「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2021/01/06
実家は門別の生産牧場なんや
高柳大輔調教師(栗東)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
テンハッピーローズ(フェアリーS)
レオビヨンド(寿S)

担当者:調教師情報部 元調教師S

皆さんもよう知っとるように、門別の実家が生産牧場をやっとる関係で、小さい頃から馬の世話を手伝っとった高柳大輔君は、京都産業大学の馬術部におった1999年には、全日本学生馬術大会に出場しとりました。
そうそう、2011年の1月に美浦で厩舎を開業しとる高柳瑞樹君が、大輔君の2歳上の兄っちゅうことも、皆さんはよう知っとるやろ。
大学を卒業してからの大輔君は、ノーザンファームで働いてから、2003年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から大久保龍志厩舎で厩務員をやって、次の月からは調教助手をやっとりました。
2005年の5月からは、安田隆行厩舎で調教助手をやって、調教師の試験に受かった2016年まで、ずっとそこで経験を積んどったし、その頃、安田厩舎には、トランセンドやカレンチャンやロードカナロアやグレープブランデーがおって、こういう走る馬を何頭も間近で見てきたんですわ。
そんで、2016年の12月に調教師の試験に受かった大輔君は、それから開業するまで、矢作芳人厩舎と角居勝彦厩舎と音無秀孝厩舎で技術調教師をやって、馬の仕上げ方や、厩舎をやりくりする方法とか、色々なことを教わっとりました。
で、2018年の3月に自分の厩舎を開業した大輔君は、その年の暮れまでに「13勝・獲得賞金1億9419万円」っちゅう成績を残しとったし、一昨年と去年も、
2019年→17勝・獲得賞金3億2805万円
2020年→18勝・獲得賞金3億7357万円
っちゅう形で順調に勝ち星と賞金を積み重ねとるんや。
ただ、彼と同じ2018年の3月に開業した調教師は全部で6人おって、そん中で、武幸四郎君と田中博康君と安田翔伍君は、去年、
武幸四郎厩舎→28勝・獲得賞金4億6492万円
田中博康厩舎→28勝・獲得賞金3億9189万円
安田翔伍厩舎→21勝・獲得賞金4億6223万円
って書けば分かる通りで、大輔君の厩舎よりもエエ成績を残しとったんやから、きっと今年の彼は、「何がなんでも同期に負けたくない」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週(1月9日【土】~11日【月】)、大輔君は、1着賞金が3500万円のフェアリーSにテンハッピーローズ、1着賞金が1820万円の寿Sにレオビヨンドと、賞金の高い特別レースに2頭を登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。
それに、大輔君の厩舎は、まだ重賞を勝てとらんので、フェアリーSのテンハッピーローズには、「ここで初めての重賞勝ちを」っちゅう思いも込められとるんやろうな。


2021/01/06
スズカマンボの生産牧場で生まれ育ちました
伊藤圭三調教師(美浦)

主な管理馬:
スマートボーイ(2003年平安Sなど)
プリエミネンス(2002年エルムSなど)
ホワイトカーニバル(2002年フェアリーS)

今週の主な登録馬:
ブルーシンフォニー(シンザン記念)
メタルスパーク(尾頭橋特別)
シンヨモギネス(黒竹賞)

担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、伊藤圭三君の実家は、スズカマンボやサンビスタなどを生産したことで有名な、静内にある「グランド牧場」でして、1927年にここを作ったのは、彼のお祖父さんの幸太郎さんです。
今、静内と新冠に3ヶ所(合計71馬房)の繁殖場がある「グランド牧場」は、静内(109馬房)と岩手県の遠野市(60馬房)の2ヶ所に育成場があって、1985年からは、3代目で圭三君のお兄さんの佳幸さんが牧場の代表をやっています。
こういう環境で育った圭三君は、早い内から「自分も競馬に関わる仕事をしたい」と考えていたのでしょうし、実際、1986年からの11年間は、1992年のカブトヤマ記念を勝ったユーワビームなどを育てた小林常泰さんの厩舎で調教助手として経験を積んで、1997年に調教師の試験に受って、次の年に自分の厩舎を開業しました。
彼の厩舎は、初めの年に、「12勝・獲得賞金1億9133万円」という数字を残していましたし、3年目だった2000年には、スマートボーイを使ったアンタレスSで初めて重賞を勝って、5年目だった2002年には、プリエミネンスを使ったエルムSなど、重賞の3勝を含めて、「28勝・獲得賞金5億4762万円」という数字を残していて、優秀調教師賞をもらっていたんですよ。
でも、それからは数字が伸び悩んでいて、2018年までの3年間も、
2016年→16勝・獲得賞金2億8444万円
2017年→22勝・獲得賞金2億9807万円
2018年→17勝・獲得賞金3億2549万円
と、誰が見ても物足りない数字が続いていましたので、一昨年の圭三君は「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょう。
実際、一昨年は、今までで一番多い34勝を上げて、「4億3376万円」の賞金を稼いでいましたし、去年は、勝ち星と賞金のどっちも今までで2番目に多い「33勝・獲得賞金48515万円」という成績を残していたんですよ。
もちろん、今年の圭三君は、「去年までの勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。
こういった中、今週(1月9日【土】~11日【月】)は、1着賞金が3800万円のシンザン記念にブルーシンフォニー、1500万円の尾頭橋特別にメタルスパーク、1010万円の黒竹賞にシンヨモギネスと、賞金の高い特別レースに3頭を登録していますので、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。
それに、圭三君の厩舎は、2017年に、ハヤブサマカオーで地方交流重賞の兵庫ジュニアグランプリを勝っていますけど、スマートボーイを使った2003年のマーチSから、JRAの重賞は18年近くもご無沙汰していますので、シンザン記念のブルーシンフォニーには、「久々に重賞を勝ちたい」という思いも込められている筈ですよ。


