「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2019/05/20
「JRAの獣医になりたい」と思っていたそうです
相沢郁(いくお)調教師(美浦)

主な管理馬:
エメラルファイト(2019年スプリングS)
マイネルミラノ(2016年函館記念)
クリールカイザー(2015年アメリカJCC)
ウメノファイバー(1999年オークスなど)


今週の主な登録馬:
エメラルファイト(ダービー)
アイリスフィール(白百合S)
バレリオ(青嵐賞)
リアリスト(與杼特別)


担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、北海道出身の相沢郁(いくお)君は、高校を出てから、麻布大学の獣医学部に進んでいて、その頃、門別の白井牧場(1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティア、2000年の桜花賞を勝ったチアズグレイスなどを生産)でアルバイトをしたことがきっかけで、「JRAの獣医になりたい」と思ったそうですが、その後、「自分で走る馬を育てたい」と思うようになって、調教師を目指したそうです。
ちなみに、彼のお父さんは高校の先生で、北島三郎さんの母校である函館西高校の校長を務めたこともあるそうですよ。
そして相沢君は、競馬学校を出た後、1986年の11月から、前田禎(ただし)厩舎で調教助手をやって、1997年に38歳の若さで調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、ずっと前田厩舎で腕を磨いていました。
前田厩舎と言えば、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなどでお馴染みですね。
開業してからの相沢君は、その年の11月に、ウメノファイバーを使った京王杯3歳Sで早くも重賞を勝つと、次の年にも、ウメノファイバーでクイーンCとオークスを勝つなど、今までに重賞を17勝もしています。
2014年の相沢厩舎は、ヴェルデグリーンでアメリカJCCを勝つなど、全部で18勝を上げて、「5億7189万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。
でも、去年までの4年間は、
2015年→19勝・獲得賞金4億7222万円
2016年→23勝・獲得賞金3億7562万円
2017年→27勝・獲得賞金3億7871万円
2018年→25勝・獲得賞金4億4062万円
と、2014年の賞金を大きく下回っていましたから、今年の相沢君は、「必ず巻き返したい」と考えている筈です。
ただ、今年に入ってから先週までは、「11勝・獲得賞金2億2574万円」という成績で、2014年の同じ時期(5月3週目まで)の「7勝・獲得賞金2億3356万円」と比べて、勝ち星は4つ多いものの、賞金は下回っていますから、私が相沢君でしたら、「賞金の高いレースを勝って一気に稼ぎたい」と考えるでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が2億円のダービーにエメラルファイト、2000万円の白百合Sにアイリスフィール、1500万円の青嵐賞にバレリオ、1500万円の與杼特別にリアリストと、特別レースに4頭を登録してきましたので、「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。
それに、相沢君の厩舎は、ウメノファイバーで1999年のオークスを勝ってから、20年近くもGIを勝てていませんので、ダービーのエメラルファイトには、「何が何でも勝って欲しい」という思いも込められている筈です。


2019/05/20
「障害の名手」として活躍しとりました
池添兼雄調教師(栗東)

主な管理馬:
ヤマカツエース(2017年金鯱賞など)
メイショウベルーガ(2010年日経新春杯など)
ヤマカツスズラン(1999年阪神3歳牝馬Sなど)


今週の主な登録馬:
メイショウテンゲン(ダービー)
ヤマカツグレース(朱雀S)
ショウナンタイガ(葵S)
メイショウラビエ(富嶽賞)
ラニカイサンデー(御池特別)


担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんも知っとるやろうけど、池添兼雄君は、1974年に、乗り役として大久保石松さんの厩舎からデビューしとって、メジロジュピターに乗った1984年の中山大障害や、カルストンイーデンに乗った1985年の京都大障害などを勝って、1992年に引退するまで、重賞を7勝、通算で185勝っちゅう成績を残しとって、「障害の名手」として活躍しとりました。
そんで、これも皆さんがよう知っとることやけど、兼雄君の長男は乗り役として活躍しとる謙一君で、次男は、2014年の調教師試験に33歳の若さで受かって、次の年の3月に厩舎を開業しとる学君ですな。
こうやって、自慢の息子が2人もおるんは、兼雄君にとってホンマに嬉しいことなんやろう。
乗り役を引退してからの兼雄君は、鶴留明雄厩舎で調教助手をやって、1997年に調教師の試験に受かると、1999年の3月に厩舎を開業して、1年目から「10勝・獲得賞金2億0711万円」っちゅう成績を残しとったし、その年の12月には、ヤマカツスズランを使った阪神3歳牝馬S(今の阪神ジュベナイルF)で早くも重賞を、それもGIを勝っとりました。
その後も、タガノバスティーユを使った2006年のファルコンS、タガノゲルニカを使った2006年の平安S、メイショウベルーガを使った2010年の日経新春杯と京都大賞典、ヤマカツエースを使った2016年と一昨年の金鯱賞とか、今までに重賞を16回も勝っとるし、2016年の池添厩舎は、「24勝」を上げて、今までで一番の「5億0999万円」の賞金を稼いどったんですわ。
こうやってエエ結果を残せとるんは、乗り役時代の経験はもちろんやし、鶴留厩舎で調教助手をやっとった頃には、オークスを勝ったチョウカイキャロルや、ダービーを勝ったタヤスツヨシとか、走る馬が何頭もおったんで、それらを間近で見とった経験もしっかり活かせとるからなんでしょうな。
せやけど、一昨年と去年は、
2017年→20勝・獲得賞金4億7693万円
2018年→16勝・獲得賞金4億7150万円
っちゅう成績やったんで、今年の兼雄君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と意気込んどる筈や。
ただ、今年は先週までが「10勝・獲得賞金2億2170万円」っちゅう成績で、まだ去年の4割くらいしか稼げとらんのやから、今の彼は間違いなく、「賞金の高い特別レースを勝ってペースを上げたい」と考えますわ。
そんな中、今週は、1着賞金が2億円のダービーにメイショウテンゲン、1820万円の朱雀Sにヤマカツグレース、3800万円の葵Sにショウナンタイガ、1500万円の富嶽賞にメイショウラビエ、1500万円の御池特別にラニカイサンデーを登録してきましたんで、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。


