「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2022/05/30
「ミルファーム」の清水敏さんと慶応大学の同期なんですよ
手塚貴久調教師(美浦)

主な管理馬:
ユーバーレーベン(2021年オークス)
シュネルマイスター(2021年NHKマイルCなど)
フィエールマン(2019年天皇賞・春など)
アユサン(2013年桜花賞)

今週の主な登録馬:
シュネルマイスター(安田記念)
オータムレッド(由比ヶ浜特別・小金井特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

手塚貴久君は、地方の宇都宮競馬(2005年3月に廃止)で調教師をやっていた手塚佳彦さんの長男で、佳彦さんは、足利競馬場と宇都宮競馬場で29連勝したドージマファイターを管理していたことでお馴染みですね。
お父さんの仕事を考えると意外ですが、手塚君は、ほとんど馬と関わらずに育ったそうで、慶応大学の商学部を卒業する前には、大手飲料メーカーなど、いくつかの会社から内定をもらっていて、そのままサラリーマンになる予定だったそうですよ。
でも、大学を卒業する前に、佳彦さんと行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになったそうです。
そして、手塚君の伯父にあたる、ライスシャワーの調教師としてお馴染みの飯塚好次(よしじ)さんに相談したところ、「それならJRAでやった方がいい」と言われて気持ちが決まったそうで、就職の内定を断って、当時、鵡川にあった西山牧場で1年くらい働いて、その後、1989年に競馬学校の厩務員課程に入りました。
ちなみに手塚君は、オーナーブリーダー・「ミルファーム」の代表をやっている清水敏さんと大学の同期で仲が良くて、2005年の「三田祭」(慶応大学の学園祭)では、二人で一緒に講演会に出ていましたね。
競馬学校を出た後の手塚君は、相川勝敏さんの厩舎で厩務員をやって、佐藤全弘(まさひろ)さんの厩舎で調教助手をやって、1999年の3月に自分の厩舎を開業しています。
最初の年こそ8勝止まりでしたけど、その後は、2年目が10勝、3年目が15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2004年には30勝を上げていましたし、その後も、2010年が19勝だった以外は、毎年20勝以上していますね。
それに、手塚君の厩舎は、開業1年目だった1999年に、ベルグチケットを使ったフェアリーSで初めて重賞を勝っていますし、その後も、アイルラヴァゲインを使った2007年のオーシャンSや、アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、アイムユアーズを使った2012年のフィリーズレビューとクイーンSや、アユサンを使った2013年の桜花賞や、アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSや、フィエールマンを使った2018年の菊花賞と2019年と一昨年の天皇賞・春など、今までに、GIの8勝を含めて重賞を34勝もしています。
ちなみに、少し前まで手塚君は「日本調教師会」の副会長をやっていて、今年の2月からは会長をやっているんですよ。
2017年は、セダブリランテスを使ったラジオNIKKEI賞を勝つなど、38勝を上げて、「6億8707万円」の賞金を稼いでいましたし、一昨年までの3年間も、
2018年→26勝・獲得賞金7億4821万円
2019年→33勝・獲得賞金8億3875万円
2020年→33勝・獲得賞金10億3416万円
という素晴らしい成績を残していて、一昨年は、賞金が初めて10億円の大台に乗っていました。
そして去年は、ウインマリリンで日経賞とオールカマー、シュネルマイスターでNHKマイルCと毎日王冠、ユーバーレーベンでオークスを勝つなど、「45勝・獲得賞金13億3529万円」という成績で、勝ち星と賞金のどっちも、今までで一番の数字だったんですよ。
でも、今年は先週までが「8勝・獲得賞金2億1903万円」という成績で、去年の同じ時期(5月30日【日】まで)の「16勝・獲得賞金5億8368万円」を大きく下回っていますから、きっと今の手塚君は、「早く巻き返したい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が1億8000万円の安田記念にシュネルマイスター、1510万円の由比ヶ浜特別にオータムレッド(小金井特別にも登録)と、2頭を賞金の高い特別レースに登録していますので、「どっちも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2022/05/30
イギリスとアメリカの名門厩舎で武者修行しとりましたな
池江泰寿調教師(栗東)

主な管理馬:
アルアイン(2019年大阪杯など)
サトノアラジン(2017年安田記念など)
サトノダイヤモンド(2016年有馬記念など)
オルフェーヴル(2011年牡馬三冠など)

