「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/04/10
今年はまだ2つしか勝てとらんので
庄野靖志調教師(栗東)

主な管理馬:
スワーヴリチャード(2017年共同通信杯)
ワイドバッハ(2014年武蔵野S)
ダイシンオレンジ(2011年平安Sなど)

今週の主な登録馬:
スワーヴリチャード(皐月賞)
ギャラクシーエクス(ラジオ福島賞)

担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとる通り、庄野靖志君は、1987年の阪神牝馬特別を勝ったシヨノリーガルや、1991年の中日新聞杯を勝ったショウリテンユウなどを生産したことで有名な「庄野牧場」の代表、庄野昭彦さんの次男ですな。
今の「庄野牧場」は、お兄さんの宏志さんが後を継いどるんやけど、元々は庄野君も、お父さんの昭彦さんと同じように牧場の仕事をしようと思っとったそうで、高校を出た後は、日本大学の獣医学部に進学しとりました。
日本大学の獣医学部と言うたら、ダービーを勝ったアイネスフウジンや、天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップなどを育てた加藤修甫さんや、NHKマイルCなどを勝ったタイキフォーチュンや、2002年と2003年の根岸Sを勝って、交流重賞でも大活躍したサウスヴィグラスなどを育てた高橋祥泰君などが出とりますな。
庄野君は、大学を卒業して実家に戻ってから、調教師として、1979年のダービーと1981年の天皇賞・春を勝ったカツラノハイセイコや、1988年の桜花賞を勝ったアラホウトクなどを育てた大叔父の庄野穂積さんに馬のことを教わっとったそうで、そん時に、「将来は調教師になる」と決めたそうですわ。
そんで、1996年に競馬学校の厩務員課程に入ってからは、マーメイドSを勝ったシャイニンレーサーや、ウインターSを勝ったマチカネワラウカドなどを管理しとった高橋隆厩舎で10年ほど経験を積んで、2006年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しとります。
最初の年こそ、使った回数が少なかったんで4勝止まりやったけど、それからは、
2008年→10勝・獲得賞金2億0998万円
2009年→10勝・獲得賞金2億2010万円
2010年→12勝・獲得賞金3億2943万円
2011年→14勝・獲得賞金2億3771万円
2012年→16勝・獲得賞金2億0998万円
2013年→22勝・獲得賞金3億5356万円
と着実に実績を積み重ねとって、ホクトスルタンを使った2008年の目黒記念や、ダイシンオレンジを使った2010年のアンタレスSと2011年の平安Sとか、今までに重賞を6つ勝っとりますな。
で、2014年は、ワイドバッハで武蔵野Sを勝つなど、「30勝・獲得賞金4億9546万円」っちゅう、開業してから一番の成績を残しとりました。
せやけど、一昨年と去年は、
2015年→22勝・獲得賞金4億2838万円
2016年→29勝・獲得賞金4億7629万円
と、2年続けて2014年より賞金が1億円以上も少なかったんやから、今年の庄野先生は、「必ず巻き返したい」と考えとるでしょうな。
せやけど、今年に入ってから先週までの成績は、スワーヴリチャードで共同通信杯を勝ったんやけど、他の馬があまり活躍しとらんので、「2勝・獲得賞金9430万円」っちゅう数字に留まっとるんですわ。
せやから、1着賞金1億円の皐月賞にスワーヴリチャード、1500万円のラジオ福島賞にギャラクシーエクスと、賞金の高い特別レースに2頭を登録しとる今週は、庄野君が、「一気に稼ぎたい」と考えて、どっちもメイチに仕上げてくるでしょうな。
そんで庄野君は、重賞を6つ勝っとりますけど、まだGIを勝てとらんので、皐月賞のスワーヴリチャードには、「初めてのGI勝ちを飾りたい」っちゅう思いを込めて仕上げてくる筈ですわ。


2017/04/10
「今週は何が何でも勝ちたい」と思っている筈です
藤沢和雄調教師(美浦)

主な管理馬:
ソウルスターリング(2016年阪神JFなど)
サトノアレス(2016年朝日杯FS)
レイデオロ(2016年ホープフルS)
バウンスシャッセ(2016年愛知杯など)

今週の主な登録馬:
サトノアレス(皐月賞)
レイデオロ(皐月賞)

