「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2020/11/30
1979年に、ラグビーボールの厩舎からデビューしたんや
音無秀孝調教師(栗東)

主な管理馬:
モズスーパーフレア(2020年高松宮記念など)
クリソベリル(2019年チャンピオンズCなど)
インディチャンプ(2019年マイルCSなど)
ミッキーロケット(2018年宝塚記念など)

今週の主な登録馬:
クリソベリル(チャンピオンズC)
サンライズノヴァ(チャンピオンズC)
ダンビュライト(ステイヤーズS)
デルマカトリーナ(中京日経賞)
シエラネバダ(栄特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとると思いますけど、音無秀孝君は、ラグビーボールやエルカーサリバーとかでお馴染みやった田中良平厩舎から、1979年に乗り役としてデビューしとって、1985年のオークスを、28頭立ての21番人気やったノアノハコブネで勝つなど、1993年に引退するまでに、全部で84勝を上げとりましたな。
ちなみに彼は、小さい頃にコックを目指しとって、中学を出てからは、レストランで見習いをやっとったんやけど、そこにおった3年間で競馬が大好きになって、それから乗り役を目指したんや。
乗り役を引退してからの音無君は、田中良平さんの長男の田中章博(のりひろ)厩舎で調教助手をやって、1995年に調教師の試験に受かると、その年の6月に自分の厩舎を開業して、7月には早くも、イナズマタカオーを使った北九州記念で初の重賞勝ちを飾っとりましたな。
それからも、音無厩舎は順調に勝ち星を増やしとって、オレハマッテルゼを使った2006年の高松宮記念で初めてGIを勝つと、オウケンブルースリを使った2008年の菊花賞、カンパニーを使った2009年の天皇賞・秋とマイルCS、ミッキーアイルを使った2014年のNHKマイルCと2016年のマイルCS、ミッキーロケットを使った一昨年の宝塚記念、インディチャンプを使った去年の安田記念とマイルCS、モズスーパーフレアを使った今年の高松宮記念とか、今までに、GIの13勝を入れて重賞を78回も勝っとるんや。
2004年の音無厩舎は、48勝を上げて「10億3187万円」の賞金を稼いどったし、それから2010年まで、ずっと10億円以上を稼いどりました。
中でも、2009年は、「45勝・獲得賞金15億0488万円」っちゅう成績で、「最多賞金獲得調教師賞」を受賞しとったし、2010年は、「52勝・獲得賞金11億5654万円」っちゅう成績で、初めて「調教師リーディング1位」になったんやから、乗り役よりも、調教師として馬を育てる方が向いとるんやろ。
そんで、2011年から2015年までは、勝ち星も賞金のどっちも2010年の数字を超えられなかったんやけど、去年までの4年間は、
2016年→45勝・獲得賞金11億9467万円
2017年→47勝・獲得賞金12億2770万円
2018年→45勝・獲得賞金13億2507万円
2019年→43勝・獲得賞金13億1710万円
と、立て続けにエエ成績を残しとりました。
けど、今年は先週までが「33勝・獲得賞金11億0092万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(11月24日【日】まで)の「39勝・獲得賞金11億7758万円」を下回っとるんやから、今の音無君は、「賞金の高いレースを勝って一気に稼がなアカン」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週は、1着賞金が1億円のチャンピオンズCにクリソベリルとサンライズノヴァ、6200万円のステイヤーズSにダンビュライト、1500万円の中京日経賞にデルマカトリーナ、1060万円の栄特別にシエラネバダと、賞金の高い特別レースに全部で5頭を登録してきましたんで、どの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。

2020/11/30
「関電工」で経理の仕事をしていたんですよ
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サリオス(2019年朝日杯FSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
カフェファラオ(チャンピオンズC)
サトノティターン(チャンピオンズC)
ヘリファルテ(ステイヤーズS)
ポンデザール(ステイヤーズS)
カフェクラウン(鳴海特別)
ヴィクターバローズ(栄特別)
カフェカエサル(こうやまき賞)
エスコバル(葉牡丹賞)

担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」(東証1部)で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。
初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、「JRAの重賞を56勝」という実績を残しています。それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。
2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどの活躍で、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
それに、去年までの4年間も、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
と、賞金こそ2015年を上回っていませんが、かなりいい成績を残していましたし、今年は先週までに、「44勝・獲得賞金11億2810万円」という素晴らしい成績を残しています。
でも、リーディングと獲得賞金の両方で1位の矢作芳人厩舎(51勝・獲得賞金19億3748万円)には、勝ち星で7勝差を付けられていますし、賞金で「8億0938万円」の差を付けられていますから、今の堀君は、「賞金の高いレースを多く勝って差を詰めたい」と考えているのでしょう。
こういった中、今週は、1着賞金が1億円のチャンピオンズCにカフェファラオとサトノティターン、6200万円のステイヤーズSにポンデザール、1500万円の成美特別にカフェクラウン、1060万円の栄特別にヴィクターバローズ、1010万円のこうやまき賞にカフェカエサル、1010万円の葉牡丹賞にエスコバルと、賞金の高い特別レースに8頭を登録していますので、「どの馬も勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2020/11/30
競馬の世界で働くために一橋大学を中退しました
小手川準調教師(美浦)

