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注目調教師
2017/07/17
重賞の連敗を止めたい筈やで
西浦勝一調教師(栗東)

主な管理馬:
ホッコータルマエ(2014年チャンピオンズCなど)
カワカミプリンセス(2006年オークスなど)
テイエムオーシャン(2001年桜花賞など)


今週の主な登録馬:
ブラックムーン(中京記念)

担当者:調教師情報部 鎌田光也

皆さんも知っとると思いますけど、西浦勝一先生の親父さんは、高知競馬で乗り役と調教師をやっとった西浦孫一さんやな。
西浦先生は、中学を卒業してから馬事公苑に入って、1969年に、親父さんと付き合いがあった土門健司先生の厩舎から乗り役としてデビューしとりました。
当時、ワシは松田由太郎先生の厩舎に所属しとって、西浦先生は、松田厩舎の馬によう乗ってくれたもんやし、ワシも、土門先生の馬によう乗せてもろうたんで、そん時から兄弟みたいに付き合っとるんや。
最近も、何度か一緒にゴルフに行ったりとか、色んなところで顔を合わせとります。
乗り役時代の西浦先生は、テルテンリュウに乗った1980年の宝塚記念とか、カツラギエースに乗った1984年のジャパンCとか、ヤエノムテキに乗った1988年の皐月賞とかを勝っとりますし、1996年に調教師の試験に受かって引退するまでに、5つのGIを含む重賞を27回も勝って、通算で635勝っちゅう実績を残しとりましたな。
そんで西浦先生は、定年で引退した布施正先生の後を引き継ぐ形で、1997年に自分の厩舎を開業しとって、今までに、桜花賞や秋華賞とか重賞を5つ勝ったテイエムオーシャンや、オークスと秋華賞を勝ったカワカミプリンセスや、2014年のチャンピオンズCとか、JRAと地方でGIを10回も勝っとるホッコータルマエなど、走る馬を何頭も育てとりますんで、乗り役としてだけやなくて、調教師としても結果を残しとるんやからホンマに大したもんですわ。
2013年は、ホッコータルマエが交流重賞を7つも勝って、JRAと地方で「33勝・獲得賞金7億6794万円」っちゅう、開業してから一番の成績やったんで、西浦先生は満足したでしょうな。
けど、去年までの3年間は、JRAと地方交流を合わせて、
2014年→23勝・獲得賞金5億4167万円
2015年→26勝・獲得賞金6億4633万円
2016年→24勝・獲得賞金5億9398万円
っちゅう成績で、3年続けて2013年より賞金が1億円以上も少なかったんやから、今年の西浦先生は、「必ず巻き返したい」と考えとる筈なんや。
今年に入ってから先週までの成績は、「19勝・獲得賞金3億4947万円」(地方交流は未出走のためJRAのみ)っちゅうもんなんやけど、このままやと2013年の獲得賞金には届かないんで、これからも先生がもっと気合いを入れてくるとワシは見とるんですわ。
そんで今週は、1着賞金が3900万円の中京記念にブラックムーンを登録しとるんで、メイチに仕上げてくるでしょうな。
特に、JRAの重賞は、ティーハーフを使った一昨年の函館スプリントSから「48連敗中」なんで、西浦先生はもちろん、先生の長男で、調教助手をやっとる昌一君をはじめとした厩舎の全員が、「ここは何が何でも重賞を勝ちたい」と考えて、あれこれ手を打ってくる筈やで。


2017/07/17
獲得賞金が伸び悩んどる理由は
西園正都調教師(栗東)

主な管理馬:
サダムパテック(2012年マイルCSなど)
エーシンフォワード(2010年マイルCSなど)
タムロチェリー(2001年阪神ジュベナイルFなど)


今週の主な登録馬:
ウインガニオン(中京記念)
リンガラポップス(函館2歳S)
エイシンバランサー(桶狭間S)
ラッフォルツァート(長久手特別)


