「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/03/14
調教師試験に一発で合格しているんですよ
田中博康調教師(美浦)

主な管理馬:
レモンポップ(2023年フェブラリーSなど)

今週の主な登録馬:
ハウゼ(スプリングS)
パルティキュリエ(フラワーC)
ウィルソンテソーロ(名古屋城S)
アイアゲート(館山特別)
ローシャムパーク(スピカS)

担当者:調教師情報部 元調教師O

埼玉県出身の田中博康君は、中学校3年生の時に、アグネスフライトが勝ったダービーを見て、乗り役になりたいと思ったそうです。

でも、その時は競馬学校の存在を知らなくて、高校に通いながら競馬学校の試験を受けて、1年生の時は不合格だったんですけど、2年生の時に受かって、「第22期生」として競馬学校の騎手課程に入りました。

そして、タイキフォーチュンやサウスヴィグラスなどを管理していて、去年の2月に定年で引退した高橋祥泰君の厩舎から、2006年に乗り役としてデビューしています。

同期には、現役の乗り役でしたら、北村友一君、田村太雅君、的場勇人君、黛弘人君などがいて、他では、2019年の12月に調教師の試験に受かって、一昨年の3月に開業した田中克典君も同期です。

乗り役としての田中博康君は、2年目の2007年に44勝を上げていましたし、シルクメビウスに乗った2009年のユニコーンSと2010年の東海S、クィーンスプマンテに乗った2009年のエリザベス女王杯と、3つの重賞を勝っていて、調教師の試験に受かって2017年の2月に引退するまでに、通算で129勝を上げていました。

調教師の試験は、何度も受けてやっと受かる人が多いんですけど、田中君は、1回目の挑戦で受かっているんですよ。

しかも、受かった時は31歳という若さでしたから、本当に大したものです。

乗り役時代に、何度もフランスで武者修行していた田中君は、その頃に日本から遠征していた、ヒルノダムールやエイシンヒカリなどの調教を手伝っていたんですよ。

乗り役を引退してからは、高橋祥泰厩舎で技術調教師として勉強しながら、アメリカ、イギリス、フランス、アイルランドなど、海外でも馬のことを勉強していて、フランスでは、ハリケーンランやレイルリンクなど、凱旋門賞を7勝もしているアンドレ・ファーブル厩舎で色々なことを学んでいましたし、池江泰寿厩舎のサトノダイヤモンドが凱旋門賞に挑戦した時は、そのサポートをするため、遠征に帯同していました。

こういう風に、フランスの競馬を肌で感じている田中君は、一番勝ちたいレースに「凱旋門賞」を挙げています。

2018年の3月に自分の厩舎を開業した彼は、それから年末までに、「13勝・獲得賞金1億9419万円」という成績を残していました。

そして、2019年は「22勝・獲得賞金2億7873万円」という、前の年を大きく上回る成績を残していましたし、2020年はもっと数字を伸ばして、「28勝・獲得賞金3億9189万円」という成績を残していたんですよ。

でも一昨年は、「18勝・獲得賞金3億4382万円」という成績で、2020年の数字を大きく下回ってしまいましたから、去年の田中君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうね。

実際、去年は、一昨年の倍近い「35勝」を上げて、稼いだ賞金も「5億1029万円」と、一昨年を大きく上回ったんですよ。

それに、彼の厩舎は今年も好調で、レモンポップを使った根岸Sで初めて重賞を勝つと、この馬を使ったフェブラリーSで初めてGIを勝つなど、先週までに8勝を上げていて、稼いだ賞金は「2億6086万円」と、もう去年の半分以上になっています。

もちろん、今の田中君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そういった中、今週は、1着賞金が5400万円のスプリングSにハウゼ、3700万円のフラワーCにパルティキュリエ、2200万円の名古屋城Sにウィルソンテソーロなど、賞金の高い特別レースに5頭を登録してきましたので、私が彼でしたら、どの馬も全力で仕上げますね。

