「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/11/13
もう14年以上もJRAの重賞を勝てていないので…
伊藤圭三調教師(美浦)

主な管理馬:
スマートボーイ(2003年平安Sなど)
プリエミネンス(2002年エルムS)
ホワイトカーニバル(2002年フェアリーS)

今週の主な登録馬:
ゴールドギア(東スポ杯2歳S)
スズカリバー(福島民友C・霜月S)

担当者:調教師情報部 山田要一

知っている方もいると思いますけど、伊藤圭三君の実家は、スズカマンボやサンビスタなどを生産したことで有名な、静内にある「グランド牧場」でして、1927年にここを作ったのは、彼の祖父の伊藤幸太郎さんで、今は、静内と新冠に3ヶ所(合計71馬房)の繁殖場と、静内(109馬房)と岩手県の遠野市(60馬房)の2ヶ所に育成場を持っていて、1985年からは、3代目でお兄さんの伊藤佳幸さんが牧場の代表をやっていますね。
こういう環境で育った圭三君は、当然、早い内から「自分も競馬に関わる仕事をしたい」と考えていたのでしょうし、実際、1986年からの11年間は、1992年のカブトヤマ記念を勝ったユーワビームなどを育てた、小林常泰さんの厩舎で調教助手として経験を積んで、1997年に調教師の試験に受って、次の年に自分の厩舎を開業しています。
それから、圭三君の厩舎は、初めの年から、実家の「グランド牧場」の生産馬を中心に「12勝・獲得賞金1億9133万円」という数字を残して、3年目だった2000年には、スマートボーイを使ったアンタレスSで初めて重賞を勝って、5年目だった2002年には、3つの重賞勝ちを含めて、「28勝・獲得賞金5億4762万円」という数字で、優秀調教師賞をもらっていましたね。
ただ、それ以降は2002年を上回ることができず、一昨年までの3年間も、
2013年→16勝・獲得賞金3億0580万円
2014年→14勝・獲得賞金2億9547万円
2015年→24勝・獲得賞金3億4584万円
と、いい頃の数字を下回っていましたので、去年の圭三君は、「2002年の成績に少しでも近づけたい」と思っていた筈です。
でも去年は、タイニーダンサーで交流重賞の関東オークスを勝ちましたけど、JRAでは「16勝・獲得賞金2億8444万円」と、一昨年を下回る数字だったので、今年の彼は、「何としても巻き返したい」と考えているのでしょう。
そして今年は、先週までに「20勝・獲得賞金2億6182万円」という数字で、去年のペースを上回っていますけど、2002年と比べたら、賞金はまだ半分くらいですから、今の圭三君は、「賞金の高い特別レースを勝って、もっとペースを上げたい」と気合いを入れている筈です。
そんな中、今週、圭三君は、1着賞金3300万円の東京スポーツ杯2歳Sにゴールドギア、2200万円の福島民友Cにスズカリバー(霜月Sにも登録)と、2頭を賞金の高い特別レースに登録していますから、どちらもメイチに仕上げてくると私は見ています。
しかも、彼の厩舎は、スマートボーイを使った2003年3月のマーチSから、もう14年以上もJRAの重賞を勝てていなくて、連敗が「65」まで伸びていますので、ゴールドギアには、「久々にJRAの重賞を勝ちたい」という思いも込めているのでしょう。

2017/11/13
もう去年の数字を超えとるんやけど
松元茂樹調教師(栗東)

主な管理馬:
ローブデコルテ(2007年オークス)
ウインクリューガー(2003年NHKマイルC)
ビリーヴ(2002年スプリンターズSなど)

今週の主な登録馬:
カフジバンガード(東京スポーツ杯2歳S)
グッドスカイ(秋陽ジャンプS)

