「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/05/30
保育園から中学校まで武豊君と同級生やったんや
池江泰寿調教師(栗東)

主な管理馬:
アルアイン(2019年大阪杯など)
サトノアラジン(2017年安田記念など)
サトノダイヤモンド(2016年有馬記念など)
オルフェーヴル(2011年牡馬三冠など)

今週の主な登録馬:
ソウルラッシュ(安田記念)
サトノルークス(鳴尾記念)
ボッケリーニ(鳴尾記念)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

池江泰寿(やすとし)君は、2011年の2月に調教師を引退した池江泰郎(やすお)さんの長男で、泰郎さんは、三冠馬ディープインパクトやメジロマックイーンとかでGIを17勝もして、他も入れたら重賞を70勝、通算で845勝っちゅう実績を残しとりますな。

泰寿君は、保育園から中学校まで武豊君とずっと同級生で、栗東トレセンができる前は、厩舎があった京都競馬場でよう一緒に遊んどって、その頃は、豊君と同じで乗り役を目指しとったんや。

けど、体が大きくなってしもうたんで、乗り役になるのを諦めて調教師になると決めたんですわ。

そんで、一浪して入った同志社大学の文学部を卒業してから、1993年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からは、オークスを勝ったケイキロクや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかでお馴染みやった浅見国一(くにいち)さんの厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、1994年の6月には、泰郎さんの厩舎に移っとりました。

ちなみに泰寿君は、1993年のコロネーションCを勝ったオペラハウス、1996年のジャパンCを勝ったシングスピール、2010年のイギリスダービーと凱旋門賞を勝ったワークフォースとか、強い馬を何頭も管理しとったイギリスのマイケル・スタウト厩舎と、エーピーインディ、フサイチペガサス、サンデーブレイクとか、日本の馬主さんの持ち馬を管理したことがある、アメリカのニール・ドライスデール厩舎で、1995年から2年くらい武者修行をしとったんですわ。

そんで、2004年に自分の厩舎を開業した泰寿君は、初めの年こそ4勝止まりやったけど、2005年は20勝と、一気に数字を伸ばしとったし、2008年には51勝もして、初めて調教師リーディング1位になっとりました。

しかもこの年は、2位が46勝の泰郎さんやったから、親子で調教師リーディングのワンツーでしたな。

2011年には、オルフェーヴルで牡馬のクラシックを全部勝って、親父さんと同じ「三冠トレーナー」になっとるし、結局この年は、重賞を11勝、全部で49勝を上げて、「23億8602万円」の賞金を稼いどったんですわ。

これは、2004年に藤沢和雄君が残しとった「23億1700万円」を上回る一番の記録で、これだけの成績を残せたんは、浅見さんや泰郎さんの厩舎や海外の厩舎で勉強してきた「馬の仕上げ方」を、自分の厩舎でしっかりと活かせとるからやろうな。

そんで、2012年には2回目のリーディング1位になっとって、2017年は、アルアインを使った皐月賞、サトノアラジンを使った安田記念、ペルシアンナイトを使ったマイルCSとか、重賞を10勝、全部で「63勝」を上げて、3回目のリーディング1位になっとったし、賞金も「18億4737万円」を稼いどったんですわ。

けど、一昨年までの4年間は、

2018年→46勝・獲得賞金13億4400万円
2019年→45勝・獲得賞金13億1681万円
2020年→38勝・獲得賞金10億2171万円
2021年→36勝・獲得賞金8億6330万円

っちゅう数字で、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」やったんや。

せやから、去年の泰寿君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ジャンダルムでスプリンターズSを勝つなど、全部で47勝を上げて、一昨年の勝ち星を大きく上回っとるし、賞金も「14億5371万円」と、やはり一昨年を大きく上回ったんですわ。

そんでもって、今年に入ってからは、ヴェルトライゼンデで日経新春杯を勝っとるんやけど、他の重賞を勝っとらんし、5月が1勝だけやったこともあって、先週までの成績が「14勝・獲得賞金4億9051万円」っちゅうもんで、去年のペースを大きく下回っとるんですわ。

そんな中、今週は、安田記念にソウルラッシュ、鳴尾記念にサトノルークスとボッケリーニと、賞金の高い重賞レースに3頭を登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。


