注目調教師
2023/10/23
ずっとサイレンススズカの厩舎で調教助手をやっとったんですわ
中内田充正調教師(栗東)
主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)
今週の主な登録馬:
プログノーシス(天皇賞・秋)
グレナディアガーズ(スワンS)
ヴァリアメンテ(カシオペアS)
アウサンガテ(聖籠特別)
担当者:調教師情報部 元調教師Y
栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。
彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。
「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。
充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。
それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。
卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。
10年くらい海外で勉強して、日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。
橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。
試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。
そんで、開業して初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、
2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
と書けば分かる通りで、賞金が右肩上がりやったし、中でも2019年は、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞しとったんやから、ホンマに大したもんやで。
ただ2020年は、グレナディアガーズを使った朝日杯FSとか、重賞を3つ勝ったんやけど、「36勝・獲得賞金7億7341万円(同13位)」っちゅう成績で、2019年の数字を大きく下回ったんやから、一昨年の中内田君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。
実際、一昨年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんですわ。
そんで去年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、一昨年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11差を付けられた3位やったし、今年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、先週までに44勝を上げて、どの厩舎よりも多い「13億5129万円」の賞金を稼いどるんやけど、リーディングは、46勝で1位の杉山晴紀厩舎に2勝差を付けられた2位なんや。
せやから、今の中内田君は、「リーディング1位に返り咲きたい」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋のプログノーシス、スワンSのグレナディアガーズとか、全部で4頭を特別レースに登録しとるんで、「どれも勝負懸かり」と見ておくべきやろ。
主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)
今週の主な登録馬:
プログノーシス(天皇賞・秋)
グレナディアガーズ(スワンS)
ヴァリアメンテ(カシオペアS)
アウサンガテ(聖籠特別)
担当者:調教師情報部 元調教師Y
栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。
彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。
「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。
充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。
それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。
卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。
10年くらい海外で勉強して、日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。
橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。
試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。
そんで、開業して初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、
2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
と書けば分かる通りで、賞金が右肩上がりやったし、中でも2019年は、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞しとったんやから、ホンマに大したもんやで。
ただ2020年は、グレナディアガーズを使った朝日杯FSとか、重賞を3つ勝ったんやけど、「36勝・獲得賞金7億7341万円(同13位)」っちゅう成績で、2019年の数字を大きく下回ったんやから、一昨年の中内田君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。
実際、一昨年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんですわ。
そんで去年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、一昨年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11差を付けられた3位やったし、今年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、先週までに44勝を上げて、どの厩舎よりも多い「13億5129万円」の賞金を稼いどるんやけど、リーディングは、46勝で1位の杉山晴紀厩舎に2勝差を付けられた2位なんや。
