「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2024/10/21
4年間、石川県の小松市にいた理由は…
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
ガイアフォース(2022年セントライト記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
ジャスティンパレス(天皇賞・秋)
アグリ(スワンS)
クランフォード(スワンS)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。

彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。

中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。

でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。

高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。

その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。

で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。

武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。

この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。

結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。

それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使ったダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。

そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝って、JRAでは、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、勝ち星と賞金のどっちも、開業からずっと右肩上がりになっとりました。

せやけど2021年は、「37勝・獲得賞金8億0939万円」っちゅう成績で、初めて前の年を下回ってしもうたんやから、一昨年の杉山君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。

実際、一昨年は、ガイアフォースでセントライト記念を、ジャスティンパレスで神戸新聞杯を勝つなど、「47勝・獲得賞金11億7224万円」っちゅう素晴らしい成績を残して、調教師リーディングは4位になっとりました。

それに、去年もエエ流れが続いとって、ジャスティンパレスで天皇賞・春と阪神大賞典を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら55勝を上げて、稼いだ賞金は「15億6006万円」と、今までで一番の数字やったし、初めて調教師リーディング1位になっとったんですわ。

そんで今年は、先週までに43勝を上げとるんやけど、調教師リーディングでは、46勝を上げて1位になっとる須貝尚介厩舎に3勝の差を付けられた3位やし、根岸Sを勝ったエンペラーワケアと、シルクロードSとスプリンターズSを勝ったルガル以外の馬があまり活躍できとらんこともあって、稼いだ賞金が「9億7508万円」と、まだ去年の6割くらいなんですわ。

もちろん、今の杉山君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

こういった中、今週は、1着賞金が2億2000万円の天皇賞・秋にジャスティンパレス、1着賞金が5900万円のスワンSにアグリとクランフォードを登録してきましたんで、どれも気合いを入れて仕上げてくるやろうな。

2024/10/21
ゼンノロブロイのイギリス遠征に帯同していましたね
鹿戸雄一調教師(美浦)

主な管理馬:
エフフォーリア(2021年有馬記念など)
ベストアクター(2020年阪急杯)
スマートオリオン(2015年中京記念など)
スクリーンヒーロー(2008年ジャパンCなど)

今週の主な登録馬:
ウインカーネリアン(スワンS)
シーウィザード(魚沼S)
レッドヴェイロン(ペルセウスS)
ルージュアマルフィ(柏崎特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

鹿戸雄一君は、お父さんが北海道の門別にある牧場で働いていて、もちろん、本人にとっても子供の頃から馬が身近な存在でした。

中学校を出た後、鹿戸君は、馬事公苑の長期騎手課程に入って、天皇賞・秋などを勝ったニッポーテイオーでお馴染みだった久保田金造厩舎から、1984年に乗り役としてデビューしていて、同期には、調教師になっている中舘英二君や、調教助手になっている木幡初広君と出津孝一君や、調教師を辞めて、今は競馬学校の教官をやっている坂本勝美君などがいます。

乗り役として、マイネルプラチナムに乗った1998年の札幌3歳S(現在の札幌2歳S)や、ビーマイナカヤマに乗った2000年と2001年のガーネットS(現在のカペラS)など、重賞を4勝、全部で346勝を上げていた鹿戸君は、3度目の挑戦で調教師の試験に受かって、2007年の2月一杯で乗り役を引退しました。

調教師の試験に受かってからの彼は、ゼンノロブロイのイギリス遠征に帯同するなど、乗り役の頃から調教を手伝っていた藤沢和雄厩舎で技術調教師をやって、馬のことはもちろん、厩舎の色々なことも教わった後、増沢末夫さんと矢野進さんの厩舎を引き継ぐ形で、2008年の3月に自分の厩舎を開業しています。

開業1年目の鹿戸君は、幸先良く、矢野進厩舎から引き継いだスクリーンヒーローでアルゼンチン共和国杯とジャパンCを勝つなど、全部で15勝を上げて、「6億8738万円」の賞金を稼いでいました。

