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注目調教師
2023/02/28
去年の札幌2歳Sが初めての重賞勝ちなんですわ
高橋康之調教師(栗東)

主な管理馬:
ドゥーラ(2022年札幌2歳S)

今週の主な登録馬:
ドゥーラ(チューリップ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師H

高橋康之君は、1989年に競馬学校の騎手課程に入って、1992年に池江泰郎(やすお)厩舎から乗り役としてデビューしとりました。

同期には、調教師になっとる上村洋行君や、競馬学校の教官をやっとる小林淳一君とかがおって、2015年に亡くなった後藤浩輝君も同期やったんや。

乗り役時代の高橋君は、障害レースを中心に騎乗しとって、2007年の6月で乗り役を引退して、それから調教師の試験に受かった2011年まで、坪憲章厩舎で調教助手をやっとりました。

その後は、開業するまでに時間があったんで、技術調教師として、池江泰郎厩舎と角居勝彦厩舎で経験を積んで、2014年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

最初の年は6勝やったけど、2015年には、「15勝・獲得賞金2億1980万円」っちゅう数字を残しとって、2016年には、13勝を上げて、今までで一番多い「2億6003万円」の賞金を稼いどったんや。

それに、2019年までは、ずっと10勝以上をキープしとったんやけど、2020年は8勝、一昨年は7勝と、勝ち星が伸び悩んどったし、賞金も、この2年間は1億円台で終わっとりました。

もちろん、去年の高橋君は、巻き返しに燃えとったんやろうし、9月には、ドゥーラを使った札幌2歳Sで初めて重賞を勝っとって、他も入れたら、稼いだ賞金は「2億4159万円」っちゅう、2016年の次にエエ数字やったんや。

せやけど今年は、先週までが平場の2勝だけで、稼いだ賞金が「3762万円」と、まだ去年の15%くらいなんで、今の高橋君は、「大きいレースを勝って一気に稼ぎたい」と考えとるんやろうし、そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のチューリップ賞にドゥーラを登録しとるんで、「勝負懸かり」と考えとった方がエエやろうな。

2023/02/28
1995年にはフジヤマケンザンで香港のレースを勝っとりますな
森秀行調教師(栗東)

主な管理馬:
キャプテントゥーレ(2008年皐月賞)
ノボトゥルー(2001年フェブラリーSなど)
エアシャカール(2000年菊花賞など)
シーキングザパール(1997年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
ジャスパージャック(オーシャンS)
デヴィナシオン(オーシャンS)
ピアシック(なにわS)

担当者:調教師情報部 元調教師S

森秀行君は、1981年の2月から戸山為夫厩舎で厩務員をやって、この年の11月からは調教助手をやっとりました。

戸山厩舎っちゅうたら、1968年のダービーを勝ったタニノハローモアとか、1992年の皐月賞とダービーを勝ったミホノブルボンなどを管理しとったことでお馴染みですな。

1993年、調教師の試験に受かった森君は、この年の5月に戸山さんが亡くなったんで、急遽、厩舎を引き継ぐ形で9月に開業しとります。

で、2ヶ月後には早くも、レガシーワールドを使ったジャパンCを勝って、周りをアッと言わせましたな。

それからも、シーキングザパールを使った1997年のNHKマイルCや、エアシャカールを使った2000年の皐月賞と菊花賞や、ノボトゥルーを使った2001年のフェブラリーSや、キャプテントゥーレを使った2008年の皐月賞とか、大きなレースで結果を残しとるし、2009年には、それまで渡辺栄さんと山内研二君の二人しか達成しとらんかった、「JRA全10場重賞制覇」を達成しとります。

ちなみに森君は、管理馬を海外のレースにどんどん挑戦させとって、1995年にはフジヤマケンザンで「香港国際C」(現在の香港C)を勝っとったし、その後も、1998年にはフランスの「モーリス・ド・ギース賞」をシーキングザパールで、2000年にはイギリスの「ジュライC」をアグネスワールドで、2020年はサウジアラビアの「サンバサウジダービーC」をフルフラットで勝っとったし、一昨年もピンクカメハメハを使った「サウジダービー」を勝っとりますな。

2001年の森君は、「54勝・獲得賞金12億4585万円」っちゅう、開業してから一番の成績を残しとったし、2006年も、「48勝・獲得賞金12億0238万円」っちゅう、エエ成績を残しとりました。

せやけど、それからは伸び悩んどって、去年までの5年間も、

2018年:18勝・獲得賞金3億9746万円
2019年:15勝・獲得賞金3億2025万円
2020年:21勝・獲得賞金3億7260万円
2021年:33勝・獲得賞金6億9150万円
2022年:26勝・獲得賞金6億2770万円

っちゅう、昔の森厩舎を知っとる者やったら、誰が見ても物足りん数字が続いとったんや。

そんで今年も悪い流れが続いとって、先週までに4勝しか上げとらんし、稼いだ賞金が「9020万円」と、まだ去年の15%くらいなんで、今の森君は、「とにかく賞金の高いレースを勝たなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4300万円のオーシャンSにジャスパージャックとディヴィナシオンとか、賞金の高い特別レースに3頭を登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2023/02/28
ステージチャンプの調教を担当していたんですよ
金成貴史調教師(美浦)

主な管理馬:
サクラアンプルール(2017年札幌記念)
ティリアンパープル(2015年新潟ジャンプS)

今週の主な登録馬:
ルミノメテオール(チューリップ賞)
タイニーロマンス(戎橋S)


