注目調教師
2025/10/20
ルーラーシップの香港遠征に帯同しとりましたな
中内田充正調教師(栗東)
主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)
今週の主な登録馬:
エリキング(菊花賞)
フィロステファニ(アルテミスS)
ミッキーチャレンジ(精進湖特別)
アレ(嵯峨野特別)
担当者:調教師情報部 元調教師Y
栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。
彼の親父さんは、少し前まで牧場の代表をやっとった中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の副会長理事もやっとります。
「信楽牧場」は、できたのが1970年っちゅう、関西では一番長くやっとる外厩施設で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を構えとるんや。
充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。
それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。
卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやった、アメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。
結局、10年くらい海外で勉強しとった充正君は、日本に戻ってから、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。
橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。
試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。
そんで、中内田君の厩舎は、開業した2014年が「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後は、
2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
2020年→36勝・獲得賞金7億7341万円(同12位)
っちゅう形で順調に実績を積み重ねとって、2021年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、「11億3628万円」の賞金を稼いどったんやから、ホンマに大したもんやで。
ただ、2022年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、2021年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11勝の差を付けられた3位やったし、一昨年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、48勝を上げて、今までで一番多い「17億4265万円」の賞金を稼いどったんやけど、リーディングは、55勝で1位の杉山晴紀厩舎に7勝の差を付けられた3位やったんですわ。
そんでもって去年は、クイーンズウォークでクイーンCとローズS、プログノーシスで金鯱賞を勝つなど、重賞を5勝して、他も入れたら42勝を上げたんやけど、リーディングは、55勝を上げて1位の矢作芳人厩舎に13勝の差を付けられた10位やったし、GIを勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「10億3610万円」と、一昨年を大きく下回っとったんや。
もちろん、今年を迎えるにあたって、中内田君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、ロードデルレイで日経新春杯、クイーンズウォークで金鯱賞を勝つなど、先週までに42勝を上げて、「調教師リーディング3位」になっとるし、稼いだ賞金が「10億2433万円」と、もう去年を上回るのは時間の問題になっとります。
せやから、今の中内田君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろうし、4月27日(日)のクイーンエリザベス2世Cでは、リバティアイランドがレース中に故障を発生して予後不良になってしもうたんで、「その分を他の馬で稼ぎたい」とも考えとるんやろうな。
そんな中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にエリキング、1着賞金が2900万円のアルテミスSにフィロステファニなど、4頭を特別レースに登録しとるんで、「どれも勝負懸かり」とワシは見とるんや。
主な管理馬:
リバティアイランド(2023年オークスなど)
セリフォス(2022年マイルCSなど)
ダノンファンタジー(2018年阪神ジュベナイルFなど)
ダノンプレミアム(2017年朝日杯FSなど)
今週の主な登録馬:
エリキング(菊花賞)
フィロステファニ(アルテミスS)
ミッキーチャレンジ(精進湖特別)
アレ(嵯峨野特別)
担当者:調教師情報部 元調教師Y
栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。
彼の親父さんは、少し前まで牧場の代表をやっとった中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の副会長理事もやっとります。
「信楽牧場」は、できたのが1970年っちゅう、関西では一番長くやっとる外厩施設で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を構えとるんや。
充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。
それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。
卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやった、アメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。
