「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2018/10/29
7月からは上半期の勢いがなくなっとるんで
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ウインテンダネス(2018年目黒記念)
ケイティブレイブ(2018年ダイオライト記念など)

今週の主な登録馬:
ケイティブレイブ(JBCクラシック)
ウインテンダネス(アルゼンチン共和国杯)
ワンダーアマービレ(醍醐特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

知っとる方もいると思うんやけど、1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がいた訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。
彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおって、そういう友達の影響で競馬を見るようになったそうやな。
そんで杉山君は、中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになって、最初は乗り役を目指そうと思ったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。
でもって杉山君は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習をしとったそうやな。
高校を卒業してすぐに、「小松温泉牧場」(石川県小松市)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。
で、その年の7月に武宏平厩舎の厩務員になって、8月に調教助手になって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。
武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、厩舎の仕事をしながら調教師になるため猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年に、めでたく試験に受かったんですわ。
この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、一昨年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。
結局、一昨年は開業が遅かったんで、年末までに「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、去年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と一気に数字を伸ばせたんで、杉山君はホッとしたんでしょうな。
そんで3年目の今年は、ケイティブレイブを使った地方交流のダイオライト記念で初めての重賞勝ちを飾ると、ウインテンダネスを使った目黒記念で、JRAでも初めての重賞勝ちを飾っとるんや。
それに、JRAで先週までに「16勝・獲得賞金3億3055万円」っちゅう成績を残しとって、もう去年の賞金を超えとるんやけど、杉山君は、この数字に満足せんで、今週以降も全力で勝負を懸けてくるとワシは見とりますわ。
っちゅうのも、彼の厩舎は、6月までに13勝を上げとったんやけど、その後は3勝だけと、7月からは上半期の勢いがなくなっとるんで。
もちろん、ワシが杉山君やったら、「賞金の高いレースを勝って、厩舎に勢いを付けたい」と考えるでしょうな。
そんで今週は、1着賞金9000万円のJBCクラシックにケイティブレイブ、5700万円のアルゼンチン共和国杯にウインテンダネス、1500万円の醍醐特別にワンダーアマービレを登録しとるんで、どの馬もメイチに仕上げてくる筈や。

2018/10/29
「2014年を超えたい」と思っているのでしょう
高木登調教師(美浦)

主な管理馬:
サウンドトゥルー(2016年チャンピオンズCなど)
ホワイトフーガ(2016年JBCレディスクラシックなど)
スノードラゴン(2014年スプリンターズS)

今週の主な登録馬:
サウンドトゥルー(JBCクラシック)
パルトネルラーフ(JBCクラシック)
マイネルクラース(晩秋S)
マイネルサーパス(百日草特別・きんもくせい特別)
リバーシブルレーン(百日草特別)


担当者:調教師情報部 元調教師N

知っている方もいると思いますけど、お祖父さんが馬主だったため、競馬が身近だった高木登君は、確か麻布獣医大学(現在の麻布大学)まで馬術を続けた後、1988年に競馬学校の厩務員課程に入って、その後は、まず、伊藤正徳君の厩舎で厩務員をやって、それからは、山崎彰義さんの厩舎や、加藤征弘君の厩舎や、浅野洋一郎君の厩舎で、調教助手として経験を積んでいました。
2006年、調教師の試験に受かった高木君は、次の年に自分の厩舎を開業して、初めの年こそ、レースに使った頭数が少なかったので「5勝・獲得賞金1億1252万円」という成績でしたが、その後は、
2008年→「15勝・獲得賞金1億8535万円」
2009年→「17勝・獲得賞金2億3780万円」
2010年→「17勝・獲得賞金3億0266万円」
2011年→「17勝・獲得賞金2億2406万円」
2012年→「18勝・獲得賞金2億7318万円」
2013年→「19勝・獲得賞金4億0086万円」
と、安定した数字を残していましたね。
そして2014年は、マイネルフロストを使った毎日杯で初めて重賞を勝つと、ウインマーレライを使ったラジオNIKKEI賞と、スノードラゴンを使ったスプリンターズSも勝つなど、勝ち星は「17」でしたけど、賞金は、今までで一番多い「5億4643万円」を稼いでいました。
でも、その後の3年間は、JRAでの成績が、
2015年→「23勝・獲得賞金4億3545万円」
2016年→「20勝・獲得賞金4億4114万円」
2017年→「30勝・獲得賞金4億8852万円」
というもので、2014年の賞金を超えていませんから、今年の高木君は、「必ず巻き返したい」と考えている筈です。
実際、今年は先週までに、ニシノデイジーで札幌2歳Sを勝つなど、「23勝・獲得賞金4億1833万円」という成績を残して、去年のペースを上回っていますけど、今までで一番だった2014年の賞金を超えるためには、年末までに、あと「1億2810万円」を稼がないといけませんから、今の彼は、「賞金の高いレースを多く勝ちたい」とも考えているのでしょう。
こういった中、今週、高木君は、1着賞金が9000万円のJBCクラシックにサウンドトゥルーとパルトネルラーフ、1820万円の晩秋Sにマイネルクラースなど、特別レースに全部で5頭を登録してきましたので、「どの馬も勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2018/10/29
実家は本屋を営んどりますな
寺島良調教師(栗東)

主な管理馬:
キングズガード(2017年プロキオンS)

今週の主な登録馬:
シングルアップ(京王杯2歳S)
キングズガード(JBCスプリント)
ジュランビル(ファンタジーS)
チェイスダウン(貴船S)
オトコギマサムネ(河北新報杯・醍醐特別)
ヴァッフシュテルケ(河北新報杯・醍醐特別)
ルタンブル(百日草特別・きんもくせい特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

