「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2023/01/31
1月の賞金は、どの厩舎よりも多かったんやけど
池江泰寿調教師(栗東)

主な管理馬:
アルアイン(2019年大阪杯など)
サトノアラジン(2017年安田記念など)
サトノダイヤモンド(2016年有馬記念など)
オルフェーヴル(2011年牡馬三冠など)


今週の主な登録馬:
シュリ(東京新聞杯)
キスラー(アルデバランS)
ディープモンスター(関門橋S)
シルキーヴォイス(早春S)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

池江泰寿(やすとし)君は、2011年の2月に調教師を引退した池江泰郎(やすお)さんの長男で、泰郎さんは、三冠馬ディープインパクトやメジロマックイーンとかでGIを17勝もして、他も入れたら重賞を70勝、通算で845勝っちゅう実績を残しとりますな。

泰寿君は、保育園から中学校まで武豊君とずっと同級生で、栗東トレセンができる前は、厩舎があった京都競馬場でよう一緒に遊んどって、その頃は、豊君と同じで乗り役を目指しとったんや。

けど、体が大きくなってしもうたんで、乗り役になるのを諦めて調教師になると決めたんですわ。

そんで、一浪して入った同志社大学の文学部を卒業してから、1993年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月からは、オークスを勝ったケイキロクや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかでお馴染みやった浅見国一(くにいち)さんの厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、1994年の6月には、泰郎さんの厩舎に移っとりました。

ちなみに泰寿君は、1993年のコロネーションCを勝ったオペラハウス、1996年のジャパンCを勝ったシングスピール、2010年のイギリスダービーと凱旋門賞を勝ったワークフォースとか、強い馬を何頭も管理しとったイギリスのマイケル・スタウト厩舎と、エーピーインディ、フサイチペガサス、サンデーブレイクとか、日本の馬主さんの持ち馬を管理したことがある、アメリカのニール・ドライスデール厩舎で、1995年から2年くらい武者修行をしとったんですわ。

そんで、2004年に自分の厩舎を開業した泰寿君は、初めの年こそ4勝止まりやったけど、2005年は20勝と、一気に数字を伸ばしとったし、2008年には51勝もして、初めて調教師リーディング1位になっとりました。

しかもこの年は、2位が46勝の泰郎さんやったから、親子で調教師リーディングのワンツーでしたな。

2011年には、オルフェーヴルで牡馬のクラシックを全部勝って、親父さんと同じ「三冠トレーナー」になっとるし、結局この年は、重賞を11勝、全部で49勝を上げて、「23億8602万円」の賞金を稼いどったんですわ。

これは、2004年に藤沢和雄君が残しとった「23億1700万円」を上回る一番の記録で、これだけの成績を残せたんは、浅見さんや泰郎さんの厩舎や海外の厩舎で勉強してきた「馬の仕上げ方」を、自分の厩舎でしっかりと活かせとるからやろうな。

そんで、2012年には2回目のリーディング1位になっとって、2017年は、アルアインを使った皐月賞、サトノアラジンを使った安田記念、ペルシアンナイトを使ったマイルCSとか、重賞を10勝、全部で「63勝」を上げて、3回目のリーディング1位になっとったし、賞金も「18億4737万円」を稼いどったんですわ。

けど、一昨年までの4年間は、

2018年→46勝・獲得賞金13億4400万円
2019年→45勝・獲得賞金13億1681万円
2020年→38勝・獲得賞金10億2171万円
2021年→36勝・獲得賞金8億6330万円

っちゅう数字で、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」やったんや。

せやから、去年の泰寿君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際、ジャンダルムでスプリンターズSを勝つなど、全部で47勝を上げて、一昨年の勝ち星を大きく上回っとるし、賞金も「14億5371万円」と、やはり一昨年を大きく上回ったんですわ。

で、今年も勢いが続いとって、ヴェルトライゼンデで日経新春杯を勝つなど、1月は、どの厩舎よりも多い「1億4986万円」の賞金を稼いどるんやけど、勝利数では、もう7勝を上げとる中内田充正厩舎と奥村武厩舎に3勝差を付けられとるんですわ。

そんな訳で、今の泰寿君は、「管理馬を使うレースをなるべく取りこぼさんで、勝利数でもトップに立ちたい」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、東京新聞杯のシュリとか、全部で4頭を特別レースに登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

2023/01/31
千葉県の出身ですが、岩手大学の農学部に進学しました
尾関知人調教師(美浦)

主な管理馬:
グローリーヴェイズ(2021年香港ヴァーズなど)
レッドファルクス(2017年スプリンターズSなど)
サクラゴスペル(2015年京王杯SCなど)
ココロノアイ(2015年チューリップ賞など)

今週の主な登録馬:
ショウナンマグマ(東京新聞杯)
エンブレムコード(テレビ山梨杯)
ラナキラ(合馬特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