担当者:調教師情報部 元調教師H

松元茂樹君は、日本大学を卒業した後、20代の頃は歌手をやっとって、1974年から親父さんの松元正雄厩舎で厩務員と調教助手をやっとって、その後は、トウカイテイオーやスティルインラブとかを育てた兄ちゃんの松元省一厩舎や、イソノルーブルなどを育てた清水久雄厩舎で腕を磨いとって、1992年に調教師の試験に受かって、1993年に自分の厩舎を開業しとりますな。
ちなみに、松元君の長男は競艇選手の松元弥佑紀(やすのり)君ですわ。
皆さんもよう知っとる通り、松元君は、ビリーヴを使った2002年のスプリンターズSと2003年の高松宮記念や、ウインクリューガーを使った2003年のNHKマイルCや、ローブデコルテを使った2007年のオークスとか、今までに、JRAでは6つのGIを含めて、重賞を30も勝っとりますし、その他にも、ラヴェリータで交流重賞を7つ勝っとりますな。
こういった結果を残せとるんは、省一さんや清水さんの厩舎で走る馬を間近で見てきた経験を、自分の厩舎でも十分に活かせとるからなんやろ。
そんで、松元君は、ビリーヴやウインクリューガーが活躍した2003年に、「25勝・9億0496万円」っちゅう、今までで一番の賞金を稼いどります。
せやけど、その後は一度もこの数字を超えられとらんで、去年までの3年間も、
2014年→「21勝・獲得賞金3億0898万円」
2015年→「15勝・獲得賞金3億3069万円」
2016年→「20勝・獲得賞金2億9750万円」
っちゅうもんやから、松元君は、この数字に納得しとらんやろうし、当然、「今年はもっと稼がなアカン」と考えとるでしょうな。
そんで今年は、マキシマムドパリで愛知杯とマーメイドS、グッドスカイで新潟ジャンプSを勝っとって、先週までの数字は「21勝・獲得賞金4億5924万円」と、もう去年を超えとるんやけど、2003年の賞金と比べると、まだ半分くらいしか稼げとらんので、ワシが彼やったら、「もっと稼いで2003年の数字に少しでも近づけたい」と考えますわ。
そんな中、今週、松元君の厩舎は、1着賞金3300万円の東京スポーツ杯2歳Sにカフジバンガード、1650万円の秋陽ジャンプSにグッドスカイと、2頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、賞金を上乗せするために、どっちも全力で仕上げてくる筈やで。

2017/11/13
去年までの数字とそれほど変わらないため
堀井雅広調教師(美浦)

主な管理馬:
マルターズアポジー(2017年関屋記念など)
アポロマーベリック(2013年中山大障害など)
マイネルレコルト(2004年朝日杯FSなど)

今週の主な登録馬:
マルターズアポジー(マイルCS)
リープリッヒターゲ(飯坂温泉特別)
ホーガンブリッジ(秋陽ジャンプS)
トラネコ(伊勢佐木特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

皆さんも知っていると思いますが、堀井雅広君は、1973年に宮沢今朝太郎(けさたろう)さんの厩舎から乗り役としてデビューしていましたね。
彼はその年に、サンヨウコウに乗った七夕賞で初めて重賞を勝っていましたし、1976年には、ニッショウに乗った東北記念(現在の七夕賞)で2つ目の重賞勝ちを飾るなど、全部で26勝を上げて、乗り役時代で一番いい数字を残していました。
その後、堀井君は、調教師の試験に受かった1994年の2月に乗り役を引退して、1995年に自分の厩舎を開業していて、早速、その年の鳴尾記念をカネツクロスで勝っていましたね。
それからも、マイネルレコルトを使った2004年の朝日杯FSや、アポロマーベリックを使った2013年の中山大障害と2014年の中山グランドジャンプと、乗り役時代に勝てなかったGIを3つ勝っていますし、この3戦を含めて、今までに重賞を17回も勝っていますから、乗り役よりも調教師として馬を育てる方が向いているのでしょう。
開業6年目だった2000年には、今まで一番多い「4億8079万円」の賞金を稼いでいて、その後も、2004年はマイネルレコルトなどの活躍によって「4億5869万円」の賞金を、2013年はアポロマーベリックなどの活躍によって「4億5213万円」の賞金を稼いでいましたね。
ただ、去年までの3年間は、
2014年→17勝・獲得賞金2億8603万円
2015年→14勝・獲得賞金2億3338万円
2016年→15勝・獲得賞金2億5572万円
という成績に留まっていますので、今年の堀井君は、「キッチリ巻き返したい」と考えている筈です。
ただ、今年に入ってからは、マルターズアポジーで小倉大賞典と関屋記念を勝っているものの、他の馬があまり活躍できていないため、先週までの成績は「11勝・獲得賞金2億3170万円」というもので、去年までの数字とそれほど変わりませんから、私が堀井君でしたら、「賞金の高い特別レースを勝って一気に稼ぎたい」と考えて、もっと気合いを入れる筈です。
そんな中、堀井君は今週、1着賞金が1億0300万円のマイルCSにマルターズアポジー、1050万円の飯坂温泉特別にリープリッヒターゲ、1650万円の秋陽ジャンプSにホーガンブリッジ、1500万円の伊勢佐木特別にトラネコと、賞金の高い特別レースに4頭を登録してきましたから、どの馬もメイチに仕上げてくるのでしょう。
しかも、堀井君は、マイネルレコルトを使った2004年の朝日杯FSから、平地のGIを勝てていませんので、マイルCSのマルターズアポジーには、「久々に勝ちたい」という思いが込められているのでしょう。