担当者:調教師情報部 元調教師M

金成貴史君は、日本獣医畜産大学(今の日本獣医生命科学大学)の出身です。

この大学を出ている調教師と言えば、1992年と1993年の安田記念を勝ったヤマニンゼファーや2014年の皐月賞を勝ったイスラボニータでお馴染みの栗田博憲君や、2019年のクイーンエリザベス2世Cと香港Cを勝ったウインブライトでお馴染みの畠山吉宏君や、一昨年の宝塚記念と有馬記念や去年の宝塚記念などを勝ったクロノジェネシスでお馴染みの斉藤崇史君などがいます。

大学を出てからの金成君は、まず「ノーザンファーム空港」で働いて、1997年に競馬学校の厩務員課程に入ると、その年の10月から、イナリワンなどでお馴染みの鈴木清厩舎で厩務員をやって、同じ年の12月から、ダイナアクトレスやギャロップダイナなどでお馴染みの矢野進厩舎で調教助手をやっていました。

矢野厩舎では、1997年の桜花賞で3着に入ったホーネットピアスや、1994年の日経賞や1995年のステイヤーズSを勝ったステージチャンプなど、走る馬の調教を担当していましたから、いい経験になったのでしょう。

その後、2008年の2月に矢野さんが調教師を引退したので、3月からは、粕谷昌央厩舎で調教助手をやっていたんですよ。

そして、2011年の12月に調教師の試験に受かった金成君は、2012年の3月に厩舎を開業していて、その年は、レースに使った数が少なかったので6勝止まりでしたけど、2013年には8勝、2014年には18勝と、順調に勝ち星を積み重ねていましたし、2015年には、ティリアンパープルを使った新潟ジャンプSで初めての重賞勝ちを飾っています。

2017年には、サクラアンプルールを使った札幌記念を勝つなど、全部で22勝を上げて、「4億7109万円」という今までで一番の賞金を稼いでいましたし、2019年は、キャリアハイの28勝を上げて、2017年の次に多い「4億0877万円」の賞金を稼いでいました。

でも、その後の3年間は、

2020年→25勝・獲得賞金3億7774万円
2021年→14勝・獲得賞金2億8633万円
2022年→13勝・獲得賞金2億3837万円

という形で成績が伸び悩んでいますし、今年も、先週までが平場の2勝だけで、稼いだ賞金が「2982万円」と、ようやく去年の1割を超えたくらいですから、今の金成君は、「早く巻き返したい」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のチューリップ賞にルミノメテオールなど、2頭を特別レースに登録してきましたので、「どちらも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

それに、彼の厩舎は、サクラアンプルールを使った2017年の札幌記念から、5年半以上も重賞をご無沙汰していますので、チューリップ賞のルミノメテオールには、「ここで久々の重賞勝ちを」という思いも込められていると私は見ています。

2023/02/28
お父さんは北島三郎さんの母校で校長を努めていました
相沢郁調教師(美浦)

主な管理馬:
ヴェルデグリーン(2014年アメリカJCCなど)
ダンスインザモア(2005年スプリングSなど)
ジョウテンブレーヴ(2001年マイラーズCなど)
ウメノファイバー(1999年オークスなど)

今週の主な登録馬:
グリューネグリーン(弥生賞)
プレシャスブルー(大阪城S)
スタースタイル(なにわS)
モカフラワー(千里山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

北海道出身の相沢郁(いくお)君は、高校を出てから、麻布大学の獣医学部に進んでいて、その頃、門別の白井牧場でアルバイトをしたことがきっかけで、「JRAの獣医になりたい」と思ったそうですが、その後、「やっぱり調教師になりたい」と思うようになったそうです。

彼がアルバイトをしていた白井牧場と言えば、1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティアや、2000年の桜花賞を勝ったチアズグレイスなどを生産したことでお馴染みですね。

ちなみに、相沢君のお父さんは高校の先生で、北島三郎さんの母校、函館西高校の校長を務めたこともあるそうですよ。

そして競馬学校を出た後の相沢君は、1986年の11月から、前田禎(ただし)厩舎で調教助手をやって、1997年に38歳で調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、ずっと前田厩舎で腕を磨いていました。

前田厩舎と言えば、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなどでお馴染みですね。

開業してからの相沢君は、その年の11月に、ウメノファイバーを使った京王杯3歳Sで早くも重賞を勝つと、次の年にも、ウメノファイバーでクイーンCとオークスを勝つなど、今までにJRAの重賞を20勝しています。

2014年の相沢厩舎は、ヴェルデグリーンでアメリカJCCを勝つなど、全部で18勝を上げて、「5億7189万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいましたし、2019年は、エメラルファイトでスプリングS、ブラックホールで札幌2歳Sを勝つなど、2012年と並んで一番多い29勝を上げて、「5億0600万円」の賞金を稼いでいました。

でも、その後の2年間は、

2020年→21勝・獲得賞金4億3069万円
2021年→10勝・獲得賞金3億0010万円

と書けば分かる通り、成績が伸び悩んでいましたし、去年は、ライラックを使ったフェアリーS、グリューネグリーンを使った京都2歳Sと、重賞を2勝しましたけど、他の馬があまり活躍しなかったので、結局、「21勝・獲得賞金3億9150万円」という、2014年や2019年と比べたら、物足りない成績でした。

それに今年は、先週までが平場の3勝だけで、稼いだ賞金は「4562万円」と、ようやく去年の1割を超えたくらいなんですよ。

もちろん、今の相沢君は、「賞金の高いレースを勝って一気に巻き返したい」と考えているのでしょうね。

そんな中、今週は、1着賞金が5400万円の弥生賞にグリューネグリーン、1着賞金が2800万円の大阪城Sにプレシャスブルーなど、4頭を特別レースに登録してきましたので、「どれも勝負懸かり」と私は見ています。