寺島良君は、岐阜県本巣郡北方町の出身で、実家は「寺島書店」っちゅう本屋を営んどるんですわ。
「寺島書店」は、国道157号沿いの北方郵便局の南にある商店街にあって、白地に赤文字で「本」って書いてある看板が目印の3階建ての建物やな。
ちなみに、美浦で厩舎を構えとる国枝栄君も、同じ北方町の出身なんですわ。
寺島君が競馬に興味を持ち始めたんは、フジキセキが走っとった1994年頃で、北海道大学に入った時に、「馬の仕事がしたい」と思うようになって、それから調教師を目指したんや。
そんで、大学におった頃には馬術部の主将をやっとって、そん時の副将は、大学の同期で、今は美浦で厩舎を構えとる武井亮君やな。
大学を卒業してから、寺島君は、「ノーザンファーム空港」で働いて馬のことを勉強して、2005年に競馬学校の厩務員課程に入ると、次の年の4月に大久保龍志厩舎の厩務員になって、その後すぐ調教助手になったんや。
それからは、2007年の菊花賞を勝ったアサクサキングスとか、2013年の京都金杯と富士Sを勝ったダノンシャークとかの世話をしとって、結局、大久保厩舎には7年半くらいいましたな。
で、2013年の6月に松田国英厩舎に移って、ここでは、ハギノハイブリッドとかを担当しとったんや。
寺島君は、松田厩舎に移った頃から、調教師の試験を受け始めとって、3度目の挑戦やった2015年に合格して、その後も、技術調教師として松田厩舎で色んなことを勉強して、一昨年の9月に自分の厩舎を開業しとります。
最初の年は、馬を使い出したんが9月24日(土)からと遅かったし、レースに使った数も全部で48戦と少なかったんで、「3勝・獲得賞金5951万円」っちゅう成績やったけど、去年は、キングズガードを使ったプロキオンSで初めての重賞勝ちを飾っとったし、全体の成績も「12勝・獲得賞金2億7185万円」と、一気に数字を伸ばせたんですわ。
そんで、今年に入ってからは、先週までに「23勝・獲得賞金3億5454万円」っちゅう成績を残しとって、去年の数字を大きく上回っとるんやけど、寺島君が、この結果に満足せんで、これからも全力で勝ちにくるとワシは見とるんですわ。
っちゅうのも、彼の厩舎は、今年、2着が20回、3着が15回と取りこぼしが多いんで、今は、「もっと勝たなアカン」と考えとる筈やから。
そんな中、今週は、1着賞金が3800万円の京王杯2歳Sにシングルアップ、7000万円のJBCスプリントにキングズガード、2900万円のファンタジーSにジュランビルとか、全部で7頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どの馬もお釣りを残さずメイチに仕上げるでしょうな。
それに寺島君は、まだGIを勝てとらんので、JBCスプリントのキングズガードには、「ここで初めてのGI勝ちを」っちゅう思いも込められとるんやろう。

2018/10/29
リーディング5位に付けていますけど
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)
リアルインパクト(2011年安田記念など)

今週の主な登録馬:
アルバート(アルゼンチン共和国杯)
ジナンボー(アルゼンチン共和国杯・南武特別)
ヘリファルテ(アルゼンチン共和国杯・ノベンバーS)
サトノティターン(晩秋S)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。
そして大学を出た後は、電気設備工事や情報通信工事などをやっている「関電工」で、経理関係の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇厩舎で調教助手をやって、自分の厩舎を開業したのは2003年ですから、今年で16年目になりますね。
初めの年こそ、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、先週までに、JRAだけで重賞を51勝もしています。
しかも、最近の堀厩舎は、管理馬をどんどん海外に遠征させていて、今までに、
リアルインパクト:2015年のジョージライダーS(オーストラリアのG1)
モーリス:2015年の香港マイルと2016年のチャンピオンズマイル(香港のG1)と香港カップ
サトノクラウン:一昨年の香港ヴァーズ
ネオリアリズム:去年のクイーンエリザベス2世C(香港のG1)
と、海外のG1を6つも勝っていますので、彼のことを、「日本を代表する調教師」と言っても大げさではないでしょうね。
2015年は、ドゥラメンテを使った皐月賞とダービー、モーリスを使った安田記念とマイルCSなど、JRAで、「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
その中で、私が「これは素晴らしい」と感じたのは、2割3分という勝率で、その年の勝率が2位だった藤原英昭君が1割8分1厘、その年の獲得賞金が一番だった池江泰寿君が1割3分7厘と書けば、堀君が残した数字の高さがよく分かります。
でも、一昨年と去年は、
2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(リーディング5位)
と、賞金が「右肩下がり」になっていましたので、今年の堀君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょうね。
ただ、今年は先週までで、「41勝」を上げて、リーディング5位に付けていますけど、賞金は「6億3144万円」と、去年の6割にも届いていませんから、今の堀君は、「賞金の高いレースを勝ちたい」と考えている筈です。
そんな中、今週は、1着賞金が5700万円のアルゼンチン共和国杯にアルバートとジナンボー(南武特別にも登録)とヘリファルテ(ノベンバーSにも登録)、1820万円の晩秋Sにサトノティターンを登録してきましたので、きっと勝負を懸けてくるのでしょう。
それに、堀君の厩舎は、去年まで12年続けて重賞を勝っていますけど、今年はまだ勝てていませんので、アルゼンチン共和国杯の3頭には、「何が何でも勝ちたい」という思いが込められている筈ですよ。