2023/03/14
門別にある「ファンタストクラブ」で働いとったんや
新谷功一調教師(栗東)

主な管理馬:
グランブリッジ(2023年エンプレス杯など)
リメイク(2022年カペラS)
クラウンプライド(2022年UAEダービー)

今週の主な登録馬:
ジョウショウホープ(スプリングS)
ウメムスビ(ファルコンS)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

新谷功一君は、親父さんが厩務員っちゅう、馬が身近な環境で育っとって、小学校5年生の頃から乗馬をやっとったんやけど、中学校と高校に通っている時は、将来の仕事をどうするかは深く考えてなかったそうやな。

せやけど、「実家を出て自分の力で稼ぎたい」と考えとった新谷君は、栗東高校の同級生が、門別にある育成牧場の「ファンタストクラブ」で働くっちゅう話を聞いて、高校を卒業した1994年から、一緒に働くことにしたんや。

新谷君が「ファンタストクラブ」で働き始めてからすぐに、前の年にエリザベス女王杯を勝っとったホクトベガが調整に来て、彼がこの馬に乗っとったし、1998年の安田記念とマイルCSなどを勝ったタイキシャトルや、1998年の朝日杯3歳Sなどを勝ったアドマイヤコジーンとかもおって、こういう走る馬達を間近で見られたんやから、ホンマにエエ経験やったんでしょうな。

すっかり馬乗りの仕事が楽しくなった新谷君は、3年くらい「ファンタストクラブ」で働いて、新冠の「武田牧場」で1年くらい働いてから、1998年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から福永甲(はじめ)厩舎で厩務員をやって、6月からは調教助手をやっとりました。

2000年の7月からは、8年くらい森秀行厩舎で調教助手をやっとったんやけど、30歳を過ぎて、「もっと色んな厩舎で経験を積みたい」と考えたそうで、その後は、湯窪幸雄厩舎と大久保龍志厩舎と高橋康之厩舎で調教助手をやっとったんや。

2018年の12月、11回目の挑戦で調教師の試験に受かった新谷君は、2020年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

最初の年は、「5勝・獲得賞金1億2495万円」っちゅう成績やったけど、2年目やった一昨年は、「17勝・獲得賞金2億8076万円」と、大きく数字を伸ばしとりました。

そんで去年は、リメイクを使ったカペラSを勝つなど、JRAで、「31勝・獲得賞金6億0434万円」っちゅう、3年目としてはかなりエエ成績を残しとったし、海外では、クラウンプライドを使ったドバイのUAEダービーを勝って、地方でも、グランブリッジを使った関東オークスとブリーダーズゴールドCを勝っとるんですわ。

ただ、今年に入ってからは、グランブリッジが地方交流重賞のTCK女王盃とエンプレス杯を勝って、6200万円の賞金を稼いどって、海外でも、リヤドダートスプリントで3着やったリメイクと、サウジCで5着やったクラウンプライドが、日本円にして1億6000万円くらいの賞金を稼いどるんやけど、JRAでは、先週までが「3勝・獲得賞金7192万円」っちゅう成績で、去年のペースを大きく下回っとるんや。

もちろん、今の新谷君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が5400万円のスプリングSにジョウショウホープ、1着賞金が4000万円のファルコンSにウメムスビと、重賞レースに2頭を登録してきましたんで、どっちも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/03/14
江戸崎西高校と明治大学で馬術をやっていました
久保田貴士調教師(美浦)

主な管理馬:
イルーシヴパンサー(2023年京都金杯など)
マリアライト(2016年宝塚記念など)
ワイルドワンダー(2008年根岸Sなど)
ドラゴンファイヤー(2007年シリウスS)

今週の主な登録馬:
パクスオトマニカ(スプリングS)
スプレモフレイバー(ファルコンS)
ルドヴィクス(スピカS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

