「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2021/06/07
須貝尚介君とかと同じ、競馬学校の「第1期生」ですね
武藤善則調教師(美浦)

主な管理馬:
ラインカリーナ(2019年関東オークス)
ザラストロ(2012年新潟2歳S)
セラフィックロンプ(2010年愛知杯など)

今週の主な登録馬:
アトミックフォース(エプソムC)
アイスフィヨルド(桑名S・清州S)
コスモアンジュ(大倉山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

知っている方も多いと思いますが、武藤善則君は、まだ現役で頑張っている柴田善臣君や、今は調教師をやっている石橋守君や岩戸孝樹君や須貝尚介君などと同じで、1982年に「第1期生」として競馬学校の騎手課程に入っていて、1986年に黒坂洋基さんの厩舎からデビューしました。
当時の黒坂厩舎には、1988年と1989年の根岸Sで2着だったツクバセイフウや、1990年の目黒記念で2着だったミナガワイチザンなどのオープン馬が何頭かいて、武藤君はそれらの主戦だったんですよ。
乗り役としての彼は、1989年の金杯・東(現在の中山金杯)をニシノミラーで勝つなど、調教師の試験に受かって引退した2001年までに、全部で154勝を上げていました。
ちなみに、水野貴広厩舎に所属していて、2017年に、関東の新人騎手賞にあたる、「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていた武藤雅君は、武藤君の長男です。
武藤君も、デビューした1986年に「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていて、親子で受賞したのは初めてのことだったんですよ。
2003年に自分の厩舎を開業した武藤君は、最初の年こそ、レースに使った数が少なかったので7勝止まりでしたけど、2004年には14勝、2005年には15勝と、コンスタントに勝ち星を上げていましたし、2008年には、セラフィックロンプを使った愛知杯で、初めての重賞勝ちを飾っています。
2012年には、ザラストロを使った新潟2歳Sを勝つなど、「23勝・獲得賞金3億7954万円」という成績を残していました。
その後は2012年の数字を超えられていませんが、去年までの4年間は、
2017年→10勝・獲得賞金1億6689万円
2018年→16勝・獲得賞金2億6790万円
2019年→17勝・獲得賞金2億7418万円
2020年→17勝・獲得賞金3億0776万円
と書けば分かる通り、成績が「完全に右肩上がり」になっていますし、今年も、先週までが「9勝・獲得賞金1億3310万円」という成績で、去年の同じ時期(6月7日【日】まで)の「6勝・獲得賞金1億2894万円」を上回っています。
もちろん、今の武藤君は、「賞金の高いレースを勝って、もっと厩舎に勢いを付けたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が4100万円のエプソムCにアトミックフォース、1820万円の桑名Sにアイスフィヨルド(清州Sにも登録)、1500万円の大倉山特別にコスモアンジュと、賞金の高い特別レースに3頭を登録していますので、私が彼でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。

2021/06/07
仙台育英高校の時、全日本馬術選手権で優勝しているんですよ
尾形和幸調教師(美浦)

主な管理馬:
ブラゾンドゥリス(2017年黒船賞)
カラダレジェンド(2013年京王杯2歳S)

今週の主な登録馬:
ヤシャマル(エプソムC)
ピースユニヴァース(三浦特別・恵那特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

宮城県出身の尾形和幸君は、中学1年生の時に馬術を始めて、仙台育英高校に進んで馬術部に入ると、3年生の時に全日本馬術選手権で優勝していましたし、中央大学に進んだ後も、馬術部の中心メンバーとして活躍していたんですよ。
大学を卒業してからは、2003年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から加藤征弘厩舎で厩務員をやって、8月には調教助手として久保田貴士厩舎に移って、2012年の12月に調教師の試験に受かるまで、ずっと久保田厩舎に所属していました。
尾形君がいた頃の久保田厩舎には、2008年の根岸Sなど、重賞を3勝したワイルドワンダーや、2009年のラジオNIKKEI賞を勝ったストロングガルーダなどがいましたから、こういった走る馬を間近で見られたのは、彼にとっていい経験になった筈です。
そして、2013年の3月に自分の厩舎を開業した尾形君は、カラダレジェンドを使った京王杯2歳Sで初めて重賞を勝つなど、その年は暮れまでに、「10勝・獲得賞金1億3346万円」という成績を残していましたし、その後も、2年目は12勝、3年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、4年目だった2016年は、「23勝・獲得賞金3億5134万円」という、開業してから一番の成績を残していたんですよ。
でも、それからは伸び悩んでいて、去年までの4年間は、
2017年→11勝・獲得賞金2億2820万円
2018年→10勝・獲得賞金1億5878万円
2019年→11勝・獲得賞金1億7765万円
2020年→11勝・獲得賞金1億8053万円
という形で物足りない数字でしたし、今年に入ってからも悪い流れは続いていて、先週までが「6勝・獲得賞金8343万円」という成績で、2016年の同じ時期(6月5日【日】まで)の「9勝・獲得賞金1億5710万円」を大きく下回っていますから、今の尾形君は、「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えている筈です。
こういった中、今週は、1着賞金が4100万円のエプソムCにヤシャマル、1500万円の三浦特別にピースユニヴァース(恵那特別にも登録)の2頭を登録していますので、どちらの馬も「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に尾形君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。
それに、尾形君の厩舎は、2017年にブラゾンドゥリスを使った地方交流重賞の黒船賞を勝っていますけど、JRAの重賞は、カラダレジェンドを使った2013年の京王杯2歳Sから、7年半以上も勝てていませんので、エプソムCのヤシャマルには、「ここで久々に大きいレースを勝ちたい」という思いも込められているのでしょう。

