「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/01/11
「ミルファーム」の代表と慶応大学の同期なんですよ
手塚貴久調教師(美浦)

主な管理馬:
ユーバーレーベン(2021年オークス)
シュネルマイスター(2021年NHKマイルCなど)
フィエールマン(2019年天皇賞・春など)
アユサン(2013年桜花賞)

今週の主な登録馬:
ソールオリエンス(京成杯)
インターミッション(カーバンクルS)
ジュニパーベリー(カーバンクルS)

担当者:調教師情報部 元調教師N

手塚貴久君は、地方の宇都宮競馬(2005年3月に廃止)で調教師をやっていた手塚佳彦さんの長男で、佳彦さんは、足利競馬場と宇都宮競馬場で29連勝したドージマファイターを管理していたことでお馴染みですね。

お父さんの仕事を考えると意外ですが、手塚君は、ほとんど馬と関わらずに育ったそうで、慶応大学の商学部を卒業する前には、大手飲料メーカーなど、いくつかの会社から内定をもらっていて、そのままサラリーマンになる予定だったそうですよ。

でも、大学を卒業する前に、佳彦さんと行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになったそうです。

そして、手塚君の伯父にあたる、ライスシャワーの調教師としてお馴染みの飯塚好次(よしじ)さんに相談したところ、「それならJRAでやった方がいい」と言われて気持ちが決まったそうで、就職の内定を断って、当時、鵡川にあった西山牧場で1年くらい働いて、その後、1989年に競馬学校の厩務員課程に入りました。

ちなみに手塚君は、オーナーブリーダー・「ミルファーム」の代表をやっている清水敏(さとし)さんと大学の同期で仲が良くて、2005年の「三田祭」(慶応大学の学園祭)では、二人で一緒に講演会に出ていたんですよ。

競馬学校を出た後の手塚君は、相川勝敏さんの厩舎で厩務員をやって、佐藤全弘(まさひろ)さんの厩舎で調教助手をやって、1999年の3月に自分の厩舎を開業しました。

最初の年こそ8勝止まりでしたけど、その後は、2年目が10勝、3年目が15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2004年には30勝を上げていましたし、その後も、2010年が19勝だった以外は、毎年20勝以上しています。

それに、手塚君の厩舎は、開業1年目だった1999年に、ベルグチケットを使ったフェアリーSで初めて重賞を勝っていますし、その後も、アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、アイムユアーズを使った2012年のフィリーズレビューとクイーンSや、アユサンを使った2013年の桜花賞や、アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSや、フィエールマンを使った2018年の菊花賞と2019年と2020年の天皇賞・春など、今までに、GIの8勝を含めて重賞を34勝もしているんですよ。

ちなみに、少し前まで手塚君は「日本調教師会」の副会長をやっていて、去年の2月からは会長をやっています。

2017年は、セダブリランテスを使ったラジオNIKKEI賞を勝つなど、38勝を上げて、「6億8707万円」の賞金を稼いでいましたし、2020年までの3年間も、

2018年→26勝・獲得賞金7億4821万円
2019年→33勝・獲得賞金8億3875万円
2020年→33勝・獲得賞金10億3416万円

という素晴らしい成績を残していて、2020年には、賞金が初めて10億円の大台に乗っていました。

そして一昨年は、ウインマリリンで日経賞とオールカマー、シュネルマイスターでNHKマイルCと毎日王冠、ユーバーレーベンでオークスを勝つなど、「重賞7勝を含む45勝・獲得賞金13億3529万円」という成績で、勝ち星と賞金のどっちも、今までで一番の数字だったんですよ。

でも去年は、ウインマリリンで香港ヴァーズを勝ちましたけど、JRAでは重賞を一つも勝てずに終わってしまいましたし、全体の成績も「27勝・獲得賞金6億8644万円」と、一昨年を大きく下回ってしまったんですよ。

もちろん、今年の手塚君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょうし、そのためには、早い内から賞金の高いレースを勝っておく必要があります。

こういった中、今週は、京成杯のソールオリエンス、カーバンクルSのインターミッションとジュニパーペリーと、3頭を特別レースに登録していますので、「どれも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2023/01/11
アイオーユーなどで重賞を勝っていましたね
小野次郎調教師(美浦)

主な管理馬:
コーリンベリー(2015年JBCスプリントなど)
トーセンスーリヤ(2020年新潟大賞典)