今週の主な登録馬:
ソウルラッシュ(安田記念)
レザネフォール(アハルテケS・松風月S)
ヴェルトライゼンデ(鳴尾記念)
アステロイドベルト(高山S)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんもよう知っとる通り、池江泰寿(やすとし)君は、2011年の2月に調教師を引退した池江泰郎(やすお)さんの長男で、泰郎さんは、三冠馬ディープインパクトやメジロマックイーンとかでGIを17勝もして、他も入れたら重賞を70勝、通算で845勝っちゅう実績を残しとりますな。
泰寿君は、保育園から中学校まで武豊君とずっと同級生で、栗東トレセンができる前は、厩舎があった京都競馬場でよく遊んどって、その頃は、豊君と同じで乗り役を目指しとったんや。
けど、体が大きくなってしもうたんで、乗り役になるのを諦めて調教師になると決めたんですわ。
そんで、一浪して入った同志社大学の文学部を卒業してから、1993年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からは、オークスを勝ったケイキロクや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかでお馴染みやった浅見国一(くにいち)さんの厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、1994年の6月には、泰郎さんの厩舎に移っとりました。
ちなみに泰寿君は、1993年のコロネーションCを勝ったオペラハウス、1996年のジャパンCを勝ったシングスピール、2010年のイギリスダービーと凱旋門賞を勝ったワークフォースとか、強い馬を何頭も管理しとったイギリスのマイケル・スタウト厩舎と、エーピーインディ、フサイチペガサス、サンデーブレイクとか、日本の馬主さんの持ち馬を管理したことがある、アメリカのニール・ドライスデール厩舎で、1995年から2年くらい武者修行をしとったんですわ。
そんで、2004年に自分の厩舎を開業した泰寿君は、初めの年こそ4勝止まりやったけど、2005年は20勝と、一気に数字を伸ばしとったし、2008年には51勝もして、初めて調教師リーディング1位になっとりました。
しかもこの年は、2位が46勝の泰郎さんやったから、親子で調教師リーディングのワンツーでしたな。
2011年には、オルフェーヴルで牡馬のクラシックを全部勝って、親父さんと同じ「三冠トレーナー」になっとるし、結局この年は、重賞を11勝、全部で49勝を上げて、「23億8602万円」の賞金を稼いどったんですわ。
これは、2004年に藤沢和雄君が残しとった「23億1700万円」を上回る一番の記録で、これだけの成績を残せたんは、浅見さんや泰郎さんの厩舎や海外の厩舎で勉強してきた「馬の仕上げ方」を、自分の厩舎でしっかりと活かせとるからやろうな。
そんで、2012年には2回目のリーディング1位になっとって、2017年は、アルアインを使った皐月賞、サトノアラジンを使った安田記念、ペルシアンナイトを使ったマイルCSとか、重賞を10勝、全部で「63勝」を上げて、3回目のリーディング1位になっとったし、賞金も「18億4737万円」を稼いどったんですわ。
けど、去年までの4年間は、
2018年→46勝・獲得賞金13億4400万円
2019年→45勝・獲得賞金13億1681万円
2020年→38勝・獲得賞金10億2171万円
2021年→36勝・獲得賞金8億6330万円
っちゅう数字で、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」になっとりました。
せやから、今年の泰寿君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとるんやろうし、実際、ジャンダルムを使ったオーシャンSや、ソウルラッシュを使ったマイラーズCや、ボッケリーニを使った目黒記念を勝つなど、先週までが「28勝・獲得賞金6億2951万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(5月30日【日】まで)の「16勝・獲得賞金4億0265万円」を大きく上回っとります。
もちろん、今の泰寿君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。
そんな中、今週は、1着賞金が1億8000万円の安田記念にソウルラッシュ、4300万円の鳴尾記念にヴェルトライゼンデ、2200万円のアハルテケSにレザネフォール(松風月Sにも登録)、1840万円の高山Sにアステロイドベルトと、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2022/05/30
実家の繁殖牝馬が病気で死んでしまって、「獣医になりたい」と思ったそうです
宗像義忠調教師(美浦)

主な管理馬:
ナランフレグ(2022年高松宮記念)
フェイムゲーム(2014年アルゼンチン共和国杯など)
アブソリュート(2009年富士Sなど)
バランスオブゲーム(2006年中山記念など)

今週の主な登録馬:
ナランフレグ(安田記念)
エレナアヴァンティ(松風月S)