2021/01/06
35歳の若さで調教師の試験に受かったんですわ
吉田直弘調教師(栗東)

主な管理馬:
ゴルトブリッツ(2012年帝王賞など)
スーニ(2009年JBCスプリントなど)
マイネルグリット(2019年小倉2歳S)

今週の主な登録馬:
マリアエレーナ(シンザン記念)
マイネルグリット(淀短距離S)
エイコーン(ポルックスS)
ダイシンイナリ(尾頭橋特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

知っとる方も多いと思いますけど、千葉県出身の吉田直弘君は、1995年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、1996年の3月から梅内忍厩舎で厩務員をやっとりました。
そんで、この年の4月から調教厩務員をやって、次の年の6月から調教助手をやって、2004年からは、角居勝彦厩舎で調教助手をやっとったんや。
吉田君が角居厩舎にいた頃は、2004年の菊花賞を勝ったデルタブルースや、2005年のオークスを勝ったシーザリオや、マイルCSを勝ったハットトリックや、ジャパンCダートを勝ったカネヒキリや、2006年の阪神ジュベナイルFを勝ったウオッカとか、走る馬が何頭もおったんで、彼にとって、ホンマにエエ経験になったんでしょうな。
2007年の2月に、35歳の若さで調教師の試験に受かった吉田君は、その年の6月に厩舎を開業しとって、それから暮れまでは「7勝・獲得賞金9798万円」っちゅう成績やったけど、次の年には、キクノサリーレで武蔵野Sを勝つなど、「20勝・獲得賞金3億2258万円」と、一気に数字を伸ばしとったんや。
その後も、彼の厩舎は順調に勝ち星を伸ばしとるし、スーニを使った2008年の全日本2歳優駿と2009年と2011年のJBCスプリントや、ボレアスを使った2011年のレパードSや、ゴルトブリッツを使った2012年の帝王賞や、キクノストームを使った2015年のカペラSや、マイネルグリットを使った一昨年の小倉2歳Sとか、今までに、地方交流を含めて重賞を19勝もしとるんですわ。
2015年には、キクノストームの活躍もあって、JRAで「25勝・獲得賞金4億2815万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったし、一昨年は「22勝・獲得賞金4億0575万円」っちゅう、2015年に迫るエエ成績を残しとったんや。
ただ、去年は22勝を上げたんやけど、獲得賞金が「3億2449万円」と、前の年を大きく下回ってしもうたんやから、きっと、今年の吉田君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。
そんな中、今週(1月9日【土】~11日【月】)、吉田君は、1着賞金が3800万円のシンザン記念にマリアエレーナ、2500万円の淀短距離Sにマイネルグリット、2200万円のポルックスSにエイコーン、1500万円の尾頭橋特別にダイシンイナリと、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。


2021/01/06
最初に所属したのが藤沢和雄厩舎でした
中川公成調教師(美浦)

主な管理馬:
ゴールドアクター(2015年有馬記念など)
マジックタイム(2016年ターコイズSなど)

