「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/03/07
エンパイアメーカーとかの調教に乗っとったそうや
中内田充正調教師(栗東)

主な管理馬:
リバティアイランド(2022年阪神ジュベナイルF)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
ブログノーシス(金鯱賞)
アートハウス(中山牝馬S)
カイザーバローズ(東風S)
グレートサンドシー(昇竜S)
ブルースピリット(アクアマリンS)

担当者:調教師情報部 元調教師T

栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。

「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。

卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

10年くらい海外で勉強して、日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。

そんで、開業して初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)

と書けば分かる通りで、賞金が右肩上がりやったし、中でも2019年は、今までで一番の賞金を稼いどって、しかも、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞しとったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ2020年は、グレナディアガーズを使った朝日杯FSとか、重賞を3つ勝ったんやけど、「36勝・獲得賞金7億7341万円(同13位)」っちゅう成績で、2019年の数字を大きく下回ったんやから、一昨年の中内田君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。

実際、一昨年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、賞金も、2019年の次に多い「11億3628万円」を稼いどったんですわ。

そんで去年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、一昨年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11差を付けられた3位やったんや。

もちろん、今年の中内田君は、「リーディング1位に返り咲きたい」と考えとるんやろうし、実際、先週までに早くも11勝を上げとるんやけど、この内の7勝は1月に上げたもんで、2月以降は明らかにペースが落ちとります。

せやから、今の中内田君は、「1月の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、金鯱賞のプログノーシス、中山牝馬Sのアートハウスとか、全部で5頭を賞金の高い特別レースに登録しるんで、「どれも勝負懸かり」と見ておくべきやろ。

2023/03/07
完全に勢いが止まっていますので
高柳瑞樹調教師(美浦)

主な管理馬:
スターズオンアース(2022年オークスなど)
アイスジャイアント(2021年JBC2歳優駿)
ホウオウイクセル(2021年フラワーC)
タマノブリュネット(2016年レディスプレリュード)

今週の主な登録馬:
リバーラ(フィリーズレビュー)
エトワールマタン(房総特別)
コズミックフロスト(岡崎特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

高柳瑞樹君は、実家が北海道の門別にある生産牧場で、もちろん、彼は子供の頃から牧場の仕事を手伝っていました。

2017年に調教師の試験に受かって、2018年の3月に栗東で厩舎を開業した高柳大輔君は、瑞樹君の弟で、歳は二つ違いです。

瑞樹君が馬に乗り始めたのは、札幌光星高校の馬術部に入ってからで、当時は札幌競馬場の乗馬センターでも練習していました。

そして、スポーツ推薦で入った明治大学でも、もちろん馬術部に入っていて、1997年には主将になっていましたし、その年に明治大学の馬術部は、「全日本学生三大大会」で団体優勝を飾っていたんですよ。

大学を卒業する頃、実家の牧場を継ぐかどうか両親に相談したところ、お父さんからトレセンで働くことを勧められて、1999年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から吉永正人厩舎で厩務員をやって、次の月からは伊藤伸一厩舎で調教助手をやっていました。

6回目の挑戦だった2010年に、調教師の試験に受かった瑞樹君は、技術調教師として、栗東の藤原英昭厩舎に所属して、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、その年の12月21日(火)に自分の厩舎を開業しています。

それから、実際に馬を走らせ始めた2011年が5勝、2012年が10勝、2013年が17勝、2014年が20勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2015年には、今までで一番の25勝を上げて、「3億2186万円」の賞金を稼いでいました。

2016年は、JRAでは「22勝・獲得賞金2億9183万円」と、前の年の数字を少し下回ってしまいましたけど、地方で、ヴィータアレグリアを使った1着賞金が2100万円のマリーンCと、タマノブリュネットを使った1着賞金が3100万円のレディスプレリュードを勝っていたんですよ。

