「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2022/12/05
馬術の推薦で明治大学に入ったんやけど
池添学調教師(栗東)

主な管理馬:
プラダリア(2022年青葉賞)
アンドヴァラナウト(2021年ローズS)
ヴィクティファルス(2021年スプリングS)
サラキア(2020年府中牝馬S)

今週の主な登録馬:
アロマデローサ(阪神ジュベナイルF)
ブトンドール(阪神ジュベナイルF)
エアアルマス(カペラS)
マッドクール(知立S)
エピプランセス(名古屋日刊スポーツ杯)

担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんもよう知っとる通り、池添学君は、親父さんが同じ栗東で厩舎を構えとる池添兼雄君で、一つ上の兄ちゃんが乗り役の池添謙一君ですな。

学君は、中学生の時に、「競馬学校・騎手課程」の試験を受ける準備をしとったんやけど、体が大きくなってしもうたんで、当時、調教師の試験を受けとった兼雄君に相談したら、「その体重やったら乗り役は厳しい。調教師になったらどうや」と言われて、騎手になるんを諦めたそうですわ。

けど、誘導馬に乗るとか、厩舎で働くとか、「馬に関わる仕事がしたい」と考えとった学君は、将来の選択肢を広げるために、小学校5年生の頃からやっていた馬術に本腰を入れて、その腕は、馬術の名門、明治大学に推薦で入れるほどになったんや。

彼がおった時の明治大学は、大学馬術部の中で一番強くて、学君自身、かなり自信を持っとったし、一時は「オリンピックを目指そう」って考えとったんやけど、海外に遠征した2年生の時、そこで世界レベルの馬術を見て、「とてもかなわん」と感じたんで、真剣に「競馬の道へ進もう」と思ったそうですわ。

ちなみに、美浦で厩舎を開業しとる、久保田貴士君と高柳瑞樹君も、明治大学の馬術部出身やな。

そうそう、7月17日(日)に中京競馬場でやっとった、「ジョッキーベイビーズ」の東海地区代表決定戦で優勝した、中学校1年生の池添陽(ひなた)君は、学君の長男で、乗り役を目指しとるんや。

大学を卒業してからの学君は、「ノーザンファーム」で3ヶ月くらい働いた後、ジャパンとブルームの2頭を去年のジャパンCに使っとった、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で1年くらい働いとりました。

日本に戻ってからは、2005年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の5月から兼雄君の厩舎で厩務員と調教助手をやって経験を積んで、2013年の12月に33歳っちゅう若さで調教師の試験に受かっとります。

でもって、2015年に自分の厩舎を開業した学君は、その年にいきなり21勝もして、「2億5071万円」の賞金を稼いどりました。

それから一昨年までも、

2016年→21勝・獲得賞金3億5328万円
2017年→23勝・獲得賞金4億1601万円
2018年→24勝・獲得賞金4億4060万円
2019年→33勝・獲得賞金6億0859万円
2020年→33勝・獲得賞金8億5459万円

っちゅう形で順調に成績を伸ばしとって、特に一昨年は、エアアルマスを使った東海Sと、サラキアを使った府中牝馬Sを勝つなど、今までで一番の賞金を稼いどったんですわ。

そんで去年は、ヴィクティファルスを使ったスプリングSと、カテドラルを使った京成杯AHと、アンドヴァラナウトを使ったローズSを勝つなど、一昨年と同じ33勝を上げたんやけど、稼いだ賞金は「7億8951万円」と、一昨年の数字を下回ってしもうたんや。

せやから、今年の学君は、「必ず巻き返さなアカン」と考えとるんやろうし、実際、プラダリアを使った青葉賞と、ブトンドールを使った函館2歳Sを勝つなど、先週までに、「37勝・獲得賞金8億0599万円」っちゅう成績を残して、勝利数と賞金のどっちも、今までで一番エエ数字になっとります。

もちろん、今の学君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が6500万円の阪神ジュベナイルFにアロマデローサとブトンドール、1着賞金が3800万円のカペラSにエアアルマスとか、特別レースに5頭を登録してきましたんで、どの馬も気合いを入れて仕上げてくるとワシは見とります。

そうそう、学君の厩舎は、まだGIを勝っとらんので、阪神ジュベナイルFのアロマデローサとブトンドールには、「ここで初めてのGI勝ちを」っちゅう思惑も込められとるんやろ。

2022/12/05
競馬学校・騎手課程の試験に二度も落ちてしまったんですよ
斎藤誠調教師(美浦)

主な管理馬:
トーキングドラム(2017年阪急杯)
フラアンジェリコ(2015年京成杯AH)
ヌーヴォレコルト(2014年オークスなど)
ゴスホークケン(2007年朝日杯FS)


今週の主な登録馬:
ミスヨコハマ(阪神ジュベナイルF)
ブリーチトヤーン(チバテレ杯・豊中特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