主な管理馬:
特になし

今週の主な登録馬:
ヒュミドール(ステイヤーズS)
ミニオンペール(中京日経賞)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、東京都出身の小手川準(ひとし)君は、競馬とは縁のない環境で育っています。
でも、ミスターシービーが三冠を勝った1983年頃に競馬を見始めていて、その頃の彼は、GIをいくつも勝つような強い馬よりも、1985年のダービーと菊花賞で2着だったスダホークのような馬が好きだったそうです。
駒場東邦高校から一橋大学に進んだ小手川君は、大学に通っている時、アルバイトで夕刊紙の競馬記者をやったことがきっかけで、「この世界で働きたい」と思うようになって、結局、大学を中退して、しばらく牧場で働いた後、27歳だった1998年の1月に、競馬学校の厩務員課程に入りました。
その年の7月に、諏訪富三厩舎の厩務員になった彼は、10月に浅野洋一郎厩舎に移って、ここで調教助手と調教厩務員をやって、2001年の1月に小桧山悟厩舎の調教厩務員になって、2011年の3月からここの調教助手をやっていたんですよ。
30代の間は持ち乗りの仕事に夢中だったそうですが、40歳を過ぎたくらいで、師匠の小桧山君から勧められたのがきっかけで、前から憧れていた調教師を目指すことにしたそうです。
そして小手川君は、一昨年、5回目の挑戦で調教師の試験に合格していて、今年の3月に自分の厩舎を開業しています。
ちなみに、厩舎を開業した時には、「ゼンノ」の冠名でお馴染みの大迫久美子オーナーや、「テソーロ」の冠名でお馴染みの了徳寺健二オーナーなど、多くの馬主さん達から、お祝いの胡蝶蘭が届いていましたよ。
そして、ミニオンペールを使った7月12日(日)の函館8Rで初勝利を上げていて、他も入れたら先週までに5勝を上げて、「1億2593万円」と、順調に賞金を稼いでいます。
ただ、小手川君と同期の調教師は、吉岡辰弥君と宮田敬介君と新谷功一君の3人がいて、先週までは、
吉岡辰弥厩舎→12勝・獲得賞金2億1150万円
宮田敬介厩舎→15勝・獲得賞金1億5459万円
という成績で、2人は小手川厩舎より賞金が多いですから、きっと今の彼は、「同期に追い付くために賞金の高いレースを勝ちたい」と考えているのでしょう。
そんな中、今週は、1着賞金が6200万円のステイヤーズSにヒュミドール、1500万円の中京日経賞にミニオンペールと、賞金の高い特別レースに2頭を登録していますので、「揃って勝負懸かり」と考えるべきでしょう。
それに、小手川君の厩舎は、まだ重賞を勝てていませんので、ステイヤーズSのヒュミドールには、「ここで初めての重賞勝ちを」という思いも込められている筈です。

2020/11/30
弟子に角居勝彦君や友道康夫君とかがおるんや
松田国英調教師(栗東)

主な管理馬:
タイムフライヤー(2017年ホープフルSなど)
ベルシャザール(2013年ジャパンCダートなど)
ダイワスカーレット(2008年有馬記念など)
キングカメハメハ(2004年ダービーなど)

今週の主な登録馬:
タイムフライヤー(チャンピオンズC)

担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんもよう知っとると思いますけど、松田国英君は、実家が北海道の様似にある生産牧場で、高校を卒業した後は、関西ではお馴染みやった専門紙、「競馬ニホン」にトラックマンとして就職したんですわ。
元々、牧場育ちで馬乗りが上手やったし、当時は、今ほどトレセンの規則がうるさくなかったんで、トラックマンをしながら、頼まれたときは馬に稽古を付けることもよくあったそうですな。
その後、日迫良一さんや、伊藤修司さんや、山内研二君の厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1995年に調教師の試験に受かって、1996年に自分の厩舎を開業しとります。
それから松田君は、開業4年目に、フサイチエアデールを使ったシンザン記念で初めて重賞を勝つと、クロフネを使った2001年のNHKマイルCや、タニノギムレットを使った2002年のダービーや、キングカメハメハを使った2004年のNHKマイルCとダービーや、ダイワスカーレットを使った2008年の有馬記念とか、今までに14回もGIを勝っとるし、それを入れて重賞を59勝もしとるんですわ。
しかも、松田厩舎で腕を磨いとった中には、角居勝彦君や、友道康夫君や、高野友和君とか、実績を残しとる調教師が何人もおるんで、トラックマンとして取材をするよりも、厩舎の仕事をする方が、彼にとって天職やったんでしょうな。
2007年に、松田君の厩舎は、桜花賞とかGIを3つ勝ったダイワスカーレットの活躍もあって、全部で31勝を上げて、「10億4781万円」っちゅう、開業してから一番の賞金を稼いどりました。
けど、それからは伸び悩んどって、去年までの3年間も、
2017年→25勝・獲得賞金5億1042万円
2018年→21勝・獲得賞金4億2309万円
2019年→20勝・獲得賞金3億6726万円
っちゅう形で、勝ち星と賞金のどっちも「完全に右肩下がり」やったんやから、今年の松田君は「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとる筈ですわ。
実際、今年は先週までが「26勝・獲得賞金5億2603万円」っちゅう成績で、もう去年の数字を上回っとります。
ただ、2007年に比べたらまだまだ物足りない数字やから、今の彼は、「賞金の高いレースを勝って、もっと厩舎に勢いを付けたい」と考えとる筈ですわ。
そんな中、今週は、1着賞金が1億円のチャンピオンズCにタイムフライヤーを登録してきましたんで、この馬を「勝負懸かり」とワシは見とります。
それに松田君は、来年の2月で定年なんやから、今は、「引退の前になるべく多く稼ぎたい」とも考えとるんでしょうな。