「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2018/05/07
今年は「必ず巻き返したい」と考えとる筈なんやけど
野中賢二調教師(栗東)

主な管理馬:
グレイル(2017年京都2歳S)
エイシンブルズアイ(2016年オーシャンS)
カゼノコ(2014年ジャパンダートダービー)
トウカイトリック(2010年阪神大賞典など)

今週の主な登録馬:
グリム(青竜S)
クインズミラーグロ(ヴィクトリアマイル)
アプローズ(はやぶさ賞)
クインズチャパラ(あやめ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師I

知っとる方も多いとは思いますが、野中賢二君は、お父さんが厩務員やったから、物心が付いた時には馬が周りにいる環境やったんで、自然と乗り役を目指すようになって、10歳の頃に乗馬を始めたんや。
けど、中学3年の頃に身長が伸びてきたんで、乗り役になるのを諦めて、馬術に集中することにしたんですわ。
そうしたら、県内でたったひとり、中学生で「びわこ国体」の強化選手に選ばれるほどの腕になっとったし、高校に進んでからも馬術部に入って注目されとりましたな。
それから、1982年に藤岡範士(のりひと)厩舎の厩務員になって、次の年の4月からは、調教助手として経験を積んで、2007年に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとります。
でもって野中君は、厩舎を開業した時に、トウカイテイオーやフラワーパークやスティルインラブとかを育てて、定年を待たんで2008年の2月に引退した松元省一さんの厩舎から20頭を引き継いどって、その中にはトウカイトリックがいましたな。
トウカイトリックは、2010年の阪神大賞典で、野中君にとって初めての重賞勝ちを飾ってくれた馬やし、その年の秋には、この馬でオーストラリアのコーフィールドCとメルボルンCに挑戦できたんで、彼は、この馬を引き継がせてくれた松元さんに心の底から感謝しとる筈ですわ。
で、2010年の阪神大賞典の後は、なかなか重賞を勝てなかったんやけど、2012年の12月には、トウカイトリックを使ったステイヤーズSで2年半振りに重賞を勝っとったし、エーシンメンフィスで愛知杯も勝って、この年は、全部で23勝を上げて、「4億6079万円」っちゅう、今までで一番多い賞金を稼いどりました。
せやけど、それから去年までの5年間は、
2013年→16勝・獲得賞金2億4996万円
2014年→28勝・獲得賞金4億0388万円
2015年→26勝・獲得賞金4億1133万円
2016年→23勝・獲得賞金4億0660万円
2017年→20勝・獲得賞金3億2110万円
と、ずっと2012年の賞金を下回っとるんで、今年の野中君は、「必ず巻き返したい」と考えとる筈ですわ。
ただ、今年に入ってから先週までは、「5勝・獲得賞金1億1592万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(5月1週まで)の「8勝・獲得賞金1億0490万円」と比べて、勝ち星は下回っとるし、賞金はそんなに変わらん数字なんで、きっと今の彼は、「もっとペースを上げなアカン」と考えとるんやろう。
そんな中、今週は、
1着賞金が1800万円の青竜S→グリム
1着賞金が1億0500万円のヴィクトリアマイルS→クインズミラーグロ、
1着賞金が1000万円のはやぶさ賞にアプローズ
1着賞金が1000万円のあやめ賞にクインズチャパラ
と、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録しとるんで、どの馬もメイチで仕上げてくる筈やで。

2018/05/07
賞金が、まだ一昨年の3割ほどですから
大竹正博調教師(美浦)

主な管理馬:
ブラストワンピース(2018年毎日杯)
ルージュバック(2016年毎日王冠など)
ジェベルムーサ(2015年エルムS)
フレンチカクタス(2011年フィリーズレビュー)

今週の主な登録馬:
デアレガーロ(ヴィクトリアマイル)
グレーターロンドン(京王杯SC)
エリティエール(石打特別)
ミラクルローカス(飛竜特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