2017/11/13
春の勢いを取り戻しつつあるんで
友道康夫調教師(栗東)

主な管理馬:
ヴィブロス(2017年ドバイターフなど)
マカヒキ(2016年ダービー)
ヴィルシーナ(2014年ヴィクトリアマイルなど)
アンライバルド(2009年皐月賞)

今週の主な登録馬:
ワグネリアン(東京スポーツ杯2歳S)
デルマキセキ(秋明菊賞)

担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとると思いますけど、友道康夫君は、大阪府立大学の獣医学科を出とって、競馬学校の厩務員課程を出た1989年からは、浅見国一さんの厩舎で厩務員と調教助手を、1996年から調教師の試験に受かった2001年までは、松田国英君の厩舎で調教助手をやっとりましたな。
ちなみに、彼がこの世界に入ろうと決めたんは、大学で馬術部に入っとったように、元々、馬が好きやったし、学生の頃に、スペシャルウィーク(1998年のダービーなどGIを4勝)や、アグネスデジタル(2001年の天皇賞・秋などGIを6勝)などを育てた白井寿昭さんが、1987年に調教師の試験に受かった時、スポーツ新聞の「競馬サークル出身者以外では、初めての大卒調教師」っちゅう記事を見て、「自分も調教師になりたい」と思ったことが、きっかけなんですわ。
友道君が浅見さんの厩舎におった時には、重賞を3つ勝ったヤマニングローバルや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかがおって、松田君の厩舎におった時には、ダートの重賞で活躍したゴールドティアラやブロードアピールとかがおったんやから、走る馬を間近で見るっちゅう、ホンマにエエ経験ができたんやろ。
2002年の11月に自分の厩舎を開業した友道君は、その年は3勝止まりやったけど、次の年は一気に19勝まで数字を伸ばしとりました。
しかも彼は、レースを多く勝つだけやなくて、ワンモアチャッターを使った2005年の朝日チャレンジCで初めて重賞を勝っとるし、アドマイヤジュピタを使った2008年の天皇賞・春で初めてGIを勝つなど、今までにGIを7つも勝って、これを入れて重賞を全部で31回も勝っとりますな。
2012年の友道君は、ヴィルシーナでクイーンCを勝つなど、「37勝・獲得賞金8億6631万円」っちゅう数字を残しとったんやけど、それからは、
2013年→28勝・獲得賞金5億8762万円
2014年→34勝・獲得賞金7億6936万円
2015年→42勝・獲得賞金7億9704万円
と書けば分かる通りで、3年続けて2012年の賞金を下回っとったんですわ。
せやから、去年の友道君は、「必ず2012年の数字を超えたい」と考えとった筈で、実際に、マカヒキでダービーを、ヴィブロスで秋華賞を勝つなど、「13億3415万円」っちゅう、開業してから一番の賞金を稼いだんやから、ワシの見込みは正かったんやろ。
けど、今年の友道厩舎は、3月にヴィブロスでドバイターフを勝ったんやけど、JRAでは、2月にアドマイヤミヤビでクイーンCを勝っとるものの、先週までの成績が、「36勝・獲得賞金8億4187万円」っちゅう数字に留まっとるんや。
その理由としては、
1月→2勝・獲得賞金4258万円
2月→3勝・獲得賞金8456万円
3月→3勝・獲得賞金7502万円
4月→6勝・獲得賞金1億7797万円
5月→4勝・獲得賞金1億1250万円
6月→4勝・獲得賞金4300万円
7月→3勝・獲得賞金5406万円
8月→3勝・獲得賞金4971万円
9月→4勝・獲得賞金5839万円
っちゅう形で成績を月別に書けば分かる通り、6月~9月の4ヶ月間の数字がイマイチやったことが挙げられるやろ。
ただ、友道君の厩舎は、10月に入ってから先週までで、「5勝・獲得賞金1億4758円」っちゅう数字を残しとるように、春の勢いを取り戻しつつあるんで、ワシが彼やったら、「この勢いで去年の数字に少しでも近付けたい」と考えますわ。
そんな中、1着賞金が3300万円の東京スポーツ杯2歳Sにワグネリアン、1着賞金が1000万円の秋明菊賞にデルマキセキと、賞金の高い特別レースに2頭を登録しとる今週は、友道君が「勝ってガッチリ稼ぎたい」と考えて、どっちもメイチに仕上げてくる筈やで。