「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2021/03/29
JRAの宇都宮育成場で獣医をやっていました
高橋祥泰(よしやす)調教師(美浦)

主な管理馬:
カラテ(2021年東京新聞杯)
スマイルカナ(2020年フェアリーS)
サウスヴィグラス(2003年根岸Sなど)
タイキフォーチュン(1996年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
カラテ(ダービー卿CT)
スマイルカナ(ダービー卿CT)
タイキメサイア(葛飾特別)
ラフィンクロンヌ(葛飾特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

高橋祥泰(よしやす)君のお父さんが、乗り役と調教師をやっていた高橋英夫さんだというのは、皆さんもよく知っていますよね。
英夫さんは、乗り役時代、1955年と1956年にリーディングになっていましたし、1962年にはフエアーウインでダービーを勝っていて、調教師になってからも、カミノテシオを使った1974年の天皇賞・秋や、ダイナカールを使った1983年のオークスなどを勝って、1991年には「優秀調教師賞」を受賞するなど、素晴らしい実績を残していました。
もちろん、お父さんに憧れて、祥泰君は小さい頃から乗り役を目指していましたけど、体が大きくなってしまったので諦めたんですよ。
高校を出た後は、日本大学の獣医学部に進んで、卒業してからは、1973年から2年ほど、中山競馬場やJRAの宇都宮育成場で獣医をやっていました。
そして祥泰君は、1975年から7年間、お父さんの厩舎で調教助手をやって、その頃、英夫さんの厩舎には、さっき名前を挙げたカミノテシオやダイナカールといった走る馬が何頭もいましたから、こうやって走る馬を間近で見られたのは、いい経験になった筈ですよ。
それから、1983年に調教師の試験に受かった祥泰君は、その年の10月に厩舎を開業していて、それから今までに、ダイナシュガーを使った1984年の報知杯4歳牝馬特別(今のフィリーズレビュー)、ノースシャトルを使った1991年のダイヤモンドS、タイキフォーチュンを使った1996年のNHKマイルCなど、JRAの重賞を11回も勝っていますし、サウスヴィグラスで交流重賞を6回も勝っていますから、お父さんの厩舎で経験したことをしっかり活かせているのでしょうね。
それに、祥泰君の厩舎で働いていた久保田貴士君と大竹正博君の2人が調教師になっていますし、乗り役として所属していた田中博康君が、調教師の試験に受かって、2018年の3月に厩舎を開業しているように、弟子もしっかり育てていますから大したものです。
祥泰君は、2001年に28勝を上げて、今までで一番多い「4億9719万円」を稼いでいました。
でも、その後は成績が伸び悩んでいて、一昨年までの3年間も、
2017年→16勝・獲得賞金2億4345万円
2018年→8勝・獲得賞金1億2205万円
2019年→10勝・獲得賞金2億1382万円
という、誰が見ても物足りない数字でしたから、去年の祥泰君は、「キッチリ巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、去年は「19勝・獲得賞金3億8118万円」という成績で、一昨年の数字を大きく上回っていたんですよ。
そして、今年も勢いが続いていて、先週までに稼いだ賞金が「1億1922万円」と、去年の同じ時期(3月31日【火】まで)の「8823万円」を上回っていますから、今の彼は、「賞金の高い重賞を勝って、もっと厩舎に勢いを付けたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が3900万円のダービー卿CTにカラテとスマイルカナ、1500万円の葛飾特別にタイキメサイアとラフィンクロンヌと、賞金の高い特別レースに4頭を登録していますので、私が祥泰君でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。

2021/03/29
東証1部上場の会社で経理の仕事をしていたんですよ
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
カフェファラオ(2021年フェブラリーSなど)
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)