今週の主な登録馬:
ネクストストーリー(フェアリーS)
シアーライン(初春S)
ギガバッケン(成田特別)
リュードマン(成田特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、中川公成(ただしげ)君は、1989年の5月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の9月から、藤沢和雄君の厩舎で厩務員をやっていました。
その後は、1990年の4月から石毛善衛さんの厩舎で、1998年の3月からは萱野浩二君の厩舎で調教助手をやっていて、調教師の試験に受かったのは2005年のことです。
中川君がいた頃、石毛さんの厩舎には、1992年のフラワーCを勝ったブランドアートがいましたし、萱野君の厩舎には、2002年のフローラSを勝ったニシノハナグルマがいましたから、こういう風に、それぞれの厩舎で走る馬を間近で見られたことが、彼にはいい経験になったのでしょう。
そして、2006年に自分の厩舎を開業した中川君は、最初の年こそ5勝しかできなかったのですが、その後は、2年目が10勝、3年目が14勝と順調に勝ち星を伸ばしていて、ゴールドアクターを使った2015年のアルゼンチン共和国杯で初めて重賞を勝つと、その年の暮れには、この馬を使った有馬記念で初めてGIを勝っていましたし、2016年には、ゴールドアクターを使った日経賞とオールカマー、マジックタイムを使ったダービー卿CTとターコイズSなど、19勝を上げて、「6億1121万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。
でも、その後の4年間は、
2017年→14勝・獲得賞金2億8977万円
2018年→12勝・獲得賞金2億1936万円
2019年→20勝・獲得賞金2億4895万円
2020年→19勝・獲得賞金2億4517万円
と書けば分かる通り、賞金が2016年の半分以下でしたから、今年の中川君は、「必ず巻き返したい」と気合いを入れているのでしょうし、そのためには、早い内から賞金の高いレースを多く勝っておく必要があります。
こういった中、今週(1月9日【土】~11日【月】)は、1着賞金が3500万円のフェアリーSにネクストストーリー、1820万円の初春Sにシアーライン、1500万円の成田特別にギガバッケンとリュードマンと、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょう。


2020/12/28
東証1部上場の会社を辞めて競馬学校に入りました
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
ヒシイグアス(中山金杯)

担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」(東証1部)で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、「JRAの重賞を58勝」という実績を残しています。それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
でも、2020年までの5年間は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
と書けば分かる通り、リーディング1位を逃し続けていますから、2021年を迎えるにあたって、堀君は、「早い内から賞金の高いレースをたくさん勝って、何が何でもリーディング1位になりたい」と考えている筈です。
こういった中、1月5日(火)の特別レースに、堀君は、1着賞金が4100万円の中山金杯にヒシイグアスを登録していますので、「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。


2020/12/28
1996年と2009年の菊花賞が大きなきっかけになりました
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
アールスター(2020年小倉記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ロードマイウェイ(2019年チャレンジC)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
アールスター(中山金杯)
ロードマイウェイ(京都金杯)
ナムラドノヴァン(万葉S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。
そんで杉山君は、中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになって、最初は乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって杉山君は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
で、その年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。
それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使った川崎記念とダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。
そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝っとるし、JRAでも、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、12月27日(日)までに42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、開業からずっと、勝ち星も賞金も右肩上がりになっとります。
もちろん、ワシが杉山君やったら、「この勢いで1月から賞金の高いレースを勝って、2021年も前年越えの成績を残したい」と考える筈ですわ。
こういった中、1月5日(火)の特別レースに、杉山君の厩舎は、1着賞金が4100万円の中山金杯にアールスター、同じく4100万円の京都金杯にロードマイウェイ、2400万円の万葉Sにナムラドノヴァンと、3頭を登録してきましたんで、どの馬もメイチに仕上げてくるとワシは見とります。


2020/12/28
2017年に3回目のリーディング1位になっとったんやけど…
池江泰寿調教師(栗東)

主な管理馬:
アルアイン(2019年大阪杯など)
サトノアラジン(2017年安田記念など)
サトノダイヤモンド(2016年有馬記念など)
オルフェーヴル(2011年牡馬三冠など)

今週の主な登録馬:
マウントゴールド(中山金杯)
サトノアーサー(京都金杯)
シュリ(京都金杯)
スマートオーディン(京都金杯)
ヴィルヘルム(ジュニアC)