2019/05/20
「小松温泉牧場」で働いとったんですわ
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
ウインテンダネス(2018年目黒記念)


今週の主な登録馬:
ウインテンダネス(目黒記念)
ケイティクレバー(目黒記念)
ナムラミラクル(欅S)
テイエムチェロキー(與杼特別・富嶽賞)
ヘヴントゥナイト(與杼特別)


担当者:調教師情報部  元調教師Y

知っとる方も多いと思いますけど、1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がいた訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響で競馬を見るようになったそうやな。
そんで杉山君は、中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになって、最初は乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって杉山君は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してすぐに、「小松温泉牧場」(石川県小松市)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
で、その年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武先生が定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和先生が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までに「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、一昨年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。
そんで3年目の去年は、まず地方で、ケイティブレイブを使った川崎記念とダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとるし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったんですわ。
で、今年に入ってからも勢いは続いとって、先週までに「8勝・獲得賞金1億6323万円」と、去年の同じ時期(5月3週目まで)の「6勝・獲得賞金1億1413万円」を上回っとるんで、今の杉山君は「賞金の高いレースを勝って、もっと勢いを付けたい」と考えとるんやろう。
そんな中、今週は、1着賞金が5700万円の目黒記念にウインテンダネスとケイティクレバー、2200万円の欅Sにナムラミラクル、1500万円の與杼特別にテイエムチェロキー(富嶽賞にも登録)とヘヴントゥナイトを登録してきましたんで、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。


2019/05/20
ニシノフラワーやアグネスタキオンでお馴染みやな
河内洋調教師(栗東)

主な管理馬:
プラチナムバレット(2017年京都新聞杯)
ヤマニンキングリー(2009年札幌記念など)
マルカシェンク(2008年関屋記念)


今週の主な登録馬:
アイラブテーラー(葵S)
アズマヘリテージ(葵S)
プレミオテーラー(むらさき賞)


担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとるやろうけど、河内洋君は、1974年に武田作十郎厩舎から乗り役としてデビューして、それから、メジロラモーヌに乗った1986年の牝馬三冠や、サッカーボーイに乗った1988年のマイルCSや、ニシノフラワーに乗った1992年の桜花賞や、アグネスフライトに乗った2000年のダービーや、アグネスタキオンに乗った2001年の皐月賞とか、GIの22勝を含めて重賞を134勝もしとって、通算で2111勝っちゅう素晴らしい成績を残しとりますな。
そんで、調教師の試験に受かった2003年に乗り役を引退して、2005年に自分の厩舎を開業しとって、この年は4勝止まりやったけど、2年目は19勝、3年目は24勝と、エエ感じで成績を伸ばしとりました。
こういう風に、初めの内から一気に成績を伸ばせたんは、開業したばかりの頃から、「アグネス」の渡辺孝男オーナー(故人)や、「ニシノ」の西山茂行オーナーに、エエ馬を預けてもらったからなんでしょうな。
4年目やった2008年には、マルカシェンクを使った関屋記念で初めて重賞を勝つと、ヤマニンキングリーを使った中日新聞杯も勝つなど、全部で29勝を上げて、開業してから一番多い「5億5031万円」の賞金を稼いどったし、それから2013年までは、ずっと賞金が3億円くらいやったんやけど、2014年は、今までで一番多い32勝を上げて、賞金も、「5億0652万円」っちゅう、2008年に近い数字を残しとりました。
けど、それからは一度も2008年の賞金を超えとらんし、去年までの5年間も、
2014年→32勝・獲得賞金5億0652万円
2015年→24勝・獲得賞金4億0091万円
2016年→24勝・獲得賞金4億0756万円
2017年→17勝・獲得賞金4億0366万円
2018年→24勝・獲得賞金4億9320万円
と、賞金が伸び悩んどったんで、今年の河内君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとる筈ですわ。
ただ、今年は先週までが「6勝・獲得賞金1億1161万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(5月3週目まで)の「11勝・獲得賞金1億6933万円」を大きく下回っとるんで、ワシが彼やったら、間違いなく「賞金の高い特別レースを勝って、一気に稼ぎたい」と考えるでしょうな。
そんな中、今週は、1着賞金が3800万円の葵Sにアイラブテーラーとアズマヘリテージ、1820万円のむらさき賞にプレミオテーラーと、特別レースに全部で3頭を登録しとるんで、どの馬もメイチに仕上げてくるやろ。