担当者:調教師情報部 元調教師H

西園正都君は、1977年の桜花賞やエリザベス女王杯などを勝ったインターグロリアや、1981年の宝塚記念を勝ったカツアールなどを育てた柳田次男さんの甥っ子で、馬が身近にいる環境で育ったんで、自然と「騎手になりたい」と思うようになったそうですな。
そんで彼は、1974年に大根田裕也さんの厩舎から乗り役としてデビューして、1985年のカブトヤマ記念をチェリーテスコで勝つなど、1997年に調教師の試験に受かって乗り役を引退するまでに、全部で303勝を上げとります。
で、1998年に自分の厩舎を開業して、次の年には、ヒサコーボンバーを使った阪神ジャンプSで初めて重賞を勝つと、2001年には、タムロチェリーを使った阪神ジュベナイルFで初めてGIを勝っとりますし、その後も、マイネルレーニアを使った2006年の京王杯2歳Sや、イコピコを使った2009年の神戸新聞杯や、エーシンフォワードを使った2010年のマイルCSや、サダムパテックを使った2012年のマイルCSや、ハクサンムーンを使った2013年のセントウルSなど、今までに重賞を27回も勝っとるんやから、乗り役として馬を走らせるより、調教師として馬を育てる方が向いとるんでしょうな。
2012年の西園厩舎は、6つの重賞を含む43勝を上げて、獲得賞金は10億5017万円と、今までで一番エエ成績を残しとりました。
けど、去年までの4年間は、
2013年→30勝・獲得賞金8億0051万円
2014年→27勝・獲得賞金5億4041万円
2015年→34勝・獲得賞金6億6120万円
2016年→33勝・獲得賞金6億5442万円
っちゅう形で2012年の成績をずっと下回っとるんで、今年の西園君は、「キッチリ巻き返したい」と考えとる筈や。
ただ、実際は、先週までの成績が、「22勝・獲得賞金4億3705万円」っちゅうもんで、このままのペースやったら2012年の賞金には届かないんですわ。
こういう風に成績が伸び悩んどる理由は、去年、17勝しとった特別レースの勝ち星が、今年はまだ8勝に留まっとることと、サダムパテックで勝った2014年の中京記念から、「重賞で41連敗中」になっとることでしょうな。
せやから、今の西園君は、「とにかく特別レースを勝って一気に稼ぎたい」と考えとる筈やし、今週、彼の厩舎は、
1着賞金3900万円の中京記念→ウインガニオン
1着賞金3100万円の函館2歳S→リンガラポップス
1着賞金1820万円の桶狭間S→エイシンバランサー
1着賞金1500万円の長久手特別→ラッフォルツァート
と、賞金の高い特別レースに全部で4頭を登録してきましたんで、実際に西園君がどう仕上げてくるんか、これからの動きを、最後の最後までキッチリ確認せなアカンやろな。


2017/07/17
去年までは、順調に成績を伸ばしていましたが…
武井亮調教師(美浦)

主な管理馬:
リエノテソーロ(2016年全日本2歳優駿など)

今週の主な登録馬:
モルトアレグロ(函館2歳S)
ラズールリッキー(函館日刊スポーツ杯)
ルーレットクイーン(横手特別)


担当者:調教師情報部 元調教師N

皆さんも知っていると思いますが、武井亮君は、駿台甲府高校(山梨県甲府市)を卒業した後、1年間浪人してから、北海道大学(北海道札幌市北区)の獣医学部に入学していて、馬術部に入っていましたね。
彼は大学を卒業した後、「ノーザンファーム空港」(北海道苫小牧市)で騎乗従業員になって、2007年に競馬学校の厩務員課程に入りました。
それからの武井君は、2008年の1月からは、二ノ宮敬宇君(1989年のジャパンCを勝ったエルコンドルパサーなどを管理)の厩舎で厩務員になった後、高木登君(2014年のスプリンターズSを勝ったスノードラゴンなどを管理)の厩舎や、和田正道君(2006年の新潟記念を勝ったトップガンジョーなどを管理)の厩舎で調教助手として経験を積んでいましたね。
そして、2013年に調教師の試験に受かって、次の年の3月に厩舎を開業しているように、厩務員課程を出てから6年弱という短い期間で自分の厩舎を構えているのですから大したものです。
彼は、最初の年に「13勝・獲得賞金1億6827万円」という成績を残すと、その後も、
2015年→20勝・獲得賞金2億2875万円
2016年→20勝・獲得賞金2億8173万円
という形で、勝ち星と賞金を順調に積み重ねていますし、去年は、リエノテソーロを使った地方交流GIの全日本2歳優駿で、初の重賞勝ちを飾っていましたね。
ただ、武井君がこの結果に満足していないと私は見ています。
と言うのも、今年に入ってから先週までの成績は、「8勝・獲得賞金1億5385万円」というもので、このままのペースだと、去年の成績に届かないのですから。
そのため、今の武井君は、「賞金の高い特別レースを勝って、一気に稼ぎたい」と考えているのでしょうね。
それに、彼と同じ2014年の試験に受かった調教師は、池添学君、奥村武君、奥村豊君、西村真幸君、松下武士君の5人がいて、その内、
池添学君→メラグラーナで今年のオーシャンSを勝利
奥村武君→ライジングリーズンで今年のフェアリーSを勝利
松下武士君→カラクレナイを使った今年のフィリーズレビューなど重賞を3勝
と、書けば分かる通りで、3人がもうJRAの重賞を勝っていますけど、武井君は、リエノテソーロを使った今年のNHKマイルCで、2着だったのが最高で、まだJRAの重賞を勝てていません。
そして今週は、1着賞金が3100万円の函館2歳Sにモルトアレグロ、1820万円の函館日刊スポーツ杯にラズールリッキー、1500万円の横手特別にルーレットクイーンと、賞金の高い特別レースに全部で3頭を登録してきましたから、どの馬もメイチに仕上げてくるのでしょう。