次の年からは、ずっと20勝以上を続けていて、2016年には、ビッシュを使った紫苑Sを勝つなど、今までで一番多い33勝を上げていましたし、賞金も、2017年が「3億8832万円」だった以外は、毎年4億円以上を稼いでいるんですよ。

2021年は、エフフォーリアを使った皐月賞で、開業した年以来のGI勝ちを飾ると、この馬で天皇賞・秋と有馬記念も勝って、他も入れたら、年末までに28勝を上げて、今までで一番多い「11億2690万円」の賞金を稼いでいました。

そして一昨年は、ウインカーネリアンで関屋記念を勝つなど、2021年よりも多い33勝を上げましたけど、GIを勝てなかったことが響いて、稼いだ賞金は「6億5282万円」と、前の年の6割くらいでしたから、去年の鹿戸君は「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうね。

実際、去年は、ウインカーネリアンで東京新聞杯、セットアップで札幌2歳Sを勝つなど、全部で33勝を上げて、稼いだ賞金が「7億1182万円」と、一昨年を大きく上回って、今までで2番目の数字でした。

それに、今年もいい流れが続いていて、先週までに32勝を上げて、稼いだ賞金が「6億8313万円」と、去年の数字を上回るのは時間の問題ですから、今の鹿戸君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そういった中、今週は、1着賞金が5900万円のスワンSにウインカーネリアン、1着賞金が1840万円の魚沼Sにシーウィザードなど、特別レースに4頭を登録してきましたので、「揃って勝負懸かり」と私は見ています。

2024/10/21
開成高校を卒業してからオーストラリアで馬のことを勉強したんや
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
パンサラッサ(2023年サウジCなど)
ラヴズオンリーユー(2021年ブリーダーズCフィリー&メアターフなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
キングエルメス(スワンS・カシオペアS)
ミストレス(アルテミスS)
ラヴェル(カシオペアS)
チェイスザドリーム(ルミエールAD)
リビアングラス(魚沼S・ハロウィンS・古都S)
バトルハーデン(キングカメハメハM)
ホウオウプロサンゲ(国立特別・北野特別)
ミッキーカプチーノ(本栖湖特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、毎年、東京大学に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それからは、皆さんもよう知っとるように、菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。

矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目やった2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとったし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。

しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」、「馬を語り、馬に学ぶ」っちゅう3冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。

ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。

実際、去年はJRAだけで「507戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎は「479戦」と、かなり近い数字やったけど、3番目に多い美浦の斎藤誠厩舎が「376戦」やったんやから、どれだけ多かったんがよう分かりますな。

2014年の矢作君は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は「57勝」を上げて、また1位になっとりました。

それに、2021年までの3年間も、

2019年→54勝・獲得賞金19億1331万円(調教師リーディング2位)
2020年→53勝・獲得賞金20億3556万円(同1位)
2021年→52勝・獲得賞金16億5818万円(同2位)

っちゅうエエ成績を残しとって、特に2021年は、ラヴズオンリーユーを使ったブリーダーズCフィリーズ&メアターフや、マルシュロレーヌを使ったブリーダーズCディスタフとか、海外でG1を4勝もしとったし、一昨年も矢作君の厩舎は勢いが続いとって、JRAで、「重賞4勝を含む59勝・獲得賞金12億7726万円」っちゅう成績を残して、「四度目のリーディング1位」になっとって、海外でも、パンサラッサを使ったドバイターフとか、重賞を4勝もしとったんや。

そんで去年は、パンサラッサを使ったサウジCを勝って、このレースだけで1000万ドル(約13億5000万円)を稼いどったし、JRAでは、51勝を上げたんやけど、調教師リーディングは、55勝でトップやった杉山晴紀厩舎と4勝差の2位で終わっとったし、前の年に4勝しとった重賞が、1勝だけやったこともあって、稼いだ賞金が「11億0206万円」と、一昨年を大きく下回ってしもうたんですわ。