2021/06/07
2014年が初めてのリーディング1位やったな
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
ラヴズオンリーユー(2021年クイーンエリザベス2世Cなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)
モズアスコット(2018年安田記念など)

今週の主な登録馬:
ジャスティン(函館スプリントS)
ミッキーブリランテ(函館スプリントS)
ホウオウライジン(清州S・夏至S)
ペルルドール(常滑特別・八王子特別)
タイセイモンストル(常滑特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、皆さんもよう知っとるように、毎年、東大に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それから菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。
彼は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目の2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとりましたし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。
しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」っちゅう2冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。
ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。
実際、去年は「504戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎が「427戦」やったんやから、ズバ抜けて多かったんがよう分かりますな。
そんで、2014年は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は、今までで一番の「57勝」を上げて、また1位になっとりました。
けど、その後の2年間は、
2017年→47勝・獲得賞金10億8918万円(リーディング7位)
2018年→54勝・獲得賞金14億0757万円(リーディング3位)
っちゅう形で1位になれなかったんですわ。
それに、一昨年は「54勝・獲得賞金19億1331万円」(リーディング2位)っちゅう成績で、賞金は1位やったんやけど、62勝を上げてリーディング1位の安田隆行厩舎に、勝ち星で「8勝」の差を付けられとったんやから、きっと去年の彼は、「勝利数と賞金の両方で1位になりたい」と考えとったんでしょうな。
実際、去年は「53勝・獲得賞金20億3556万円」っちゅう成績で、リーディングの方は、50勝で2位の友道康夫厩舎に3勝差を付けて1位やったし、賞金の方も、「15億9603万円」で2位の国枝栄厩舎に「4億5963万円」の差を付けて1位になっとりました。
でもって、今年は先週までが「27勝・獲得賞金6億5926万円」っちゅう成績で、「調教師リーディング」は1位なんやけど、賞金は、「8億5199万円」を稼いで1位の友道康夫厩舎に「1億9273万円」の差を付けられた3位やから、今の矢作君は、「賞金の高いレースを勝って、友道厩舎との差を詰めたい」と考えとるんやろ。
そんな中、今週は、1着賞金が3900万円の函館スプリントSにジャスティンとミッキーブリランテ、1820万円の清州Sにホウオウライジン(夏至Sにも登録)、1500万円の常滑特別にペルルドール(八王子特別にも登録)とタイセイモンストルと、賞金の高い特別レースに全部で5頭を登録してきましたんで、どの馬もキッチリ仕上げてくるやろうな。

2021/06/07
一橋大学を中退して牧場で働いていました
小手川準調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
ヒュミドール(エプソムC)
ミニオンペール(大倉山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

東京都出身の小手川準(ひとし)君は、競馬とは縁のない環境で育っています。
でも、ミスターシービーが三冠を勝った1983年頃に競馬を見始めていて、その頃の彼は、GIをいくつも勝つような強い馬よりも、1985年のダービーと菊花賞で2着だったスダホークのような馬が好きだったそうです。
駒場東邦高校から一橋大学の社会学部に進んだ小手川君は、大学に通っている時、アルバイトで夕刊紙の競馬記者をやったことがきっかけで、「この世界で働きたい」と思うようになって、結局、大学を中退して、しばらく牧場で働いた後、27歳だった1998年の1月に、競馬学校の厩務員課程に入りました。
その年の7月に、諏訪富三厩舎の厩務員になった彼は、10月に浅野洋一郎厩舎に移って、ここで調教助手と調教厩務員をやって、2001年の1月に小桧山悟厩舎の調教厩務員になって、2011年の3月からここの調教助手をやっていたんですよ。
30代の間は持ち乗りの仕事に夢中だったそうですが、40歳を過ぎたくらいで、師匠の小桧山君から勧められたのがきっかけで、前から憧れていた調教師を目指すことにしたそうです。
そして小手川君は、2018年、5回目の挑戦で調教師の試験に合格していて、去年の3月に自分の厩舎を開業しています。
ちなみに、厩舎を開業した時には、「ゼンノ」の冠名でお馴染みの大迫久美子オーナーや、「テソーロ」の冠名でお馴染みの了徳寺健二オーナーなど、多くの馬主さん達から、お祝いの胡蝶蘭が届いていましたよ。
ミニオンペールを使った7月12日(日)の函館8Rで初勝利を上げた小手川君は、年末までに6勝を上げて、稼いだ賞金は「1億3676万円」と、1年目としてはまずまずの成績を残していました。
もちろん、今年の小手川君は、「去年よりもっといい成績を残したい」と気合いを入れているのでしょうし、実際、先週までに4勝を上げて、稼いだ賞金は「8342万円」と、去年のペースを上回っています。
ただ、小手川君と同期の調教師は、吉岡辰弥君と宮田敬介君と新谷功一君の3人がいて、先週までは、
吉岡辰弥厩舎→14勝・獲得賞金2億2774万円
宮田敬介厩舎→5勝・獲得賞金1億4449万円
新谷功一厩舎→5勝・獲得賞金9031万円
と書けば分かる通り、3人とも、小手川君よりいい成績を残していますから、きっと今の彼は、「同期に負けないよう、賞金の高いレースを勝ちたい」と考えているのでしょう。
そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のエプソムCにヒュミドール、1500万円の大倉山特別にミニオンペールと、賞金の高い特別レースに2頭を登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。
それに、小手川君の厩舎は、まだ重賞を勝てていませんので、エプソムCのヒュミドールには、「ここで初めての重賞勝ちを」という思いも込められている筈です。