2023/05/30
レッツゴーターキンの天皇賞・秋を見たことがきっかけで…
大竹正博調教師(美浦)

主な管理馬:
ザダル(2022年京都金杯など)
ブラストワンピース(2018年有馬記念など)
ルージュバック(2017年オールカマーなど)
フレンチカクタス(2011年フィリーズレビュー)


今週の主な登録馬:
ソーヴァリアント(鳴尾記念)
フレーヴァード(稲城特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

大竹正博君は、母方の姓を名乗っていますが、彼のお父さんは、カツトップエースで1981年のダービーを勝つなど、GIを8勝、重賞を36勝、JRA通算で970勝を上げた元乗り役の大崎昭一君です。

大竹君は、神奈川県の相模原市にある麻布大学の獣医学部に通っていて、最初は獣医を目指していましたけど、大崎君がレッツゴーターキンで勝った1991年の天皇賞・秋を見て、競馬の世界で働くことを決めたそうですよ。

麻布大学と言えば、現役の調教師では、1999年のオークスを勝ったウメノファイバーなどでお馴染みの相沢郁君や、一昨年のダイヤモンドSを勝ったミライヘノツバサなどでお馴染みの伊藤大士君などが、引退した調教師で言えば、ミスターシービーやジェニュインなどを管理していた松山康久さんや、マイネルマックスやビートブラックなどを管理していた中村均さんなどが通っていたところです。

大学を出た後、大竹君は、1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティアを生産したことや、1999年の菊花賞など、重賞を7勝したナリタトップロードの育成を手掛けていたことでお馴染みの、北海道の門別にある「白井牧場」で働いて馬のことを勉強していました。

大竹君が「白井牧場」にいた頃には、1995年の目黒記念と1996年の日経新春杯を勝ったハギノリアルキングなどが調整のために来ていたそうです。

そして、1997年の1月に競馬学校の厩務員課程に入った大竹君は、その年の7月からは鈴木清さんの厩舎で厩務員をやって、その後、高橋祥泰君の厩舎や萩原清君の厩舎などで調教助手をやって、2008年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しています。

そうそう、大竹君は、試験に受かってから開業するまでの間も、技術調教師として萩原君の厩舎にいて、その時は、2009年のダービーなど、重賞を4つ勝ったロジユニヴァースを担当していたんですよ。

開業した年の大竹君は、「11勝・獲得賞金1億3155万円」という成績でしたけど、2年目は「26勝・獲得賞金3億2879万円」と、大きく数字を伸ばしていましたし、3年目には、フレンチカクタスを使ったフィリーズレビューで初めての重賞勝ちを飾っています。

2018年は、ブラストワンピースを使った有馬記念で初めてGIを勝つなど、25勝を上げて、「7億9792万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。

でも、その後は、

2019年→5億0816万円
2020年→4億7448万円
2021年→4億4943万円
2022年→3億1012万円

と書けば分かる通り、賞金が「完全に右肩下がり」になっていましたし、今年に入ってからも悪い流れは続いていて、先週までに稼いだ賞金が「1億4458万円」と、まだ2018年の2割にも達していませんから、今の大竹君は、「このままではマズイ」と思っている筈です。

こういった中、今週は、鳴尾記念にソーヴァリアント、稲城特別にフレーヴァードと、賞金の高い特別レースに2頭を登録していますので、私が彼でしたら、どちらも全力で仕上げますね。


2023/05/30
中学校の卒業アルバムに「調教助手になりたい」と書いたそうですわ
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
ガイアフォース(2022年セントライト記念)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
ガイアフォース(安田記念)
アップデート(岸和田S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。

彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響でレースを見るようになったそうやな。

中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。

でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。

高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしとったんですわ。

その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。

で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武先生が定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。

武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。

この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。

結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばしとりました。

それに、3年目やった2018年は、地方で、ケイティブレイブを使ったダイオライト記念と日本テレビ盃を勝っとったし、JRAでも、ウインテンダネスを使った目黒記念と、ケイティブレイブを使ったJBCクラシックを勝つなど、「19勝・獲得賞金4億8160万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。

