「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/06/05
去年の4割にも達していませんので
矢野英一調教師(美浦)

主な管理馬:
シュンドルボン(2016年中山牝馬S)
フォーエバーマーク(2013年キーンランドC)


今週の主な登録馬:
ナスノセイカン(エプソムC)
プリンシアコメータ(八王子特別)


担当者:調教師情報部 山田要一

皆さんも知っていると思いますけど、矢野英一君は、1989年に高校を卒業した後、調教師になるため、アメリカに留学して、アリゾナ大学の競馬学科に入って馬のことを勉強していましたね。
ちなみにこの時は、マックスビューティや、シャダイカグラや、ウイニングチケットや、エアグルーヴや、ファインモーションなどを育てて、2007年に定年で引退した伊藤雄二さんの息子さんで、今は庄野厩舎で調教助手をやっている伊藤強君を頼ってアメリカに行ったそうです。
日本に帰ってからは、1996年に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月から、1988年の札幌記念を勝ったコバノリッチなどを育てた阿部新生(にいお)さんの厩舎で厩務員を、その年の10月からは、お父さんの矢野照正さんの厩舎で調教厩務員になって、1998年の10月からは調教助手をやっていましたね。
照正さんの厩舎と言えば、1988年の根岸Sと1989年のスプリンターズSを勝ったウィニングスマイルや、1991年のエプソムCと毎日王冠と天皇賞・秋を勝ったプレクラスニーなどがいましたし、英一君が厩舎に入ってからも、1998年の日経賞を勝ったテンジンショウグンや、1999年のアルゼンチン共和国杯と2000年の日経新春杯を勝ったマーベラスタイマーなどがいました。
そして、2008年に調教師の試験に受かった矢野君は、2009年に自分の厩舎を開業して、その年に9勝を上げると、2010年に26勝、2011年に18勝、2012年に23勝と、コンスタントに20くらいの勝ち星を上げていましたし、2013年には、フォーエバーマークを使ったキーンランドCで初めて重賞を勝って、全部で21勝して、今までで一番多い「3億7418万円」の賞金を稼いでいましたね。
ただ、その後の2年間は、
2014年→「15勝・獲得賞金2億3947万円」
2015年→「16勝・獲得賞金2億8289万円」
と、2013年と比べたら物足りない成績が続いてしまったので、去年の矢野君は、「このままではマズイ」と考えていたのでしょうし、実際、彼の厩舎は、去年、シュンドルボンで中山牝馬Sを勝つなど、「20勝・獲得賞金3億5613円」という成績を残しました。
でも、2013年の成績を僅かに下回ったので、矢野君は、「今年こそ、2013年の成績を超えたい」と考えている筈ですけど、先週までの成績は「7勝・獲得賞金1億2490万円」と、去年の4割にも達していませんので、きっと彼は、「このままではマズイ」と感じているのでしょう。
ですから、今の矢野君は、「賞金の高い特別レースを勝って、一気に稼ぎたい」と考えている筈で、エプソムC(1着賞金4100万円)にナスノセイカン、八王子特別(同1500万円)にプリンシアコメータと、賞金の高い特別レースに2頭を登録している今週は、間違いなく「矢野君が勝負を懸けてきた」と私は見ています。


2017/06/05
2012年の賞金を超えるために
荒川義之調教師(栗東)

主な管理馬:
デンコウアンジュ(2015年アルテミスS)
メイショウカンパク(2012年京都大賞典)
ギュスターヴクライ(2012年阪神大賞典)
オースミグラスワン(2008年新潟大賞典)


今週の主な登録馬:
デンコウアンジュ(エプソムC)
オースミラナキラ(加古川特別)


