「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2018/09/24
2着が28回、3着が18回と取りこぼしとるレースが多いんやから
森田直行調教師(栗東)

主な管理馬:
ダイメイプリンセス(2018年アイビスSD)
キョウエイアシュラ(2014年オーバルスプリント)

今週の主な登録馬:
ダイメイプリンセス(スプリンターズS)
ラブカンプー(スプリンターズS)

担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんもよう知っとる通りで、森田直行君の親父さんは、名古屋競馬で乗り役をやってから、1972年の天皇賞・秋を勝ったヤマニンウエーブとかでお馴染みの中村覚之助厩舎で調教助手をやっとったんですわ。
そんで、小さい頃から競馬が身近だった森田君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、身長が伸び過ぎたんで諦めて、普通に会社員として働いとったんや。
せやけど、親父さんが腰痛で調教助手を辞めることになって、そん時に「お前だけでも競馬に関わってくれないか」と頼まれたんで、23歳の時に競馬学校に入って、1985年に長浜彦三郎厩舎で厩務員になっとります。
その後は、1988年から長浜博之厩舎、1989年から福島信晴厩舎、2007年から松田博資厩舎と、4つの厩舎で経験を積んでから、2012年に、JRAでは初めて、現役の厩務員として調教師の試験に受かったんですわ。
調教師を目指す場合、厩務員から調教助手になって、それから試験を受けるのが普通やけど、体重が70キロ近くある森田君は、調教師から「馬に負担が掛かるので乗らないで欲しい」と言われたことがあったそうで、調教に乗らんでええ厩務員のまま、調教師を目指すことにしたんや。
それから森田君は、厩務員として、朝から晩まで馬の世話をしながら、毎日1~2時間くらいしか寝ないで調教師試験の勉強を続けて、11度目の挑戦やった2012年にようやく受かったんですわ。
試験に受かった後は、2014年の3月に厩舎を開業するまで、技術調教師として、昔から仲が良かった矢作芳人君の厩舎で、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方とか、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとったんや。
開業してからの森田君は、最初の年が「4勝・獲得賞金9294万円」っちゅう成績やったけど、キョウエイアシュラを使った交流重賞のオーバルスプリントで、初めて重賞を勝っとったし、その後は、
2015年→8勝・獲得賞金1億4576万円
2016年→8勝・獲得賞金1億9788万円
2017年→22勝・獲得賞金3億3869万円
と、順調に数字を伸ばしとります。
今年に入ってからもその勢いは続いとって、ダイメイプリンセスを使ったアイビスSDで、初めてJRAの重賞を勝つなど、先週までに「18勝・獲得賞金4億5582万円」っちゅう成績を残しとって、もう去年の賞金を大きく上回っとるんやけど、ワシは、彼がこの数字に満足せんで、これからも全力で勝ちにくると見とるんや。
っちゅうのも、森田君の厩舎は、2着が28回、3着が18回と、取りこぼしとるレースが多いんやから、「キッチリ勝たなアカン」と考えとる筈なんで。
そんな中、今週は、1着賞金が1億1000万円のスプリンターズSにダイメイプリンセスとラブカンプーを登録してきたんで、どちらも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。
それに、彼の厩舎は、キャリアが浅いこともあって、まだGIを勝てとらんので、この2頭には、「初めてのGI勝ちを飾りたい」っちゅう思いが込められとる筈ですわ。

2018/09/24
賞金が去年の半分にも届いていませんので
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)
リアルインパクト(2011年安田記念など)

今週の主な登録馬:
キャンベルジュニア(スプリンターズS)
サクラエンパイア(内房S)

担当者:調教師情報部 元調教師N

皆さんも知っていると思いますが、千葉県市川市出身の堀宣行君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたそうですね。
そして大学を出た後は、電気設備工事や情報通信工事などをやっている「関電工」で、経理関係の仕事をしていたそうですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇厩舎で調教助手をやって経験を積んで、自分の厩舎を開業したのは2003年ですから、今年で16年目になりますね。
初めの年こそ、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、先週までに、JRAだけで重賞を51勝もしています。
しかも、最近の堀厩舎は、管理馬をどんどん海外に遠征させていて、今までに、
リアルインパクト:2015年のジョージライダーS(オーストラリアのG1)
モーリス:2015年の香港マイルと2016年のチャンピオンズマイル(香港のG1)と香港カップ
サトノクラウン:一昨年の香港ヴァーズ
ネオリアリズム:去年のクイーンエリザベス2世C(香港のG1)
と、海外のG1を6つも勝っていますので、彼のことを、「日本を代表する調教師」と言っても大げさではないでしょうね。
2015年は、ドゥラメンテを使った皐月賞とダービー、モーリスを使った安田記念とマイルCSなど、JRAで、「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
その中で、私が「これは素晴らしい」と感じたのは、2割3分という勝率で、その年の勝率が2位だった藤原英昭君が1割8分1厘、その年の獲得賞金が一番だった池江泰寿君が1割3分7厘と書けば、堀君が残した数字の高さがよく分かります。
でも、一昨年と去年は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(リーディング5位)
と、賞金が「右肩下がり」になっていましたので、今年の堀君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょうね。
ただ、先週までは、「34勝」を上げて、リーディング7位に付けていますけど、賞金は「5億2142万円」と、去年の半分にも届いていませんので、今の堀君は、「賞金の高いレースを勝って、一気に稼ぎたい」と考えている筈です。
こういった中、今週は、1着賞金が1億1000万円のスプリンターズSにキャンベルジュニア、1820万円の内房Sにサクラエンパイアを登録していますので、彼が間違いなく勝負を懸けてくるのでしょう。
それに、堀君の厩舎は、去年まで12年続けて重賞を勝っていますけど、今年はまだ勝てていませんので、スプリンターズSのキャンベルジュニアには、「何が何でも勝ちたい」という思いが込められている筈です。

