「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2022/11/21
日本大学の商学部を出て経理の仕事をしていましたが
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
カフェファラオ(2022年フェブラリーSなど)
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)

今週の主な登録馬:
ダノンベルーガ(ジャパンC)
シテフローラル(オリエンタル賞)
レインフロムヘヴン(ウェルカムS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

前にも何度か、私や他の方が書いている通り、千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっていることで有名な「関電工」で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、JRAで、「GIの14勝を含め重賞を64勝」という実績を残しています。
それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
でも、その後の6年間は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
2021年→35勝・獲得賞金8億2426万円(同14位)
と書けば分かる通り、「リーディング1位」を逃し続けていますし、特に去年は、リーディングの「トップ10」にも入れなかったんですよ。
それに今年は、ダノンベルーガを使った共同通信杯、カフェファラオを使ったフェブラリーS、サリオスを使った毎日王冠と、JRAの重賞を3勝していて、地方でも、カフェファラオで交流G1のマイルCS南部杯を勝っていますけど、先週までにJRAで残している成績は「29勝・獲得賞金10億07398万円」というもので、調教師リーディングでは、51勝で1位の矢作芳人厩舎に大きく引き離されていて、賞金も、「14億1552万円」を稼いで1位の友道康夫厩舎に大きく引き離されていますから、きっと今の堀君は、「早く上との差を詰めたい」と考えているのでしょう。
そんな中、今週は、1着賞金が4億円のジャパンCにダノンベルーガを登録するなど、特別レースに全部で3頭を登録してきましたので、どの馬も全力で仕上げてくると私は見ています。

2022/11/21
開成高校を卒業した後、オーストラリアで馬のことを勉強しとったんや
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
ラヴズオンリーユー(2021年ブリーダーズCフィリー&メアターフなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)
モズアスコット(2018年安田記念など)

今週の主な登録馬:
ユニコーンライオン(ジャパンC)
シュタールヴィント(京都2歳S)
キングエルメス(キャピタルS)
サンセットクラウド(江坂特別)
タイセイドリーマー(江坂特別・オリエンタル賞)
ルージュラテール(立雲峡S)
コンティノアール(カトレアS)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、毎年、東大に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それからは、皆さんもよう知っとるように、菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。
矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目の2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとりましたし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。
しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」、「馬を語り、馬に学ぶ」っちゅう3冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。
ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。
実際、去年は「501戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎が「460戦」やったんやから、ズバ抜けて多かったんがよう分かりますな。
2014年の矢作君は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は、今までで一番の「57勝」を上げて、また1位になっとりました。
そんで、去年までの3年間も、
2019年→54勝・獲得賞金19億1331万円(調教師リーディング2位)
2020年→53勝・獲得賞金20億3556万円(同1位)
2021年→52勝・獲得賞金16億5818万円(同2位)
っちゅうエエ成績を残しとったし、去年は、ラヴズオンリーユーを使ったブリーダーズCフィリーズ&メアターフやマルシュロレーヌを使ったブリーダーズCディスタフとか、海外でG1を4勝もしとったんですわ。
今年に入ってからも矢作君の厩舎は勢いが続いとって、先週までに51勝を上げて、2位の清水久詞厩舎に2勝の差を付けて調教師リーディング1位の座をキープしとって、JRAだけで「11億3057万円」の賞金を稼いどるし、海外でも、パンサラッサを使ったドバイターフとか、重賞を4勝もしとって、地方も入れたら、「約17億7006万円」も賞金を稼いどるんや。
もちろん、今の矢作君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんでしょうな。
そんな中、今週は、1着賞金が4億円のジャパンCに登録しとるユニコーンライオンをはじめ、全部で7頭を特別レースに登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2022/11/21
同志社大学の馬術部で大活躍しとりました
藤原英昭調教師(栗東)

主な管理馬:
シャフリヤール(2021年ダービーなど)
ミスターメロディ(2019年高松宮記念など)
ストレイトガール(2016年ヴィクトリアマイルなど)
エイシンフラッシュ(2010年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
シャフリヤール(ジャパンC)
ダノンドリーマー(ウエルカムS)
プライムフェイズ(ウエルカムS)
グレートタイム(カノープスS)

担当者:調教師情報部 元調教師I

藤原英昭君は、同志社大学を卒業してから、フェブラリーSを勝ったチアズアトムや、シンザン記念を勝ったメイショウテゾロなどを育てた星川薫さんの厩舎で、ずっと調教助手をやっとって、2001年の2月一杯で星川さんが引退する時に、引き継ぐ形で次の月に自分の厩舎を開業しとります。
藤原君は、大学に通っとった頃、ずっと馬術部に所属しとって、色んな大会で上位に入っとったから、そん時は、明治大学におって、3年続けて全日本学生チャンピオンになった美浦の久保田貴士君と、「西の藤原、東の久保田」と呼ばれとったんや。
藤原君の親父さんの玄房(はるのぶ)さんは、1970年くらいまであった繋駕速歩競走(馬車レース)の乗り役やったし、乗り役を引退した後は、大久保正陽(まさあき)さんの厩舎で厩務員をやって、その頃、ミスターシービーが勝った1983年のダービーで2着に入ったメジロモンスニーなどを担当しとりました。
もちろん、藤原君は子供の頃から親父さんの仕事振りを見とったやろうから、この世界に入ったんは当たり前やったんでしょうな。
ちなみに、弟の和男君は調教助手をやっとって、昔は北橋修二さんの厩舎でエイシンプレストンとかを担当しとったし、今は、藤原英昭厩舎におるんですわ。
前に藤原君は、「一戦必勝を厩舎のポリシーにしている」っちゅう話をしとったし、その言葉通り、毎年のように高い勝率を記録しとって、1割8分4厘やった2007年、1割9分9厘やった2008年、1割9分3厘やった2013年と、今までに3回も「最高勝率調教師」を受賞しとります。
それからも、藤原君は順調に実績を積み重ねとって、2018年には、パフォーマプロミスで日経新春杯とアルゼンチン共和国杯を、エポカドーロで皐月賞を勝つなど、58勝を上げて「調教師リーディング1位」になって、今まで一番多い「15億9068万円」の賞金を稼いどりました。
せやけど、去年までの3年間は、
2019年→35勝・獲得賞金10億0013万円
2020年→38勝・獲得賞金8億2974万円
2021年→30勝・獲得賞金9億1410万円
っちゅう成績で、2018年を大きく下回っとったから、今年の藤原君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。
実際、今年は先週までにJRAで、もう去年を大きく上回る39勝を上げとって、「7億3910万円」の賞金を稼いどるし、海外では、シャフリヤールで1着賞金が348万ドルのドバイシーマクラシックを勝つなど、「約4億6663万円」を稼いどって、合計すると、もう12億円を超えとるんやから、今の藤原君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。
そんな中、今週は、1着賞金が4億円のジャパンCにシャフリヤールとか、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたんで、どの馬もキッチリ仕上げてくるやろうな。

2022/11/21
去年、初めてのG1勝ちを飾っています
ジャンルカ・ビエトリーニ調教師(イタリア出身・現在の拠点はフランス)

主な管理馬:
ディクトン(2016年フォンテーヌブロー賞【仏G3】など)
グランドグローリー(2021年ジャンロマネ賞【仏G1】など)

今週の主な登録馬:
グランドグローリー(ジャパンC)

担当者:調教師情報部 元調教師N

1968年にイタリアで生まれたジャンルカ・ビエトリーニ君は、元騎手のお父さんが調教師をやっていて、弟も騎手という競馬一家で、ビエトリーニ君自身も、かなり早い内からイタリアでアマチュア騎手をやりながら調教師の仕事をしていて、17歳の時にはもう、ローマにあるカパンネッレの厩舎で20頭ほどを管理していたんですよ。
2013年には、拠点をイタリアからフランスに移して、パリから一番近い調教場のメゾンラフィットに厩舎を構えると、2015年には、フランスの調教師免許を取りました。
早速、次の年には、フレデリック・ヘッド厩舎から引き継いだディクトンを使った、フォンテーヌブロー賞(G3)でフランスでは初めての重賞勝ちを飾ると、グランドグローリーを使った去年のジャンロマネ賞で初めてのG1勝ちを飾るなど、順調に結果を残しているんですよ。
そうそう、フレデリック・ヘッドさんと言えば、乗り役だった頃には、凱旋門賞を4勝するなど、通算2937勝という素晴らしい実績を残していましたし、調教師になってからも、ブリーダーズCマイルを3連覇したゴルディコヴァなどを管理していたことでお馴染みですよね。
去年、ビエトリーニ君の厩舎は、グランドグローリーがG1を勝ったことなどによって、獲得賞金順のフランスリーディングで、過去最高の25位になっていましたし、今年も、グランドグローリーがG3のアレフランス賞を勝ったことなどによって、31位というまずまずの順位だったんですよ。
キャリアが浅い割に、管理馬をどんどん海外のレースに使うビエトリーニ君は、去年のジャパンCにグランドグローリーを使っていて、勝ったコントレイルからコンマ8秒差の5着というまずまずの結果でしたし、今年もこの馬をジャパンCに使ってきたのは、「自分が完璧に仕上げれば勝ち負けになる」と考えているからなのでしょうね。
どんな状態でレースに送り出してくるのか、最後まで注目したいと考えています。