今週の主な登録馬:
シルバースペード(京成杯)
グランアリエル(サンライズS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんもよく知っていると思いますが、小野次郎君は、1986年に騎手候補生になって、桜花賞を勝ったブロケードや、天皇賞・秋を勝ったキョウエイプロミスや、宝塚記念を勝ったパーシャンボーイなどを管理していた高松邦男さんの厩舎から、1989年に乗り役としてデビューしていて、同期には、今でも現役で頑張っている田中勝春君や、栗東で調教師をやっている角田晃一君や、競馬評論家として活躍している佐藤哲三君などがいます。

乗り役時代の小野君は、アイオーユーに乗った1995年のカブトヤマ記念や、マニックサンデーに乗った2000年のサンスポ賞4歳牝馬特別(現在のフローラS)や、ユキノサンロイヤルに乗った2005年の日経賞など、重賞を5勝、JRA通算で528勝を上げていて、調教師の試験に受かった2010年に乗り役を引退しました。

2011年に自分の厩舎を開業した小野君は、最初の年こそ、使った数が少なかったので5勝止まりでしたけど、2年目には11勝を上げていましたし、コーリンベリーを使った2015年のJBCスプリントで、初めての重賞勝ちをG1で飾っています。

JRAで初めて重賞を勝ったのは、トーセンスーリヤを使った2020年の新潟大賞典で、この年は、「15勝・獲得賞金2億5687万円」という成績を残していて、一昨年は、トーセンスーリヤで函館記念を勝つなど、「17勝・獲得賞金3億1262万円」という、今までで一番いい成績を残していました。

でも去年は、「10勝・獲得賞金1億8434万円」という成績で、前の年を大きく下回ってしまいましたから、今年の小野君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょうし、そのためには、早い内から賞金の高いレースを多く勝っておくことが大事ですね。

そういった中、今週は、1着賞金が4000万円の京成杯にシルバースペード、1840万円のサンライズSにグランアリエルと、特別レースに2頭を登録していますので、私が小野君でしたら、どっちも全力で仕上げるのは間違いありません。

2023/01/11
東京大学を卒業してから育成施設で働いていました
林徹調教師(美浦)

主な管理馬:
ソングライン(2022年安田記念など)
アナザーリリック(2022年福島牝馬S)
クレッシェンドラヴ(2020年七夕賞など)

今週の主な登録馬:
ロバートソンキー(日経新春杯)
メインクーン(菜の花賞・紅梅S)

担当者:調教師情報部 元調教師O

林徹君は、お父さんの仕事の関係で、10歳の時、千葉県の佐原市から、美浦の隣にある竜ケ崎市に引っ越してきて、中学2年生の時、ウイニングチケットが勝った1993年のダービーを見て、競馬に興味を持ったそうです。

そうそう、彼が通っていた龍ケ崎市立の長山中学校は、元横綱・稀勢の里関の出身校で、林君は、野球部の先輩なんですよ。

進学校として有名な東京の開成高校に通っていた頃、「競馬の世界で働きたい」と思うようになった林君は、東京大学の医学部に進んでから、馬術部に入っていました。

ちなみに、競馬関係者の中で、開成高校の卒業生には、栗東で調教師をやっている矢作芳人君がいますし、東大の卒業生には、美浦で調教師をやっている小笠倫弘(みちひろ)君がいるんですよ。

東大を卒業した後、林君は、美浦トレセンの近くにある育成施設の「ミホ分場」で4年くらい働いていて、当時、そこには、ゼンノロブロイ、ダンスインザムード、バランスオブゲームなど、走る馬が何頭も調整に来ていましたので、彼にはいい経験になったのでしょう。

それから、2006年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から本間忍厩舎で厩務員をやって、11月からは加藤和宏厩舎で調教助手をやって、その後は、田子冬樹厩舎と矢野英一厩舎で、調教師の試験に受かった2016年の12月まで調教助手をやっていました。

試験に受かってからの林君は、技術調教師として、社台ファームやノーザンファームや追分ファームで研修を受けた後、イギリスやアイルランドなど、海外に足を運んでいましたし、帰国してからは、同じ開成高校を出ている矢作君の厩舎で、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方や、厩舎をどうやって運営したらいいかなども教わって、2018年の3月に自分の厩舎を開業しています。

開業した年は、「10勝・獲得賞金1億1574万円」という成績でしたけど、2年目だった2019年は、クレッシェンドラヴを使った福島記念で初めて重賞を勝つなど、「18勝・獲得賞金3億1862万円」と大きく数字を伸ばしていました。

2020年は、「14勝・獲得賞金2億3938万円」という成績で、前の年の数字を下回ってしまいましたけど、一昨年は、ソングラインを使った富士Sを勝つなど、今まで一番多い24勝を上げて、賞金も「4億0467万円」と、大きく数字を伸ばしていたんですよ。