2018/09/24
「必ず巻き返したい」と気合いを入れとる筈やけど
松永昌博調教師(栗東)

主な管理馬:
モルトベーネ(2017年アンタレスS)
ノボリディアーナ(2015年府中牝馬S)
ウインバリアシオン(2014年日経賞など)
エイシンアポロン(2011年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
ラインスピリット(スプリンターズS)
ラインルーフ(シリウスS)

担当者:調教師情報部 鎌田光也

皆さんもよう知っとるように、松永昌博先生は、乗り役やった時に、バンブーメモリーで勝った1989年のスワンSや、オースミシャダイで勝った1990年の阪神大賞典や、ナイスネイチャで勝った1991年の京都新聞杯と鳴尾記念など、2002年に引退するまでに、重賞を23勝しとって、全部で544勝しとりましたな。
ちなみに、松永先生とワシは、ホンマに長い付き合いで、先生がまだ乗り役やった頃には、栗東トレセンの「鹿児島県人会」の花見で一緒に酒を飲んだりしたもんですわ。
乗り役を引退した後の松永先生は、義理の親父さんの松永善晴厩舎で調教助手をやって経験を積んで、2005年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しとります。
最初の年は、「7勝・獲得賞金1億1276万円」っちゅう成績やったけど、次の年には、「19勝・獲得賞金2億8294万円」と大きく成績を伸ばしとって、2008年は「26勝」、2009年は「25勝」、2010年は「25勝」、2011年は「22勝」と、ずっと「20勝以上」をキープしとりました。
そん中でも2011年は、エイシンアポロンを使ったマイルCSで初めてGIを勝つとか、重賞を4勝、全部で22勝を上げて、今までで一番多い「8億0718万円」を稼いどったんやから、先生にとってホンマにエエ年やったんでしょうな。
それからも、2012年は「21勝」、2013年は「33勝」、2014年は「21勝」と、20勝以上を続けとったし、こん中でも、2013年は、今までで一番の勝利数を残しとったんですわ。
せやけど、この年の賞金は「6億0460万円」と、2011年と比べて2億円以上も少なくなっとったし、去年までの3年間も、
2015年→19勝・獲得賞金4億5568万円
2016年→19勝・獲得賞金4億2464万円
2017年→22勝・獲得賞金4億3566万円
っちゅう形で、物足りん成績が続いとったんで、今年の松永先生は、「必ず巻き返したい」と気合いを入れとる筈や。
ただ、今年に入ってから先週までの成績は、「13勝・獲得賞金2億7685万円」っちゅうもんで、去年の同じ時期(9月4週目まで)の「17勝・獲得賞金3億2968万円」を下回っとるし、2011年の数字を超えるためには、あと「5億3033万円」を稼がなアカンのやから、今の先生は、「賞金の高いレースを勝ちたい」と考えとるんでしょうな。
そんな中、今週は、1着賞金が1億1000万円のスプリンターズSにラインスピリット、3600万円のシリウスSにラインルーフを登録しとるんで、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。

2018/09/24
少しでも上との差を詰めるために
中内田充正調教師(栗東)

主な管理馬:
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)
グレイトパール(2017年平安Sなど)
ベルーガ(2017年ファンタジーS)
フロンティア(2017年新潟2歳S)

今週の主な登録馬:
グレイトパール(シリウスS)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんもよう知っとるやろうけど、栗東トレセンから車で50分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。
彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。
「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。
中内田君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパの大学には競馬のことを教えてくれる学科があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとるんですわ。
それから、イギリスのウエストオックスフォード大学の馬学科に入って、生産や調教など馬のことを学んで、卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で働いとりましたな。
その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、中内田君はその調教に乗っとったそうや。
日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2012年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満君(サイレンススズカ、アドマイヤベガ、アドマイヤグルーヴ、スズカマンボなどを管理)の厩舎で調教助手をやっとりました。
試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとったんですわ。
そんで、初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」やったけど、2015年は、「23勝・獲得賞金2億9682万円」と一気に数字を伸ばすと、一昨年は、ヴゼットジョリーを使った新潟2歳Sで初めて重賞を勝って、全体でも「31勝・獲得賞金5億0984万円」っちゅう数字を残しとりました。
それに、去年は、ダノンプレミアムを使った朝日杯FSで初めてGIを勝つなど、重賞を5つ勝って、全体で「46勝・獲得賞金7億5893万円」っちゅう、開業してから一番の数字やったし、2割1分5厘っちゅう勝率を残して、「最高勝率調教師」を受賞しとったように、イギリスとアメリカで経験したことや、橋田君や藤原君や角居君の厩舎で教わったことをしっかり活かせとるんでしょうな。
そんで、今年に入ってから先週までは、「37勝・獲得賞金5億9255万円」っちゅう成績を残しとって、リーディング4位に付けとるんやけど、ワシは、中内田君がこの数字に満足せんで、これからも全力で勝ちにくると見とるんや。
っちゅうのも、勝ち星と賞金のどっちも1位の藤原英昭厩舎が、先週までに「47勝・獲得賞金12億4264万円」っちゅう成績を残しとって、勝ち星は「10」、賞金は「6億5009万円」も離されとるんで、きっと、今の彼は、「賞金の高いレースを勝って、少しでも上との差を詰めなアカン」と思っとる筈やから。
そんな中、今週は、1着賞金が3600万円のシリウスSにグレイトパールを登録しとるんやから、中内田君がこの馬をメイチに仕上げてくるんでしょうな。