担当者:馬主情報部 鎌田光也

皆さんもよう知っとると思いますけど、荒川義之先生は、1994年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月には、飯田明弘さん(2014年の2月に引退・メイショウマンボなどを管理)の厩舎で厩務員になって、その年の12月からは調教助手になって経験を積んどりましたな。
でもって、2007年に調教師の試験に受かると、その年に自分の厩舎を開業しとります。
最初の年こそ、7月の開業やったこともあって、勝ち星は1つだけで、獲得した賞金は「4568万円」っちゅうもんやったけど、次の年は、「獲得賞金3億7017万円」(19勝)と、一気に数字を伸ばしとったし、オースミグラスワンを使った2008年の新潟大賞典で初めて重賞を勝つと、ジュエルオブナイルを使った2009年の小倉2歳S、ギュスターヴクライを使った2012年の阪神大賞典、メイショウカンパクを使った2012年の京都大賞典、デンコウアンジュを使った一昨年のアルテミスS、マドリードカフェを使った今年の京都ハイジャンプとか、今までに8つの重賞を勝っとります。
荒川先生が飯田厩舎におった頃は、障害の重賞を勝ちまくったリターンエースや、2000年の産経大阪杯や2001年の鳴尾記念を勝ったメイショウオウドウとか、大きいレースを勝ってたくさん賞金を稼いどった馬がおったんで、それを間近で見て、「どういう馬がよう走るんか」をしっかり学べたんでしょうな。
そんで2012年の荒川厩舎は、さっきも書いたように、ギュスターヴクライを使った阪神大賞典と、メイショウカンパクを使った京都大賞典を勝つなど、今までで一番多い「5億7518万円」(26勝)の賞金を稼いだんですわ。
けど、去年までの4年間は、
2013年→「獲得賞金3億3441万円」(20勝)
2014年→「獲得賞金4億5236万円」(25勝)
2015年→「獲得賞金3億1143万円」(16勝)
2016年→「獲得賞金3億2527万円」(12勝)
っちゅう形で2012年の数字をずっと下回っとるんで、今年の荒川先生は、「キッチリ巻き返したい」と思っとるでしょうな。
実際、デンコウアンジュがヴィクトリアマイルで2着に入るなど、先週までの成績が「8勝・獲得賞金2億2373万円」っちゅうもんで、去年の同じ時期(6月1週目まで)の「5勝・獲得賞金1億3109万円」を大きく上回っとるんやから、ワシの見込みは正しかったんやろ。
そんでも、2012年の同じ時期の「15勝・3億0095万円」と比べたら、8000万円くらい少ないんやから、ワシが荒川先生やったら、「2012年の賞金を超えるために、もっとペースを上げなアカン」と考えますわ。
そんで今週は、1着賞金4100万円のエプソムCにデンコウアンジュ、1500万円の加古川特別にオースミラナキラと、賞金の高い特別レースに2頭を登録してきましたんで、ここでガッチリ稼ぐために、先生がどっちもメイチに仕上げてくるんやろ。


2017/06/05
2つの思いを果たすために
武市康男調教師(美浦)

主な管理馬:
エスケーカントリー(2009年仁川S)
マイネルトゥラン(2017年金蹄S)
トミケンシャルゴー(2017年門司S)


今週の主な登録馬:
リーサルウェポン(マーメイドS・エプソムC)
ポットガイ(小金井特別)


担当者:調教師情報部 元調教師O

皆さんも知っているかもしれませんが、千葉県出身の武市康男君は、叔父の武市弘さんと、お父さんの進吾さんが、「タケデン」の冠名でお馴染みの馬主さんという競馬一家に育っていますけど、子供の頃はあまり競馬に興味がなかったみたいですね。
ただ、攻め馬を見るのは好きだったので、昔から船橋競馬場に行って、よく調教を見学していたそうで、高校3年生の頃には、馬の世界に進むことを決めていたそうです。
それから、北海道の江別市にある酪農学園大学の短期大学部に通って、学校で教わるのは、牛のことが中心だったので、馬のことは一人で勉強したり、牧場に通って経験を積んで、短大を卒業した後、1996年の7月に競馬学校の厩務員課程に入っていました。
次の年の1月に森安弘昭厩舎の厩務員になって、同じ年の12月から鈴木康弘厩舎の調教助手になると、調教師の試験に受かった2006年の2月までずっと所属していましたね。
武市君がいた頃の鈴木厩舎には、1997年のアメリカJCCと日経賞など、重賞を4勝したローゼンカバリーや、1998年のクイーンCを勝ったエイダイクインや、1999年のフラワーCを勝ったサヤカや、同じ年の青葉賞とステイヤーズSを勝ったペインテドブラックなどがいましたので、こういった走る馬を間近で見られたのは、彼にとっていい経験になった筈です。
武市君は、厩舎を開業したのが2006年の12月だったので、その年は勝てずに終わっていましたけど、その後は、2007年が7勝、2008年が13勝、2009年が16勝と、順調に成績を伸ばして、一昨年は、今までで一番の「16勝・獲得賞金2億8059万円」という成績を残していました。
でも、去年は「12勝・獲得賞金2億4323万円」という成績で、僅かですけど前の年を下回りましたから、今年の武市君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょう。
実際、先週までに早くも12勝していて、「1億8200万円」を稼いでいますから、私の見込みは正しかった筈です。
でも、武市君の厩舎は、叔父の弘さんの持ち馬タケデンタイガーが2014年の函館2歳Sで2着に入っていましたけど、まだ重賞は勝てていません。
そのため、武市君は、「とにかく重賞を勝ちたい」という思いがどんどん強くなっているのでしょうし、1着賞金4100万円のマーメイドS(同4100万円のエプソムCにも登録)に登録しているリーサルウェポンは、「今度こそ」という思いで仕上げてくるでしょう。
そして今週、武市君の厩舎は、リーサルウェポンだけでなく、1500万円の小金井特別にポットガイを登録していますから、「とにかく重賞を勝ちたい」、「一昨年よりもいい成績を残したい」という2つの思いを果たすために、「武井君が必ず勝負を懸けてくる」と私は見ています。