でも、その後の4年間は、

2017年→16勝・獲得賞金2億4834万円
2018年→16勝・獲得賞金2億4194万円
2019年→24勝・獲得賞金2億7497万円
2020年→14勝・獲得賞金2億6538万円

という形で成績が伸び悩んでいましたから、一昨年の瑞樹君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。

実際、一昨年は、ホウオウイクセルを使ったフラワーCで、JRAでは初めての重賞勝ちを飾るなど、「21勝・獲得賞金2億9972万円」という成績を残していて、勝ち星と賞金のどっちも、前の年を上回っていましたし、地方では、アイスジャイアントを使った1着賞金が3000万円のJBC2歳優駿を勝っていました。

そして去年は、スターズオンアースを使った桜花賞で初めてGIを勝つと、この馬でオークスも勝つなど、全部で18勝を上げて、稼いだ賞金は「7億6852万円」と、今までで一番の数字だったんですよ。

でも、今年に入ってからは、完全に勢いが止まっていて、先週までが「45戦0勝・獲得賞金3924万円」という、目も当てられないような状況です。

もちろん、今の瑞樹君は、「早く今年の初勝利を上げたい」、「大きいレースを勝って、一気に巻き返したい」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフィリーズレビューにリバーラなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録してきましたので、私が彼でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。

2023/03/07
馬術の推薦で明治大学に入ったんやけど
池添学調教師(栗東)

主な管理馬:
ドゥラエレーデ(2022年ホープフルS)
プラダリア(2022年青葉賞)
アンドヴァラナウト(2021年ローズS)
ヴィクティファルス(2021年スプリングS)

今週の主な登録馬:
ハートループ(フィリーズレビュー)
ブトンドール(フィリーズレビュー)

担当者:調教師情報部 元調教師H

池添学君は、中学生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験を受ける準備をしとったんやけど、体が大きくなってしもうたんで、当時、調教師の試験を受けとった兼雄君に相談したら、「その体重やったら乗り役は厳しい。調教師になったらどうや」と言われて、騎手になるんを諦めたそうですわ。

けど、誘導馬に乗るとか、厩舎で働くとか、「馬に関わる仕事がしたい」と考えとった学君は、将来の選択肢を広げるために、小学校5年生の頃からやっていた馬術に本腰を入れて、その腕は、馬術の名門、明治大学に推薦で入れるほどになったんや。

彼がおった時の明治大学は、大学馬術部の中で一番強くて、学君自身、かなり自信を持っとったし、一時は「オリンピックを目指そう」って考えとったんやけど、海外に遠征した2年生の時、そこで世界レベルの馬術を見て、「とてもかなわん」と感じたんで、真剣に「競馬の道へ進もう」と思ったそうですわ。

ちなみに、美浦で厩舎を開業しとる、久保田貴士君と高柳瑞樹君も、明治大学の馬術部出身やな。

そうそう、去年の7月17日(日)に中京競馬場でやっとった、「ジョッキーベイビーズ」の東海地区代表決定戦で優勝しとる、中学校1年生の池添陽(ひなた)君は、学君の長男で、乗り役を目指しとるんや。

大学を卒業してからの学君は、「ノーザンファーム」で3ヶ月くらい働いた後、ジャパンとブルームの2頭を去年のジャパンCに使っとった、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で1年くらい働いとりました。

日本に戻ってからは、2005年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の5月から兼雄君の厩舎で厩務員と調教助手をやって経験を積んで、2013年の12月に33歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。

でもって、2015年に自分の厩舎を開業した学君は、その年にいきなり21勝もして、「2億5071万円」の賞金を稼いどりました。

それから2020年までも、

2016年→21勝・獲得賞金3億5328万円
2017年→23勝・獲得賞金4億1601万円
2018年→24勝・獲得賞金4億4060万円
2019年→33勝・獲得賞金6億0859万円
2020年→33勝・獲得賞金8億5459万円