結局、10年くらい海外で勉強しとった充正君は、日本に戻ってから、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。
橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。
試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとって、藤原厩舎では、2012年の天皇賞・秋を勝ったエイシンフラッシュや、2013年のマイルCSを勝ったトーセンラーの調教を担当しとったし、角居厩舎では、ルーラーシップが2012年に香港のクイーンエリザベス2世Cを勝った時の遠征に同行しとったんや。
そんで、中内田君の厩舎は、開業した2014年が「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後は、
2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円(調教師リーディング48位)
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円(同20位)
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円(同8位)
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円(同9位)
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円(同4位)
2020年→36勝・獲得賞金7億7341万円(同12位)
っちゅう形で順調に実績を積み重ねとって、2021年は、54勝を上げて、初めて「調教師リーディングの1位」になっとったし、「11億3628万円」の賞金を稼いどったんやから、ホンマに大したもんやで。
ただ、2022年は、セリフォスを使ったマイルCS、リバティアイランドを使った阪神ジュベナイルFと、GIを2勝したこともあって、賞金は「12億1215万円」と、2021年を上回ったんやけど、勝利数は「48」で、リーディングは、59勝で1位やった矢作芳人厩舎に11勝の差を付けられた3位やったし、一昨年は、リバティアイランドで牝馬三冠を勝って、プログノーシスで札幌記念と金鯱賞を勝つなど、48勝を上げて、今までで一番多い「17億4265万円」の賞金を稼いどったんやけど、リーディングは、55勝で1位の杉山晴紀厩舎に7勝の差を付けられた3位やったんですわ。
そんでもって去年は、クイーンズウォークでクイーンCとローズS、プログノーシスで金鯱賞を勝つなど、重賞を5勝して、他も入れたら42勝を上げたんやけど、リーディングは、55勝を上げて1位の矢作芳人厩舎に13勝の差を付けられた10位やったし、GIを勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「10億3610万円」と、一昨年を大きく下回っとったんや。
もちろん、今年を迎えるにあたって、中内田君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、ロードデルレイで日経新春杯、クイーンズウォークで金鯱賞を勝つなど、先週までに42勝を上げて、「調教師リーディング3位」になっとるし、稼いだ賞金が「10億2433万円」と、もう去年を上回るのは時間の問題になっとります。
せやから、今の中内田君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろうし、4月27日(日)のクイーンエリザベス2世Cでは、リバティアイランドがレース中に故障を発生して予後不良になってしもうたんで、「その分を他の馬で稼ぎたい」とも考えとるんやろうな。
そんな中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にエリキング、1着賞金が2900万円のアルテミスSにフィロステファニなど、4頭を特別レースに登録しとるんで、「どれも勝負懸かり」とワシは見とるんや。
2025/10/20
東京農工大学の馬術部に入っていたんですよ
国枝栄調教師(美浦)
主な管理馬:
アカイトリノムスメ(2021年秋華賞など)
アーモンドアイ(2018年牝馬三冠など)
アパパネ(2010年牝馬三冠など)
マツリダゴッホ(2007年有馬記念など)
今週の主な登録馬:
アマキヒ(菊花賞)
シンハナーダ(魚沼S)
ルージュスエルテ(精進湖特別・壬生特別)
バードウォッチャー(村上特別)
担当者:調教師情報部 元調教師M
国枝栄君は、岐阜県本巣郡の北方(きたがた)町出身で、近くに笠松競馬場があったことから、競馬に興味を持つようになって、地元の本巣高校に通っていた頃、「この世界で働きたい」と思ったそうです。
高校を出てからの彼は、東京農工大学農学部の獣医学科に入って、もちろん、この頃には馬術部に入っていましたし、卒業してからは、大学の2年先輩で、当時、八木沢勝美厩舎で調教助手をやっていて、それから調教師になって、去年の3月に定年で引退した高橋裕君の紹介で、山崎彰義厩舎で調教助手をやることになったんですよ。
ちなみに、山崎さんと言えば、1987年の新潟大賞典をセッテジュノーで勝つなど、通算で247勝を上げています。
国枝君は、山崎厩舎の調教助手になってから、ずっとそこで腕を磨いて、1989年に調教師の試験に受かって、1990年に自分の厩舎を開業しました。
最初の年は、使った頭数が少なかったので8勝止まりでしたが、2年目は9勝、3年目と4年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、開業9年目だった1998年には、ブラックホークを使ったダービー卿CTで、初めて重賞を勝っています。
それに、国枝君の厩舎は、2010年にアパパネで、2018年にアーモンドアイで、それぞれ牝馬三冠を勝つなど、厩舎を開業してから今までに、GIを22勝、重賞を70勝もしていて、2022年の7月2日(土)には、節目の「JRA通算1000勝」を達成していましたし、2019年には、アーモンドアイを使ったドバイターフで初めて海外のG1を勝ちましたね。
2018年、アーモンドアイなどの活躍により、「45勝・獲得賞金16億0611万円」という好成績を残した国枝君は、2021年までの3年間も、
