「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/06/12
「47連敗」っちゅう状況から抜け出したい筈やから
西浦勝一調教師(栗東)

主な管理馬:
ホッコータルマエ(2014年チャンピオンズCなど)
カワカミプリンセス(2006年オークスなど)
テイエムオーシャン(2001年桜花賞など)

今週の主な登録馬:
ブラックムーン(米子S)
アルマワイオリ(米子S・天保山S)
クロコスミア(北斗特別)

担当者:調教師情報部 鎌田光也

皆さんも知っとると思いますけど、西浦勝一先生の親父さんは、高知競馬で乗り役と調教師をやっとった西浦孫一さんやな。
西浦先生は、中学を卒業してから馬事公苑に入って、1969年に、親父さんと付き合いがあった土門健司先生の厩舎から乗り役としてデビューしとりました。
当時、ワシは松田由太郎先生の厩舎に所属しとって、西浦先生は、松田厩舎の馬によう乗ってくれたもんやし、ワシも、土門先生の馬によう乗せてもろうたんで、そん時から兄弟みたいに付き合っとるんや。
最近も、何度か一緒にゴルフに行ったりとか、色んなところで顔を合わせとります。
乗り役時代の西浦先生は、テルテンリュウに乗った1980年の宝塚記念とか、カツラギエースに乗った1984年のジャパンCとか、ヤエノムテキに乗った1988年の皐月賞とかを勝っとりますし、1996年に調教師の試験に受かって引退するまでに、5つのGIを含む重賞を27回も勝って、通算で635勝っちゅう実績を残しとりましたな。
そんで西浦先生は、定年で引退した布施正先生の後を引き継ぐ形で、1997年に自分の厩舎を開業しとって、今までに、桜花賞や秋華賞とか重賞を5つ勝ったテイエムオーシャンや、オークスと秋華賞を勝ったカワカミプリンセスや、2014年のチャンピオンズCとか、JRAと地方でGIを10回も勝っとるホッコータルマエなど、走る馬を何頭も育てとりますんで、乗り役としてだけやなくて、調教師でも結果を残しとるんやからホンマに大したもんですわ。
2013年は、ホッコータルマエが交流重賞を7つも勝ったりして、JRAと地方で「33勝・獲得賞金7億6794万円」っちゅう、開業してから一番の成績やったんで、西浦先生は満足したでしょうな。
けど、去年までの3年間は、JRAと地方交流を合わせて、
2014年→23勝・獲得賞金5億4167万円
2015年→26勝・獲得賞金6億4633万円
2016年→24勝・獲得賞金5億9398万円
っちゅう成績で、3年続けて2013年より賞金が1億円以上も少なかったんやから、今年の西浦先生は、「必ず巻き返したい」と考えとる筈なんや。
せやけど、先週までの成績は、「15勝・獲得賞金2億5225万円」(今年は地方交流に管理馬を使っていないためJRAのみの成績)っちゅうもんで、JRAと地方交流と合わせた去年の同じ時期(6月2週目まで)の「13勝・獲得賞金3億1639万円」と比べると、勝ち星は2つ多いんやけど、賞金は「6414万円」も下回っとりますんで、ワシが先生やったら、「このままではアカン」と考えるでしょうな。
それに、アルケミストを使った4月16日(日)の4歳上500万下から、「厩舎が47連敗中」っちゅう状況なんで、今の西浦先生は、「早く勝ちたい」っちゅう思いもかなり強い筈ですわ。
そんで今週は、1着賞金が2300万円の米子Sにブラックムーンとアルマワイオリ(天保山Sにも登録)、1500万円の北斗特別にクロコスミアと、賞金の高い特別レースに全部で3頭を登録しとるんで、どの馬もメイチに仕上げてくるでしょうな。

2017/06/12
勝ち星が伸び悩んでいますので
藤沢和雄調教師(美浦)

主な管理馬:
ソウルスターリング(2017年オークスなど)
レイデオロ(2017年ダービーなど)
サトノアレス(2016年朝日杯FS)
ダンスインザムード(2006年ヴィクトリアマイルなど)
ゼンノロブロイ(2004年ジャパンCなど)
シンボリクリスエス(2002年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
ラユロット(ユニコーンS・青梅特別)
エポワス(函館スプリントS)
カービングパス(HTB杯)
トレクァルティスタ(北斗特別)
ペイドメルヴェイユ(八丈島特別)
ミネット(遊楽部特別)