しかも、矢作君の厩舎は、今年も悪い流れが続いとって、海外では、フォーエバーヤングを使ったサウジダービー(G3)とUAEダービー(G2)を勝って、148万ドル(約2億2200万円)の賞金を稼いどるし、地方でも、ジャパンダートクラシック(JpnI)を勝って、7000万円の賞金を稼いどるんやけど、JRAでは、先週までが40勝で、調教師リーディングは、46勝を上げて1位の須貝尚介厩舎と6勝差の4位やし、稼いだ賞金が「7億9305万円」と、去年の同じ時期(10月22日【日】まで)の「8億3545万円」を下回っとるんやから、今の矢作君は、「一昨年までの勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

それに、彼の厩舎は、JRAの重賞を、2015年から去年まで、9年続けて勝っとって、この間に40勝もしとるんやけど、今年はまだ勝っとらんのですわ。

そんな中、今週は、

1着賞金5900万円のスワンS
キングエルメス(カシオペアSにも登録)

1着賞金2900万円のアルテミスS
ミストレス

1着賞金2800万円のカシオペアS
ラヴェル

1着賞金2700万円のルミエールAD
チェイスザドリーム

1着賞金1840万円の魚沼S
リビアングラス(ハロウィンSと古都Sにも登録)

など、全部で8頭を特別レースに登録してきましたんで、どの馬にも注目しとった方がエエやろ。

2024/10/21
中山大障害を勝ったバシケーンの生産牧場で働いていたんですよ
和田勇介調教師(美浦)

主な管理馬:
メイショウムラクモ(2021年レパードS)

今週の主な登録馬:
クレオズニードル(アルテミスS)
マピュース(アルテミスS)
ロングラン(カシオペアS)
アームテイル(国立特別・柏崎特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

東京都出身の和田勇介君は、中学生の時に、サクラバクシンオーが勝った1993年のスプリンターズSをテレビで見て、「自分も競馬の世界で働きたい」と思ったそうです。

最初、騎手を目指していた彼は、背が伸びてしまったため、その夢を諦めて、高校を卒業した後は、2010年の中山大障害を勝ったバシケーンなどを生産したことでよく知られている、北海道の新冠にある「上井農場」などで働いていました。

そして、1998年のジャパンCなどを勝ったエルコンドルパサーなどを管理していて、2018年の2月に65歳で調教師を引退した二ノ宮敬宇(よしたか)君が牧場に来た時、「大学に行って馬術部に入って、調教師を目指したらどうか?」と勧められて、そのアドバイスに従って、二ノ宮君と同じ東京農業大学に進んで、馬術部に入ったんですよ。

大学を卒業してからは、2005年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から田村康仁厩舎で厩務員をやって、それから久保田貴士厩舎と中川公成(ただしげ)厩舎で働いた後、2007年の2月からは、高橋裕厩舎で調教助手をやって経験を積んで、2016年の12月、8回目の挑戦で調教師の試験に受かっています。

試験に受かった後は、調教師になるきっかけを作ってくれた二ノ宮君の厩舎で技術調教師をやって、馬のことはもちろん、厩舎の色々なことを教わった後、二ノ宮君と小島太さんの管理馬を引き継ぐ形で、2018年の3月に自分の厩舎を開業しました。

開業した年は、「4勝・獲得賞金9064万円」という成績でしたけど、その後は、

2019年→6勝・獲得賞金1億3226万円
2020年→17勝・獲得賞金2億3194万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6750万円

という形で、成績が完全に「右肩上がり」になっていましたし、特に2021年は、メイショウムラクモを使ったレパードSで初めての重賞勝ちを飾っていたんですよ。

でも、一昨年は、「14勝・獲得賞金2億8136万円」という成績で、2021年を大きく下回ってしまいましたから、去年の和田君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、去年は20勝を上げて、稼いだ賞金は「3億8185万円」と、一昨年の数字を大きく上回っていました。

ただ、今年は先週までに9勝しか上げられていなくて、稼いだ賞金が「1億6338万円」と、まだ去年の4割ぐらいですから、もちろん、今の和田君は、「去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうね。

そんな中、今週は、1着賞金が2900万円のアルテミスSにクレオズニードルとマピュース、1着賞金2800万円のカシオペアSにロングランなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録していますので、私が和田君でしたらどれもメイチに仕上げるのは間違いありません。