「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/09/25
レストランで働いてから乗り役になったんですわ
音無秀孝調教師(栗東)

主な管理馬:
ピクシーナイト(2021年スプリンターズSなど)
モズスーパーフレア(2020年高松宮記念など)
クリソベリル(2019年チャンピオンズCなど)
インディチャンプ(2019年マイルCSなど)


今週の主な登録馬:
ピクシーナイト(スプリンターズS)
モズメイメイ(スプリンターズS)
ラインオブソウル(堺S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

ラグビーボールやエルカーサリバーとかでお馴染みやった田中良平厩舎から、1979年に乗り役としてデビューした音無秀孝君は、1985年のオークスを、28頭立ての21番人気やったノアノハコブネで勝つなど、1993年に引退するまでに、全部で84勝を上げとりましたな。

元々、料理人を目指しとった音無君は、中学を出てからレストランで見習いをやっとったんやけど、そこにおった3年間で競馬が大好きになって、それから乗り役を目指したっちゅう、今では考えられん経歴の持ち主なんや。

乗り役を引退してからの音無君は、田中良平さんの長男の田中章博(のりひろ)厩舎で調教助手をやって、1995年に調教師の試験に受かると、その年の6月に自分の厩舎を開業して、7月には早くも、イナズマタカオーを使った北九州記念で初の重賞勝ちを飾っとりましたな。

それからも、音無厩舎は順調に勝ち星を増やしとって、オレハマッテルゼを使った2006年の高松宮記念で初めてGIを勝つと、オウケンブルースリを使った2008年の菊花賞、カンパニーを使った2009年の天皇賞・秋とマイルCS、ミッキーアイルを使った2014年のNHKマイルCと2016年のマイルCS、ミッキーロケットを使った2018年の宝塚記念、インディチャンプを使った2019年の安田記念とマイルCS、モズスーパーフレアを使った2020年の高松宮記念、ピクシーナイトを使った一昨年のスプリンターズSとか、今までに、GIの14勝を入れて重賞を85回も勝っとるんや。

2004年の音無厩舎は、48勝を上げて「10億3187万円」の賞金を稼いどったし、それから2010年まで、ずっと10億円以上を稼いどりました。

中でも2009年は、「45勝・獲得賞金15億0488万円」っちゅう成績で、「最多賞金獲得調教師賞」を受賞しとったし、2010年は、「52勝・獲得賞金11億5654万円」っちゅう成績で、初めて「調教師リーディング1位」になったんやから、乗り役よりも、調教師として馬を管理する方が向いとるんやろうな。

2011年から2015年までは、成績が伸び悩んどったんやけど、その後は、

2016年→45勝・獲得賞金11億9467万円
2017年→47勝・獲得賞金12億2770万円
2018年→45勝・獲得賞金13億2507万円
2019年→43勝・獲得賞金13億1710万円
2020年→38勝・獲得賞金11億9437万円
2021年→34勝・獲得賞金10億9386万円

と、一昨年まで6年続けて10億円以上の賞金を稼いどったんですわ。

そんで去年は、一昨年より多い35勝を上げたんやけど、前の年は四つやった重賞勝ちが、一つだけやったこともあって、獲得賞金は「5億4170万円」と、一昨年の半分以下やったんや。

それに今年は、先週までに21勝を上げとるんやけど、チューリップ賞と葵Sを勝っとるモズメイメイ以外の馬があまり活躍できとらんこともあって、稼いだ賞金は「4億7653万円」と、まだ一昨年の半分にも達しとらんのやから、今の音無君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が1億7000万円のスプリンターズSにピクシーナイトとモズメイメイとか、特別レースに3頭を登録してきましたんで、それぞれにどんな思惑が込められとるんか、最後まで目が離せませんな。

2023/09/25
ナリタブライアンを生産した牧場で働いていました
宗像義忠調教師(美浦)

主な管理馬:
ナランフレグ(2022年高松宮記念)
ウインキートス(2021年目黒記念)
フェイムゲーム(2014年アルゼンチン共和国杯など)
バランスオブゲーム(2006年中山記念など)

今週の主な登録馬:
ナランフレグ(スプリンターズS)
シリウスコルスト(芙蓉S)

担当者:調教師情報部 元調教師M

福島県出身の宗像義忠君は、実家が農家で、馬の生産もやっていて、小さい頃、お父さんに何度か福島競馬場に連れて行ってもらったことがきっかけで、競馬に興味を持ったそうですね。