そんで、2019年も、地方では、ケイティブレイブで浦和記念を勝って、JRAでも、ロードマイウェイを使ったチャレンジCを勝つなど、「30勝・獲得賞金5億7710万円」っちゅう成績を残しとったし、2020年は、デアリングタクトで桜花賞とオークスと秋華賞を、アールスターで小倉記念を勝つなど、42勝を上げて、賞金は「11億4272万円」と、勝ち星と賞金のどっちも、開業からずっと右肩上がりになっとりました。

せやけど一昨年は、「37勝・獲得賞金8億0939万円」っちゅう成績で、初めて前の年の数字を下回ってしもうたんやから、去年の杉山君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろ。

実際、去年は、ガイアフォースでセントライト記念を、ジャスティンパレスで神戸新聞杯を勝つなど、「47勝・獲得賞金11億7224万円」っちゅう、今までで一番の成績を残しとったし、調教師リーディングも4位やったんですわ。

それに、今年も好調が続いとって、ジャスティンパレスで天皇賞・春と阪神大賞典を勝つなど、先週までに22勝を上げとって、稼いだ賞金は「6億4507万円」と、もう去年の6割近くになっとるんや。

もちろん、今の杉山君は、「この勢いを止めたらアカン」と考えとるんでしょうな。

こういった中、今週は、安田記念のガイアフォースとか、2頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どっちもメイチに仕上げてくるとワシは見とります。


2023/05/30
高校を出てから「吉澤ステーブル」とかで働いとりました
辻野泰之調教師(栗東)

主な管理馬:
カラテ(2023年新潟大賞典など)
ミクソロジー(2023年ダイヤモンドS)
ロータスランド(2022年京都牝馬Sなど)

今週の主な登録馬:
カラテ(鳴尾記念)
ディナースタ(岸和田S)

担当者:調教師情報部 元調教師H

1981年生まれで、大阪府枚方市出身の辻野泰之君は、中学生の頃、テレビゲームの「ダービースタリオン」をやったことと、週刊少年ジャンプで連載されとった漫画、「みどりのマキバオー」を読んだことから競馬に興味を持ったそうですわ。

でもって、高校生の頃には、2012年まで乗り役をやっとって、今は調教師をやっとる長谷川浩大君とかが通っとった「京都競馬場乗馬センター」で馬乗りを習っとったんや。

高校を卒業した後、辻野君は、北海道に行って、「吉澤ステーブル」(浦河郡浦河町西舎)と「社台ファーム」(千歳市東丘)で経験を積んで、2005年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、2006年の10月から角居勝彦厩舎で厩務員をやって、次の月からは調教助手をやっとりました。

ちなみに、角居厩舎におった時、辻野君は、スポークスマンとして、角居君の代わりにインタビューを受けることが多かったんで、辻野君の顔を知っとる競馬ファンは多いんやろうな。

8回目の挑戦やった2019年に、調教師の試験に受かった辻野君は、一昨年の3月に自分の厩舎を開業しとって、同期の調教師は、小林真也君、四位洋文君、鈴木慎太郎君、杉山佳明君、田中克典君、茶木太樹君、辻哲英君、畑端省吾君の8人がおるんですわ。

辻野君は、解散した角居厩舎から走る馬を多く引き継いどることもあって、開業してから2レース目やった、ロイヤルバローズを使った3月7日(日)の中山12Rで早くも初勝利を飾っとったし、ロータスランドを使った関屋記念で、一昨年の3月に開業した同期の中では一番乗りで重賞を勝つなど、年末までに15勝を上げて、稼いだ賞金は「4億1144万円」と、調教師としてええスタートを切っとりました。

そんで、2年目やった去年は、ロータスランドを使った京都牝馬Sと、カラテを使った新潟記念を勝つなど、「29勝・獲得賞金5億6998万円」と、一気に成績を伸ばしとったし、今年もエエ流れが続いとって、先週までに16勝を上げて、稼いだ賞金は「3億0147万円」と、もう去年の半分以上になっとるんや。

もちろん、今の辻野君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、鳴尾記念にカラテ、岸和田Sにディナースタと、2頭を特別レースに登録してきましたんで、どっちもキッチリ仕上げてくるやろうな。