そして去年は、ソングラインを使った1351ターフスプリント(サウジアラビアのG3)で、「初めての海外重賞勝ち」を飾って、1着賞金90万ドル(約1億0400万円)を稼ぎましたし、JRAでは、同じソングラインを使った安田記念で「初めてのGI勝ち」を飾るなど、全部で22勝を上げて、「5億7782万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいます。

もちろん、今年の林君は、「去年の勢いを止めないで、早い内からガンガン稼ぎたい」と考えているのでしょう。

こういった中、今週は、1着賞金が5700万円の日経新春杯にロバートソンキー、1070万円の菜の花賞にメインクーン(紅梅Sにも登録)と、賞金の高い特別レースに2頭を登録していますので、私が林君でしたら、どっちも全力で仕上げますね。

2023/01/11
明治大学の馬術部でオリンピックを目指しとったんやけど
池添学調教師(栗東)

主な管理馬:
ドゥラエレーデ(2022年ホープフルS)
プラダリア(2022年青葉賞)
アンドヴァラナウト(2021年ローズS)
ヴィクティファルス(2021年スプリングS)

今週の主な登録馬:
プラダリア(日経新春杯)
アンドヴァラナウト(愛知杯)

担当者:調教師情報部 元調教師H

誰でもよう知っとる通り、池添学君は、親父さんが同じ栗東で厩舎を構えとる池添兼雄君で、一つ上の兄ちゃんが乗り役の池添謙一君ですな。

学君は、中学生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験を受ける準備をしとったんやけど、体が大きくなってしもうたんで、当時、調教師の試験を受けとった兼雄君に相談したら、「その体重やったら乗り役は厳しい。調教師になったらどうや」と言われて、騎手になるんを諦めたそうですわ。

けど、誘導馬に乗るとか、厩舎で働くとか、「馬に関わる仕事がしたい」と考えとった学君は、将来の選択肢を広げるために、小学校5年生の頃からやっていた馬術に本腰を入れて、その腕は、馬術の名門、明治大学に推薦で入れるほどになったんや。

彼がおった時の明治大学は、大学馬術部の中で一番強くて、学君自身、かなり自信を持っとったし、一時は「オリンピックを目指そう」って考えとったんやけど、海外に遠征した2年生の時、そこで世界レベルの馬術を見て、「とてもかなわん」と感じたんで、真剣に「競馬の道へ進もう」と思ったそうですわ。

ちなみに、美浦で厩舎を開業しとる、久保田貴士君と高柳瑞樹君も、明治大学の馬術部出身やな。

そうそう、去年の7月17日(日)に中京競馬場でやっとった、「ジョッキーベイビーズ」の東海地区代表決定戦で優勝しとる、中学校1年生の池添陽(ひなた)君は、学君の長男で、乗り役を目指しとるんや。

大学を卒業してからの学君は、「ノーザンファーム」で3ヶ月くらい働いた後、ジャパンとブルームの2頭を去年のジャパンCに使っとった、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で1年くらい働いとりました。

日本に戻ってからは、2005年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の5月から兼雄君の厩舎で厩務員と調教助手をやって経験を積んで、2013年の12月に33歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。

でもって、2015年に自分の厩舎を開業した学君は、その年にいきなり21勝もして、「2億5071万円」の賞金を稼いどりました。

それから2020年までも、

2016年→21勝・獲得賞金3億5328万円
2017年→23勝・獲得賞金4億1601万円
2018年→24勝・獲得賞金4億4060万円
2019年→33勝・獲得賞金6億0859万円
2020年→33勝・獲得賞金8億5459万円

っちゅう形で順調に成績を伸ばしとったんですわ。

そんで一昨年は、ヴィクティファルスを使ったスプリングSと、カテドラルを使った京成杯AHと、アンドヴァラナウトを使ったローズSを勝つなど、前の年と同じ33勝を上げたんやけど、稼いだ賞金は「7億8951万円」と、前の年を下回ってしもうたんや。

せやから、去年の学君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ドゥラエレーデを使ったホープフルSで初めてGIを勝つなど、「40勝・獲得賞金9億2460万円」っちゅう成績を残して、勝利数と賞金のどっちも、今までで一番エエ数字やったんですわ。

もちろん、今年の学君は、「去年までの勢いを止めたくない」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が5700万円の日経新春杯にプラダリア、1着賞金が3800万円の愛知杯にアンドヴァラナウトと、重賞レースに2頭を登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。