2017/07/17
「ペースを上げなアカン」と考えとる筈やから
橋口慎介調教師(栗東)

主な管理馬:
グレイスフルリープ(2016年サマーチャンピオン)


今週の主な登録馬:
ピークトラム(中京記念)
ワンアンドオンリー(中京記念)
ダノンメジャー(福島テレビオープン)
ミカエルシチー(尾頭橋特別)


担当者:調教師情報部 元調教師Y

ワシが改めて説明せんでも、皆さんが知っとる通り、橋口慎介君の親父さんは、去年の2月一杯で調教師を引退した橋口弘次郎さんですな。
橋口弘次郎厩舎っちゅうたら、レッツゴーターキンを使った1992年の天皇賞・秋や、ダンスインザダークを使った1996年の菊花賞や、ツルマルボーイを使った2004年の安田記念や、ハーツクライを使った2005年の有馬記念や、ワンアンドオンリーを使った2014年のダービーなど、GIを10回勝って、それを入れて重賞を95回も勝っとるんも、皆さんはよう知っとるやろう。
そんな弘次郎さんを、子供の頃からずっと見てきた慎介君が、「調教師になりたい」と思うようになったんは、まあ当たり前やったんでしょうな。
そんで、慎介君は、高校を卒業する前に、「競馬の世界に進みたい」と親父さんに相談したそうですわ。
そしたら、弘次郎さんに、「これからは競馬の世界も英語が必要になるんで、外国で勉強してこい」と言われて、慎介君は、アイルランドのリムリック大学にある競馬専門の学科で、4年間、馬のことを勉強しとりましたな。
日本に戻ってからの慎介君は、1999年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から池添兼雄厩舎の厩務員になっとりましたし、それから持ち乗り調教助手(調教に乗るだけでなく馬の世話も担当する調教助手)をやっとって、その頃は、2004年の全日本2歳優駿(交流G1)とかを勝ったプライドキムとかを担当しとりましたわ。
その後は、攻め専(調教を専門に行う調教助手)をやって、2015年に調教師の試験に受かるまでの14年間、ずっと池添厩舎におったんや。
去年の3月に慎介君は、弘次郎君の厩舎を引き継ぐ形で自分の厩舎を開業しとって、年末までに、「14勝・獲得賞金3億0654万円」っちゅう数字を残しとったし、グレイスフルリープを使った交流重賞の「サマーチャンピオン」で、初めての重賞勝ちを飾っとりますな。
せやけど、今年に入ってから先週までは、「9勝・獲得賞金1億7222万円」と、去年の同じ時期(7月の3週目まで)の「9勝・獲得賞金2億0017万円」を下回っとるんやから、今の慎介君は、「もっと賞金を稼ぐペースを上げなアカン」と考えとるでしょうな。
それに、彼の厩舎は、エフハリストを使った5月20日(土)の500万条件から、「管理馬が30連敗中」なんで、「とにかく連敗を止めなアカン」とも考えとる筈ですわ。
そんな中、今週、慎介君の厩舎は、1着賞金が3900万円の中京記念にピークトラムとワンアンドオンリー、1着賞金が2400万円の福島テレビオープンにダノンメジャー、1着賞金が1500万円の尾頭橋特別にミカエルシチーと、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どの馬もお釣りを残さずメイチに仕上げるでしょうな。
特に、ピークトラムとワンアンドオンリーには、「JRAで初めての重賞勝ちを飾りたい」と、かなり気合いを入れとるんやろ。