久保田貴士君は、1978年から2002年まで調教師をやっていた久保田敏夫さんの長男で、敏夫さんは、1987年のスプリンターズS(当時はGII)を勝ったキングフローリックや、1993年のクイーンSを勝ったユキノビジンなどを管理していました。

敏夫さんが調教師の試験に受かった1977年は、まだ東京競馬場に厩舎があって、久保田君も小さい頃は府中に住んでいましたけど、トレセンができた1978年に、美浦に引っ越したんですよ。

府中に住んでいた頃、野球少年だった久保田君は、美浦に引っ越したのをきっかけに馬術を始めると、どんどん上達して、江戸崎西高(現在の江戸崎総合高)の3年生だった時には国体で優勝していましたし、明治大学に馬術の推薦で入学できるくらいの腕前になっていました。

当たり前ですが、久保田君は、大学に進んだ後も馬術を続けて、2年生だった1987年から1989年にかけて、「全日本学生馬術選手権」の「個人の部」を3連覇していましたし、その頃は、馬術でオリンピックを目指していたんですけど、敏夫さんの勧めで、馬術を引退して競馬の世界に進むことを決めたそうです。

大学を卒業した後は、1986年のジャパンCを勝ったジュピターアイランドなどを管理していた、イギリスのクライヴ・ブリテン厩舎で2年くらい馬のことを学んでいました。

彼がブリテン厩舎にいた1991年には、ジャパンCに遠征して12着だったテリモンの「トラベリング・ヘッドラッド」(遠征主任)として日本に来ていたんですよ。

そして、日本に戻ってきてからは、1992年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から柴田欣也厩舎で厩務員をやって、その後は、高橋英夫厩舎と石毛善彦厩舎と高橋祥泰(よしやす)厩舎で調教助手をやっていました。

高橋祥泰厩舎では、1996年のNHKマイルCを勝ったタイキフォーチュンや、ダートの短距離で活躍したサウスヴィグラスなど、走る馬の調教を担当していましたから、いい経験になったのでしょう。

2002年、調教師の試験に受かった久保田君は、次の年の3月に自分の厩舎を開業していて、最初の年は、「6勝・獲得賞金6993万円」という成績でした。

でも、2年目だった2004年に、「16勝・獲得賞金2億2193万円」と、一気に数字を伸ばすと、開業5年目だった2007年には、ワイルドワンダーを使ったアンタレスSで初めて重賞を勝つと、同じワイルドワンダーを使ったプロキオンS、ドラゴンファイヤーを使ったシリウスSと、この年だけで重賞を3つも勝っていましたし、全部で29勝を上げて、「6億4874万円」という、今までで一番多い賞金を稼いでいました。

それに、彼の厩舎は、2009年に、今までで一番多い「38勝」を上げていて、その他にも、2012年に32勝、2015年に30勝を、それぞれ上げていますけど、2016年からは、ずっと勝利数が30に届いていなくて、賞金も、マリアライトで宝塚記念を勝った2016年は「5億8614万円」でしたけど、その後は、2億円代と3億円代が続いて、一昨年は「5億1046万円」と、かなり巻き返しましたけど、去年は「4億1406万円」と、一昨年を大きく下回ってしまったんですよ。

もちろん、今年の久保田君は、「去年のような状況にはしたくない」と考えているのでしょうし、実際、今年は、イルーシヴパンサーで京都金杯を勝つなど、先週までに6勝を上げて、稼いだ賞金は「1億3643万円」と、もう去年の3割以上になっています。

こういった中、今週は、1着賞金が5400万円のスプリングSにパクスオトマニカ、1着賞金が4000万円のファルコンSにスプレモフレイバーなど、特別レースに3頭を登録していますので、私が久保田君でしたら、「先週までの勢いを止めたくない」と考えて、どの馬も全力で仕上げるでしょうね。

2023/03/14
大阪府立大学の農学部獣医学科を出とります
友道康夫調教師(栗東)

主な管理馬:
ドウデュース(2022年ダービー)
ワールドプレミア(2021年天皇賞・春など)
ワグネリアン(2018年ダービーなど)
シュヴァルグラン(2017年ジャパンCなど)