皆さんも知っていると思いますが、大竹正博君は、神奈川県の相模原市にある麻布大学の獣医学部を出ていますね。
麻布大学と言えば、現役の調教師では、1996年の朝日杯3歳Sを勝ったマイネルマックスや、2012年の天皇賞・春を勝ったビートブラックでお馴染みの中村均君や、2009年に美浦で厩舎を開業した伊藤大士君などが、引退した調教師で言えば、ミスターシービーや、ジェニュインなどを管理していて、2014年に引退した松山康久さんなどが通っていたところです。
大学を出た後、大竹君は、門別にある「白井牧場」で働いて、馬のことを学んでいました。
生産と育成の両方をやっているこの牧場は、1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティアを生産したことや、1999年の菊花賞など、重賞を7勝したナリタトップロードの育成を手掛けていたことでお馴染みですね。
大竹君がいた頃は、1995年の目黒記念と1996年の日経新春杯を勝ったハギノリアルキングがいたそうです。
それから大竹君は、1997年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月には鈴木清さんの厩舎で厩務員をやって、その後、高橋祥泰君の厩舎や、萩原清君の厩舎などで腕を磨いて、2008年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しています。
ちなみに、萩原清君の厩舎で調教助手をやっていた時には、2009年のダービーなど、重賞を4つ勝ったロジユニヴァースを担当していましたね。
開業した年は、「11勝・獲得賞金1億3154万円」という成績で、2年目は26勝、3年目は23勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、一昨年までの5年間も、
2012年→27勝・獲得賞金2億9773万円
2013年→29勝・獲得賞金3億9807万円
2014年→17勝・獲得賞金3億0523万円
2015年→21勝・獲得賞金3億8565万円
2016年→28勝・獲得賞金4億7138万円
という成績を残していましたし、一昨年は、ルージュバックでエプソムCと毎日王冠を勝つなど、今までで一番多い賞金を稼いでいましたね。
これは、「白井牧場」で学んだことや、萩原君の厩舎で調教助手をやっていた時に学んだことを活かせているからなのでしょう。
ただ、去年は、「14勝・獲得賞金3億9353万円」という成績で、勝ち星と賞金のどちらも一昨年を下回ってしまいましたから、今年の大竹君は、「必ず巻き返したい」と考えていた筈です。
でも、今年に入ってから先週までは、9勝を上げているものの、獲得賞金は「1億6094万円」と、まだ一昨年の3割ほどですから、今の彼は「重賞や特別レースを勝って一気に稼ぎたい」と強く願っているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が1億0500万円のヴィクトリアマイルにデアレガーロ、5900万円の京王杯SCにグレーターロンドンなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録していますので、大竹君が間違いなく勝負を懸けてきたのでしょうね。
それに彼の厩舎は、2015年のオークスでルージュバックが2着に入ったのが最高で、まだGIを勝てていませんので、ヴィクトリアマイルのデアレガーロには、「初めてのGI勝ちを飾りたい」という思いも込められている筈です。

2018/05/07
去年の同じ時期を大きく下回っとるんやから
西園正都調教師(栗東)

主な管理馬:
サダムパテック(2012年マイルCSなど)
エーシンフォワード(2010年マイルCSなど)
タムロチェリー(2001年阪神ジュベナイルFなど)

今週の主な登録馬:
ジュールポレール(ヴィクトリアマイル)
ウインガニオン(京王杯SC)
トンボイ(あやめ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

西園正都君は、1977年の桜花賞やエリザベス女王杯とかを勝ったインターグロリアや、1981年の宝塚記念を勝ったカツアールとかを育てた柳田次男さんの甥っ子で、馬が身近にいる環境で育ったんで、自然と「騎手になりたい」と思うようになったそうですな。
そんで彼は、みなさんもよう知っとる通りで、1974年に大根田裕也さんの厩舎から乗り役としてデビューして、1985年のカブトヤマ記念をチェリーテスコで勝つなど、1997年に調教師の試験に受かって乗り役を引退するまでに、全部で303勝を上げとります。
それから、1998年に自分の厩舎を開業して、次の年には、ヒサコーボンバーを使った阪神ジャンプSで初めて重賞を勝つと、2001年には、タムロチェリーを使った阪神ジュベナイルFで初めてGIを勝っとりますし、その後も、エーシンフォワードを使った2010年のマイルCSや、サダムパテックを使った2012年のマイルCSや、ハクサンムーンを使った2013年のセントウルSとか、今までに重賞を28回も勝っとるんやから、乗り役として馬を走らせるより、調教師として馬を育てる方が向いとるんでしょうな。
2012年の西園厩舎は、サダムパテックの活躍とかで、「重賞6勝を含む43勝・獲得賞金10億5017万円」っちゅう、今までで一番エエ成績を残しとりました。
せやけど、去年までの5年間は、
2013年→30勝・獲得賞金8億0051万円
2014年→27勝・獲得賞金5億4041万円
2015年→34勝・獲得賞金6億6120万円
2016年→33勝・獲得賞金6億5442万円
2017年→34勝・獲得賞金6億9643万円
っちゅう形で2012年の成績をずっと下回っとるんで、今年の西園君は、「キッチリ巻き返したい」と気合いを入れとる筈ですわ。
ただ、今年に入ってから先週までの成績が、「7勝・獲得賞金1億5998万円」っちゅうもんで、去年の同じ時期(5月1週目まで)の「12勝・獲得賞金2億6770万円」を大きく下回っとるんやから、今の西園君は、「賞金の高い特別レースを勝って、もっとペースを上げたい」と考えとるんでしょうな。
そんな中、今週、彼の厩舎は、
1着賞金1億0500万円のヴィクトリアマイル→ジュールポレール
1着賞金5900万円の京王杯SC→ウインガニオン
1着賞金1000万円のあやめ賞→トンボイ
と、特別レースに全部で3頭を登録しとるんで、どの馬もメイチに仕上げてくる筈やで。
それに西園君は、サダムパテックを使った2012年のマイルCSから、5年半以上もGIをご無沙汰しとるんで、ヴィクトリアマイルのジュールポレールには、「久々にGIを勝ちたい」っちゅう思いも込められとるんでしょうな。