せやから、今の中内田君は、「リーディング1位に返り咲きたい」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋のプログノーシス、スワンSのグレナディアガーズとか、全部で4頭を特別レースに登録しとるんで、「どれも勝負懸かり」と見ておくべきやろ。
2023/10/23
電気設備工事で有名な関電工で働いていました
堀宣行調教師(美浦)
主な管理馬:
カフェファラオ(2022年フェブラリーSなど)
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
今週の主な登録馬:
ダノンベルーガ(天皇賞・秋)
ヒシイグアス(天皇賞・秋)
レヴァンジル(魚沼S)
ボルケーノ(萩S)
ファンタジア(本栖湖特別)
サングラデーション(萬代橋特別)
担当者:調教師情報部 元調教師M
千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっていることで有名な「関電工」で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、ずっと20勝以上をキープしていますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めて重賞を勝った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGIを勝っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までにJRAで、「GIの15勝を含め重賞を69勝」という実績を残しています。
それに海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
でも、その後は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
2021年→35勝・獲得賞金8億2426万円(同14位)
2022年→34勝・獲得賞金11億3958万円(同18位)
と書けば分かる通り、「リーディング1位」を逃し続けていますし、特に一昨年と去年は、「リーディングのトップ10」にも入れなかったんですよ。
もちろん、今年を迎えるにあたって堀君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、タスティエーラでダービーを勝つなど、先週までに重賞の4勝を含めて31勝を上げて、稼いだ賞金が「12億3010万円」と、もう去年の数字を超えています。
もちろん、今の堀君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋にダノンベルーガやヒシイグアスなど、賞金の高い特別レースに6頭を登録してきましたので、どの馬も全力で仕上げてくるでしょうね。
主な管理馬:
カフェファラオ(2022年フェブラリーSなど)
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
今週の主な登録馬:
ダノンベルーガ(天皇賞・秋)
ヒシイグアス(天皇賞・秋)
レヴァンジル(魚沼S)
ボルケーノ(萩S)
ファンタジア(本栖湖特別)
サングラデーション(萬代橋特別)
担当者:調教師情報部 元調教師M
千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっていることで有名な「関電工」で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、ずっと20勝以上をキープしていますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めて重賞を勝った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGIを勝っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までにJRAで、「GIの15勝を含め重賞を69勝」という実績を残しています。
それに海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
でも、その後は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
2021年→35勝・獲得賞金8億2426万円(同14位)
2022年→34勝・獲得賞金11億3958万円(同18位)
と書けば分かる通り、「リーディング1位」を逃し続けていますし、特に一昨年と去年は、「リーディングのトップ10」にも入れなかったんですよ。
もちろん、今年を迎えるにあたって堀君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、タスティエーラでダービーを勝つなど、先週までに重賞の4勝を含めて31勝を上げて、稼いだ賞金が「12億3010万円」と、もう去年の数字を超えています。
もちろん、今の堀君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋にダノンベルーガやヒシイグアスなど、賞金の高い特別レースに6頭を登録してきましたので、どの馬も全力で仕上げてくるでしょうね。
2023/10/23
調教助手時代に2009年の菊花賞馬を担当しとったんや
杉山晴紀調教師(栗東)
主な管理馬:
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
ガイアフォース(2022年セントライト記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
今週の主な登録馬:
ガイアフォース(天皇賞・秋)
ジャスティンパレス(天皇賞・秋)
ルガル(スワンS)
アップデート(古都S)
レーヴリアン(秋嶺S)
担当者:調教師情報部 元調教師T
1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。
中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。
その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。
