「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/05/16
サウジアラビアで1000万ドルを稼いどるんやけど
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
パンサラッサ(2023年サウジC)
ラヴズオンリーユー(2021年ブリーダーズCフィリー&メアターフなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
ラヴェル(オークス)
カフジオクタゴン(平安S)
テンカハル(平安S)
プリマヴィスタ(メイS)
アンジュフィールド(カーネーションC・メルボルンT)
ロックユアハート(火打山特別)
ホウオウフウジン(是政特別)
スコールユニバンス(フリーウェイS)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、毎年、東京大学に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それからは、皆さんもよう知っとるように、菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。

矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目の2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとりましたし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。

しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」、「馬を語り、馬に学ぶ」っちゅう3冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。

ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。

実際、去年は「624戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎は「609戦」と、かなり近い数字やったけど、3番目に多い美浦の斎藤誠厩舎が「467戦」やったんやから、どれだけ多かったんがよう分かりますな。

2014年の矢作君は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は「57勝」を上げて、また1位になっとりました。

そんで、一昨年までの3年間も、

2019年→54勝・獲得賞金19億1331万円(調教師リーディング2位)
2020年→53勝・獲得賞金20億3556万円(同1位)
2021年→52勝・獲得賞金16億5818万円(同2位)

っちゅうエエ成績を残しとったし、一昨年は、ラヴズオンリーユーを使ったブリーダーズCフィリーズ&メアターフやマルシュロレーヌを使ったブリーダーズCディスタフとか、海外でG1を4勝もしとったんですわ。

更に、去年も矢作君の厩舎は勢いが続いとって、JRAで、「重賞4勝を含む59勝・獲得賞金12億7726万円」っちゅう成績を残して、「四度目のリーディング1位」になっとったし、海外でも、パンサラッサを使ったドバイターフとか、重賞を4勝もしとったんや。

そんでもって今年は、パンサラッサを使ったサウジCを勝って、このレースだけで1000万ドル(約13億5000万円)を稼いどるんやけど、JRAのリーディングは、先週までに23勝を上げとる中内田充正厩舎に2勝差を付けられた2位なんで、今の矢作君は、「早く1位の座を奪還したい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、オークスのラヴェル、平安Sのカフジオクタゴン(現時点でテンカハルは賞金不足により除外対象)とか、全部で8頭を特別レースに登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/05/16
牧場の仕事をしようと思って日本大学の獣医学部に進んだんや
庄野靖志調教師(栗東)

主な管理馬:
レッドアンシェル(2020年北九州記念など)
スワーヴリチャード(2019年ジャパンCなど)
プールヴィル(2019年フィリーズレビュー)
リッジマン(2018年ステイヤーズS)

今週の主な登録馬:
ドゥアイズ(オークス)
ヴァンヤール(平安S)
ツウカイリアル(鳳雛S)
バブアルシャムス(飛竜特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

庄野靖志君は、1987年の阪神牝馬特別を勝ったシヨノリーガルや、1991年の中日新聞杯を勝ったショウリテンユウなどを生産したことで有名な、門別にある「庄野牧場」で、少し前まで代表をやっとった、庄野昭彦さんの次男なんですわ。

今の「庄野牧場」は、兄の宏志さんが後を継いどるんやけど、元々は、靖志君も親父さんと同じように牧場の仕事をしようと思っとったそうで、高校を出た後は、日本大学の獣医学部に進学しとりました。

日本大学の獣医学部っちゅうたら、靖志君の他にも、ダービーを勝ったアイネスフウジンや、天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップとかを管理しとった加藤修甫さんや、NHKマイルCなどを勝ったタイキフォーチュンや、2002年と2003年の根岸Sを勝って、交流重賞でも大活躍したサウスヴィグラスとかを管理しとった高橋祥泰(よしやす)君とかが卒業しとりますな。