担当者:調教師情報部 山田要一

知っている方も多いと思いますが、藤沢和雄君の実家は、1978年の天皇賞・秋を勝ったテンメイなどで有名な「藤沢牧場」でして、彼は大学を出てから、お父さんの友人である田中良熊さんが経営していた「青藍牧場」の手伝いをしていた時に、「自分も競馬に関わる仕事をする」と決めたそうです。
それから彼は、ニューマーケット(イギリス)のギャビン・プリチャード・ゴードン厩舎で、4年くらい厩務員をやって、日本に戻って来てからは、1977年に菊池一雄厩舎(皐月賞やダービーを勝ったカツトップエースなどを育成)の調教助手になって、その5年後には、佐藤勝美厩舎(札幌記念を勝ったサンエイサンキューなどを育成)に移っていましたね。
そして、私が厩舎を開業した1983年からは、3冠馬シンボリルドルフなどを育てた野平祐二さんの厩舎で調教助手として経験を積んで、1987年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しています。
そして、調教師になってからの彼の活躍は、皆さんもよく知っている通り、タイキシャトルを使った1998年の安田記念とマイルCSや、シンボリインディを使った1999年のNHKマイルCや、ダンスインザムードを使った2004年の桜花賞や、ゼンノロブロイを使った2004年の天皇賞・秋とジャパンCと有馬記念や、スピルバーグを使った2014年の天皇賞・秋や、サトノアレスを使った2016年の朝日杯FSや、ソウルスターリングを使った2016年の阪神JFなど、今までに、GIの24勝を含めて重賞を99勝もしています。
それに、勝ち星そのものも多くて、開業してから去年まで、1年あたり46勝もしていますし、先週までに、現役で一番の「通算1344勝」という素晴らしい成績を残していますね。
賞金も、1995年から2006年までの12年間は、ずっと10億円の大台に乗せていましたし、ゼンノロブロイで天皇賞・秋とジャパンCと有馬記念などを勝った2004年には、それまでの最高だった「23億1699万円」を記録していました。
ただ、2015年は、「32勝・獲得賞金7億9156万円」と、24年振りに40勝を切ってしまいましたし、賞金も、7年振りに8億円を切ってしまったため、去年の藤沢君は、巻き返しに全力を注いでいた筈です。
実際に、去年の藤沢厩舎は、「51勝・獲得賞金10億9272万円」という素晴らしい数字を残しましたので、私の見込みは正しかったのでしょう。
ただ、今年に入ってから先週までの成績は、「7勝・獲得賞金1億9474万円」と、誰が見ても「藤沢君としては物足りない」と思う数字に留まっていますし、当然、本人も「このままではマズイ」と思っている筈です。
そのため、私が彼でしたら、巻き返しに全力を注ぐでしょうし、今週は、1着賞金が1億円の皐月賞にサトノアレスとレイデオロを登録していますので、どちらもメイチに仕上げてくると私は見ています。
それに、さっき書いた通りで、藤沢厩舎は今までにGIを24勝していますけど、クラシックを勝ったのは、ダンスインザムードを使った2004年の桜花賞だけで、牡馬のクラシックはまだ一度も勝てていませんね。
しかも、先週は、桜花賞に使ったソウルスターリングが3着でしたから、「今週は何が何でも勝ちたい」と考えている筈ですよ。



2017/04/10
「流れを変えたい」と考えとる筈や
加用正調教師(栗東)

主な管理馬:
ドリームバレンチノ(2014年JBCスプリントなど)
アズマシャトル(2015年小倉記念)
マイネルスターリー(2010年函館記念)
ランニングゲイル(1997年弥生賞)

今週の主な登録馬:
ミツバ(アンタレスS)
ゲンパチケンシン(雪うさぎ賞)
ビービーブレスユー(奥の細道特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんも知っとるやろうけど、横浜出身の加用正君がこの世界に入ったんは、中学生の時、「馬事公苑騎手課程」の様子をテレビで見て、「自分も騎手になりたい」と思ったことがきっかけやったそうで、実際、中学校を卒業した後はすぐ馬事公苑に入って、それから6年半ほど修行を積んだ後、1976年に乗り役としてデビューしとりましたな。
彼は、その年に19勝を上げるっちゅうとてもええスタートを切って、4年後の1980年には、ノトダイバーに乗ったシンザン記念で初めて重賞を勝つと、ダイナカーペンターに乗った1988年の阪神大賞典や、ダイタクヘリオスに乗った1991年の高松宮杯など、重賞の20勝を含む通算559勝を上げて、調教師の試験に受かった1993年に乗り役を引退しとります。
そんで、1994年に自分の厩舎を開業した加用君は、エイシンガイモンを使った1996年と1997年の関屋記念や、ランニングゲイルを使った1997年の弥生賞や、リミットレスビットを使った2006年の根岸Sなど、GIはまだ勝ててないんやけど、重賞を13回勝っとりますし、2007年には31勝を上げて優秀調教師賞をもらっとりましたな。
2006年の加用君は、今書いたリミットレスビットの活躍などで、今までで一番多い「6億6041万円」(31勝)の賞金を稼いどりましたし、その後も、4億円以上をコンスタントに稼いどったんやけど、2014年は「2億4445万円」(12勝)と勝ち星と賞金が大きく減ってしまったんですわ。
ただ、一昨年と去年は、
2015年→4億3544万円(26勝)
2016年→4億2707万円(24勝)
と、巻き返すことができたんで、加用君はホッとしたんやろ。
もちろん、今年の加用君は、「去年までの勢いで、2006年よりええ成績を残したい」と思っとる筈やけど、先週までの成績は、「1億2509万円」(6勝)と、2006年の同じ時期(4月2週目)までの「2億3771万円」(8勝)と比べると、明らかに勢いがないんで、彼は「このままではマズイ」と感じとるでしょうな。
せやから、加用君は、「賞金の高い特別レースを勝って、一気に稼ぎたい」と考えとる筈で、アンタレスS(1着賞金3600万円)にミツバ、雪うさぎ賞(同1000万円)にゲンパチケンシン、奥の細道特別(同1500万円)にビービーブレスユーと、賞金の高い特別レースに3頭を登録しとる今週は、「勝負懸かり」と見とくべきやろ。
それに加用厩舎は、去年、ドリームバレンチノで地方交流の東京盃を勝っとるんやけど、JRAの重賞は、アズマシャトルを使った2015年の小倉記念から2年半以上もご無沙汰なんですわ。
ワシが加用君やったら、「重賞を勝って流れを変えたい」と考える筈なんで、アンタレスSに登録しとるミツバをどう仕上げるんか、最後まで目が離せませんな。