今週の主な登録馬:
ルフトシュトローム(ダービー卿CT)
サリオス(大阪杯)
バリングラ(美浦S)
カフェクラウン(鳴門S)
ヴィクターバローズ(明石特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」(東証1部)で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、「JRAの重賞を62勝」という実績を残しています。
それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
でも、去年までの5年間は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
と書けば分かる通り、「リーディング1位」を逃し続けています。
それに今年は、カフェファラオを使ったフェブラリーSを勝つなど、重賞を4勝していますけど、先週までが「11勝・獲得賞金4億0210万円」という成績で、16勝を上げて「リーディング1位」の矢作芳人厩舎に5勝差を付けられていますし、賞金も、「5億0880万円」を稼いで1位の安田隆行厩舎に「1億0670万円」の差を付けられていますから、きっと今の堀君は、「賞金の高いレースを勝って上との差を詰めたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が3900万円のダービー卿CTにルフトシュトローム、1億3500万円の大阪杯にサリオス、1820万円の美浦Sにバリングラ、1820万円の鳴門Sにカフェクラウン、1500万円の明石特別にヴィクターバローズと、全部で5頭を特別レースに登録していますので、「どの馬も勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2021/03/29
「オリンピックを目指そう」って考えとったんや
池添学調教師(栗東)

主な管理馬:
ヴィクティファルス(2021年スプリングS)
サラキア(2020年府中牝馬S)
エアアルマス(2020年東海S)
メラグラーナ(2017年オーシャンS)

今週の主な登録馬:
カテドラル(ダービー卿CT)
ボンセルヴィーソ(ダービー卿CT)
セプタリアン(淀屋橋S)
バティスティーニ(コーラルS)

担当者:調教師情報部 元調教師H

池添学君は、親父さんが同じ栗東で厩舎を構えとる池添兼雄君で、一つ上の兄ちゃんが乗り役の池添謙一君ですな。
学君は、中学生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験を受ける準備をしとったんやけど、体が大きくなってしもうたんで、当時、調教師の試験を受けとった兼雄君に相談したら、「その体重やったら乗り役は厳しい。調教師になったらどうや」と言われて、騎手になるんを諦めたそうですわ。
けど、誘導馬に乗るとか、厩舎で働くとか、「馬に関わる仕事がしたい」と考えとった学君は、将来の選択肢を広げるために、馬術に本腰を入れて、その腕は、馬術の名門、明治大学に推薦で入れるほどになったんや。
彼がおった時の明治大学は、大学馬術部の中で一番強くて、学君自身、かなり自信を持っとったし、一時は「オリンピックを目指そう」って考えとったんやけど、海外に遠征した2年生の時、そこで、世界レベルの馬術を見て、「とてもかなわん」と感じたんで、真剣に「競馬の道へ進もう」と思ったそうですわ。
そんで彼は、大学を卒業してから「ノーザンファーム」で3ヶ月くらい働いた後、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で1年くらい働いとりました。
日本に戻ってからは、2005年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の5月から兼雄君の厩舎で厩務員と調教助手をやって経験を積んで、2013年に33歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。
でもって、2015年に自分の厩舎を開業した学君は、その年にいきなり21勝もして、「2億5071万円」の賞金を稼いどったし、それから去年までも、
2016年→21勝・獲得賞金3億5328万円
2017年→23勝・獲得賞金4億1601万円
2018年→24勝・獲得賞金4億4060万円
2019年→33勝・獲得賞金6億0859万円
2020年→33勝・獲得賞金8億5459万円
っちゅう形で、順調に実績を積み重ねとるんや。
で、今年も勢いが続いとって、ヴィクティファルスでスプリングSを勝つなど、先週までに稼いだ賞金が「2億1811万円」と、去年の同じ時期(3月31日【火】まで)の「2億1227万円」を、ほんの少しやけど上回っとります。
もちろん、今の学君は、「賞金の高いレースを勝って、もっと厩舎に勢いを付けたい」って考えとるんやろ。
そんな中、今週は、1着賞金が3900万円のダービー卿CTにカテドラルとボンセルヴィーソ、1820万円の淀屋橋Sにセプタリアン、2300万円のコーラルSにバティスティーニと、賞金の高い特別レースに全部で4頭を登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げるやろうな。