担当者:調教師情報部 元調教師O

福島県出身の宗像義忠君は、実家が農家で、馬の生産もやっていて、小さい頃、お父さんに何度か福島競馬場に連れて行ってもらったことがきっかけで、競馬に興味を持ったそうですね。
高校に入る時は、「実家を継いで農業をやろう」と考えていたそうで、農業科のある高校に進学したんですが、その頃、実家にいた繁殖牝馬が病気で死んでしまって、「獣医になって、馬を守れるようになりたい」と思ったそうです。
実際、その後は、北里大学に受かって、獣医学部のある青森県に引っ越して、馬術部に入っていて、「調教師になりたい」と考え始めたのはその頃だという話を聞いています。
大学を卒業してからは、馬術部の先輩に勧められて、早田牧場の新冠支場で1年半くらい働いて、1980年から高橋英夫さん(1983年のオークスを勝ったダイナカールなどを管理)の厩舎で調教助手をやって、そこで12年ほど経験を積んで、1992年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しています。
最初の年は、使った頭数が少なかったので6勝止まりでしたが、その後は、2年目に14勝、3年目に21勝と、順調に数字を伸ばしていて、2011年には、開業してから一番多い34勝を上げていたんですよ。
それに、バランスオブゲームを使った2001年の新潟2歳Sで初めて重賞を勝つと、その他にも、ウインブレイズを使った2003年の鳴尾記念や、フェイムゲームを使った2018年のダイヤモンドSなど、今までに重賞を22回も勝っています。
こういう風に、いい結果を残せているのは、高橋さんの厩舎で調教助手をやっていた時に、さっき名前を挙げたダイナカールや、1988年のテレビ東京賞3歳牝馬S(現在のフェアリーS)と1989年のクイーンCを勝ったカッティングエッジなど、走る馬を間近で見ていた経験をしっかり活かせているからなのでしょう。
2009年の宗像君は、重賞を2勝したアブソリュートの活躍などで、32勝を上げて、「5億7281万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。
ただ、その後は伸び悩んでいて、去年までの5年間も、
2017年→20勝・獲得賞金3億7984万円
2018年→18勝・獲得賞金3億6460万円
2019年→15勝・獲得賞金2億9888万円
2020年→26勝・獲得賞金3億7060万円
2021年→14勝・獲得賞金4億3862万円
という物足りない数字が続いていましたから、今年、開業から30年目を迎えた宗像君は、「キッチリ巻き返したい」と考えているのでしょうし、実際、ナランフレグを使った高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾るなど、先週までに5勝を上げて、稼いだ賞金は「2億9586万円」と、もう去年の7割近くになっているんですよ。
もちろん、今の宗像君は、「この勢いを止めたくない」と考えている筈です。
こういった中、今週は、1着賞金が1億8000万円の安田記念にナランフレグ、2200万円の松風月Sにエレナアヴァンティと、2頭を賞金の高い特別レースに登録していますので、私が宗像君でしたら、どっちも全力で仕上げますね。

2022/05/30
高校を出てから、「吉澤ステーブル」と「社台ファーム」で働いとったんや
辻野泰之調教師(栗東)

主な管理馬:
ロータスランド(2022年京都牝馬Sなど)

今週の主な登録馬:
カラテ(安田記念)
ロータスランド(安田記念)


担当者:調教師情報部 元調教師H

1981年生まれで、大阪府枚方市出身の辻野泰之君は、中学生の頃、テレビゲームの「ダービースタリオン」をやったことと、週刊少年ジャンプで連載されとった漫画、「みどりのマキバオー」を読んだことから競馬に興味を持ったそうですわ。
でもって、高校生の頃には、2012年まで乗り役をやっとって、今は調教師をやっとる長谷川浩大君とかが通っとった「京都競馬場乗馬センター」で馬乗りを習っとったんや。
高校を卒業した後、辻野君は、北海道に行って、「吉澤ステーブル」(浦河郡浦河町西舎)と「社台ファーム」(千歳市東丘)で経験を積んで、2005年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、2006年の10月から角居勝彦厩舎で厩務員をやって、次の月からは調教助手をやっとりました。
ちなみに、角居厩舎におった時、辻野君は、スポークスマンとして、角居君の代わりにインタビューを受けることが多かったんで、辻野君の顔を知っとる競馬ファンは多いんやろう。
8回目の挑戦やった2019年、調教師の試験に受かった辻野君は、去年の3月に自分の厩舎を開業しとって、同期の調教師は、小林真也君、四位洋文君、鈴木慎太郎君、杉山佳明君、田中克典君、茶木太樹君、辻哲英君、畑端省吾君の8人がおるんですわ。
辻野君は、解散した角居厩舎から走る馬を多く引き継いどることもあって、開業してから2レース目やった、ロイヤルバローズを使った3月7日(日)の中山12Rで早くも初勝利を飾っとったし、ロータスランドを使った関屋記念で、去年の3月に開業した同期の中では一番乗りで重賞を勝つなど、年末までに15勝を上げて、稼いだ賞金は「4億1144万円」と、調教師としてええスタートを切っとります。
そんで、2年目の今年は、ロータスランドを使った京都牝馬Sを勝つなど、先週までに「11勝・獲得賞金2億9462万円」っちゅう成績を残しとって、勝ち星と賞金のどっちも、もう去年の7割以上になっとるんですわ。
もちろん、今の辻野君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えとるんやろ。
そんな中、今週は、1着賞金が1億8000万円の安田記念にカラテとロータスランドを登録してきましたんで、どっちもキッチリ仕上げてくるやろうな。
それに、辻野君の厩舎は、去年の3月に開業して、もう重賞を2つ勝っとるんやけど、まだGIを勝てとらんので、今回は、「ここで初めてのGI勝ちを」っちゅう思いも込められとる筈ですわ。