「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2022/12/29
社台系の牧場馬はほとんど預かっとらんのですわ
昆貢調教師(栗東)

主な管理馬:
アンジュデジール(2018年JBCレディスクラシックなど)
ヒルノダムール(2011年天皇賞・春など)
ローレルゲレイロ(2009年スプリンターズSなど)
ディープスカイ(2008年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
マテンロウレオ(中山金杯)
マテンロウオリオン(京都金杯)
ソウルトレイン(寿S)
ターキッシュパレス(寿S)
ヒルノアマランテ(鳥羽特別)
ストップザタイム(長良川特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

昆貢(こん・みつぐ)君は、キタノカチドキやニホンピロウイナーとかを管理しとった服部正利さんの厩舎から、1978年に乗り役としてデビューして、1989年に引退した後、福島信晴厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1999年に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとりますな。

昔から彼は、「日高の生産馬で結果を出すことが、競馬界全体の活性化に繋がる」っちゅう信念を持っとって、実際に、今、預かっとる32頭は、日高にある牧場で生産された馬が中心で、「社台ファーム」や「ノーザンファーム」とか、社台系の牧場で生産された馬はほとんど預かっとらんのですわ。

せやけど、浦河の笠松牧場で生産されたディープスカイで2008年のダービーとNHKマイルCを勝っとるし、新冠の村田牧場で生産されたローレルゲレイロで2009年の高松宮記念とスプリンターズSを勝っとって、その他にも、静内の橋本牧場で生産されたヒルノダムールで2011年の天皇賞・春を勝っとるんやから、ホンマに大したもんですな。

昆君の厩舎は、ディープスカイがGIを2勝した2008年に、20勝を上げて、「9億0432万円」っちゅう、今までで一番多い賞金を稼いどりました。

けど、それからは数字が伸び悩んどって、2021年までの3年間も、

2019年→獲得賞金4億3822万円
2020年→獲得賞金4億4526万円
2021年→獲得賞金4億1375万円

と書けば分かる通り、2008年の半分も稼げとらんのやから、2022年の昆君は、「必ず巻き返さなアカン」と気合いを入れとったんやろうし、実際、マテンロウオリオンを使ったシンザン記念と、マテンロウレオを使ったきさらぎ賞を勝つなど、12月28日(水)までに稼いだ賞金が「4億9169万円」と、前の3年を大きく上回っとります。

もちろん、2023年を迎えるにあたって昆君は、「2022年の勢いをそのままに、初めの内からガッチリ稼ぎたい」と考えとるんやろ。

そんな中、中山金杯にマテンロウレオ、京都金杯にマテンロウオリオンとか、賞金の高い特別レースに6頭を登録しとるんで、ワシが昆君やったら、どの馬も気合いを入れて仕上げますわ。

2022/12/29
二ノ宮君のアドバイスで東京農業大学に入ったんですよ
和田勇介調教師(美浦)

主な管理馬:
メイショウムラクモ(2021年レパードS)

今週の主な登録馬:
アラタ(中山金杯)
メイショウムラクモ(ポルックスS)

担当者:調教師情報部 元調教師O

東京都出身の和田勇介君は、中学生の時に、サクラバクシンオーが勝った1993年のスプリンターズSをテレビで見て、「自分も競馬の世界で働きたい」と思ったそうです。

最初、騎手を目指していた彼は、背が伸びてしまったため、その夢を諦めて、高校を卒業した後は、新冠にある「上井農場」(2010年の中山大障害を勝ったバシケーンなどを生産)などで働いていました。

そして、1998年のジャパンCなどを勝ったエルコンドルパサーなどを管理していて、2018年の2月に65歳で調教師を引退した二ノ宮敬宇(よしたか)君が牧場に来た時、「大学に行って馬術部に入って、調教師を目指したらどうか?」と勧められて、そのアドバイスに従って、二ノ宮君と同じ東京農業大学に進んで、馬術部に入ったんですよ。