で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武先生が定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。
それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使ったダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。
そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝って、JRAでも、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、勝ち星と賞金のどっちも、開業からずっと右肩上がりになっとりました。
せやけど一昨年は、「37勝・獲得賞金8億0939万円」っちゅう成績で、初めて前の年の数字を下回ってしもうたんやから、去年の杉山君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。
実際、去年は、ガイアフォースでセントライト記念を、ジャスティンパレスで神戸新聞杯を勝つなど、「47勝・獲得賞金11億7224万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったし、調教師リーディングも4位やったんですわ。
それに、今年も好調が続いとって、ジャスティンパレスで天皇賞・春と阪神大賞典を、エルトンバローズで毎日王冠とラジオNIKKEI賞を勝つなど、先週までに46勝を上げとって、稼いだ賞金は「11億6355万円」と、もう去年の数字を超えるのは時間の問題になっとるし、調教師リーディングも1位になっとります。
もちろん、今の杉山君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。
こういった中、今週は、天皇賞・秋にガイアフォースとジャスティンパレス、スワンSにルガルなど、5頭を特別レースに登録してきましたんで、どれもメイチに仕上げてくるとワシは見とります。
主な管理馬:
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
ガイアフォース(2022年セントライト記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
今週の主な登録馬:
ガイアフォース(天皇賞・秋)
ジャスティンパレス(天皇賞・秋)
ルガル(スワンS)
アップデート(古都S)
レーヴリアン(秋嶺S)
担当者:調教師情報部 元調教師T
1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。
中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。
その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。
で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武先生が定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。
それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使ったダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。
そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝って、JRAでも、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、勝ち星と賞金のどっちも、開業からずっと右肩上がりになっとりました。
せやけど一昨年は、「37勝・獲得賞金8億0939万円」っちゅう成績で、初めて前の年の数字を下回ってしもうたんやから、去年の杉山君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。
実際、去年は、ガイアフォースでセントライト記念を、ジャスティンパレスで神戸新聞杯を勝つなど、「47勝・獲得賞金11億7224万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったし、調教師リーディングも4位やったんですわ。
それに、今年も好調が続いとって、ジャスティンパレスで天皇賞・春と阪神大賞典を、エルトンバローズで毎日王冠とラジオNIKKEI賞を勝つなど、先週までに46勝を上げとって、稼いだ賞金は「11億6355万円」と、もう去年の数字を超えるのは時間の問題になっとるし、調教師リーディングも1位になっとります。
もちろん、今の杉山君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。
こういった中、今週は、天皇賞・秋にガイアフォースとジャスティンパレス、スワンSにルガルなど、5頭を特別レースに登録してきましたんで、どれもメイチに仕上げてくるとワシは見とります。
2023/10/23
明治大学馬術部の主将だったんですよ
高柳瑞樹調教師(美浦)
主な管理馬:
スターズオンアース(2022年オークスなど)
アイスジャイアント(2021年JBC2歳優駿)
ホウオウイクセル(2021年フラワーC)
タマノブリュネット(2016年レディスプレリュード)
今週の主な登録馬:
スターズオンアース(天皇賞・秋)
トウシンマカオ(スワンS)
担当者:調教師情報部 元調教師O
高柳瑞樹君は、実家が北海道の門別にある生産牧場で、もちろん、彼は子供の頃から牧場の仕事を手伝っていました。
2017年に調教師の試験に受かって、2018年の3月に栗東で厩舎を開業した高柳大輔君は、瑞樹君の弟で、歳は二つ違いです。
瑞樹君が馬に乗り始めたのは、札幌光星高校の馬術部に入ってからで、当時は札幌競馬場の乗馬センターでも練習していました。
そして、スポーツ推薦で入った明治大学でも、もちろん馬術部に入っていて、1997年には主将になっていましたし、その年に明治大学の馬術部は、「全日本学生三大大会」で団体優勝を飾っていたんですよ。
大学を卒業する頃、実家の牧場を継ぐかどうか両親に相談したところ、お父さんからトレセンで働くことを勧められて、1999年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から吉永正人厩舎で厩務員をやって、次の月からは伊藤伸一厩舎で調教助手をやっていました。