担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんもよう知っとる通り、池江泰寿君は、2011年の2月に調教師を引退した池江泰郎(やすお)さんの長男で、泰郎さんは、三冠馬ディープインパクトや、ステイゴールドや、メジロマックイーンとかでGIを17勝もして、それを入れて重賞を70勝、通算で845勝っちゅう実績を残しとりますな。
泰寿君は、一浪して入った同志社大学の文学部を卒業してから、1993年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からは、オークスを勝ったケイキロクや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかを育てた浅見国一(くにいち)さんの厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、1994年の6月には、泰郎さんの厩舎に移っとりました。
ちなみに泰寿君は、1993年のコロネーションCを勝ったオペラハウス、1996年のジャパンCを勝ったシングスピール、2010年のイギリスダービーと凱旋門賞を勝ったワークフォースとか、強い馬を何頭も育てたイギリスのマイケル・スタウト厩舎と、エーピーインディ、フサイチペガサス、サンデーブレイクとか、日本の馬主さんの持ち馬を管理したことがある、アメリカのニール・ドライスデール厩舎で、1995年から2年くらい武者修行をしとったんですわ。
そんで、2004年に自分の厩舎を開業した泰寿君は、初めの年こそ4勝止まりやったけど、2005年は20勝と、一気に数字を伸ばしとったし、2008年には51勝もして、初めて調教師リーディング1位になっとりました。
しかもこの年は、2位が46勝の泰郎さんやったんで、親子で調教師リーディングのワンツーでしたな。
2011年には、オルフェーヴルで牡馬のクラシックを全部勝って、親父さんと同じ「三冠トレーナー」になっとるし、結局この年は、重賞の11勝を入れて全部で49勝を上げて、「23億8602万円」の賞金を稼いどったんですわ。
これは、2004年に藤沢和雄君が残しとった「23億1700万円」を上回る一番の記録で、これだけの成績を残せたんは、浅見さんや泰郎さんの厩舎や海外の厩舎で勉強してきた「馬の仕上げ方」を、自分の厩舎でしっかりと活かせとるからやろうな。
そんで、2012年には2回目のリーディング1位になっとって、2017年は、アルアインを使った皐月賞、サトノアラジンを使った安田記念、ペルシアンナイトを使ったマイルCSとか、重賞を10勝、全部で「63勝」を上げて、3回目のリーディング1位になっとったし、賞金も「18億4737万円」を稼いどったんや。
けど、2020年までの3年間は、
2018年→46勝・獲得賞金13億4400万円
2019年→45勝・獲得賞金13億1681万円
2020年→38勝・獲得賞金10億2171万円
と、書けば分かる通りで、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」になっとったんやから、きっと今の泰寿君は、「2021年は、1月から賞金の高いレースをなるべく多く勝ちたい」と考えとる筈ですわ。
そんな中、1月5日(火)の特別レースに、泰寿君は、1着賞金が4100万円の中山金杯にマウントゴールド、同じく4100万円の京都金杯にサトノアーサーとシュリとスマートオーディン、2000万円のジュニアCにヴィルヘルムと、全部で5頭を登録してきましたんで、どの馬もキッチリ仕上げてくるやろうな。


2020/12/28
大学四年生の時に、アイルランドに留学して馬のことを勉強しとったんですわ
斉藤崇史調教師(栗東)

主な管理馬:
ラウダシオン(2020年NHKマイル)
クロノジェネシス(2019年秋華賞など)
サマーセント(2020年マーメイドS)

今週の主な登録馬:
リュヌルージュ(中山金杯)
トリプルエース(京都金杯)
ヴィッセン(万葉S)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

知っとる方も多いと思いますけど、神奈川県出身の斉藤崇史君は、中学生の時に、同級生の影響で競馬が好きになって、高校生の時に、調教師を目指すと決めたそうなんや。
そんで、日本獣医畜産大学(今の日本獣医生命科学大学)に通って、四年生の時には、もっと馬のことを勉強するために、半年くらいアイルランドに留学しとって、卒業した後は、2年ほどノーザンファームで働いとりました。
それから、2007年の6月に競馬学校の厩務員課程に入っとって、次の年の2月からは松永幹夫厩舎で厩務員を、7月からは調教助手をやっとったんや。
松永厩舎に入ってから1年くらいの時に斉藤君は、レッドディザイアの担当になって、この馬が、2009年の秋華賞を勝っとるし、ドバイとアメリカに遠征した時も一緒に行くっちゅうエエ経験をしとったんですわ。
2015年に調教師の試験に受かった彼は、2016年の3月に自分の厩舎を開業しとって、最初の年に「7勝・獲得賞金1億4086万円」っちゅう成績を残しとりました。
でもって、2019年までの3年間は、
2017年→17勝・獲得賞金2億9929万円
2018年→25勝・獲得賞金3億9086万円
2019年→24勝・獲得賞金5億9503万円
と書けば分かる通りで、賞金が「完全に右肩上がり」やったし、特に2019年は、クロノジェネシスを使ったクイーンCで初めて重賞を勝つと、この馬を使った秋華賞で初めてのGI勝ちを飾っとります。
しかも、2020年は、ラウダシオンを使ったNHKマイルCとクロノジェネシスを使った宝塚記念と有馬記念を勝つなど、重賞を5勝しとったし、12月27日(日)までに「34勝・獲得賞金13億5145万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったんや。
もちろん、2021年に向けて斉藤君は、「この勢いでスタートダッシュを決めて、1月からエエ成績を残したい」と考えとる筈ですわ。
そんな中、1月5日(火)の特別レースに、斉藤君は、1着賞金が4100万円の中山金杯にリュヌルージュ、同じく4100万円の京都金杯にトリプルエース、2400万円の万葉Sにヴィッセンと、全部で3頭を登録してきましたんで、どの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。