靖志君は、大学を卒業して実家に戻ってから、調教師として、1979年のダービーと1981年の天皇賞・春を勝ったカツラノハイセイコや、1988年の桜花賞を勝ったアラホウトクとかを育てた大叔父の庄野穂積さんに馬のことを教わっとったそうで、そん時に、「将来は調教師になる」と決めたそうですわ。

そんで、1996年に競馬学校の厩務員課程を出てから、マーメイドSを勝ったシャイニンレーサーや、ウインターSを勝ったマチカネワラウカドとかを管理しとった高橋隆厩舎で10年ほど調教助手をやって、2006年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しとります。

初めの年こそ、使った頭数が少なかったんで4勝止まりやったけど、2年目は10勝、3年目も10勝、4年目は12勝と順調に勝ち星を伸ばしとったし、2019年までの5年間は、

2015年→22勝・獲得賞金4億2838万円
2016年→29勝・獲得賞金4億7630万円
2017年→15勝・獲得賞金5億0574万円
2018年→26勝・獲得賞金7億3989万円
2019年→24勝・獲得賞金8億3866万円

っちゅう安定した成績を残しとって、特に2019年は、プールヴィルを使ったフィリーズレビューと、レッドアンシェルを使ったCBC賞と、スワーヴリチャードを使ったジャパンCを勝つなど、今までで一番の賞金を稼いどりました。

せやけど、その後は、

2020年→16勝・獲得賞金3億8887万円
2021年→19勝・獲得賞金3億5371万円
2022年→12勝・獲得賞金2億7421万円

っっちゅう形で数字が伸び悩んどったんや。

もちろん、今年を迎えるにあたって庄野君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、今年は先週までに7勝を上げて、稼いだ賞金は「1億5653万円」と、もう去年の6割近くになっとるんですわ。

そんな訳で、今の庄野君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えとるんやろうし、今週は、オークスにドゥアイズ、平安Sにヴァンヤールとか、賞金の高い特別レースに4頭を登録しとるんやから、「どれも勝負懸かり」とワシは見とります。

2023/05/16
中学生の頃に西山牧場の分場でアルバイトをしていたそうです
竹内正洋調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
シンリョクカ(オークス)
トミケンルーア(韋駄天S)
ユイノダンディズム(飛竜特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

竹内正洋君は、「競馬ブック」などでお馴染みの競馬記者、竹内康光さんの息子さんで、中学生の頃は乗り役になるのが夢で、阿見町(茨城県稲敷郡)にある西山牧場分場でアルバイトをしていたそうですね。

でも、体が大きくなってしまったので、乗り役になることを諦めて、北里大学の獣医学部を卒業した後、2006年に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から国枝栄厩舎で厩務員をやって、11月からは矢野照正厩舎で調教助手をやっていました。

それから、ずっと矢野厩舎で経験を積んでいましたけど、矢野さんが2014年の2月に定年で引退したので、奥村武厩舎に移ると、その年の12月に調教師の試験に受かって、2015年の3月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、暮れまでに5勝を上げて、「8981万円」の賞金を稼いでいましたし、その後の4年間も、

2016年→10勝・獲得賞金1億7654万円
2017年→12勝・獲得賞金1億9129万円
2018年→10勝・獲得賞金1億8655万円
2019年→11勝・獲得賞金1億8154万円

という形で順調に実績を積み重ねていて、2020年には、今までで一番多い22勝を上げて、「3億2556万円」の賞金を稼いでいました。

ただ、一昨年は「13勝・獲得賞金2億2310万円」と、前の年を大きく下回ってしまいましたから、去年の竹内君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際に去年は、2020年の次に多い21勝を上げて、稼いだ賞金は「3億5556万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。

でも、今年は勢いがなくなっていて、先週までに5勝しかできていませんし、稼いだ賞金は「1億0917万円」と、ようやく去年の3割を超えたくらいです。

もちろん、今の竹内君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返したい」と考えているのでしょう。

こういった中、今週は、オークスにシンリョクカ、韋駄天Sにトミケンルーアなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録してきましたので、私が彼でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。