千葉県出身の尾関知人君は、高校生の時に、映画化もされた宮本輝さんの小説・「優駿」を読んだことがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになって、岩手大学農学部の獣医学科に進んで、その先輩に、2018年の2月に定年で調教師を引退した和田正道さんがいて、和田さんに進路の相談をしたら、同じ大学の卒業生が獣医をやっていた「ノーザンファーム空港」を紹介してもらって、卒業した後はそこで働いていたんですよ。

「ノーザンファーム空港」にいた時は、調整のためにいたスペシャルウィークやグラスワンダーやエアグルーヴなど、走る馬を間近で見られたそうで、これは尾関君にとっていい経験になったのでしょう。

その後は、1999年にJRA競馬学校の厩務員課程を出て、藤沢和雄厩舎と藤原辰雄厩舎で調教厩務員をやってから、和田正道厩舎で調教助手をやった後、2002年から自分の厩舎を開業した2009年まで、大久保洋吉厩舎で調教助手をやっていました。

尾関君の厩舎は、開業した年こそ7勝止まりでしたけど、次の年からは、

2010年→15勝・獲得賞金1億6456万円
2011年→19勝・獲得賞金2億4447万円
2012年→36勝・獲得賞金4億1969万円

という形で成績を伸ばしていて、2011年には、モンストールを使った新潟2歳Sで初めて重賞を勝っていましたし、2012年は、関東リーディングで、藤沢和雄厩舎と堀宣行厩舎と国枝栄厩舎に次ぐ4位になっていたんですよ。

これは、「ノーザンファーム空港」での経験や、大久保洋吉厩舎にいた時、2002年の高松宮記念を勝ったショウナンカンプや、2004年の青葉賞を勝ったハイアーゲームや、2004年の阪神ジュベナイルFを勝ったショウナンパントルなど、走る馬を間近で見ていたことを、しっかり活かせているからなのでしょうね。

2016年の尾関君は、レッドファルクスでスプリンターズSとCBC賞を勝つなど、全部で35勝を上げて、今までで一番多い「6億4832万円」の賞金を稼いでいました。

ただ、その後の4年間は、

2017年→26勝・獲得賞金5億8711万円
2018年→26勝・獲得賞金4億3468万円
2019年→23勝・獲得賞金5億1129万円
2020年→24勝・獲得賞金4億7843万円

という形で伸び悩んでいましたし、一昨年は、グローリーヴェイズで香港ヴァーズを勝ちましたけど、JRAでは、「14勝・獲得賞金3億1292万円」という物足りない成績に終わっています。

もちろん、去年の尾関君は、「キッチリ巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、去年は、「20勝・獲得賞金3億6856万円」という成績で、一昨年を上回りました。

更に、今年も勢いが続いていて、1月は「3勝・獲得賞金5184万円」という成績で、「1勝・獲得賞金3250万円」だった去年の1月を大きく上回っています。

当然、今の尾関君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えているのでしょう。

こういった中、今週は、1着賞金が4100万円の東京新聞杯にショウナンマグマ、1550万円のテレビ山梨杯エンブレムコードなど、賞金の高い特別レースに3頭を登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2023/01/31
去年は1月だけで「1億6874万円」を稼いどったんやけど
須貝尚介調教師(栗東)

主な管理馬:
ソダシ(2022年ヴィクトリアマイルなど)
アドマイヤリード(2017年ヴィクトリアマイル)
ゴールドシップ(2015年天皇賞・春など)
ジャスタウェイ(2014年安田記念など)

今週の主な登録馬:
フリームファクシ(きさらぎ賞)
メガゴールド(早春S・瀬戸S)

担当者:調教師情報部 元調教師H

須貝尚介君は、まだまだ現役で頑張っとる柴田善臣君とか、もう調教師になっとる、石橋守君とか、岩戸孝樹君とか、武藤善則君とかと同じで、1982年に「第1期生」として競馬学校の騎手課程に入って、1985年に親父さんの須貝彦三厩舎からデビューしとりましたな。

乗り役時代の尚介君は、1990年のきさらぎ賞をハクタイセイで、1999年の小倉記念をアンブラスモアで勝つなど、重賞を4勝、通算で302勝を上げとったんや。

でもって、調教師の試験に受かった2008年の2月に乗り役を引退しとって、次の年に自分の厩舎を開業しとります。

ちなみに彦三さんは、1982年の有馬記念をヒカリデユールで勝つなど、重賞を18勝、通算506勝っちゅうエエ成績を残しとったんやから、尚介君は親父さんと比べられることが多かったんやけど、そのプレッシャーにも負けんで、初めの内から、

