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注目調教師
2020/06/29
専門学校生時代にバイトしとった喫茶店のマスターに勧められて
浜田多実雄調教師(栗東)

主な管理馬:
カワキタエンカ(2018年中山牝馬S)

今週の主な登録馬:
バビット(ラジオNIKKEI賞)
マルカテノール(TVh杯)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

浜田多実雄君は、高校を卒業した後、調理師の専門学校に通っとって、この学校が夜間やったんで、昼間は喫茶店でアルバイトをしとったんや。
そんで、大の競馬好きやったここのマスターに勧められて、調理師やなくて、競馬の道に進むことに決めたんですわ。
専門学校を卒業した浜田君は、三重県の員弁郡東員町(いなべぐん・とういんちょう)にある「三重ホーストレーニングセンター」で働き始めて、それから4年くらいここにおって、1997年の7月に競馬学校の厩務員課程に入っとりました。
次の年の1月に競馬学校を出た浜田君は、宝塚記念を勝ったスズカコバンや、エリザベス女王杯を勝ったタケノベルベットや、ダービーを勝ったフサイチコンコルドとかを育てた小林稔厩舎で厩務員になって、その年の6月から調教助手をやっとったんや。
そんで、小林先生が定年になった1999年からは、谷潔厩舎で調教助手をやって、2012年に調教師の試験に受かると、次の年に自分の厩舎を開業しとります。
最初の年は、レースに使った数が少なかったんで、「5勝・獲得賞金8287万円」っちゅう成績やったけど、次の年に「12勝・獲得賞金2億8790万円」と、一気に数字を伸ばすと、3年目の2015年には「21勝・獲得賞金3億8578万円」っちゅう、今までで一番エエ成績を残したんですわ。
けど、それからは一度も2015年の数字を超えとらんし、去年までの4年間も、
2016年→18勝・獲得賞金3億1070万円
2017年→12勝・獲得賞金2億8738万円
2018年→17勝・獲得賞金3億2481万円
2019年→15勝・獲得賞金2億5201万円
っちゅう形で成績が伸び悩んどったんや。
それに今年は、先週までに12勝を上げとるんやけど、稼いだ賞金は「1億4839万円」と、2015年の同じ時期(6月4週目まで)の「2億1480万円」を大きく下回っとるんで、きっと今の浜田君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。
こういった中、今週は、1着賞金が3800万円のラジオNIKKEI賞にバビット、1820万円のTVh杯にマルカテノールを登録してきましたんで、どっちの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。


2020/06/29
大学生の時に中山競馬場でアルバイトをしていました
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)
リアルインパクト(2011年安田記念など)

今週の主な登録馬:
グレイトオーサー(ラジオNIKKEI賞)
サクラトゥジュール(ラジオNIKKEI賞)
ブレステイキング(巴賞)

担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」(東証1部)で、経理関係の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、「JRAの重賞を56勝」という実績を残しています。それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどが活躍しましたから、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
それに、去年までの4年間も、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
と、賞金こそ2015年を上回れていませんが、かなりいい成績を残していますね。
ただ、今年に入ってから先週までは「27勝・獲得賞金7億3291万円」という成績で、リーディングは、28勝を上げて1位の矢作芳人厩舎に1勝の差で2位に付けていますけど、賞金は、「10億7133万円」を稼いで1位の矢作芳人厩舎に「3億3842万円」の差を付けられていますから、今の彼は、「賞金の高いレースを多く勝ちたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が3800万円のラジオNIKKEI賞にグレイトオーサーとサクラトゥジュール、2400万円の巴賞にブレステイキングと、特別レースに3頭を登録していますので、「どの馬も勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。


2020/06/29
実家の牧場はお兄さんが継いどるんや
庄野靖志調教師(栗東)

主な管理馬:
スワーヴリチャード(2019年ジャパンCなど)
レッドアンシェル(2019年CBC賞)
プールヴィル(2019年フィリーズレビュー)
リッジマン(2018年ステイヤーズS)


今週の主な登録馬:
レッドアンシェル(CBC賞)
スワーヴアーサー(TVh杯)
レッドシャーロット(芦屋川特別)

