「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2019/09/30
岩手大学の獣医学部を出ています
尾関知人調教師(美浦)

主な管理馬:
グローリーヴェイズ(2019年日経新春杯)
レッドファルクス(2017年スプリンターズSなど)
サクラゴスペル(2015年京王杯SCなど)
ココロノアイ(2015年チューリップ賞など)


今週の主な登録馬:
グローリーヴェイズ(京都大賞典)
ジェラペッシュ(サウジアラビアRC)
ロサグラウカ(六社S)
ミッキーバード(魚沼特別)


担当者:調教師情報部  元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、千葉県出身の尾関君は、高校生の時に、映画化もされた宮本輝さんの小説・「優駿」を読んだことがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになって、岩手大学の獣医学部に進んで、その先輩に去年の2月に定年で調教師を引退した和田正道さんがいて、彼に進路の相談をしたところ、同じ大学の卒業生が獣医をやっていた「ノーザンファーム空港」を紹介してもらって、卒業した後はそこで働いていましたね。
「ノーザンファーム空港」にいた時、調整のためにいたスペシャルウィークやグラスワンダーやエアグルーヴなど、走る馬を間近で見られたのは、尾関君にとって貴重な経験だったのでしょう。
その後は、1999年にJRA競馬学校の厩務員課程を出て、藤沢和雄厩舎と藤原辰雄厩舎と和田正道厩舎で厩務員と調教助手をやった後、2002年から自分の厩舎を開業した2009年まで、大久保洋吉厩舎で調教助手をやっていましたね。
そして尾関君の厩舎は、開業した最初の年こそ7勝止まりだったものの、それからは、
2010年→15勝・獲得賞金1億6456万円
2011年→19勝・獲得賞金2億4447万円
2012年→36勝・獲得賞金4億1969万円
と、毎年のように成績を伸ばしていて、2012年は、関東リーディングで、藤沢君と堀君と国枝君に次ぐ4位になっていました。
これは間違いなく、「ノーザンファーム空港」での経験や、大久保洋吉厩舎にいた時、2002年の高松宮記念を勝ったショウナンカンプや、2004年の青葉賞を勝ったハイアーゲームや、2004年の阪神ジュベナイルFを勝ったショウナンパントルなど、走る馬を間近で見ていたことを、しっかり活かせているからなのでしょうね。
2016年の尾関君は、レッドファルクスでスプリンターズSとCBC賞を勝つなど、全部で35勝を上げて、今までで一番多い「6億4832万円」の賞金を稼いでいました。
ただ、一昨年と去年は、
2017年→26勝・獲得賞金5億8711万円
2018年→26勝・獲得賞金4億3468万円
と、賞金が「右肩下がり」になっていましたし、今年に入ってから先週までの成績も、「15勝・獲得賞金3億6457万円」という物足りない数字に留まっています。
ですから、今の尾関君は、「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えているのでしょうね。
そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の京都大賞典にグローリーヴェイズ、3300万円のサウジアラビアRCにジェラペッシュ、1820万円の六社Sにロサグラウカ、1500万円の魚沼特別にミッキーバードと、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたので、どの馬もキッチリ仕上げてくるでしょうね。


2019/09/30
「小松温泉牧場」で働いとりましたな
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
ウインテンダネス(2018年目黒記念)


今週の主な登録馬:
ウインテンダネス(京都大賞典)
ブルベアイリーデ(秋嶺S)
ナムラミラクル(グリーンチャンネルC)
テイエムチェロキー(北國新聞杯 )


担当者:調教師情報部  元調教師Y

知っとる方も多いと思いますけど、1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がいた訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響で競馬を見るようになったそうやな。
そんで杉山君は、中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになって、最初は乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって杉山君は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してすぐに、「小松温泉牧場」(石川県小松市)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
で、その年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武君が定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までに「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、一昨年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。
そんで3年目やった去年は、まず地方で、ケイティブレイブを使った川崎記念とダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったんですわ。
で、今年に入ってからも勢いは続いとって、先週までの成績が、「19勝・獲得賞金3億7732万円」と、去年のペースを上回っとるんやけど、ワシは、彼がこの数字に満足せんで、これからも全力で勝ちにくると見とるんや。
っちゅうのも、3月30日(土)の「ドバイワールドカップ」に出る予定やったケイティブレイブが、現地で疝痛になってしもうて、開腹手術を受けたんやけど、まだ復帰のメドが立っとらんので、今の杉山君は、「この馬の分を他の馬で稼ぎたい」と考えとる筈やからな。
そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の京都大賞典にウインテンダネス、1820万円の秋嶺Sにブルベアイリーデ、2300万円のグリーンチャンネルCにナムラミラクル、1500万円の北國新聞杯にテイエムチェロキーを登録しとるんで、どの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。


2019/09/30
慶応大学を卒業して、サラリーマンになる予定でした
手塚貴久調教師(美浦)

主な管理馬:
フィエールマン(2019年天皇賞・春など)
アユサン(2013年桜花賞)
アジアエクスプレス(2013年朝日杯FSなど)
アイムユアーズ(2013年クイーンSなど)


今週の主な登録馬:
マイネルファンロン(毎日王冠)
ベストマッチョ(グリーンチャンネルC)
コンピレーション(飛翔特別)
ハッピーランラン(飛翔特別)