2017/04/10
2008年の賞金を超えるために…
小島茂之調教師(美浦)

主な管理馬:
ブラックエンブレム(2008年秋華賞など)
クィーンスプマンテ(2009年エリザベス女王杯)
ブライトエンブレム(2014年札幌2歳S)
ロードクエスト(2016年京成杯AHなど)

今週の主な登録馬:
アウトライアーズ(皐月賞)
モンテネオ(下総S)
マサノグリンベレー(鹿島特別)
ファイアクリスタル(浄土平特別)
ジェムラッシュ(医王寺特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

東京都出身の小島茂之君は、高校を卒業してから、魚市場でアルバイトをしていた頃に、「競馬に関わる仕事がしたい」と考えるようになって、門別にある育成施設・「ファンタスト・クラブ」で働き始めました。
小島君は、そこで馬乗りを覚えて、1992年の神戸新聞杯と中日スポーツ賞4歳Sを勝ったキョウエイボーガンなどの調教を担当していましたね。
そして、1993年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から一年ほど嶋田功さんの厩舎で厩務員をやって、1994年からの5年間は、浅野洋一郎君の厩舎で調教助手をやっていました。
ちなみに、その頃の浅野厩舎と言えば、私がすぐに思い付くのは、1996年の若葉Sで強い勝ち方をして、皐月賞でも4着だったミナモトマリノスで、この馬を担当していたのが小島君でしたね。
浅野君の厩舎を出た後の小島君は、1999年の暮れから2002年の2月まで、岩城博俊君の厩舎で調教助手をやって、2002年に調教師の試験に受かると、技術調教師としてアイルランドに行って、ジョン・オックス厩舎で色々なことを勉強していました。
ジョン・オックス厩舎と言えば、皆さんもよく知っているでしょうが、小島君が行く前であれば、シンダーで2000年のイギリスダービーや凱旋門賞などを勝っていましたし、彼が日本に戻ってからも、アラムシャーで2003年のイギリスダービーなどを勝っていて、シーザスターズでも、2009年のイギリス2000ギニーとイギリスダービーと凱旋門賞などを勝っているように、名門中の名門です。
そして、2003年に自分の厩舎を開業した小島君は、その年こそ6勝止まりでしたが、2004年に10勝を上げてからは、コンスタントに勝ち星を上げていて、2008年には、ブラックエンブレムでフラワーCと秋華賞を勝つなど、全部で25勝して、今までで一番多い「5億0696万円」を稼いでいましたから、この結果を彼は喜んだでしょうね。
でも、2015年までの5年間は、
2011年→「9勝・獲得賞金2億2579万円」
2012年→「21勝・獲得賞金3億1210万円」
2013年→「16勝・獲得賞金2億4837万円」
2014年→「23勝・獲得賞金2億9397万円」
2015年→「22勝・獲得賞金3億6654万円」
と、物足りない成績が続いていましたから、去年の小島君は、「何とか流れを変えたい」と願っていた筈で、実際に、「24勝・獲得賞金4億2808万円」という成績を残していましたが、それでも、2008年の賞金と比べたら、「7888万円」も少ないものでした。
そのため、今年の小島君は、「何が何でも2008年の賞金を超えたい」と考えている筈ですが、今年に入ってから先週までは、「3勝・獲得賞金8241万円」という成績で、去年の同じ時期(4勝・獲得賞金1億0809万円)を下回っていますので、私が彼でしたら、間違いなく、「もっとペースを上げないとマズイ」と考えるでしょうし、
1着賞金1億円の皐月賞→アウトライアーズ
1着賞金1820万円の下総S→モンテネオ
1着賞金1500万円の鹿島特別→マサノグリンベレー
1着賞金1050万円の浄土平特別→ファイアクリスタル
1着賞金1050万円の医王寺特別→ジェムラッシュ
と、賞金の高い特別レースに全部で5頭を登録している今週は、どの馬も全力で仕上げてくるでしょうね。