担当者:調教師情報部 山田要一

皆さんも知っていると思いますが、藤沢和雄君の実家は、1978年の天皇賞・秋を勝ったテンメイと、2010年の共同通信杯を勝ったハンソデバンドで有名な、苫小牧市の樽前にある「藤沢武雄牧場」でして、彼は大学を出てから、お父さんの武雄さんの友達だった田中良熊さんが経営していた、登別にある「青藍牧場」の手伝いをしていた時に、「自分も競馬に関わる仕事をする」と決めたそうです。
それから彼は、ニューマーケット(イギリス)のギャビン・プリチャード・ゴードン厩舎で、4年くらい厩務員をやって、日本に戻って来てからは、1977年に菊池一雄厩舎(皐月賞やダービーを勝ったカツトップエースなどを管理)の調教助手になって、その5年後には、佐藤勝美厩舎(札幌記念を勝ったサンエイサンキューなどを管理)に移っていましたね。
そして、1983年からは、3冠馬シンボリルドルフなどを育てた野平祐二さんの厩舎で調教助手として経験を積んで、1987年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しています。
調教師になってからの藤沢君の活躍は、皆さんもよく知っている通りで、タイキシャトルを使った1998年の安田記念とマイルCS、ダンスインザムードを使った2006年のヴィクトリアマイル、シンボリクリスエスを使った2002年の有馬記念、サトノアレスを使った去年の朝日杯FSや、ソウルスターリングを使った今年のオークスや、レイデオロを使った今年のダービーなど、今までに、GIの26勝を含めて重賞を101勝もしています。
それに、勝ち星そのものも多くて、開業してから去年まで、1年あたり46勝もしていますし、先週までに、現役で一番の「通算1351勝」という素晴らしい成績を残していますね。
賞金も、1995年から2006年までの12年間は、ずっと10億円の大台に乗せていましたし、ゼンノロブロイで天皇賞・秋とジャパンCと有馬記念などを勝った2004年には、それまでの最高だった「23億1699万円」を記録していました。
ただ、一昨年は、「32勝・獲得賞金7億9156万円」と、24年振りに40勝を切っていましたし、賞金も、7年振りに8億円を切ってしまったため、去年の藤沢君は、巻き返しに全力を注いでいた筈です。
実際に、去年の藤沢厩舎は、サトノアレスを使った朝日杯FS、ソウルスターリングを使った阪神ジュベナイルFなど、重賞5勝を含む、「51勝・獲得賞金10億9272万円」という素晴らしい数字を残しましたので、私の見込みは正しかったのでしょう。
ただ、今年に入ってからは先週まで、賞金の方は、ソウルスターリングでオークスを勝つなど、重賞を3勝していてい、先週までで「6億6634万円」と、去年のペースを大幅に上回っていますが、勝ち星の方は、先週までで「14勝」と、このままだと、去年の数字には届きません。
こういった中、藤沢君は今週、
1着賞金3500万円のユニコーンSにラユロット(青梅特別にも登録)
1着賞金3900万円の函館スプリントSにエポワス
1着賞金1500万円のHTB杯にカービングパス
1着賞金1500万円の北斗特別にトレクァルティスタ
1着賞金1050万円の八丈島特別にペイドメルヴェイユ
1着賞金1050万円の遊楽部特別にミネット
と、全部で6頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたので、どの馬も「勝ち星を上乗せしたい」という思いでメイチに仕上げてくる筈ですから、最終追い切りの様子や、その後の馬の気配などを、しっかり確認しなければなりませんね。

2017/06/12
1位との差を詰めたい筈やから
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
リアルスティール(2016年ドバイターフなど)
ディープブリランテ(2012年ダービーなど)
グランプリボス(2011年NHKマイルCなど)

今週の主な登録馬:
ドレッドノータス(ジューンS)
ラングレー(米子S)
レヴァンテライオン(函館スプリントS)
キャンディバローズ(HTB杯)
ブリンディス(箕面特別)
サトノオニキス(遊楽部特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

