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注目調教師
2023/09/12
タケホープの生産牧場で働いとったんや
吉岡辰弥調教師(栗東)

主な管理馬:
ヴェルテックス(2021年名古屋グランプリ)
ジャスティンロック(2021年京都2歳S)
スマッシャー(2021年ユニコーンS)

今週の主な登録馬:
ウィズユアドリーム(セントライト記念)
セーヌドゥレーヴ(ローズS・ロードカナロアC・御宿特別)
マラキナイア(ローズS・ロードカナロアC・御宿特別)
メテオリート(ロードカナロアC・鳥取特別・御宿特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

京都府京都市の伏見区向島(むかいじま)出身の吉岡辰弥君は、競馬好きのお父さんと京都競馬場に行ったのがきっかけで「騎手になりたい」と思うようになって、小学校6年生から競馬場の乗馬センターに通っとりました。

中学校3年生の時に競馬学校の騎手課程を受けたんやけど、そん時にはだいぶ身長が伸びとったし、試験に落ちてしもうたんで、目標を厩務員課程に切り替えて、中学校を卒業してすぐ、1973年のダービーと菊花賞を勝ったタケホープとかを生産したことでよう知られとる、北海道の浦河にある谷川牧場で働いとったんですわ。

そんで、まだ16歳やった、1993年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、同じ年の7月から藤岡範士(のりひと)厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやっとりました。

その後、2008年の3年に角居勝彦厩舎に移って、そこで10年くらい調教助手をやって、2018年の7月から、調教師の試験に受かった12月までは、中竹和也厩舎で調教助手をやっとったんですわ。

吉岡君が角居厩舎と中竹厩舎におった時には、走る馬を何頭も担当しとって、調教師の試験に受かったすぐ後、2018年のホープフルSを勝ったサートゥルナーリアも彼の担当馬でしたな。

試験に受かってから厩舎を開業するまでの間は、技術調教師として中内田充正君の厩舎に所属して、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなどを教わっとったし、角居厩舎のキセキがフランスに遠征した時に帯同して、海外経験も積んどったんですわ。

そんで、2020年の3月に自分の厩舎を開業した吉岡君は、トゥインクルリーフを使った3月15日(日)の中京6Rで、「JRA初出走・初勝利」を飾っとって、他も入れたら、年末までに「14勝・獲得賞金2億4590万円」っちゅう、最初の年としてはまずまずの成績を残しとりました。

2年目やった一昨年は、ヴェルテックスが地方交流重賞の名古屋グランプリを勝って、3200万円の賞金を稼いどったし、JRAでは、スマッシャーを使ったユニコーンSで初めての重賞勝ちを飾ると、ジャスティンロックを使った京都2歳Sも勝つなど、「27勝・獲得賞金4億7586万円」と、2020年を大きく上回る成績を残しとったんや。

せやけど、去年は、「22勝・獲得賞金3億7274万円」っちゅう成績で、一昨年を下回っとったんで、今年を迎えるにあたって、吉岡君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、今年は先週までに、もう去年を上回る24勝を上げとって、稼いだ賞金は「3億6773万円」と、去年を上回るのは時間の問題なんですわ。

もちろん、今の吉岡君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、セントライト記念にウィズユアドリーム、ローズSにセーヌドゥレーヴ(ロードカナロアCと御宿特別にも登録)とマラキナイア(同)とか、特別レースに4頭を登録してきましたんで、どれも気合いを入れて仕上げるやろうな。

2023/09/12
明治大学を出てから北海道とアイルランドで…
池添学調教師(栗東)

主な管理馬:
ドゥラエレーデ(2022年ホープフルS)
プラダリア(2022年青葉賞)
アンドヴァラナウト(2021年ローズS)
ヴィクティファルス(2021年スプリングS)

今週の主な登録馬:
ドゥラエレーデ(セントライト記念)
エアアネモイ(ロードカナロアC)

担当者:調教師情報部 元調教師H

誰でもよう知っとる通り、池添学君は、親父さんが、同じ栗東に厩舎を構えとって、今年の2月に定年で引退した池添兼雄君で、一つ上の兄ちゃんが乗り役の池添謙一君ですな。

学君は、中学生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験を受ける準備をしとったんやけど、体が大きくなってしもうたんで、当時、調教師の試験を受けとった兼雄君に相談したら、「その体重やったら乗り役は厳しい。調教師になったらどうや」と言われて、騎手になるんを諦めたそうですわ。

けど、誘導馬に乗るとか、厩舎で働くとか、「馬に関わる仕事がしたい」と考えとった学君は、将来の選択肢を広げるために、小学校5年生の頃からやっていた馬術に本腰を入れて、その腕は、馬術の名門、明治大学に推薦で入れるほどになったんや。