大学を卒業してからは、2005年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から田村康仁厩舎で厩務員をやって、それから久保田貴士厩舎と中川公成(ただしげ)厩舎で働いた後、2007年の2月からは、高橋裕厩舎で調教助手をやって経験を積んで、2016年の12月、8回目の挑戦で調教師の試験に受かっています。

試験に受かった後は、調教師になるきっかけを作ってくれた二ノ宮さんの厩舎で技術調教師になって、馬のことはもちろん、厩舎の色々なことを教わった後、二ノ宮さんと小島太さんの管理馬を引き継ぐ形で、2018年の3月に自分の厩舎を開業しました。

開業した年は、「4勝・獲得賞金9064万円」という成績でしたけど、その後は、

2019年→6勝・獲得賞金1億3226万円
2020年→17勝・獲得賞金2億3194万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6750万円

という形で、成績が完全に「右肩上がり」になっていましたし、特に2021年は、メイショウムラクモを使ったレパードSで初めての重賞勝ちを飾っていたんですよ。

でも、2022年は、「14勝・獲得賞金2億8136万円」という成績で、2021年を大きく下回ってしまいましたから、2023年を迎えるにあたって和田君は、「必ず巻き返しを果たすために、最初の内から賞金の高いレースを多く勝ちたい」と考えているのでしょう。

そんな中、1月5日(木)からの特別レースには、中山金杯にアラタを、ポルックスSにメイショウムラクモを、それぞれ登録していますので、「どちらも彼がメイチに仕上げてくる」と私は見ています。

2022/12/29
サンライズペガサスの復活に感動してこの世界に入ったんや
石坂公一調教師(栗東)

主な管理馬:
イズジョーノキセキ(2022年府中牝馬S)
テオレーマ(2021年JBCレディスクラシックなど)

今週の主な登録馬:
トーホウガレオン(シンザン記念)
シャーレイポピー(京都金杯・ニューイヤーS)
ワールドバローズ(京都金杯・ニューイヤーS)
ナムアミダブツ(成田特別)

担当者:調教師情報部 元調教師H

石坂公一君は、2007年のジャパンCダートや、2008年のフェブラリーSとか、ダートのG1を勝ちまくったヴァーミリアンや、2012年の牝馬三冠を達成したジェンティルドンナとかを管理しとって、2021年の2月に定年で引退するまでに、JRAで、GIの14勝を入れて重賞を49勝、通算で690勝っちゅう実績を残しとる、石坂正(せい)さんの息子ですな。

公一君は、正さんが管理しとったサンライズペガサスが、屈腱炎を克服して復活した姿に感動して、競馬の世界で働くことを決めたそうで、立命館大学を卒業した後、牧場で働いてから、2008年の9月に競馬学校の厩務員過程に入って、次の年の5月から羽月(はつき)友彦厩舎で厩務員をやって、その年の7月から調教助手をやっとりました。

ちなみに羽月君は、1998年から2006年の12月に調教師の試験に受かるまで、正さんの厩舎で調教助手をやっとりましたな。

2017年の12月、34歳の若さで調教師の試験に受かった公一君は、技術調教師として、正さんの厩舎で色んなことを勉強してから、2019年の3月に自分の厩舎を開業しとって、同期は、稲垣幸雄君、上村洋行君、加藤士津八君、坂口智康君、長谷川浩大君、深山雅史君の6人がおるんや。

リーガルリリーを使った3月2日(土)の小倉8R・4歳上500万下で、調教師としてのデビュー戦を勝った公一君は、その年の暮れまでに「6勝・獲得賞金1億3931万円」っちゅう成績を残しとって、2年目やった2020年は、「19勝・獲得賞金3億2517万円」と、大きく成績を伸ばしとりました。

3年目やった2021年も、「20勝・獲得賞金3億9933万円」と成績を伸ばしとったし、地方では、テオレーマを使ったマリーンCで、初めての重賞勝ちを飾っとって、この馬で、交流G1のJBCレディスクラシックも勝っとるんですわ。