2018/05/07
2着が16回、3着が12回と取りこぼしが多いんで
森田直行調教師(栗東)

主な管理馬:
キョウエイアシュラ(2014年オーバルスプリント)

今週の主な登録馬:
ダイメイフジ(京王杯SC)
タイセイエクレール(BSイレブン賞)
シゲルゴホウサイ(火打山特別)
ロゼッタストーン(火打山特別)
ラブローレル(飛竜特別)


担当者:調教師情報部 元調教師S

知っとる方もいると思いますけど、森田直行君の親父さんは、名古屋競馬で乗り役をやってから、1972年の天皇賞・秋を勝ったヤマニンウエーブなどでお馴染みの中村覚之助厩舎で調教助手をやっとったんですわ。
そんで、小さい頃から競馬が身近だった森田君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、身長が伸び過ぎたんで諦めて、普通に会社員として働いとったんや。
せやけど、親父さんが腰痛で調教助手を辞めることになって、そん時に「お前だけでも競馬に関わってくれないか」と頼まれたんで、23歳の時に競馬学校に入って、1985年に長浜彦三郎厩舎で厩務員になっとります。
その後は、1988年から長浜博之厩舎、1989年から福島信晴厩舎、2007年から松田博資厩舎と、4つの厩舎で経験を積んでから、2012年に、JRAでは初めて、現役の厩務員として調教師の試験に受かったんですわ。
調教師を目指す場合、厩務員から調教助手になって、それから試験を受けるのが普通やけど、体重が70キロ近くある森田君は、調教師から「馬に負担が掛かるので乗らないで欲しい」と言われたことがあったそうで、調教に乗らんでええ厩務員のまま、調教師を目指すことにしたんや。
それから森田君は、厩務員として、朝から晩まで馬の世話をしながら、毎日1~2時間くらいしか寝ないで調教師試験の勉強を続けて、11度目の挑戦やった2012年にようやく受かったんですわ。
そんで、試験に受かった後は、2014年の3月に厩舎を開業するまで、技術調教師として、昔から仲が良かった矢作芳人君の厩舎で、馬のことはもちろん、馬主さんとの付き合い方とか、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとったんや。
開業してからの森田君は、最初の年が「4勝・獲得賞金9294万円」っちゅう成績やったけど、キョウエイアシュラを使った交流重賞のオーバルスプリントで、初めて重賞を勝っとったし、その後は、
2015年→8勝・獲得賞金1億4576万円
2016年→8勝・獲得賞金1億9788万円
2017年→22勝・獲得賞金3億3869万円
と、順調に数字を伸ばしとります。
ただ、今年に入ってからは、先週までに「1億7394万円」の賞金を稼いで、去年の同じ時期(5月1週目まで)の「1億2560万円」を上回っとるんやけど、勝ち星は6勝と、去年の同じ時期の10勝を下回っとるんや。
それに、森田君の厩舎は、今年、2着が16回、3着が12回と取りこぼしが多いんで、今の彼は、「もっと勝たなアカン」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週は、1着賞金が5900万円の京王杯SCにダイメイフジ、1820万円のBSイレブン賞にタイセイエクレールとか、賞金の高い特別レースに全部で5頭を登録してきましたんで、実際に彼がどう仕上げてくるんか、これからの動きを、最後の最後までキッチリ確認せなアカンやろ。
それに森田君は、キョウエイアシュラを使った交流重賞のオーバルスプリントを勝っとりますけど、JRAの重賞はまだ勝てとらんので、京王杯SCのダイメイフジには、「ここでJRAでは初めての重賞勝ちを」っちゅう思いも込められとるんでしょうな。