担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんもよう知っとる通り、庄野靖志君は、1987年の阪神牝馬特別を勝ったシヨノリーガルや、1991年の中日新聞杯を勝ったショウリテンユウなどを生産したことで有名な「庄野牧場」で、少し前まで代表をやっとった、庄野昭彦さんの次男なんですわ。
今の「庄野牧場」は、兄の宏志さんが後を継いどるんやけど、元々は、靖志君も親父さんと同じように牧場の仕事をしようと思っとったそうで、高校を出た後は、日本大学の獣医学部に進学しとりました。
日本大学の獣医学部っちゅうたら、靖志君の他にも、ダービーを勝ったアイネスフウジンや、天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップとかを育てた加藤修甫さんや、NHKマイルCなどを勝ったタイキフォーチュンや、2002年と2003年の根岸Sを勝って、交流重賞でも大活躍したサウスヴィグラスとかを育てた高橋祥泰(よしやす)君とかが出とります。
靖志君は、大学を卒業して実家に戻ってから、調教師として、1979年のダービーと1981年の天皇賞・春を勝ったカツラノハイセイコや、1988年の桜花賞を勝ったアラホウトクとかを育てた大叔父の庄野穂積さんに馬のことを教わっとったそうで、そん時に、「将来は調教師になる」と決めたそうですわ。
そんで、1996年に競馬学校の厩務員課程を出てから、マーメイドSを勝ったシャイニンレーサーや、ウインターSを勝ったマチカネワラウカドとかを管理しとった高橋隆厩舎で10年ほど調教助手をやって、2006年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しとります。
初めの年こそ、使った頭数が少なかったんで4勝止まりやったけど、2年目は10勝、3年目も10勝、4年目は12勝と順調に勝ち星を伸ばしとったし、去年までの5年間は、
2015年→22勝・獲得賞金4億2838万円
2016年→29勝・獲得賞金4億7630万円
2017年→15勝・獲得賞金5億0574万円
2018年→26勝・獲得賞金7億3989万円
2019年→24勝・獲得賞金8億3866万円
っちゅう、安定した成績を残しとって、特に去年は、プールヴィルを使ったフィリーズレビューと、レッドアンシェルを使ったCBC賞と、スワーヴリチャードを使ったジャパンCを勝つなど、今までで一番多い賞金を稼いどりました。
けど、今年は先週までが「6勝・獲得賞金1億3774万円」っちゅう成績で、去年のペースを大きく下回っとるんやから、今の靖志君は、「賞金の高いレースを勝って一気に稼がなアカン」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週は、1着賞金が3900万円のCBC賞にレッドアンシェル、1820万円のTVh杯にスワーヴアーサー、1500万円の芦屋川特別にレッドシャーロットと、特別レースに全部で3頭を登録してきましたんで、どの馬も全力で仕上げてくるやろうな。


2020/06/29
トウショウボーイの厩舎で働いていました
和田雄二調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
コスモインペリウム(ラジオNIKKEI賞)

担当者:調教師情報部 元調教師O

知っている方もいると思いますけど、和田雄二君は、鹿児島県の鹿屋市に生まれて、県立の鹿屋農業高校を1988年に卒業してから、日本大学の農獣医学部畜産学科に進んで、1992年に卒業しています。
それから、1994年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から、トウショウボーイを管理していたことで有名な保田隆芳さんの厩舎で厩務員をやっていました。
そして、1996年の4月に吉永正人さんの厩舎に移ると、次の年の6月から調教助手をやって、2006年の9月に吉永さんが亡くなるまで、ずっとそこで経験を積んでいたんですよ。
同じ鹿児島県出身で、乗り役時代に、ミスターシービーで牡馬クラシック三冠を勝つなど、大きなレースに強かった吉永さんに憧れて競馬の世界に入った和田君は、念願が叶って吉永さんの厩舎に入れたことを大喜びしていましたし、その頃から何度も調教師の試験を受けていて、なかなか合格できずにいましたけど、14回目だった2012年に試験に受かっています。
ちなみに、試験に受かった知らせが届いた時には、吉永さんの長男で、1992年から2008年まで乗り役をやっていて、今は和田勇介厩舎で調教助手をやっている護(まもる)君の家に行って、師匠の仏前に報告したそうです。
2013年の3月に自分の厩舎を開業した和田君は、最初の年が、「4勝・獲得賞金4646万円」という数字でしたけど、その後は、
2014年→12勝・獲得賞金1億3282万円
2015年→14勝・獲得賞金2億2790万円
という成績を残していました。
でも、それからは一度も2015年の数字を超えられていなくて、去年までの4年間も、
2016年→9勝・獲得賞金2億1595万円
2017年→11勝・獲得賞金2億0912万円
2018年→10勝・獲得賞金1億7290万円
2019年→12勝・獲得賞金1億6865万円
と、数字が伸び悩んでいましたし、今年に入ってから先週までは「4勝・獲得賞金7563万円」という成績で、まだ2015年の3割くらいしか稼げていませんので、きっと今の和田君は、「賞金の高いレースを勝って一気に稼ぎたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が3800万円のラジオNIKKEI賞にコスモインペリウムを登録していますので、私が彼でしたら、この馬を全力で仕上げますね。
それに、和田君の厩舎は、まだ重賞を勝てていませんので、今回は、「ここで初めての重賞勝ちを」という思いも込められている筈です。