そんで2022年は、JRAで、イズジョーノキセキを使った府中牝馬Sで初めて重賞を勝つなど、「24勝・獲得賞金4億9582万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとるし、地方では、テオレーマを使ったTCK女王盃を勝っとります。

もちろん、今の公一君は、「2022年の勢いを止めないで、2023年もいい成績を残したい」と考えとるんやろうし、そのためには、早い内から賞金を高いレースを勝っておく必要がありますな。

そんでもって、1月5日(木)からの特別レースには、シンザン記念のトーホウガレオン、京都金杯とニューイヤーSのシャーレイポピーとワールドバローズとか、全部で4頭を登録してきましたんで、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。

2022/12/29
高校に入る時は、「農業をやろう」と考えていたそうですが
宗像義忠調教師(美浦)

主な管理馬:
ナランフレグ(2022年高松宮記念)
ウインキートス(2021年目黒記念)
フェイムゲーム(2014年アルゼンチン共和国杯など)
バランスオブゲーム(2006年中山記念など)

今週の主な登録馬:
ウインキートス(中山金杯)
ラーグルフ(中山金杯)
ブラウンウェーブ(フェアリーS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

福島県出身の宗像義忠君は、実家が農家で、馬の生産もやっていて、小さい頃、お父さんに何度か福島競馬場に連れて行ってもらったことがきっかけで、競馬に興味を持ったそうですね。

高校に入る時は、「実家を継いで農業をやろう」と考えていたそうで、農業科のある高校に進学したんですが、その頃、実家にいた繁殖牝馬が病気で死んでしまって、「獣医になって、馬を守れるようになりたい」と思ったそうです。

実際、その後は、北里大学に受かって、獣医学部のある青森県に引っ越して、馬術部に入っていて、「調教師になりたい」と考え始めたのはその頃だという話を聞いています。

大学を卒業してからは、馬術部の先輩に勧められて、早田牧場の新冠支場で1年半くらい働いて、1980年から高橋英夫さん(1983年のオークスを勝ったダイナカールなどを管理)の厩舎で調教助手をやって、そこで12年ほど経験を積んで、1992年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は、使った頭数が少なかったので6勝止まりでしたが、その後は、2年目に14勝、3年目に21勝と、順調に数字を伸ばしていて、2011年には、開業してから一番多い34勝を上げていたんですよ。

それに、バランスオブゲームを使った2001年の新潟2歳Sで初めて重賞を勝つと、その他にも、ウインブレイズを使った2003年の鳴尾記念や、フェイムゲームを使った2018年のダイヤモンドSなど、今までに重賞を22回も勝っています。

こういう風に、いい結果を残せているのは、高橋さんの厩舎で調教助手をやっていた時に、さっき名前を挙げたダイナカールや、1988年のテレビ東京賞3歳牝馬S(現在のフェアリーS)と1989年のクイーンCを勝ったカッティングエッジなど、走る馬を間近で見ていた経験をしっかり活かせているからなのでしょう。

2009年の宗像君は、東京新聞杯と富士Sを勝ったアブソリュートの活躍などで、32勝を上げて、「5億7281万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。

ただ、その後は伸び悩んでいて、去年までの5年間も、

2017年→20勝・獲得賞金3億7984万円
2018年→18勝・獲得賞金3億6460万円
2019年→15勝・獲得賞金2億9888万円
2020年→26勝・獲得賞金3億7060万円
2021年→14勝・獲得賞金4億3862万円

という物足りない数字が続いていましたから、2022年、開業から30年目を迎えていた宗像君は、「キッチリ巻き返したい」と考えているのでしょうし、実際、ナランフレグを使った高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾るなど、全部で15勝を上げて、稼いだ賞金は「5億5818万円」と、2021年を大きく上回ったんですよ。

もちろん、2023年を迎えるにあたって宗像君は、「2022年の勢いを止めないで、早い内からガッチリ稼ぎたい」と考えているのでしょう。

こういった中、1月5日(木)からの重賞レースには、ウインキートスとラーグルフを中山金杯に、ブラウンウェーブをフェアリーSに、それぞれ登録していますので、私が宗像君でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。