2021/03/29
カツトップエースの厩舎にいましたね
藤沢和雄調教師(美浦)

主な管理馬:
グランアレグリア(2020年マイルCSなど)
タワーオブロンドン(2019年スプリンターズSなど)
レイデオロ(2017年ダービーなど)
ソウルスターリング(2017年オークスなど)

今週の主な登録馬:
レイエンダ(ダービー卿CT)
グランアレグリア(大阪杯)
ルヴォルグ(美浦S)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、藤沢和雄君の実家は、1978年の天皇賞・秋を勝ったテンメイと、2010年の共同通信杯を勝ったハンソデバンドなどを生産したことで有名な、苫小牧市の樽前にある「藤沢武雄牧場」でして、彼は大学を出てから、お父さんの武雄さんの友達だった田中良熊さんがやっていた、登別にある「青藍牧場」の手伝いをしていた時に、「自分も競馬の仕事をする」と決めたそうです。
それから藤沢君は、ニューマーケット(イギリス)のギャビン・プリチャード・ゴードン厩舎で、4年くらい厩務員をやって、日本に戻って来てからは、1977年から、菊池一雄厩舎(皐月賞とダービーを勝ったカツトップエースなどを管理)の調教助手をやって、1982年から、佐藤勝美厩舎(札幌記念を勝ったサンエイサンキューなどを管理)の調教助手をやっていましたね。
そして、1983年からは、3冠馬のシンボリルドルフなどを育てた野平祐二厩舎で調教助手をやって、1987年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しています。
ちなみに、藤沢君はデビュー前のシンボリルドルフに調教を付けていたんですよ。
そうそう、彼はゴルフが大好きで、少し前には、調教の合間などに週3くらいでコースに出ていましたし、去年の12月4日(金)には、窪田芳郎オーナーが主催したゴルフコンペに、西山茂行オーナー、吉田照哉オーナーといった顔触れと一緒に参加していました。
調教師になってからの藤沢君の活躍は、競馬ファンなら誰でもよく知っていると思いますけど、タイキシャトルを使った1998年の安田記念とマイルCS、シンボリクリスエスを使った2002年と2003年の有馬記念、ダンスインザムードを使った2006年のヴィクトリアマイル、サトノアレスを使った2016年の朝日杯FS、レイデオロを使った2017年のダービーと一昨年の天皇賞・秋、グランアレグリアを使った一昨年の桜花賞と去年の安田記念とスプリンターズSとマイルCSなど、今までに、GIの32勝を含めて重賞を124勝もしています。
それに、勝ち星そのものも多くて、開業してから去年まで、1年あたり46勝もしていましたし、先週までに、現役で1番の「通算1532勝」という素晴らしい実績を残していて、現役で2番目に勝ち星が多いのは、国枝栄君の「946勝」ですから、どれだけたくさん勝っているのかがよく分かりますね。
賞金も、1995年から2006年までの12年間は、ずっと10億円の大台に乗せていましたし、ゼンノロブロイで天皇賞・秋とジャパンCと有馬記念などを勝った2004年には、60勝を上げて、今までで一番の「23億1700万円」という賞金を稼いでいます。
それに、去年までの5年間も、
2016年→51勝・獲得賞金10億9272万円
2017年→44勝・獲得賞金14億2548万円
2018年→52勝・獲得賞金13億6944万円
2019年→46勝・獲得賞金13億1871万円
2020年→46勝・獲得賞金12億2636万円
と書けば分かる通りで、5年続けて10億円以上の賞金を稼いでいました。
でも、今年は先週までの賞金が「1億6507万円」と、まだ去年の1割くらいですから、今の藤沢君は、「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えている筈です。
こういった中、今週は、1着賞金が3900万円のダービー卿CTにレイエンダ、1億3500万円の大阪杯にグランアレグリア、1820万円の美浦Sにルヴォルグを登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょう。