「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/10/23
「池江厩舎との差を少しでも詰めたい」と考えて
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)
ドゥラメンテ(2015年ダービーなど)
リアルインパクト(2011年安田記念など)

今週の主な登録馬:
サトノクラウン(天皇賞・秋)
ネオリアリズム(天皇賞・秋)
キャンベルジュニア(スワンS)

担当者:調教師情報部 山田要一

千葉県市川市出身の堀宣行君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたそうですね。
大学を出た後は、電気設備工事や情報通信工事などをやっている「関電工」で、経理関係の仕事をしていたそうですが、私がブルーベイブリッジでテレビ東京賞3歳牝馬S(現在のフェアリーS)を勝った次の年の1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入っていますので、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三さんの厩舎で厩務員として、二ノ宮敬宇君の厩舎で調教助手として経験を積んで、自分の厩舎を開業したのは2003年ですから、今年で15年目ですね。
初めの年こそ、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という数字でしたが、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく成績を伸ばすと、その後は、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、先週までに、JRAだけで重賞を50勝もしています。
それに、最近の堀厩舎は、管理馬をどんどん海外に遠征させていて、今までに、
リアルインパクト→2015年のジョージライダーS(オーストラリアのG1)
モーリス→2015年の香港マイルと去年のチャンピオンズマイル(香港のGI)と香港カップ
サトノクラウン→去年の香港ヴァーズ
ネオリアリズム→今年のクイーンエリザベス2世C(香港のGI)
と、海外のG1を6つも勝っていますので、彼のことは、「日本を代表する調教師の一人」と言っても大げさではないでしょうね。
一昨年は、ドゥラメンテを使った皐月賞とダービー、モーリスを使った安田記念とマイルCSなど、JRAで、「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。
その中で、私が「これは素晴らしい」と感じたのは、2割3分という勝率でして、その年の勝率が2位だった藤原英昭君が1割8分1厘、その年の獲得賞金が一番だった池江泰寿君が1割3分7厘と書けば、堀君が残した数字の高さがよく分かる筈です。
去年の堀君は、モーリスで天皇賞・秋を勝つなど、JRAで「重賞7勝を含む44勝・獲得賞金13億0934万円」という成績を残していましたね。
これが他の厩舎でしたら、「かなりいい数字」と言えるのでしょうが、一昨年と比べて、勝ち星が「10」、賞金が「2億1551万円」も少なかったのですから、堀君は満足していない筈で、「今年は必ず巻き返したい」と考えているのでしょう。
ただ、今年に入ってから先週までは、サトノクラウンで京都記念と宝塚記念を勝って、ネオリアリズムで中山記念を勝つなど、「重賞4勝を含む38勝・獲得賞金8億7615万円」という成績を残しているものの、去年のペースを下回っていますね。
それに、今、調教師リーディングトップの池江泰寿君は、「50勝・獲得賞金13億8995万円」という成績で、勝利数で「12」、獲得賞金で「5億1380万円」の差を付けられていますので、私が堀君でしたら、これから年末まで、池江厩舎との差を少しでも詰めようと、賞金の高い特別レースを勝つことに全力を注ぎます。
そして今週は、1着賞金が1億5000万円の天皇賞・秋にサトノクラウンとネオリアリズム、5900万円のスワンSにキャンベルジュニアを登録してきましたので、「どの馬も勝負懸かり」と考えるべきでしょう。

2017/10/23
5月からは、4月までの半分も稼げとらんので
清水久詞調教師(栗東)

主な管理馬:
キタサンブラック(2016年ジャパンCなど)
トウケイヘイロー(2013年札幌記念など)
ジョーストリクトリ(2017年ニュージーランドT)

今週の主な登録馬:
キタサンブラック(天皇賞・秋)
ビップライブリー(スワンS)
ハイヒール(アルテミスS)
マイネルレオーネ(鳴滝特別)

担当者:調教師情報部 元調教師H

皆さんもよう知っとるんやろうけど、清水久詞君は、1997年に競馬学校の厩務員課程に入って、その後は、1993年の菊花賞などGIを3つ勝ったビワハヤヒデや、1995年の阪神3歳牝馬Sを勝ったビワハイジなどを育てた、浜田光正君の厩舎でずっと調教助手をやっとりました。
この頃には、1998年の桜花賞と秋華賞、2000年のエリザベス女王杯を勝ったファレノプシスを担当しとりましたな。
そんで清水君は、1992年の2月まで乗り役をやっとった押田年朗さんの娘さんで、親父さんと同じで乗り役やった純子さんと結婚しとって、清水厩舎で調教助手をやっとる押田道郎さんは純子さんのお兄さんですわ。
ちなみに、清水君の親父さんの貞光さんは、馬主さんで、2004年のスプリンターズSを勝ったカルストンライトオなどを持っとった方やから、もちろん、彼自身も子供の時から馬と関わる機会が多かったんで、早い内から「馬と関わる仕事をしたい」と思っとったそうですな。
2009年に、調教師の試験に受かった清水君は、その年の6月に自分の厩舎を開業しとって、最初の年は2勝だけやったけど、その後は、
2010年→11勝・獲得賞金1億3388万円
2011年→18勝・獲得賞金2億5678万円
2012年→22勝・獲得賞金3億3118万円
2013年→23勝・獲得賞金4億8940万円
2014年→23勝・獲得賞金3億6707万円
っちゅう形で順調に実績を積み重ねとったし、2013年には、トウケイヘイローを使ったダービー卿CTで初めて重賞を勝って、その年は、この馬で4つも重賞を勝っとりました。
そんで、一昨年は、キタサンブラックを使った菊花賞で初めてGIを勝って、それを入れてこの馬で3つ重賞を勝つとか、「26勝・獲得賞金7億2207万円」っちゅう成績を残しとったし、去年は、キタサンブラックで天皇賞・春と京都大賞典とジャパンCを勝つとか、「27勝・獲得賞金11億1410万円」っちゅう、今までで一番エエ結果でしたな。
せやけど、今年に入ってからは、キタサンブラックで大阪杯と天皇賞・春を勝っとるものの、先週までで、「22勝・6億9139万円」っちゅう成績で、去年の賞金を超えるには、あと「4億2271万円」を稼がなアカンのですわ。
しかも、
1月から4月→10勝・獲得賞金4億8463万円
5月から先週まで→12勝・獲得賞金2億0676万円
って書けば分かる通り、5月からは、4月までの半分も稼げとらんので、ワシが清水君やったら、「賞金の高い特別レースを勝って、キッチリ巻き返したい」と考えますわ。
せやから、1着賞金が1億5000万円の天皇賞・秋にキタサンブラック、5900万円のスワンSにビップライブリー、2900万円のアルテミスSにハイヒール、1500万円の鳴滝特別にマイネルレオーネと、全部で4頭を特別レースに登録しとる今週は、清水君が勝負を懸けてきたんやろ。
特に、天皇賞・秋に登録しとる「稼ぎ頭」のキタサンブラックは、今年いっぱいで引退・種牡馬入りが決まっとるんで、「残りのレースはどれも勝つ」と、かなり気合いを入れとる筈やで。

2017/10/23
去年の数字に近付けるために…
浅見秀一調教師(栗東)

主な管理馬:
レジネッタ(2008年桜花賞など)
ソングオブウインド(2006年菊花賞)
ヤマニンシュクル(2003年阪神ジュベナイルFなど)
メジロブライト(1998年天皇賞・春など)

今週の主な登録馬:
レインボーライン(天皇賞・秋)
サングレーザー(スワンS)
イーストオブザサン(御陵S)
パッシングブリーズ(妙高特別)

担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとる通り、浅見秀一君は、親父さんが1997年まで調教師やった浅見国一さんで、国一さんは、乗り役やった時に、ハイレコードに乗った1950年の菊花賞や、コマヒカリに乗った1958年の菊花賞などを勝っとって、二度、関西リーディングになっとりました。
それに、調教師になってからも、ヤマピットを使った1967年のオークスや、ケイキロクを使った1980年のオークスや、ヤマニンパラダイスを使った1995年の阪神3歳牝馬S(今の阪神ジュベナイルF)など、重賞を42勝もしとりましたな。
そんで秀一君は、1973年に浅見国一厩舎で騎手候補になったんやけど、結局、乗り役にはならんで、1977年に調教助手になって、1992年に自分の厩舎を開業するまでの15年間、親父さんの厩舎で経験を積んどったんですわ。
国一さんが定年で引退した1997年の2月には、開業してから6年目やった秀一君が、共同通信杯4歳Sなどを勝っとったメジロブライトを引き継いで、この馬を使った1998年の天皇賞・春が、彼にとって初めてのGI勝ちになって、この年は、25勝を上げて、今までで一番多い「9億1419万円」の賞金を稼いどったんや。
それからも秀一君は、ヤマニンシュクルを使った2003年の阪神ジュベナイルFや、ソングオブウインドを使った2006年の菊花賞や、レジネッタを使った2008年の桜花賞とかを勝っとって、今までに、GIの4勝を含めて重賞を全部で21勝しとります。
一昨年は、25勝を上げて、「4億2694万円」を稼いどったんやけど、その前と比べたら物足りない数字やったんで、去年の秀一君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとったんやろうし、実際に去年は、レインボーラインを使ったアーリントンCで2年振りに重賞を勝つなど、「23勝・獲得賞金6億2913万円」と、久々に6億円を超えられたんですわ。
せやけど、今年に入ってから先週までは「23勝・獲得賞金4億5154万円」っちゅう成績で、あと「1億7759万円」を稼がんと去年の数字に届かないんやから、今の秀一君は、「賞金の高い特別レースを勝って一気に稼ぎたい」と考えとる筈や。
で、今週は、
1着賞金1億5000万円の天皇賞・秋→レインボーライン
1着賞金5900万円のスワンS→サングレーザー
1着賞金1820万円の御陵S→イーストオブザサン
1着賞金1500万円の妙高特別→パッシングブリーズ
と、4頭を賞金の高い特別レースに登録してるんやから、ワシが彼やったら、ここでガッチリ稼ごうと、どの馬もメイチに仕上げますわ。
それに秀一君は、さっき書いた通り、今までに重賞を21回も勝っとるんやけど、今年はまだ重賞を勝てとらんし、GIは、レジネッタを使った2008年の桜花賞から9年以上もご無沙汰しとるんで、天皇賞・秋に登録しとるレインボーラインには、「久々にGIを勝ちたい」っちゅう思いも込められとるんやろ。

2017/10/23
一昨年を上回るのは時間の問題ですけど
斎藤誠調教師(美浦)

主な管理馬:
トーキングドラム(2017年阪急杯)
フラアンジェリコ(2015年京成杯AH)
ヌーヴォレコルト(2014年オークスなど)
ゴスホークケン(2007年朝日杯FS)

今週の主な登録馬:
トーキングドラム(スワンS)
ウラヌスチャーム(アルテミスS)
ストーミーシー(紅葉S・八坂S)
イマジンザット(松浜特別)
モレッキ(松浜特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

千葉県出身の斎藤誠君は、県内では有名な進学校の市川高校を卒業した後、大学には進まないで、1993年に競馬学校の厩務員課程に入って、その後、前田禎(ただし)さんの厩舎で厩務員になると、1997年から2005年までは調教助手をやっていましたね。
斎藤君がいた頃の前田厩舎には、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなど、走る馬が何頭もいましたから、彼はその時に、どういう馬がよく走るのかをしっかり学んだのでしょう。
でも、2005年の10月に前田さんが亡くなってしまい、厩舎が解散することになったので、その後は、相沢郁厩舎と清水英克厩舎で腕を磨いて、2006年の2月に調教師の試験に受かると、その年の6月に、35歳の若さで厩舎を開業しています。
最初の年は、「4勝・獲得賞金7697万円」という成績でしたが、2年目の2007年には、サンツェッペリンを使った京成杯で初めて重賞を勝つと、ゴスホークケンを使った朝日杯FSで初めてGIを勝つなど、年末までに、「18勝・獲得賞金4億0316万円」という数字を残していましたね。
そして、一昨年までの3年間は、
2013年→20勝・獲得賞金3億7064万円
2014年→21勝・獲得賞金6億3518万円
2015年→34勝・獲得賞金6億4029万円
という成績を残していました。
中でも一昨年は、開業してから一番の数字を残せたのですから、斎藤君はこのことに満足したのでしょう。
ただ、去年は、2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトを海外のレースばかりに使っていたことなどが響いて、「25勝・獲得賞金5億2467万円」と、一昨年の数字を下回ってしまいましたから、今年の斎藤君は、「キッチリ巻き返したい」と考えている筈です。
実際、今年に入ってから先週までは、トーキングドラムで阪急杯を勝つなど、「31勝・獲得賞金6億2627万円」という成績を残していて、一昨年を上回るのは時間の問題ですけど、斎藤君は、先週までの結果に満足しないで、これからも全力を注いでくると私は見ています。
と言うのも、JRAで重賞を3勝して、管理馬の中で一番多い「4億5671万円」の賞金を稼ぐなど、「厩舎の看板馬」だったヌーヴォレコルトが、3月16日(木)に競走馬登録を抹消されて繁殖入りしているのですから。
もちろん、私が斎藤君でしたら、「ヌーヴォレコルトが抜けた穴を他の馬で埋めなければならない」と考えますし、実際、今週は、
1着賞金5900万円のスワンS→トーキングドラム
1着賞金2900万円のアルテミスS→ウラヌスチャーム
1着賞金1820万円の紅葉S→ストーミーシー(同1820万円の八坂Sにも登録)
1着賞金1050万円の松浜特別→イマジンザットとモレッキ
と、賞金の高い特別レースに5頭を登録してきましたので、斎藤君がどう仕上げてくるのか、念入りに確認したいところです。