千葉県出身の斎藤誠君は、実家が酒屋という、競馬とは縁のない家庭で生まれ育ったんですけど、お父さんと中山競馬場に行った時に、目の前で馬が走っている姿を見て、「騎手になりたい」と思ったそうで、その後は、二度、競馬学校・騎手課程の試験を受けたのですが、どちらも落ちてしまいました。

でも、競馬の仕事が諦めきれなかった斎藤君は、千葉県では有名な進学校の市川高校を卒業した後、大学には進まないで、3年くらい生産牧場で働いていたんですよ。

そして、1993年に競馬学校の厩務員課程に入って、その後、前田禎(ただし)さんの厩舎で厩務員をやって、1997年から2005年までは調教助手をやっていました。

そうそう、皆さんもよく知っていると思いますが、栗東の安田隆行厩舎に所属していて、一昨年の「最多勝利新人騎手」だった斎藤新(あらた)君は、斎藤誠君の長男です。

斎藤君がいた頃の前田厩舎には、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなど、走る馬が何頭もいましたから、その時に、どういう馬がよく走るのかをしっかり学んだのでしょうね。

でも、2005年の10月に前田さんが亡くなってしまって、厩舎が解散することになったので、その後は、相沢郁(いくお)厩舎と清水英克厩舎で調教助手をやって、2005年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に、35歳の若さで厩舎を開業しています。

最初の年は、「4勝・獲得賞金7697万円」という成績でしたけど、2年目の2007年には、サンツェッペリンを使った京成杯で初めて重賞を勝って、ゴスホークケンを使った朝日杯FSで初めてGIを勝つなど、「18勝・獲得賞金4億0317万円」という成績を残していました。

それに、2017年までの5年間も、

2013年→20勝・獲得賞金3億7065万円
2014年→21勝・獲得賞金6億3518万円
2015年→34勝・獲得賞金6億4029万円
2016年→25勝・獲得賞金5億2467万円
2017年→39勝・獲得賞金7億5598万円

という成績を残していて、特に2017年は、勝ち星と賞金のどちらも開業してから一番の数字だったんですよ。

ただ、その後の4年間は、

2018年→24勝・獲得賞金4億2459万円
2019年→38勝・獲得賞金6億3290万円
2020年→27勝・獲得賞金5億1797万円
2021年→30勝・獲得賞金5億1317万円

と、数字が伸び悩んでいましたから、今年を迎えるにあたって斎藤君は、「何がなんでも巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、フルデプスリーダーでエルムSを勝つなど、先週までに39勝を上げて、獲得賞金は「6億7879万円」と、「2017年超え」が狙える状況なんですよ。

もちろん、今の斎藤君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。

こういった中、今週は、1着賞金が6500万円の阪神ジュベナイルFにミスヨコハマを登録するなど、2頭を賞金の高い特別レースに登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せません。

2022/12/05
門別にある生産牧場が実家なんや
庄野靖志調教師(栗東)

主な管理馬:
レッドアンシェル(2020年北九州記念など)
スワーヴリチャード(2019年ジャパンCなど)
プールヴィル(2019年フィリーズレビュー)
リッジマン(2018年ステイヤーズS)

今週の主な登録馬:
ドゥアイズ(阪神ジュベナイルF)
ラセット(リゲルS)
ヴァーチャリティ(アクアラインS)
ダイシンカローリ(犬山特別・豊中特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

庄野靖志君は、1987年の阪神牝馬特別を勝ったシヨノリーガルや、1991年の中日新聞杯を勝ったショウリテンユウなどを生産したことで有名な、門別にある「庄野牧場」で、少し前まで代表をやっとった、庄野昭彦さんの次男なんですわ。

今の「庄野牧場」は、兄の宏志さんが後を継いどるんやけど、元々は、靖志君も親父さんと同じように牧場の仕事をしようと思っとったそうで、高校を出た後は、日本大学の獣医学部に進学しとりました。

日本大学の獣医学部っちゅうたら、靖志君の他にも、ダービーを勝ったアイネスフウジンや、天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップとかを管理しとった加藤修甫さんや、NHKマイルCなどを勝ったタイキフォーチュンや、2002年と2003年の根岸Sを勝って、交流重賞でも大活躍したサウスヴィグラスとかを管理しとった高橋祥泰(よしやす)君とかが卒業しとりますな。

靖志君は、大学を卒業して実家に戻ってから、調教師として、1979年のダービーと1981年の天皇賞・春を勝ったカツラノハイセイコや、1988年の桜花賞を勝ったアラホウトクとかを育てた大叔父の庄野穂積さんに馬のことを教わっとったそうで、そん時に、「将来は調教師になる」と決めたそうですわ。