高校に入る時は、「実家を継いで農業をやろう」と考えていたそうで、農業科のある高校に進学したんですが、その頃、実家にいた繁殖牝馬が病気で死んでしまって、「獣医になって、馬を守れるようになりたい」と思ったそうです。

実際、その後は、北里大学に受かって、獣医学部のある青森県に引っ越して、馬術部に入っていて、「調教師になりたい」と考え始めたのはその頃だという話を聞いています。

大学を卒業してからは、馬術部の先輩に勧められて、ナリタブライアンを生産したことでよく知られている、北海道の新冠にあった早田牧場の支場で1年半くらい働いて、1980年から、オークス馬のダイナカールを管理していたことでよく知られている高橋英夫さんの厩舎で調教助手をやって、そこで12年ほど経験を積んで、1992年、調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は、使った頭数が少なかったので6勝止まりでしたけど、その後は、2年目に14勝、3年目に21勝と、順調に数字を伸ばしていて、2011年には、開業してから一番多い34勝を上げていたんですよ。

それに、バランスオブゲームを使った2001年の新潟2歳Sで初めて重賞を勝つと、その他にも、ウインブレイズを使った2003年の鳴尾記念や、フェイムゲームを使った2018年のダイヤモンドSなど、今までに重賞を22回も勝っています。

こういう風に、いい結果を残せているのは、高橋さんの厩舎で調教助手をやっていた時に、さっき名前を挙げたダイナカールや、1988年のテレビ東京賞3歳牝馬S(現在のフェアリーS)と1989年のクイーンCを勝ったカッティングエッジなど、走る馬を間近で見ていた経験をしっかり活かせているからなのでしょう。

2009年の宗像君は、東京新聞杯と富士Sを勝ったアブソリュートの活躍などで、32勝を上げて、「5億7281万円」という、今までで一番の賞金を稼いでいました。

ただ、その後は伸び悩んでいて、一昨年までの5年間も、

2017年→20勝・獲得賞金3億7984万円
2018年→18勝・獲得賞金3億6460万円
2019年→15勝・獲得賞金2億9888万円
2020年→26勝・獲得賞金3億7060万円
2021年→14勝・獲得賞金4億3862万円

という物足りない数字が続いていましたから、去年、開業から30年目を迎えていた宗像君は、「キッチリ巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、ナランフレグを使った高松宮記念で初めてGIを勝つなど、全部で15勝を上げて、稼いだ賞金は「5億5818万円」と、一昨年を大きく上回ったんですよ。

でも、今年は、ラーグルフで中山金杯を勝って、幸先のいいスタートを切っていますし、他も入れたら、先週までに13勝を上げていますけど、中山金杯の他に重賞を勝てていないことなどから、稼いだ賞金は「3億6412万円」と、去年の同じ時期(9月25日【日】まで)の「4億3989万円」を大きく下回っています。

もちろん、今の宗像君は、「去年の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうね。

こういった中、今週は、スプリンターズSにナランフレグ、芙蓉Sにシリウスコルストと、特別レースに2頭を登録していますので、彼がこの2頭をどう仕上げてくるのか、最後までしっかり見届けたいところです。

2023/09/25
乗り役時代に1979年の桜花賞を勝っとるんや
佐々木晶三調教師(栗東)

主な管理馬:
キズナ(2013年ダービーなど)
アーネストリー(2011年宝塚記念など)
タップダンスシチー(2003年ジャパンCなど)
コスモサンビーム(2003年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
ゲンパチルシファー(シリウスS)
キリンジ(シリウスS)
リトルクレバー(秋風S)
セイクリッドゲイズ(堺S)
ゲンパチムサシ(茨城新聞杯・武田尾特別)
ラムジェット(ヤマボウシ賞)

担当者:調教師情報部 元調教師S

佐々木晶三君は、1974年に中村武志厩舎から乗り役としてデビューしとって、1979年の桜花賞を、22頭立ての15番人気やったホースメンテスコで勝つなど、1982年に引退するまでに、2つの重賞を含めて全部で136勝を上げとりましたな。

乗り役を引退してからの佐々木君は、1982年から杉村一馬厩舎で、1985年から田中耕太郎厩舎で、1986年から坂口正則厩舎で、それぞれ調教助手をやって、1994年に調教師の試験に受かって、その年の11月に厩舎を開業しとります。