学君がおった頃の明治大学は、大学馬術部の中で一番強くて、彼自身、かなり自信を持っとったし、一時は「オリンピックを目指そう」って考えとったんやけど、海外に遠征した2年生の時、そこで世界レベルの馬術を見て、「とてもかなわん」と感じたんで、真剣に「競馬の道へ進もう」と思ったそうですわ。

そんでもって、美浦で厩舎を構えとる、久保田貴士君と高柳瑞樹君も、明治大学の馬術部出身やな。

そうそう、去年の7月17日(日)に中京競馬場でやっとった、「ジョッキーベイビーズ」の東海地区代表決定戦で優勝しとる、今、中学2年生の池添陽(ひなた)君は、学君の長男で、乗り役を目指しとるんや。

大学を卒業してからの学君は、「ノーザンファーム」(住所:北海道勇払郡安平町早来源武275)で3ヶ月くらい働いた後、ジャパンとブルームの2頭を一昨年のジャパンCに使っとった、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で1年くらい働いとりました。

日本に戻ってからは、2005年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の5月から兼雄君の厩舎で厩務員と調教助手をやって経験を積んで、2013年の12月に33歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。

でもって、2015年に自分の厩舎を開業した学君は、その年に21勝もして、「2億5071万円」の賞金を稼いどりました。

それから2020年までも、

2016年→21勝・獲得賞金3億5328万円
2017年→23勝・獲得賞金4億1601万円
2018年→24勝・獲得賞金4億4060万円
2019年→33勝・獲得賞金6億0859万円
2020年→33勝・獲得賞金8億5459万円

っちゅう形で順調に成績を伸ばしとったんですわ。

そんで一昨年は、ヴィクティファルスを使ったスプリングSと、カテドラルを使った京成杯AHと、アンドヴァラナウトを使ったローズSを勝つなど、前の年と同じ33勝を上げたんやけど、稼いだ賞金は「7億8951万円」と、前の年を下回ってしもうたんや。

せやから、去年の学君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ドゥラエレーデを使ったホープフルSで初めてGIを勝つなど、「40勝・獲得賞金9億2460万円」っちゅう成績を残して、勝利数と賞金のどっちも、今までで一番エエ数字やったんですわ。

ただ、今年に入ってから先週までは、25勝を上げとるんやけど、重賞で「29戦0勝」に終わっとることもあって、稼いだ賞金は「4億9319万円」と、まだ去年の半分くらいなんや。

もちろん、今の学君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、セントライト記念にドゥラエレーデ、ロードカナロアCにエアアネモイと、特別レースに2頭を登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/09/12
乗り役として2008年のスプリンターズSとかを勝っとりますな
上村洋行調教師(栗東)

主な管理馬:
ベラジオオペラ(2023年スプリングS)

今週の主な登録馬:
ココナッツブラウン(ローズS)
マコトヴェリーキー(兵庫特別)
ウィリアムバローズ(ラジオ日本賞)
デビッドバローズ(レインボーS)
ヨリマル(シンボリクリスエスC)

担当者:調教師情報部 元調教師I

「親父さんが厩務員」っちゅう家庭で育った上村洋行君は、1977年の桜花賞やエリザベス女王杯などを勝ったインターグロリアや、1995年のセントウルSなどを勝ったビコーペガサスとかを管理しとった柳田次男厩舎から、1992年に乗り役としてデビューしとって、この年に、トシグリーンに乗った京王杯AHで初めて重賞を勝っとったし、全部で40勝を上げて、「最多勝利新人騎手」を受賞しとりましたな。

その後も、ナムラコクオーに乗った1993年のラジオたんぱ杯3歳Sと1994年のシンザン記念と1996年のプロキオンSを勝つとか、順調に実績を積み重ねとったんやけど、「黄斑上ぶどう膜炎」っちゅう目の病気にかかってしもうて、そん時は乗り役を引退することも考えたそうや。

2004年に4回も手術を受けた上村君は、その後、めでたく病気が治って、また順調に実績を積み重ねとったし、2008年には、スリープレスナイトに乗ったスプリンターズSで、初めてGIを勝っとりましたな。

そんで、重賞を10勝、通算で570勝っちゅう実績を残して、2014年に乗り役を引退しとります。

引退した時の上村君は40歳と、まだまだ乗り役としてバリバリ活躍できる年齢やったけど、前の年に受けた調教師試験に落ちてしもうて、「本気で調教師を目指すには、乗り役との両立は難しい」と考えたそうや。