2019年→44勝・獲得賞金12億4822万円
2020年→44勝・獲得賞金15億9603万円
2021年→48勝・獲得賞金13億5194万円
と書けば分かる通り、賞金が10億円を超えていたんですよ。
その後の2年間は、
2022年→39勝・獲得賞金8億8881万円
2023年→41勝・獲得賞金8億0741万円
という形で、物足りない成績が続いていましたけど、去年は、ステレンボッシュで桜花賞を勝つなど、重賞を5勝、他も入れたら30勝を上げて、稼いだ賞金が「10億5736万円」と、前の2年を大きく上回って、巻き返しに成功していました。
ただ、今年は、先週までに22勝を上げていますけど、中山記念を勝ったシックスペンス以外の馬があまり活躍できていないこともあって、稼いだ賞金が「4億5075万円」と、まだ去年の4割くらいですから、今の国枝君は、「去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうね。
それに、国枝君は、今年の4月14日(月)に「70歳の誕生日」を迎えていて、来年の2月で定年で引退になりますから、今は、「現役でいられる内になるべく多く稼ぎたい」とも考えている筈です。
そんな中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にアマキヒ、1着賞金が1840万円の魚沼Sにシンハナーダなど、4頭を特別レースに登録していますので、私が彼でしたら、どの馬もメイチに仕上げるでしょうね。
主な管理馬:
アカイトリノムスメ(2021年秋華賞など)
アーモンドアイ(2018年牝馬三冠など)
アパパネ(2010年牝馬三冠など)
マツリダゴッホ(2007年有馬記念など)
今週の主な登録馬:
アマキヒ(菊花賞)
シンハナーダ(魚沼S)
ルージュスエルテ(精進湖特別・壬生特別)
バードウォッチャー(村上特別)
担当者:調教師情報部 元調教師M
国枝栄君は、岐阜県本巣郡の北方(きたがた)町出身で、近くに笠松競馬場があったことから、競馬に興味を持つようになって、地元の本巣高校に通っていた頃、「この世界で働きたい」と思ったそうです。
高校を出てからの彼は、東京農工大学農学部の獣医学科に入って、もちろん、この頃には馬術部に入っていましたし、卒業してからは、大学の2年先輩で、当時、八木沢勝美厩舎で調教助手をやっていて、それから調教師になって、去年の3月に定年で引退した高橋裕君の紹介で、山崎彰義厩舎で調教助手をやることになったんですよ。
ちなみに、山崎さんと言えば、1987年の新潟大賞典をセッテジュノーで勝つなど、通算で247勝を上げています。
国枝君は、山崎厩舎の調教助手になってから、ずっとそこで腕を磨いて、1989年に調教師の試験に受かって、1990年に自分の厩舎を開業しました。
最初の年は、使った頭数が少なかったので8勝止まりでしたが、2年目は9勝、3年目と4年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、開業9年目だった1998年には、ブラックホークを使ったダービー卿CTで、初めて重賞を勝っています。
それに、国枝君の厩舎は、2010年にアパパネで、2018年にアーモンドアイで、それぞれ牝馬三冠を勝つなど、厩舎を開業してから今までに、GIを22勝、重賞を70勝もしていて、2022年の7月2日(土)には、節目の「JRA通算1000勝」を達成していましたし、2019年には、アーモンドアイを使ったドバイターフで初めて海外のG1を勝ちましたね。
2018年、アーモンドアイなどの活躍により、「45勝・獲得賞金16億0611万円」という好成績を残した国枝君は、2021年までの3年間も、
2019年→44勝・獲得賞金12億4822万円
2020年→44勝・獲得賞金15億9603万円
2021年→48勝・獲得賞金13億5194万円
と書けば分かる通り、賞金が10億円を超えていたんですよ。
その後の2年間は、
2022年→39勝・獲得賞金8億8881万円
2023年→41勝・獲得賞金8億0741万円
という形で、物足りない成績が続いていましたけど、去年は、ステレンボッシュで桜花賞を勝つなど、重賞を5勝、他も入れたら30勝を上げて、稼いだ賞金が「10億5736万円」と、前の2年を大きく上回って、巻き返しに成功していました。
ただ、今年は、先週までに22勝を上げていますけど、中山記念を勝ったシックスペンス以外の馬があまり活躍できていないこともあって、稼いだ賞金が「4億5075万円」と、まだ去年の4割くらいですから、今の国枝君は、「去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうね。
それに、国枝君は、今年の4月14日(月)に「70歳の誕生日」を迎えていて、来年の2月で定年で引退になりますから、今は、「現役でいられる内になるべく多く稼ぎたい」とも考えている筈です。
そんな中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にアマキヒ、1着賞金が1840万円の魚沼Sにシンハナーダなど、4頭を特別レースに登録していますので、私が彼でしたら、どの馬もメイチに仕上げるでしょうね。
2025/10/20
「小松温泉牧場」で働いとったんですわ
杉山晴紀調教師(栗東)
主な管理馬:
ルガル(2024年スプリンターズSなど)
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
今週の主な登録馬:
ゲルチュタール(菊花賞)
ジョバンニ(菊花賞)
オーロラエックス(カシオペアS)
ジャスティンアース(神無月S)
サンダーロード(嵯峨野特別)
カリーニョ(村上特別)
担当者:調教師情報部 元調教師T
1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおったから、杉山君もレースを見るようになったそうやな。
中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、ご両親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。
で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と、一気に数字を伸ばしとりました。