2009年→10勝・獲得賞金1億5675万円
2010年→25勝・獲得賞金3億2643万円
2011年→29勝・獲得賞金5億3376万円

っちゅう形で順調に成績を伸ばしとったし、2012年は、ゴールドシップを使った皐月賞と菊花賞と有馬記念や、ローブティサージュを使った阪神ジュベナイルFとか、重賞を9勝もして、「46勝・獲得賞金13億8516万円」っちゅう成績を残したんやから、彼が調教師に向いとるんは誰でもよう分かるやろう。

そんで2013年は、「重賞6勝を含む31勝・獲得賞金11億4842万円」と、キッチリ10億円の大台に乗せとって、2014年は、JRAだけで、「重賞6勝を含む41勝・獲得賞金11億8267万円」っちゅう成績を残しとったし、ジャスタウェイを使ったドバイデューティフリー(現在のドバイターフ)を勝って、その賞金300万ドル(当時のレートで約3億0555万円)を足したら、全部で「約14億8822万円」っちゅう、開業してから一番多い賞金を稼いどったんですわ。

その後の6年間は、

2015年→34勝・獲得賞金9億2356万円
2016年→33勝・獲得賞金8億5820万円
2017年→38勝・獲得賞金8億4011万円
2018年→42勝・獲得賞金10億4186万円
2019年→35勝・獲得賞金8億4034万円
2020年→36勝・獲得賞金9億0833万円

っちゅう形で賞金が伸び悩んどったんやけど、一昨年は、ソダシを使った桜花賞を勝つなど、42勝を上げて、今までで3番目に多い、「11億7357万円」の賞金を稼いどりました。

そんで去年は、1月に愛知杯と東海Sを勝って、この月だけで「1億6874万円」の賞金を稼いどったし、その後も、ソダシを使ったヴィクトリアマイルを勝つなど、今までで一番の47勝を上げて、稼いだ賞金は「11億4363万円」と、一昨年とほとんど変わらん数字やったんや。

ただ、今年の1月は、4勝を上げたんやけど、重賞を勝っとらんこともあって、稼いだ賞金が「5775万円」と、去年のペースを大きく下回っとります。

そんな中、今週は、1着賞金が4000万円のきさらぎ賞にフリームファクシとか、賞金の高い特別レースに2頭を登録してきましたんで、尚介君が、「ここで一気に稼ぎたい」と考えて、メイチに仕上げてくるとワシは見とります。

2023/01/31
ダイタクヘリオスとかに乗っとりました
加用正調教師(栗東)

主な管理馬:


今週の主な登録馬:
プリンスリターン(東京新聞杯)

担当者:調教師情報部 元調教師I

加用正君は横浜の出身で、中学生の時、「馬事公苑騎手課程」の様子をテレビで見て、「自分も騎手になりたい」と思ったことが、この世界に入ったきっかけやったそうですな。

実際、中学校を卒業した後はすぐ馬事公苑に入って、それから6年半ほど馬乗りを教わった後、1976年に瀬戸口勉厩舎から乗り役としてデビューしたんや。

加用君は、最初の年に19勝を上げるっちゅうええスタートを切って、5年目やった1980年には、ノトダイバーに乗ったシンザン記念で初めて重賞を勝っとったし、その後も、ダイナカーペンターに乗った1988年の阪神大賞典や、ダイタクヘリオスに乗った1991年の高松宮杯とか、重賞を20勝、通算で559勝を上げて、調教師の試験に受かった1993年に乗り役を引退しとります。

1994年に自分の厩舎を開業した加用君は、エイシンガイモンを使った1996年と1997年の関屋記念や、ランニングゲイルを使った1997年の弥生賞や、リミットレスビットを使った2006年の根岸Sとか、今までにJRAの重賞を13勝しとるし、2007年には、関西リーディングの2位になって優秀調教師賞をもらっとりました。

2006年の加用君は、リミットレスビットの活躍とかで、今までで一番の「31勝・獲得賞金6億6042万円」っちゅう成績を残しとったんですわ。

せやけど、それからはこの数字を一度も超えとらんし、去年までの5年間も、

2018年→13勝・獲得賞金2億8421万円
2019年→23勝・獲得賞金3億3339万円
2020年→11勝・獲得賞金3億3656万円
2021年→14勝・獲得賞金3億0776万円
2022年→15勝・獲得賞金2億7534万円

っちゅう形で賞金が伸び悩んどったんや。

もちろん、今年の加用君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとるんやろうし、そのためには、早い内に大きいレースを勝っておくことが大事やな。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の東京新聞杯にプリンスリターンを登録してきましたんで、ワシが加用君やったら、気合いを入れて仕上げますわ。

それに加用君の厩舎は、2019年に、ミツバを使った交流G1の川崎記念を勝っとるんやけど、JRAでは、アズマシャトルを使った2015年の小倉記念から、ずっと重賞を勝てとらんので、今回は、「ここで久々の重賞勝ちを」っちゅう思いも込められとるんやろ。