それからは、池添兼雄厩舎で調教助手をやりながら、毎日8時間の勉強を続けて、5回目の挑戦やった2017年の12月に、めでたく調教師の試験に合格しとりました。

試験に受かってからは、技術調教師として、一昨年の2月に引退した角居勝彦君の厩舎で、色んなことを学んどりましたな。

2019年の3月に自分の厩舎を開業した上村君は、それから年末までに、「10勝・獲得賞金1億9691万円」っちゅう、最初の年としてはまずまずの成績を残しとったし、その後の3年間も、

2020年→19勝・獲得賞金2億2195万円
2021年→25勝・獲得賞金4億2467万円
2022年→32勝・獲得賞金4億8978万円

っちゅう形で、成績が完全に「右肩上がり」やったんや。

それに、今年は更に勢いが増しとって、ベラジオオペラを使ったスプリングSで、調教師としては初めて重賞を勝つなど、先週までに早くも31勝を上げて、リーディングは4位やし、稼いだ賞金は「5億7659万円」と、もう去年を超えとって、今までで一番の数字になっとるんですわ。

もちろん、今の上村君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんやろうし、今週は、ローズSにココナッツブラウン、兵庫特別にマコトヴェリーキー、ラジオ日本賞にウィリアムバローズとか、特別レースに5頭を登録しとるんで、「揃って勝負懸かり」と考えておくべきやろ。

2023/09/12
アイルランドの大学で馬のことを勉強しとりました
橋口慎介調教師(栗東)

主な管理馬:
セイウンハーデス(2023年七夕賞)
レーヌブランシュ(2021年レディスプレリュードなど)
グレイスフルリープ(2018年JBCスプリントなど)

今週の主な登録馬:
ブライトジュエリー(ローズS)
アルナシーム(ケフェウスS)
オブジェダート(JRAアニバーサリーS)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

橋口慎介君は、2016年の2月に定年で調教師を引退した橋口弘次郎さんの長男ですな。

橋口弘次郎厩舎っちゅうたら、誰でもよう知っとる通りで、ダンスインザダークを使った1996年の菊花賞や、ハーツクライを使った2005年の有馬記念や、ワンアンドオンリーを使った2014年のダービーとか、GIを10勝、他も入れたら重賞を96回も勝っとって、JRAで通算991勝を上げとりました。

そんな弘次郎さんを、子供の頃からずっと見てきた慎介君が、「調教師になりたい」と思うようになったんは、まあ当たり前なんやろうし、慎介君は、高校を卒業する前に、「競馬の世界に進みたい」と親父さんに相談したそうですわ。

そしたら、弘次郎さんに、「これからは競馬の世界も英語が必要になるんで、外国で勉強してこい」と言われて、慎介君は、アイルランドのリムリック大学にある競馬専門の学科で、4年間、馬のことを勉強しとりました。

日本に戻ってからの慎介君は、1999年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から池添兼雄厩舎で厩務員と調教助手をやって、2015年に調教師の試験に受かるまでの15年間、ずっと池添厩舎で経験を積んどったんや。

慎介君は、「何としても、父の定年より前に調教師の試験に受かりたい」と思っとったそうやし、見事に2回目の挑戦で受かっとるんやから、ホンマに大したもんですわ。

試験に受かった後は、技術調教師として、角居勝彦厩舎と弘次郎さんの厩舎で、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとりました。

そんで、2016年の3月に、弘次郎さんの厩舎を引き継ぐ形で自分の厩舎を開業した慎介君は、最初の年に、「14勝・獲得賞金3億0655万円」っちゅう、幸先のいいスタートを切っとったんや。

その後の2年間は、

2017年→15勝・獲得賞金2億9892万円
2018年→15勝・獲得賞金2億8985万円

っちゅう形で賞金が伸び悩んどったんやけど、それからは、

2019年→24勝・獲得賞金3億7435万円
2020年→22勝・獲得賞金3億8605万円
2021年→27勝・獲得賞金4億0323万円
2022年→27勝・獲得賞金4億9528万円

と書けば分かる通り、賞金が右肩上がりになっとったし、特に去年は、勝ち星と賞金のどっちも今までで一番の数字やったんや。

で、今年も好調が続いとって、セイウンハーデスで七夕賞を勝つなど、先週までに25勝を上げて、稼いだ賞金は「4億7930万円」と、もう少しで去年の数字を超えられるんやから、もちろん、今の慎介君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、ローズSにブライトジュエリー、ケフェウスSにアルナシーム、JRAアニバーサリーSにオブジェダートと、3頭を賞金の高いメインレースに登録してきましたんで、慎介君がどの馬もメイチに仕上げてくるとワシは見とります。