「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2020/08/17
高校の時はナイジェリアにいたんですよ
小桧山悟調教師(美浦)

主な管理馬:
スマイルジャック(2011年東京新聞杯など)
イルバチオ(2003年アイビスSD)

今週の主な登録馬:
トーラスジェミニ(札幌記念)
トップギア(千歳特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、兵庫県出身の小桧山(こびやま)悟君は、商社マンだったお父さんの仕事の関係で、子供の頃から世界中を飛び回っていて、16歳から17歳の時には、アフリカのナイジェリアにいて、高校の馬術部に入っていたそうです。
そして、日本に戻った後は、ナイジェリアでゴリラが大好きになっていたため、「霊長類研究の道に進もう」と考えたこともあったそうですが、元々、「競馬の世界で働きたい」という思いがあったため、結局、馬術部がある東京農工大学の農学部に進みました。
ここを卒業してからは、育成牧場で経験を積んで、1981年に畠山重則厩舎の調教助手になって、1995年に調教師の試験に受かるまで、ずっと畠山厩舎に所属していましたね。
小桧山君がいた頃の畠山厩舎には、1981年の新潟記念とオールカマーを勝ったハセシノブや、1985年の七夕賞と新潟記念を勝ったロシアンブルーや、1992年と1993年のステイヤーズSを連覇したアイルトンシンボリなどがいましたから、こういう風に走る馬を間近で見られたことが、彼にはいい経験になったのでしょう。
そして、調教師の試験に受かった次の年の1986年に自分の厩舎を開業していて、イルバチオを使った2003年のアイビスSD、スマイルジャックを使った2008年のスプリングSと2009年の関屋記念と2011年の東京新聞杯と、今までに重賞を4つ勝っています。
ちなみに小桧山君は、趣味で撮り続けているゴリラの写真集を出していて、それが、テレビ朝日の人気番組・「タモリ倶楽部」に取り上げられて、その時は彼も番組に出演していましたね。
2003年に、小桧山厩舎は、今までで一番の「16勝・獲得賞金3億1680万円」という成績を残していました。
でも、それからは一度もこの数字を超えられていなくて、去年までの3年間も、
2017年→9勝・獲得賞金1億4956万円
2018年→5勝・獲得賞金1億0275万円
2019年→4勝・獲得賞金9636万円
と、勝ち星と賞金のどちらも「右肩下がり」になっていたので、今年の小桧山君は、「必ず巻き返したい」と考えている筈です。
実際、先週までの成績が「11勝・獲得賞金1億9700万円」と、2003年の同じ時期(8月3週目まで)の「12勝・獲得賞金2億0967万円」とほとんど変わらない数字ですから、きっと今の小桧山君は、「賞金の高いレース勝って、もっと厩舎に勢いを付けたい」と考えているのでしょう。
そういった中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にトーラスジェミニ、1060万円の千歳特別にトップギアを登録していますので、私が彼でしたらどちらも全力で仕上げますね。
それに、小桧山君の厩舎は、スマイルジャックで2011年の東京新聞杯を勝ってから、9年以上も重賞をご無沙汰していますので、札幌記念のトーラスジェミニには、「ここで久々の重賞勝ちを」という思いも込められている筈ですよ。


2020/08/17
田中勝春君や佐藤哲三君などが同期ですね
小野次郎調教師(美浦)

主な管理馬:
コーリンベリー(2015年JBCスプリントなど)
トーセンスーリヤ(2020年新潟大賞典)

今週の主な登録馬:
トーセンスーリヤ(札幌記念)
ケイティディライト(閃光特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

皆さんもよく知っていると思いますが、小野次郎君は、1986年に騎手候補生になって、桜花賞を勝ったブロケードや、天皇賞・秋を勝ったキョウエイプロミスや、宝塚記念を勝ったパーシャンボーイなどを管理していた高松邦男さんの厩舎から、1989年に乗り役としてデビューしていて、同期には、今でも現役で頑張っている田中勝春君や、栗東で調教師をやっている角田晃一君や、競馬評論家として活躍している佐藤哲三君などがいます。
乗り役時代の小野君は、アイオーユーに乗った1995年のカブトヤマ記念や、マニックサンデーに乗った2000年のサンスポ賞4歳牝馬特別(現在のフローラS)や、ユキノサンロイヤルに乗った2005年の日経賞など、重賞を5勝、JRA通算で528勝を上げていて、調教師の試験に受かった2010年に乗り役を引退しました。
2011年に自分の厩舎を開業した小野君は、最初の年こそ、使った数が少なかったので5勝止まりでしたけど、2年目には11勝を上げて、勝ち星を2桁に乗せていましたし、コーリンベリーを使った2015年のJBCスプリントで、初めての重賞勝ちをG1で飾ると、次の年にはこの馬で東京スプリントを勝っていて、一昨年は、「15勝・獲得賞金2億1524万円」という、今までで一番いい成績を残していました。
それに、去年は9勝止まりでしたけど、賞金は「2億1063万円」と、一昨年と同じくらい稼いでいましたし、今年も先週までに、トーセンスーリヤを使った新潟大賞典で初めてのJRA重賞勝ちを飾るなど、「11勝・獲得賞金1億8520万円」と、一昨年の同じ時期(8月3週目まで)の「10勝・獲得賞金1億3630万円」を上回っているんですよ。
もちろん、今の小野君は、「この勢いでガンガン勝ちたい」と考えている筈で、そういった中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にトーセンスーリヤ、1060万円の閃光特別にケイティディライトと、賞金の高い特別レースに2頭を登録していますので、私が小野君でしたら、どっちも全力で仕上げますね。