今週の主な登録馬:
ユーキャンスマイル(阪神大賞典)
リアド(淡路特別)
アイザックバローズ(若葉S)
ジュンブロッサム(館山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師H

兵庫県赤穂市出身の友道康夫君は、大阪府立大学の農学部獣医学科を出とって、競馬学校の厩務員課程を出た1989年からは、浅見国一さんの厩舎で厩務員と調教助手を、1996年から調教師の試験に受かった2001年までは、松田国英君の厩舎で調教助手をやっとりました。

ちなみに、彼がこの世界に入ろうと決めたんは、大学で馬術部に入っとったように、元々、馬が好きやったし、学生の頃に、スペシャルウィーク(1998年のダービーなどGIを4勝)や、アグネスデジタル(2001年の天皇賞・秋などGIを6勝)とかでお馴染みやった白井寿昭さんが、1978年に調教師の試験に受かった時、スポーツ新聞の「競馬サークル出身者以外では、初めての大卒調教師」っちゅう記事を見て、「自分も調教師になりたい」と思ったことがきっかけなんですわ。

友道君が浅見さんの厩舎におった時には、重賞を3つ勝ったヤマニングローバルや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかがおって、松田君の厩舎におった時には、ダートの重賞で活躍したゴールドティアラやブロードアピールとかがおったし、NHKマイルCやジャパンCダートを勝ったクロフネを担当しとったんやから、ホンマにエエ経験ができたんやろ。

2002年の11月に自分の厩舎を開業した友道君は、その年が3勝止まりやったけど、次の年は一気に19勝まで数字を伸ばしとりました。

しかも彼は、レースを多く勝つだけやなくて、ワンモアチャッターを使った2005年の朝日チャレンジCで初めて重賞を勝つと、アドマイヤジュピタを使った2008年の天皇賞・春で初めてGIを勝って、その後も、マカヒキを使った2016年のダービーや、ワグネリアンを使った2018年のダービーなど、今までにJRAのGIを17回も勝っとるし、他も入れたら重賞を56回も勝っとりますな。

2012年の友道君は、ヴィルシーナでクイーンCを勝つなど、「37勝・獲得賞金8億6631万円」っちゅう成績を残しとって、それから2015年までは2012年の数字を超えられなかったんやけど、2016年からの5年間は、

2016年→38勝・獲得賞金13億3415万円
2017年→43勝・獲得賞金13億7646万円
2018年→43勝・獲得賞金14億9300万円
2019年→36勝・獲得賞金14億6996万円
2020年→50勝・獲得賞金11億1020万円

と書けば分かる通りで、毎年10億円以上の賞金を稼いどったし、一昨年も勢いは続いとって、ワールドプレミアを使った天皇賞・春や、ドウデュースを使った朝日杯FSなど、重賞の6勝を含めて48勝を上げて、前の年を大きく上回る「14億2059万円」の賞金を稼いどったんですわ。

そんで去年は全部で40勝と、一昨年よりも勝ち鞍は減ってしもうたんやけど、ドウデュースでダービーを勝ったこともあって、賞金は「15億9590万円」と、今までで一番の数字やったんや。

今年は、1月が「2勝・獲得賞金2888万円」っちゅう成績で、誰が見ても「スタートダッシュに失敗しとる」って思うような状況やったけど、2月は、ハーパーでクイーンCを勝って、ドウデュースで京都記念を勝つなど、「6勝・獲得賞金1億7287万円」っちゅう成績で、一気に勢いを取り戻しとったし、3月に入ってからも、先週、ゆきやなぎ賞と東風Sを勝つなど、勢いが続いとるんですわ。

もちろん、今の友道君は、「先週までの勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が6700万円の阪神大賞典にユーキャンスマイル、1550万円の淡路特別にリアドとか、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたんで、「どれも勝負懸かり」とワシは見とります。