それから、一昨年までの6年間は、
2018年→19勝・獲得賞金4億8159万円
2019年→30勝・獲得賞金5億7709万円
2020年→42勝・獲得賞金11億4271万円
2021年→37勝・獲得賞金8億0939万円
2022年→47勝・獲得賞金11億7224万円
2023年→55勝・獲得賞金15億6006万円
っちゅう形で、2021年以外は賞金が「右肩上がり」になっとって、2020年にはデアリングタクトで牝馬三冠を勝っとるし、一昨年は、初めて「調教師リーディング1位」になっとって、賞金も今までで一番の数字だったんや。
ただ、去年は、53勝を上げたんやけど、調教師リーディングでは、55勝を上げて1位やった矢作芳人厩舎に2勝の差を付けられた3位やったし、根岸Sと武蔵野Sを勝ったエンペラーワケアと、シルクロードSとスプリンターズSを勝ったルガル以外の馬がイマイチやったこともあって、稼いだ賞金が「14億3402万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。
もちろん、今年を迎えるにあたって、杉山君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、エリカエクスプレスでフェアリーSを、サトノシャイニングできさらぎ賞を、ガイアフォースで富士Sを勝つなど、先週までに46勝を上げて、「調教師リーディング1位」になっとるし、稼いだ賞金が「12億1803万円」と、去年の同じ時期(10月14日【月】まで)の「9億5736万円」を大きく上回っとるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。
こういった中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にゲルチュタールとジョバンニ、1着賞金が2800万円のカシオペアSにオーロラエックス、1着賞金が2200万円の神無月Sにジャスティンアースなど、6頭を特別レースに登録してきましたんで、ワシが杉山君やったら、どれも気合いを入れて仕上げますわ。
主な管理馬:
ルガル(2024年スプリンターズSなど)
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)
今週の主な登録馬:
ゲルチュタール(菊花賞)
ジョバンニ(菊花賞)
オーロラエックス(カシオペアS)
ジャスティンアース(神無月S)
サンダーロード(嵯峨野特別)
カリーニョ(村上特別)
担当者:調教師情報部 元調教師T
1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおったから、杉山君もレースを見るようになったそうやな。
中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、ご両親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。
高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。
で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と、一気に数字を伸ばしとりました。
それから、一昨年までの6年間は、
2018年→19勝・獲得賞金4億8159万円
2019年→30勝・獲得賞金5億7709万円
2020年→42勝・獲得賞金11億4271万円
2021年→37勝・獲得賞金8億0939万円
2022年→47勝・獲得賞金11億7224万円
2023年→55勝・獲得賞金15億6006万円
っちゅう形で、2021年以外は賞金が「右肩上がり」になっとって、2020年にはデアリングタクトで牝馬三冠を勝っとるし、一昨年は、初めて「調教師リーディング1位」になっとって、賞金も今までで一番の数字だったんや。
ただ、去年は、53勝を上げたんやけど、調教師リーディングでは、55勝を上げて1位やった矢作芳人厩舎に2勝の差を付けられた3位やったし、根岸Sと武蔵野Sを勝ったエンペラーワケアと、シルクロードSとスプリンターズSを勝ったルガル以外の馬がイマイチやったこともあって、稼いだ賞金が「14億3402万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。
もちろん、今年を迎えるにあたって、杉山君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、エリカエクスプレスでフェアリーSを、サトノシャイニングできさらぎ賞を、ガイアフォースで富士Sを勝つなど、先週までに46勝を上げて、「調教師リーディング1位」になっとるし、稼いだ賞金が「12億1803万円」と、去年の同じ時期(10月14日【月】まで)の「9億5736万円」を大きく上回っとるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。
こういった中、今週は、1着賞金が2億円の菊花賞にゲルチュタールとジョバンニ、1着賞金が2800万円のカシオペアSにオーロラエックス、1着賞金が2200万円の神無月Sにジャスティンアースなど、6頭を特別レースに登録してきましたんで、ワシが杉山君やったら、どれも気合いを入れて仕上げますわ。
2025/10/20
「最高勝率調教師」を2回も受章していますね
木村哲也調教師(美浦)
主な管理馬:
レガレイラ(2024年有馬記念など)
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)
今週の主な登録馬:
モンローウォーク(アルテミスS)
ソニックスター(神無月S)
ブルーベリーフィズ(山中湖特別)
グレゴリオ(柏崎特別)
担当者:調教師情報部 元調教師O
木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。
でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。
2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。
その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。