担当者:調教師情報部  元調教師N

知っている方もいると思いますけど、手塚貴久君は、地方の宇都宮競馬(2006年に廃止)で、乗り役と調教師をやっていた手塚佳彦さんの息子ですね。
お父さんの仕事を考えると意外ですが、手塚君は、ほとんど馬と関わらずに育ったそうで、慶応大学を卒業する前には、大手飲料メーカーの内定をもらっていて、そのままサラリーマンになる予定だったそうですよ。
でも、大学を卒業する前に、佳彦さんと行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになって、就職の内定を断り、北海道の牧場で1年くらい働いて、その後、1989年に競馬学校の厩務員課程に入りました。
ちなみに、手塚君は、オーナーブリーダー・「ミルファーム」の代表をやっている清水敏さんと大学の同期で仲が良くて、2005年の「三田祭」(慶応大学の学園祭)では、二人で一緒に講演会に出ていましたね。
競馬学校を出た後の手塚君は、相川勝敏さんの厩舎で厩務員をやって、佐藤全弘(まさひろ)さんの厩舎で調教助手をやって、1999年の3月に自分の厩舎を開業しています。
最初の年こそ8勝止まりでしたけど、2年目は10勝、3年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていって、2004年には30勝を上げていましたし、その後も毎年20勝以上していますね。
それに、手塚君の厩舎は、ベルグチケットを使った1999年のフェアリーSで初めて重賞を勝っていますし、その後も、アイルラヴァゲインを使った2007年のオーシャンSや、アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、アイムユアーズを使った2012年のフィリーズレビューとクイーンSや、アユサンを使った2013年の桜花賞や、アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSなど、今までに、GIの5勝を含めて重賞を22勝もしています。
2013年は、アユサンやアジアエクスプレスの活躍などで、「27勝・獲得賞金6億7031万円」という成績を残していましたし、去年までの3年間も、
2016年→31勝・獲得賞金6億5568万円
2017年→38勝・獲得賞金6億8707万円
2018年→26勝・獲得賞金7億4821万円
という形で順調に実績を積み重ねていて、特に去年は、開業してから一番の賞金を稼いでいますね。
そして、今年も去年までの勢いが続いていて、フィエールマンで天皇賞・春を勝つなど、先週までが「23勝・獲得賞金5億3672万円」という成績で、去年のペースを上回っているんですよ。
もちろん、今の手塚君は、「この勢いで、賞金の高いレースをもっと勝ちたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が6700万円の毎日王冠にマイネルファンロン、2300万円のグリーンチャンネルCにベストマッチョ、1050万円の飛翔特別にコンピレーションとハッピーランランを登録してきましたので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。


2019/09/30
アイルランドの大学で勉強しとったんや
橋口慎介調教師(栗東)

主な管理馬:
グレイスフルリープ(2018年JBCスプリントなど)


今週の主な登録馬:
アルバート(京都大賞典)


担当者:調教師情報部 元調教師S

皆さんもよう知っとる通り、橋口慎介君の親父さんは、2016年の2月に定年で調教師を引退した橋口弘次郎さんですな。
橋口弘次郎厩舎っちゅうたら、皆さんもよう知っとる通りで、ダンスインザダークを使った1996年の菊花賞や、ハーツクライを使った2005年の有馬記念や、ワンアンドオンリーを使った2014年のダービーとか、GIを10勝、それを入れて重賞を96回も勝っとりました。
そんな弘次郎さんを、子供の頃からずっと見てきた慎介君が、「調教師になりたい」と思うようになったんは、まあ当たり前やったんでしょうな。
そんで慎介君は、高校を卒業する前に、「競馬の世界に進みたい」と親父さんに相談したそうですわ。
そしたら、弘次郎さんに、「これからは競馬の世界も英語が必要になるんで、外国で勉強してこい」と言われて、慎介君は、アイルランドのリムリック大学にある競馬専門の学科で、4年間、馬のことを勉強しとりましたな。
日本に戻ってからの慎介君は、1999年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から池添兼雄厩舎で厩務員と調教助手をやって、2015年に調教師の試験に受かるまでの15年間、ずっと池添厩舎で経験を積んで、2016年の3月に、弘次郎さんの厩舎を引き継ぐ形で自分の厩舎を開業しとります。
そんで、慎介君の厩舎は、最初の年に、「14勝・獲得賞金3億0655万円」っちゅう、幸先のいいスタートを切っとりました。
せやけど、一昨年と去年は、
2017年→15勝・獲得賞金2億9892万円
2018年→15勝・獲得賞金2億8985万円
と、賞金が伸び悩んどったんで、今年の彼は、「何が何でも巻き返したい」と気合いを入れとる筈やし、実際、今年は先週までに「17勝・獲得賞金2億4357万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(9月30日まで)の「8勝・獲得賞金1億4258万円」を大きく上回っとるんですわ。
ただ、2016年に稼いだ「3億0655万円」に近付けるには、もっとペースを上げる必要があるんで、ワシが慎介君やったら、「とにかく賞金の高いレースを多く勝たなアカン」と考えるでしょうな。
そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の京都大賞典にアルバートを登録してきたんで、実際に彼がどう仕上げてくるんか、これからの動きを、最後の最後までキッチリ確認せなアカンやろ。