皆さんもよう知っとる通り、矢作芳人君は、毎年、東大に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それから菅谷禎高(さだたか)厩舎などで調教助手をやっとりましたな。
矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げて、5年目の2009年には、47勝で調教師リーディング2位になっとりましたし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成しとりました。
しかも矢作君は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」っちゅう2冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。
そんで矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにたくさん賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。
実際、去年は「511戦」もしとるし、2番目に多い音無秀孝厩舎が「398戦」なんやから、飛び抜けて多いんがよう分かるやろ。
ちなみに、今年に入ってから先週までも、一番多い「223戦」に管理馬を使っとります。
で、皆さんも知っとるように、2014年の矢作君は、54勝で念願の調教師リーディング1位になりましたな。
もちろん、一昨年の矢作君は、2年連続のリーディング1位を狙っとった筈やけど、「41勝・獲得賞金10億1479万円」っちゅう数字で、リーディング5位に終わっとりましたし、1位やった堀君の成績は、「54勝・獲得賞金15億2485万円」っちゅうもんで、矢作厩舎より、勝ち星が「13」、賞金が「5億1006万円」も多かったんですわ。
せやから、去年の矢作君は、「リーディング1位を奪い返したい」、「もっと賞金を稼ぎたい」と考えとった筈で、実際、今までで一番の「57勝」を上げて1位になったんやから、ワシの見込みは正かったんやろう。
でも、去年は、リアルスティールを使ったドバイターフと、キョウエイギアを使った地方交流G1のジャパンダートダービーを勝っとるんやけど、JRAの重賞は函館2歳Sと新潟ジャンプSとアルテミスSの3勝だけで、それが響いたんか、稼いだ賞金は「12億0069万円」と、1番やった池江君の「17億4666万円」より「5億4597万円」も少なかったんで、矢作君は、間違いなく、「今年こそ勝ち星と賞金の両方で1位になりたい」と思っとるでしょうな。
けど、今年に入ってから先週までの調教師リーディングと獲得賞金の1位は、「34勝・獲得賞金9億9400万円」っちゅう成績を残しとる池江泰寿厩舎なんですわ。
矢作厩舎の成績は「23勝・獲得賞金5億1877万円」っちゅうもんで、勝ち星は「11勝の差」を付けられて4位やし、賞金は「4億7523万円の差」を付けられて5位なんで、ワシが矢作君やったら、「池江厩舎との差を詰めるために、賞金の高い特別レースを勝って一気に稼ぎたい」と考えますわ。
そんで今週は、
ジューンS(1着賞金1820万円)→ドレッドノータス
米子S(同2300万円)→ラングレー
函館スプリントS(同3900万円)→レヴァンテライオン
HTB杯(同1500万円)→キャンディバローズ
箕面特別(同1500万円)→ブリンディス
遊楽部特別(同1050万円)→サトノオニキス
と、賞金の高い特別レースに6頭も登録してきましたから、矢作君が勝負を懸けてきたんでしょうな。

2017/06/12
重賞を勝って、連敗から抜け出したいのでしょう
伊藤大士調教師(美浦)

主な管理馬:
クリスマス(2016年UHB賞)
カハラビスティー(2016年カーバンクルS)

今週の主な登録馬:
クリスマス(函館スプリントS)

担当者:調教師情報部 元調教師M

皆さんも知っていると思いますが、伊藤大士(だいし)君は、神奈川県の相模原市にある麻布大学の獣医学部を出ていますね。
麻布大学と言えば、1996年の朝日杯3歳Sを勝ったマイネルマックスや、2012年の天皇賞・春を勝ったビートブラックでお馴染みの中村均君や、去年の毎日王冠を勝ったルージュバックでお馴染みの大竹正博君や、ミスターシービーや、ジェニュインなどを管理していて、2014年に引退した松山康久さんなどが通っていたところです。
大学を出た後、伊藤君は、1996年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月に、キヨヒダカやヒダカハヤトなどを管理していた森安弘昭さんの厩舎で厩務員になって、それからは、上原博之君の厩舎で調教助手をやって、調教師の試験に受かった2009年まで、ずっと上原厩舎にいました。
伊藤君がいた頃の上原厩舎には、2000年の新潟3歳Sを勝って、同じ年の阪神3歳牝馬Sで2着に入ったダイワルージュや、2004年の皐月賞などGIを5つも勝ったダイワメジャーのように、走る馬がたくさんいましたから、こういう風に走る馬を間近で見られたのは、きっといい経験になったのでしょうね。
実際、2009年の3月に厩舎を開業した伊藤君は、準備期間がほとんどなくて、管理馬も少なかったので、初めの年は5勝でしたが、2010年は12勝、2011年も12勝と数字を伸ばしていて、2013年には今までで一番の20勝を上げていました。
その後も、
2014年→15勝・獲得賞金2億8158万円
2015年→13勝・獲得賞金2億8629万円
と、順調に数字を積み重ねていましたし、去年も、2013年と同じ20勝を上げて、今までで一番多い「3億7384万円」の賞金を稼いでいましたが、私は、伊藤君がこの成績に満足していないと見ています。
と言うのも、彼の同期には、清水久詞君、田島敏明君、和田正一郎君などがいて、
清水久詞君→キタサンブラックを使った去年のジャパンCなど、重賞を14勝
田島俊明君→バウンシーチューンを使った2011年のフローラSなど、重賞を2勝
和田正一郎君→オジュウチョウサンを使った去年の中山大障害など、重賞を6勝
と、彼らはもう重賞を勝っていますけど、伊藤君は、ミライヘノツバサが今年のアメリカJCCで3着に入ったのが最高で、まだ重賞を勝てていないのですから。
それに、今年に入ってから先週までは、「3勝・獲得賞金1億2174万円」と、去年のペースを大きく下回っていますし、伊藤君の厩舎は、アルゴロオジエを使った3月26日(日)の3歳未勝利から、「62連敗中」という状況になっていますので、きっと今は、「勝ち星と賞金をもっと伸ばしたい」と思っているのでしょう。
そのためには、賞金の重賞レースを勝つことが近道で、実際に今週は1着賞金が3900万円の函館スプリントSにクリスマスを登録していますから、伊藤君が、「ここを勝って一気に稼ぎたい」と考えて、お釣りを残さずメイチに仕上げてくると私は見ています。