初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、
2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円
という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。
でも、その後の3年間は、
2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円
と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいました。
もちろん、2022年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら34勝を上げて、「16億4896万円」という、前の年までを大きく上回る賞金を稼いでいます。
それに、一昨年もいい流れが続いて、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいましたし、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、他も入れたら44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字で、2018年に続いて二度目の「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。
ただ、去年は少し勢いがなくなっていて、チェルヴィニアでオークスと秋華賞、レガレイラで有馬記念を勝つなど、全部で36勝を上げましたけど、4月に1勝もできなかったことや、一昨年は8勝もしていた重賞を3勝しかできなかったこともあって、稼いだ賞金が「16億3280万円」と、一昨年を下回ってしまいました。
もちろん、今年を迎えるにあたって、木村君は巻き返しに燃えていたのでしょうし、実際、今年は、コスタノヴァでフェブラリーSを、ヘデントールで天皇賞・春を勝つなど、重賞を5勝して、他も入れたら、先週までに33勝を上げていて、稼いだ賞金が「10億1191万円」と、去年の同じ時期(10月20日【日】まで)の「9億8655万円」を少しとは言え上回っていますから、今の木村君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。
そういった中、今週は、1着賞金が2900万円のアルテミスSにモンローウォーク、1着賞金が2200万円の神無月Sにソニックスターなど、4頭を特別レースに登録していますので、私が木村君でしたら、どれも全力で仕上げるのは間違いありません。
主な管理馬:
レガレイラ(2024年有馬記念など)
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)
今週の主な登録馬:
モンローウォーク(アルテミスS)
ソニックスター(神無月S)
ブルーベリーフィズ(山中湖特別)
グレゴリオ(柏崎特別)
担当者:調教師情報部 元調教師O
木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。
でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。
2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。
その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。
初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、
2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円
という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。
でも、その後の3年間は、
2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円
と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいました。
もちろん、2022年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら34勝を上げて、「16億4896万円」という、前の年までを大きく上回る賞金を稼いでいます。
それに、一昨年もいい流れが続いて、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいましたし、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、他も入れたら44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字で、2018年に続いて二度目の「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。
ただ、去年は少し勢いがなくなっていて、チェルヴィニアでオークスと秋華賞、レガレイラで有馬記念を勝つなど、全部で36勝を上げましたけど、4月に1勝もできなかったことや、一昨年は8勝もしていた重賞を3勝しかできなかったこともあって、稼いだ賞金が「16億3280万円」と、一昨年を下回ってしまいました。
もちろん、今年を迎えるにあたって、木村君は巻き返しに燃えていたのでしょうし、実際、今年は、コスタノヴァでフェブラリーSを、ヘデントールで天皇賞・春を勝つなど、重賞を5勝して、他も入れたら、先週までに33勝を上げていて、稼いだ賞金が「10億1191万円」と、去年の同じ時期(10月20日【日】まで)の「9億8655万円」を少しとは言え上回っていますから、今の木村君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。
そういった中、今週は、1着賞金が2900万円のアルテミスSにモンローウォーク、1着賞金が2200万円の神無月Sにソニックスターなど、4頭を特別レースに登録していますので、私が木村君でしたら、どれも全力で仕上げるのは間違いありません。