っちゅう形で順調に成績を伸ばしとったんですわ。

そんで一昨年は、ヴィクティファルスを使ったスプリングSと、カテドラルを使った京成杯AHと、アンドヴァラナウトを使ったローズSを勝つなど、前の年と同じ33勝を上げたんやけど、稼いだ賞金は「7億8951万円」と、前の年を下回ってしもうたんや。

せやから、去年の学君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ドゥラエレーデを使ったホープフルSで初めてGIを勝つなど、「40勝・獲得賞金9億2460万円」っちゅう成績を残して、勝利数と賞金のどっちも、今までで一番エエ数字やったんですわ。

けど、今年に入ってから先週までは、5勝しか上げられとらんし、稼いだ賞金は「1億5555万円」と、まだ去年の15%くらいなんや。

もちろん、今の学君は、「賞金の高いレースを勝って、一気に巻き返したい」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフィリーズレビューにハートループとブトンドールを登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/03/07
「騎手課程第1期生」の中で初めて調教師になったんですよ
岩戸孝樹調教師(美浦)

主な管理馬:
ラヴアンドポップ(2020年東京ジャンプSなど)
ゲットフルマークス(2008年京王杯2歳S)
フサイチアソート(2007年東京スポーツ杯2歳S)

今週の主な登録馬:
トラベログ(フィリーズレビュー)
シルヴァーゴースト(アネモネS)
ゼオログラヴィティ(アクアマリンS)
イスカンダル(鎌ヶ谷特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

岩戸孝樹君は、1982年に、「第1期生」として競馬学校の騎手課程に入りました。

同期には、まだ現役で乗り役をやっている柴田善臣君や、今は調教師をやっている須貝尚介君や石橋守君や武藤善則君などがいます。

1985年に、山崎彰義厩舎から乗り役としてデビューした岩戸君は、1992年の1月から1998年の5月までフリーになっていましたけど、その後は引退するまで鈴木伸尋(のぶひろ)厩舎に所属していて、乗り役としての実績は83勝でした。

2000年の2月に調教師の試験に受かって、次の月に乗り役を引退した岩戸君は、定年で引退した山崎彰義さんの厩舎を引き継ぐ形で、2002年の3月に自分の厩舎を開業しています。

ちなみに、「競馬学校騎手課程・第1期生」の中で、初めて調教師になったのが岩戸君です。

開業した2002年は、レースに使った数が少なかったので、「7勝・獲得賞金9427万円」という成績でしたけど、その後は、

2003年→14勝・獲得賞金1億5052万円
2004年→14勝・獲得賞金2億2383万円
2005年→15勝・獲得賞金2億4939万円
2006年→13勝・獲得賞金2億4429万円
2007年→20勝・獲得賞金2億9571万円

という形で順調に実績を積み重ねていて、2007年には、フサイチアソートを使った東京スポーツ杯2歳Sで初めての重賞勝ちを飾っていましたし、次の2008年は、ゲットフルマークスを使った京王杯2歳Sを勝つなど、「20勝・獲得賞金3億1818万円」という、まずまずの成績を残していました。

でも、それからは伸び悩んでしまい、2009年から2020年までは、賞金がずっと3億円に届かなかったんですが、一昨年は、木村哲也厩舎から一時的に転厩してきていたジオグリフとファインルージュが重賞を勝ったこともあって、「34勝・獲得賞金6億6496万円」という、今までで一番いい成績を残しています。

ただ、去年は、ジオグリフとファインルージュなどが木村哲也厩舎に戻ってしまったこともあって、「15勝・獲得賞金2億2476万円」と、一昨年を大きく下回ってしまいましたし、今年に入ってからも悪い流れが続いていて、先週までに稼いだ賞金が「7034万円」と、まだ一昨年の1割くらいなんですよ。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフィリーズレビューにトラベログ、1着賞金が2000万円のアネモネSにシルヴァーゴーストなど、4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたので、私が彼でしたら、「一気に巻き返したい」と考えて、どれも全力で仕上げますね。