2017/06/05
「花道を飾りたい」と考えている筈です
和田正道調教師(美浦)

主な管理馬:
トップガンジョー(2006年エプソムCなど)
ディバインシルバー(2004年黒船賞など)
ゴッドオブチャンス(2002年京王杯スプリングC)
プロモーション(1997年クイーンC)


今週の主な登録馬:
クインズミラーグロ(マーメイドS)
サウンドジャンゴ(小金井特別)
リュウツバメ(江の島特別)


担当者:調教師情報部 元調教師M

知っている方も多いと思いますが、和田正道君の実家は、千葉県の成田市にある「和田牧場」ですね。
それに、息子の正一郎君も同じ美浦で厩舎を構えていて、去年は、オジュウチョウサンを使った中山グランドジャンプと中山大障害など、重賞を4つ勝って、今年も、オジュウチョウサンを使った阪神スプリングジャンプと中山グランドジャンプを勝っているのも、皆さんはよく知っているでしょう。
和田君は、岩手大学で獣医の資格を取った後、1978年から、シンボリルドルフを育てた野平祐二さんの厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1982年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。
最初の年に11勝を上げると、その後も毎年のように20勝近くを上げていましたし、今までにJRAで通算663勝を上げていて、その中には、プロモーションを使った1997年のクイーンSや、ゴッドオブチャンスを使った2002年の京王杯スプリングCや、トップガンジョーを使った2006年のエプソムCなど、重賞の10勝もありますね。
しかも和田君は、上原博之君、尾関知人君、新開幸一君、そして息子の正一郎君と、4人の弟子を調教師にしていますから、本当に大したものです。
和田君は、さっき書いた通り、毎年のように20勝近くを上げていて、2005年には、「30勝・獲得賞金5億6081万円」と、開業してから一番いい成績を残していましたし、その後も、2006年が「28勝・獲得賞金5億2525万円」、2007年が「30勝・獲得賞金4億5856万円」と、2005年に近い数字を残していました。
ただ、去年までの5年間は、
2012年→「15勝・獲得賞金2億7470万円」
2013年→「24勝・獲得賞金3億6232万円」
2014年→「26勝・獲得賞金4億1277万円」
2015年→「15勝・獲得賞金3億1440万円」
2016年→「15勝・獲得賞金3億0160万円」
と、いい頃に比べて物足りない数字が続いていましたし、今年も先週までで、「7勝・獲得賞金1億1697万円」と、去年の4割にも達していません。
それに和田君は、6月17日(土)で70歳になって、来年の2月で定年を迎えますから、間違いなく今は、「いい成績を残して花道を飾りたい」と考えているのでしょう。
しかも、彼の厩舎は、ギルティストライクを使った2010年の東京ジャンプSから、「重賞で71連敗中」となっていますし、さっき書いた通り、息子の正一朗君が、去年は重賞を4つ、今年も2つ勝っているのですから、「息子にばかりいい格好はさせられない」とも考えている筈です。
そのため、私が和田君でしたら、「重賞や特別レースを勝って一気に賞金を稼ぎたい」と考えますし、今週は、1着賞金が3600万円のマーメイドSにクインズミラーグロ、1500万円の小金井特別にサウンドジャンゴ、同じ1500万円の江の島特別にリュウツバメを登録してきましたので、和田君が、実際にこの3頭をどう仕上げてくるかなど、これからの動きを、最後の最後まで念入りに確認しなければなりませんね。