そんで、3年目やった1996年に、シーキングザパールを使ったデイリー杯3歳Sで初めて重賞を勝つと、2003年には、タップダンスシチーを使ったジャパンCで初めてGIを勝っとるし、その後も、アーネストリーを使った2011年の宝塚記念とか、キズナを使った2013年のダービーとか、今までにGIを7勝、他も入れたら重賞を49回も勝っとるんやから、乗り役として馬を走らせるより、調教師として馬を仕上げる方が向いとるんでしょうな。

2011年の佐々木君は、アーネストリーの活躍とかで、今までで一番の35勝を上げて、「8億2061万円」の賞金を稼いどったんですわ。

けど、それからは成績が伸び悩んどって、去年までの3年間も、

2020年→33勝・獲得賞金5億6225万円
2021年→26勝・獲得賞金5億5325万円
2022年→22勝・獲得賞金5億7926万円

っちゅう物足りない数字やったし、今年も悪い流れが続いとって、先週までが12勝と、去年のペースを下回っとって、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金は「2億6642万円」と、まだ去年の半分以下なんや。

せやから、今の佐々木君は、「賞金の高いレースを勝って巻き返したい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円のシリウスSにゲンパチルシファーとモズメイメイを登録しとるし、その他の特別レースに4頭を登録しとるんで、どれも気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/09/25
今年は重賞を2勝しとるんやけど
武英智調教師(栗東)

主な管理馬:
メイケイエール(2022年セントウルSなど)

今週の主な登録馬:
メイケイエール(スプリンターズS)
レッドヒルシューズ(勝浦特別)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

武英智(ひでのり)君は、親父さんが乗り役と調教助手をやっとった武永祥(ながよし)君で、お祖父さんが、タイギヨウを使った1966年の阪神3歳S(現在の阪神ジュベナイルF)とか、重賞を20勝、通算で735勝を上げとった元調教師の武平三さんやな。

それに、2009年の菊花賞を勝ったスリーロールスなどを管理しとって、2014年の2月に調教師を引退した武宏平さんや、一昨年の2月まで栗東で厩舎を構えとった作田誠二君や、乗り役と調教師をやっとった武邦彦さん(故人)や、武豊君と武幸四郎君とかが親戚なんや。

こういう「筋金入りの競馬一家」に生まれた英智君が、競馬の世界に進んだんは、まあ当たり前のことなんやろ。

1996年に、「第15期生」として競馬学校の騎手課程に入った英智君は、1999年に領家政蔵厩舎から乗り役としてデビューして、この年に22勝を挙げて、関西の新人騎手賞を受賞しとりましたな。

そんで、2年目には18勝を上げとったんやけど、3年目からはずっと勝ち星が1ケタやったし、目の病気になってしもうたこともあって、2012年の9月に乗り役を引退したんですわ。

その後は、木原一良厩舎で調教助手をやって、ここでは、2013年の共同通信杯を勝ったメイケイペガスターや、2017年のみやこSを勝ったテイエムジンソクとかを担当しとりました。

2016年、調教師の試験に受かった英智君は、そのまま木原厩舎で技術調教師として腕を磨いて、2018年の3月に自分の厩舎を開業したんや。

結局、最初の年は、レースに使った数が少なかったんで、「9勝・獲得賞金1億8503万円」っちゅう成績やったけど、次の年は「19勝・獲得賞金2億9301万円」と一気に数字を伸ばしとりました。

2020年は、「14勝・獲得賞金3億2850万円」っちゅう成績で、勝ち星は減ってしもうたんやけど、メイケイエールを使った小倉2歳Sで初めての重賞勝ちを飾っとったし、同じメイケイエールを使ったファンタジーSも勝っとるんですわ。

で、一昨年は、メイケイエールを使ったチューリップ賞を勝つなど、「29勝・獲得賞金4億4964万円」と、一気に成績を伸ばしとったんや。

それに、去年も勢いが続いとって、メイケイエールで重賞を三つも勝つなど、「33勝・獲得賞金7億3523万円」っちゅう、今までで一番エエ成績を残しとります。

そんでもって今年は、ジューンベロシティで東京ジャンプSと阪神ジャンプSを勝つなど、先週までに18勝を上げとるんやけど、平地の重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金は「4億3850万円」と、まだ去年の同じ時期に比べて6割くらいなんで、今の英智君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は今週、1着賞金が1億7000万円のスプリンターズSにメイケイエール、1着賞金が1550万円の勝浦特別にレッドヒルシューズと、特別レースに2頭を登録しとるんで、どっちもメイチに仕上げるやろうな。