2020/08/17
矢作君を目標にしとるんや
松下武士調教師(栗東)

主な管理馬:
レシステンシア(2019年阪神ジュベナイルFなど)
モズアトラクション(2019年エルムS)
カラクレナイ(2017年フィリーズレビュー)

今週の主な登録馬:
レイトブルーミング(宮崎特別・西部スポニチ賞)
ジョーカナチャン(北九州記念)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんも知っとるやろうけど、大阪出身の松下武士君は、2003年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の1月から安田伊佐夫厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、2008年のジャパンCダートで2着に入ったメイショウトウコンなどを担当しとりましたな。
その後は、武田博厩舎と清水久詞厩舎で調教助手をやって、2013年に32歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。
そんで彼は、2015年の3月に厩舎を開業するまでの間、矢作芳人厩舎の技術調教師になって、矢作君と一緒に、「キーンランド・セプテンバーセール」に行って馬の見方を教わったり、実際に厩舎をどうやって回したらエエんかなどを教わっとったんですわ。
ちなみに矢作君は、松下君の調教師試験に向けて、面接の練習を手伝っとったそうで、松下君はそのことを今でも感謝しとるし、「矢作先生を目標に頑張りたい」と話しとりましたな。
2015年の松下君は、小野幸治厩舎から引き継いだオースミムーンで6月の東京ジャンプSを勝って、早くも「初めての重賞勝ち」を飾っとりましたし、9月にもこの馬で阪神ジャンプSを勝つなど、全体で「14勝・獲得賞金2億4965万円」っちゅう数字を残しとって、2016年は、「27勝・獲得賞金3億7711万円」と、一気に数字を伸ばしとったんですわ。
それから、去年までの3年間も、
2017年→16勝・獲得賞金3億6178万円
2018年→22勝・獲得賞金3億7402万円
2019年→20勝・獲得賞金5億0551万円
っちゅう、安定した成績を残しとったし、特に去年は、阪神ジュベナイルFとファンタジーSを勝ったレシステンシアの活躍で、開業してから一番の賞金を稼いどったんや。
そんで今年は、先週までに稼いだ賞金が「3億4371万円」と、去年の同じ時期(8月3週目まで)の「2億8837万円」を大きく上回っとります。
もちろん、今の松下君は、「この勢いで賞金の高いレースをガンガン勝ちたい」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週は、1着賞金が1500万円の宮崎特別にレイトブルーミング(西部スポニチ賞にも登録)、3900万円の北九州記念にジョーカナチャンを登録してきましたんで、どっちもキッチリ仕上げてくるやろうな。


2020/08/17
チアズグレイスなどを生産した牧場でアルバイトをしていました
相沢郁調教師(美浦)

主な管理馬:
ウメノファイバー(1999年オークスなど)
エメラルファイト(2019年スプリングS)
ブラックホール(2019年札幌2歳S)

今週の主な登録馬:
ブラックホール(札幌記念)
レノーア(清津峡S)

担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、北海道出身の相沢郁(いくお)君は、高校を出てから、麻布大学の獣医学部に進んでいて、その頃、門別の白井牧場(1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティア、2000年の桜花賞を勝ったチアズグレイスなどを生産)でアルバイトをしたことがきっかけで、「JRAの獣医になりたい」と思ったそうですが、その後、「自分で走る馬を育てたい」と思うようになって、調教師を目指したそうです。
ちなみに、彼のお父さんは高校の先生で、北島三郎さんの母校である函館西高校の校長を務めたこともあるそうですよ。
そして相沢君は、競馬学校を出た後、1986年の11月から、前田禎(ただし)厩舎で調教助手をやって、1997年に38歳の若さで調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、ずっと前田厩舎で腕を磨いていました。
前田厩舎と言えば、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなどでお馴染みですね。
開業してからの相沢君は、その年の11月に、ウメノファイバーを使った京王杯3歳Sで早くも重賞を勝つと、次の年にも、ウメノファイバーでクイーンCとオークスを勝つなど、今までに重賞を18勝もしています。
2014年の相沢厩舎は、ヴェルデグリーンでアメリカJCCを勝つなど、全部で18勝を上げて、「5億7189万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいたんですよ。
でも、去年までの5年間は、
2015年→19勝・獲得賞金4億7222万円
2016年→23勝・獲得賞金3億7562万円
2017年→27勝・獲得賞金3億7871万円
2018年→25勝・獲得賞金4億4062万円
2019年→29勝・獲得賞金5億0600万円
という物足りない数字でしたし、今年は先週までが「16勝・獲得賞金3億2872万円」と、去年のペースを大きく下回っていますから、今の相沢君は、「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えているのでしょう。
そんな中、今週は、1着賞金が7000万円の札幌記念にブラックホール、1820万円の清津峡Sにレノーアを登録していますので、「どっちも勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。