6回目の挑戦だった2010年に、調教師の試験に受かった瑞樹君は、技術調教師として、栗東の藤原英昭厩舎に所属して、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、その年の12月21日(火)に自分の厩舎を開業しています。
それから、実際に馬を走らせ始めた2011年が5勝、2012年が10勝、2013年が17勝、2014年が20勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2015年には、今までで一番の25勝を上げて、「3億2186万円」の賞金を稼いでいました。
2016年は、JRAでは「22勝・獲得賞金2億9183万円」と、前の年の数字を少し下回ってしまいましたけど、地方で、ヴィータアレグリアを使った1着賞金が2100万円のマリーンCと、タマノブリュネットを使った1着賞金が3100万円のレディスプレリュードを勝っていたんですよ。
でも、その後の4年間は、
2017年→16勝・獲得賞金2億4834万円
2018年→16勝・獲得賞金2億4194万円
2019年→24勝・獲得賞金2億7497万円
2020年→14勝・獲得賞金2億6538万円
という形で成績が伸び悩んでいましたから、一昨年の瑞樹君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。
実際、一昨年は、ホウオウイクセルを使ったフラワーCで、JRAでは初めての重賞勝ちを飾るなど、「21勝・獲得賞金2億9972万円」という成績を残していて、勝ち星と賞金のどっちも、前の年を上回っていましたし、地方では、アイスジャイアントを使った1着賞金が3000万円のJBC2歳優駿を勝っていました。
そして去年は、スターズオンアースを使った桜花賞で初めてGIを勝つと、この馬でオークスも勝つなど、全部で18勝を上げて、稼いだ賞金は「7億6852万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。
でも、今年に入ってからは、完全に勢いが止まっていて、先週までに平場の9勝しか上げられていなくて、稼いだ賞金は「3億2219万円」と、まだ去年の4割くらいです。
もちろん、今の瑞樹君は、「大きいレースを勝って、一気に巻き返したい」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋にスターズオンアース、スワンSにトウシンマカオと、2頭を賞金の高い重賞レースに登録してきましたので、私が彼でしたら、間違いなくどちらも全力で仕上げますね。
主な管理馬:
スターズオンアース(2022年オークスなど)
アイスジャイアント(2021年JBC2歳優駿)
ホウオウイクセル(2021年フラワーC)
タマノブリュネット(2016年レディスプレリュード)
今週の主な登録馬:
スターズオンアース(天皇賞・秋)
トウシンマカオ(スワンS)
担当者:調教師情報部 元調教師O
高柳瑞樹君は、実家が北海道の門別にある生産牧場で、もちろん、彼は子供の頃から牧場の仕事を手伝っていました。
2017年に調教師の試験に受かって、2018年の3月に栗東で厩舎を開業した高柳大輔君は、瑞樹君の弟で、歳は二つ違いです。
瑞樹君が馬に乗り始めたのは、札幌光星高校の馬術部に入ってからで、当時は札幌競馬場の乗馬センターでも練習していました。
そして、スポーツ推薦で入った明治大学でも、もちろん馬術部に入っていて、1997年には主将になっていましたし、その年に明治大学の馬術部は、「全日本学生三大大会」で団体優勝を飾っていたんですよ。
大学を卒業する頃、実家の牧場を継ぐかどうか両親に相談したところ、お父さんからトレセンで働くことを勧められて、1999年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から吉永正人厩舎で厩務員をやって、次の月からは伊藤伸一厩舎で調教助手をやっていました。
6回目の挑戦だった2010年に、調教師の試験に受かった瑞樹君は、技術調教師として、栗東の藤原英昭厩舎に所属して、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、その年の12月21日(火)に自分の厩舎を開業しています。
それから、実際に馬を走らせ始めた2011年が5勝、2012年が10勝、2013年が17勝、2014年が20勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2015年には、今までで一番の25勝を上げて、「3億2186万円」の賞金を稼いでいました。
2016年は、JRAでは「22勝・獲得賞金2億9183万円」と、前の年の数字を少し下回ってしまいましたけど、地方で、ヴィータアレグリアを使った1着賞金が2100万円のマリーンCと、タマノブリュネットを使った1着賞金が3100万円のレディスプレリュードを勝っていたんですよ。
でも、その後の4年間は、
2017年→16勝・獲得賞金2億4834万円
2018年→16勝・獲得賞金2億4194万円
2019年→24勝・獲得賞金2億7497万円
2020年→14勝・獲得賞金2億6538万円
という形で成績が伸び悩んでいましたから、一昨年の瑞樹君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。
実際、一昨年は、ホウオウイクセルを使ったフラワーCで、JRAでは初めての重賞勝ちを飾るなど、「21勝・獲得賞金2億9972万円」という成績を残していて、勝ち星と賞金のどっちも、前の年を上回っていましたし、地方では、アイスジャイアントを使った1着賞金が3000万円のJBC2歳優駿を勝っていました。
そして去年は、スターズオンアースを使った桜花賞で初めてGIを勝つと、この馬でオークスも勝つなど、全部で18勝を上げて、稼いだ賞金は「7億6852万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。
でも、今年に入ってからは、完全に勢いが止まっていて、先週までに平場の9勝しか上げられていなくて、稼いだ賞金は「3億2219万円」と、まだ去年の4割くらいです。
もちろん、今の瑞樹君は、「大きいレースを勝って、一気に巻き返したい」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、天皇賞・秋にスターズオンアース、スワンSにトウシンマカオと、2頭を賞金の高い重賞レースに登録してきましたので、私が彼でしたら、間違いなくどちらも全力で仕上げますね。