そうそう、竹内君の厩舎は、まだ重賞を勝っていませんので、オークスのシンリョクカには、「GIのここで初めての重賞勝ちを」という思いも込められているのでしょう。

2023/05/16
レストランで働いてから乗り役になったんですわ
音無秀孝調教師(栗東)

主な管理馬:
ピクシーナイト(2021年スプリンターズSなど)
モズスーパーフレア(2020年高松宮記念など)
クリソベリル(2019年チャンピオンズCなど)
インディチャンプ(2019年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
ソーダズリング(オークス)
ノットゥルノ(平安S)
モズブーナー(オーストラリアT)
ダッチマン(丹沢S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

ラグビーボールやエルカーサリバーとかでお馴染みやった田中良平厩舎から、1979年に乗り役としてデビューした音無秀孝君は、1985年のオークスを、28頭立ての21番人気やったノアノハコブネで勝つなど、1993年に引退するまでに、全部で84勝を上げとりましたな。

元々、料理人を目指しとった音無君は、中学を出てからレストランで見習いをやっとったんやけど、そこにおった3年間で競馬が大好きになって、それから乗り役を目指したっちゅう、今では考えられん経歴の持ち主なんや。

乗り役を引退してからの音無君は、田中良平さんの長男の田中章博(のりひろ)厩舎で調教助手をやって、1995年に調教師の試験に受かると、その年の6月に自分の厩舎を開業して、7月には早くも、イナズマタカオーを使った北九州記念で初の重賞勝ちを飾っとりましたな。

それからも、音無厩舎は順調に勝ち星を増やしとって、オレハマッテルゼを使った2006年の高松宮記念で初めてGIを勝つと、オウケンブルースリを使った2008年の菊花賞、カンパニーを使った2009年の天皇賞・秋とマイルCS、ミッキーアイルを使った2014年のNHKマイルCと2016年のマイルCS、ミッキーロケットを使った2018年の宝塚記念、インディチャンプを使った2019年の安田記念とマイルCS、モズスーパーフレアを使った2020年の高松宮記念、ピクシーナイトを使った一昨年のスプリンターズSとか、今までに、GIの14勝を入れて重賞を85回も勝っとるんや。

2004年の音無厩舎は、48勝を上げて「10億3187万円」の賞金を稼いどったし、それから2010年まで、ずっと10億円以上を稼いどりました。

中でも2009年は、「45勝・獲得賞金15億0488万円」っちゅう成績で、「最多賞金獲得調教師賞」を受賞しとったし、2010年は、「52勝・獲得賞金11億5654万円」っちゅう成績で、初めて「調教師リーディング1位」になったんやから、乗り役よりも、調教師として馬を管理する方が向いとるんやろうな。

2011年から2015年までは、成績が伸び悩んどったんやけど、その後は、

2016年→45勝・獲得賞金11億9467万円
2017年→47勝・獲得賞金12億2770万円
2018年→45勝・獲得賞金13億2507万円
2019年→43勝・獲得賞金13億1710万円
2020年→38勝・獲得賞金11億9437万円
2021年→34勝・獲得賞金10億9386万円

と、一昨年まで6年続けて10億円以上の賞金を稼いどったんですわ。

そんで去年は、一昨年より多い35勝を上げたんやけど、前の年は四つやった重賞勝ちが、一つだけやったこともあって、獲得賞金は「5億4170万円」と、一昨年の半分以下やったんや。

それに今年も、モズメイメイでチューリップ賞を勝っとるんやけど、他の特別レースを二つしか勝っとらんこともあって、獲得賞金は「2億6792万円」と、一昨年までのペースを大きく下回っとるんやから、今の音無君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が1億5000万円のオークスにソーダズリング、1着賞金が3800万円の平安Sにノットゥルノとか、4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、それぞれにどんな思惑が込められとるんか、最後まで目が離せませんな。