そんで、1996年に競馬学校の厩務員課程を出てから、マーメイドSを勝ったシャイニンレーサーや、ウインターSを勝ったマチカネワラウカドとかを管理しとった高橋隆厩舎で10年ほど調教助手をやって、2006年に調教師の試験に受かって、次の年に厩舎を開業しとります。

初めの年こそ、使った頭数が少なかったんで4勝止まりやったけど、2年目は10勝、3年目も10勝、4年目は12勝と順調に勝ち星を伸ばしとったし、2019年までの5年間は、

2015年→22勝・獲得賞金4億2838万円
2016年→29勝・獲得賞金4億7630万円
2017年→15勝・獲得賞金5億0574万円
2018年→26勝・獲得賞金7億3989万円
2019年→24勝・獲得賞金8億3866万円

っちゅう安定した成績を残しとって、特に2019年は、プールヴィルを使ったフィリーズレビューと、レッドアンシェルを使ったCBC賞と、スワーヴリチャードを使ったジャパンCを勝つなど、今までで一番多い賞金を稼いどりました。

せやけど、その後は、

2020年→16勝・獲得賞金3億8887万円
2021年→19勝・獲得賞金3億5371万円

っっちゅう形で数字が伸び悩んどったし、今年に入ってからはもっと深刻で、先週までの成績が「12勝・獲得賞金2億5326万円」と、去年のペースを大きく下回っとるんや。

もちろん、今の靖志君は、「年末までにガッチリ稼いで、少しでも去年の数字に近付けたい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が6500万円の阪神ジュベナイルFにドゥアイズとか、全部で4頭を特別レースに登録しとるんやから、「揃って勝負懸かり」とワシは見とります。

2022/12/05
乗り役時代にニシノミラーで金杯を勝っています
武藤善則調教師(美浦)

主な管理馬:
ラインカリーナ(2019年関東オークス)
ザラストロ(2012年新潟2歳S)
セラフィックロンプ(2010年愛知杯など)

今週の主な登録馬:
モリアーナ(阪神ジュベナイルF)
ナイママ(師走S)
キミワテル(アクアラインS)
レイフォール(黒松賞)

担当者:調教師情報部 元調教師N

武藤善則君は、まだ現役で頑張っている柴田善臣君や、今は調教師をやっている石橋守君や岩戸孝樹君や須貝尚介君などと同じで、1982年に「第1期生」として競馬学校の騎手課程に入っていて、1986年に黒坂洋基さんの厩舎からデビューしました。

当時の黒坂厩舎には、1988年と1989年の根岸Sで2着だったツクバセイフウや、1990年の目黒記念で2着だったミナガワイチザンなどのオープン馬が何頭かいて、武藤君はそれらの主戦だったんですよ。

乗り役としての彼は、1989年の金杯・東(現在の中山金杯)をニシノミラーで勝つなど、調教師の試験に受かって引退した2001年までに、全部で154勝を上げていました。

ちなみに、水野貴広厩舎に所属していて、2017年に、関東の新人騎手賞にあたる、「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていた武藤雅君は、武藤君の長男です。

武藤君も、デビューした1986年に「民放競馬記者クラブ賞」をもらっていて、親子で受賞したのは初めてのことだったんですよ。

2003年に自分の厩舎を開業した武藤君は、最初の年こそ、レースに使った数が少なかったので7勝止まりでしたけど、2004年には14勝、2005年には15勝と、コンスタントに勝ち星を上げていましたし、2008年には、セラフィックロンプを使った愛知杯で、初めての重賞勝ちを飾っています。

2012年には、ザラストロを使った新潟2歳Sを勝つなど、「23勝・獲得賞金3億7954万円」という成績を残していました。

その後は2012年の数字を超えられていませんが、去年までの5年間は、

2017年→10勝・獲得賞金1億6689万円
2018年→16勝・獲得賞金2億6790万円
2019年→17勝・獲得賞金2億7418万円
2020年→17勝・獲得賞金3億0776万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6947万円

と書けば分かる通り、成績が「完全に右肩上がり」になっていたんですよ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、武藤君は、「去年までの勢いを止めないで、2012年よりもいい成績を残したい」と考えていたのでしょうし、実際、先週までに23勝を上げて、獲得賞金は「3億7452万円」と、年内で過去最高の数字になるのは間違いありません。

こういった中、今週は、1着賞金が6500万円の阪神ジュベナイルFにモリアーナなど、賞金の高い特別レースに4頭を登録していますので、私が彼でしたら、「厩舎に活気がある今の内にガッチリ稼いでおきたい」と考えて、メイチに仕上げてレースに送り出しますし、実際に武藤君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

それに、彼の厩舎は、2003年に開業してから、まだ一度もGIを勝てていませんから、阪神ジュベナイルFのモリアーナには、「ここで初めてのGI勝ちを」という思いも込められているのでしょう。