シルクグレイッシュを使った1994年の福島記念など、重賞を10勝、通算で400勝を上げていましたし、他にも、1997年の皐月賞で2着に入ったシルクライトニングなどを管理していて、2009年に、定年まで3年を残して引退しています。

成君が調教師になろうと思ったきっかけは、もちろん、お父さんを見ていて、自然と競馬の仕事に興味を持ったからで、小学校1年生くらいの時には、ミスターシービーを管理していた松山康久さんの厩舎や、シンボリルドルフを管理していた野平祐二さんの厩舎に行って、この2頭を見ていたそうですよ。

日本獣医畜産大学(現在の日本獣医生命科学大学)を卒業してから、社台ファームで2年半ほど働いていた成君は、2001年の7月に競馬学校の厩務員課程に入りました。

成君が社台ファームで働いていた頃は、アグネスタキオンやアグネスフライトやマンハッタンカフェやエアジハードなどがいましたから、走る馬を間近で見られて、いい勉強になったのでしょうね。

ちなみに成君は、美浦トレセンから車で40分ほどの場所にある、「faro」(ファロ・住所:茨城県つくば市柴崎454−2)というイタリアンレストランが大のお気に入りなんですよ。

あと、札幌開催の時には、地下鉄の「大通駅」の近くにある「大厚岸」(おおあっけし)という牡蠣料理の専門店に、大学の後輩にあたる黒岩陽一君とよく一緒に行っています。

競馬学校を出た後の成君は、2001年の10月から本郷一彦厩舎の厩務員を、11月からは浅野洋一郎厩舎の調教助手をやって、その後は、加藤征弘厩舎や柴田政人厩舎で経験を積んでいました。

2010年の12月に調教師の試験に受かった成君は、次の年の5月に勇退した本郷さんの厩舎を引き継ぐ形で開業しています。

そうそう、同じ2010年の12月に調教師の試験に受かった栗田徹君は日本獣医畜産大学の後輩で、栗田君の奥さんは、成君と大学の同級生だったんですよ。

開業した年の成君は、馬を使った回数が少なかったので5勝止まりでしたけど、その後は、2年目が6勝、3年目が18勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、2015年には、今までで一番の「21勝・獲得賞金3億7427万円」という成績を残していました。

でも、一昨年までの7年間は、

2016年→14勝・獲得賞金2億5484万円
2017年→10勝・獲得賞金1億5573万円
2018年→15勝・獲得賞金2億1675万円
2019年→19勝・獲得賞金2億5943万円
2020年→15勝・獲得賞金2億1165万円
2021年→9勝・獲得賞金1億7604万円
2022年→10勝・獲得賞金2億1806万円

という形で成績が伸び悩んでいましたから、去年の成君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、去年はオメガギネスでグリーンチャンネルCを勝つなど、全部で15勝を上げて、稼いだ賞金が「3億0327万円」と、7年振りに3億円を超えていました。

そして今年も勢いが続いていて、先週までに3勝を上げて、稼いだ賞金が「7802万円」と、去年の同じ時期(3月5日【日】まで)の「5346万円」を大きく上回っていますから、今の成君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフィリーズレビューにオメガウインクを登録してきましたから、この馬をメイチに仕上げてくると私は見ています。

それに、成君の厩舎はまだ重賞を勝てていませんから、今回は、「初めての重賞勝ちをここで」という思いも込められているのでしょう。