「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2017/04/17
このままやと、去年の数字には届かないんで
吉村圭司調教師(栗東)

主な管理馬:
クイーンズリング(2016年エリザベス女王杯など)

今週の主な登録馬:
ダッシングブレイズ(マイラーズC)
ショートストーリー(花見山特別)


担当者:調教師情報部 元調教師H

知っとる方もおるんやろうけど、吉村圭司君は、熊本の荒尾競馬(2011年に廃止)で40年以上も調教師をやっとって、2000年に引退するまで、1310勝を上げた吉村務さんの息子さんですな。
小さい頃から競馬が身近やった吉村君は、早くからこの道に進もうと決めとったそうで、中学を卒業する時には、競馬学校(JRA)の騎手課程に受かっとりましたけど、体が大きくなって、体重の調整が厳しいっちゅうことで、入学を辞退したんですわ。
競馬学校に入る直前の辞退やったんで、すぐ高校に入れんかって、一年間は荒尾で持ち乗りの仕事をしとったそうやけど、その後は、荒尾市にある定時制の学校に入って、卒業してからは、阪急杯とキーンランドCを勝ったビービーガルダンでお馴染みの「坂東牧場」(北海道沙流郡日高町)で、一年半ぐらい働いとったそうです。
その頃の「坂東牧場」は、美浦の馬が休養に使うことが多くて、1995年のチューリップ賞を勝ったユウキビバーチェや、1997年の高松宮杯を勝ったシンコウキングなど、オープン馬が何頭もここに放牧されとりましたな。
そんで吉村君は、1996年の1月に競馬学校(JRA)の厩務員課程に入って、その年の7月からは、飯田明弘さんの厩舎で厩務員になって、12月に調教助手になると、それから7年間、飯田厩舎で経験を積んで、2004年の3月に、開業したばっかりやった池江泰寿君の厩舎に移ったんですわ。
吉村君は、池江厩舎で調教助手をやっとった頃に、ドリームジャーニーやオルフェーヴルなど、走る馬の調教を付けとったんで、彼にとって、ホンマ貴重な経験になったんでしょうな。
で、2011年に調教師の試験に受かった吉村君は、次の年に自分の厩舎を開業しとって、池江君から引き継いだポップアイコンで初勝利を上げるなど、「獲得賞金1億4997万円」(9勝)っちゅう成績を残しとりましたし、それからも、
2013年→「獲得賞金2億0829万円」(13勝)
2014年→「獲得賞金3億9055万円」(27勝)
2015年→「獲得賞金4億4594万円」(20勝)
と、順調に賞金を稼いどったんですわ。
でもって、去年は、クイーンズリングを使ったエリザベス女王杯で初めてGIを勝つなど、「獲得賞金5億3005万円」(27勝)っちゅう、今までで一番エエ成績を残しとります。
けど、今年に入ってから先週までの獲得賞金は、「1億1985万円」(9勝)で、去年の同じ時期(4月の3週目まで)の「1億4417万円」(8勝)を、「2432万円」も下回っとるんや。
このままやと、去年の数字には届かないんで、今の彼は、「もっと賞金を稼ぐペースを上げたい」と考えとるでしょうな。
そんで、吉村君は今週、1着賞金5900万円のマイラーズCにダッシングブレイズ、1500万円の花見山特別にショートストーリーと、賞金の高い特別レースに2頭を登録しとりますんで、「一気に稼ぎたい」っちゅう思いで、どっちもメイチに仕上げてくる筈やで。


2017/04/17
来年の2月で定年を迎えますから
和田正道調教師(美浦)

主な管理馬:
トップガンジョー(2006年エプソムCなど)
ディバインシルバー(2004年黒船賞など)
ゴッドオブチャンス(2002年京王杯スプリングC)
プロモーション(1997年クイーンC)


今週の主な登録馬:
クインズミラーグロ(福島牝馬S)
スフバータル(花見山特別)


担当者:調教師情報部 元調教師M

知っている方も多いと思いますが、和田正道君の実家は、千葉県の成田市にある「和田牧場」ですね。
また、息子の正一郎君も同じ美浦で厩舎を構えていて、去年は、オジュウチョウサンを使った中山グランドジャンプと中山大障害など、重賞を4つ勝って、今年も、オジュウチョウサンを使った阪神スプリングジャンプと中山グランドジャンプを勝っているのも、皆さんはよく知っているでしょう。
和田君は、岩手大学で獣医の資格を取った後、1978年から、シンボリルドルフを育てた野平祐二さんの厩舎で調教助手をやって経験を積んで、1982年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。
最初の年に11勝を上げると、その後も毎年のように20勝近くを上げていましたし、今までにJRAで通算660勝を上げていて、その中には、プロモーションを使った1997年のクイーンSや、ゴッドオブチャンスを使った2002年の京王杯スプリングCや、トップガンジョーを使った2006年のエプソムCなど、重賞の10勝もありますね。
しかも和田君は、上原博之君、尾関知人君、新開幸一君、そして息子の正一郎君と、4人の弟子を調教師にしていますから、本当に大したものです。
和田君は、さっき書いた通り、毎年のように20勝近くを上げていて、2005年には、「30勝・獲得賞金5億6081万円」と、開業してから一番いい成績を残していましたし、その後も、2006年が「28勝・獲得賞金5億2525万円」、2007年が「30勝・獲得賞金4億5856万円」と、2005年に近い数字を残していました。
ただ、去年までの5年間は、
2012年→「15勝・獲得賞金2億7470万円」
2013年→「24勝・獲得賞金3億6232万円」
2014年→「26勝・獲得賞金4億1277万円」
2015年→「15勝・獲得賞金3億1440万円」
2016年→「15勝・獲得賞金3億0160万円」
と、いい頃に比べて物足りない数字が続いていますし、今年も先週までで、「4勝・獲得賞金7004万円」と、去年の4割にも達していません。
それに和田君は、今年の6月で70歳になり、来年の2月で定年を迎えますから、間違いなく今は、「いい成績を残して花道を飾りたい」と考えているのでしょう。
また、彼の厩舎は、ギルティストライクを使った2010年の東京ジャンプSから、「重賞で71連敗中」となっていますし、前にも書いた通り、息子の正一朗君が、去年は重賞を4つ、今年も2つ勝っているのですから、今は「息子にばかりいい格好はさせられない」とも考えている筈です。
そのため、私が和田君でしたら、「重賞や特別レースを勝って一気に賞金を稼ぎたい」と考えますし、今週は、1着賞金が3800万円の福島牝馬Sにクインズミラーグロ、1500万円の花見山特別にスフバータルを登録してきましたので、和田君が、実際にこの2頭をどう仕上げてくるかなど、これからの動きを、最後の最後まで念入りに確認しなければなりませんね。


2017/04/17
「とにかく重賞の連敗を止めたい」と思っとる筈や
荒川義之調教師(栗東)

主な管理馬:
デンコウアンジュ(2015年アルテミスS)
メイショウカンパク(2012年京都大賞典)
ギュスターヴクライ(2012年阪神大賞典)


今週の主な登録馬:
デンコウアンジュ(福島牝馬S)
ロングスピーク(比良山特別)


担当者:調教師情報部 元調教師I

皆さんもよう知っとる筈やけど、荒川義之君は、1994年の10月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の4月には、飯田明弘さん(一昨年の2月に引退・メイショウマンボなどを管理)の厩舎で厩務員になって、その年の12月からは調教助手になって経験を積んどりましたな。
でもって、2007年に調教師の試験に受かると、その年に自分の厩舎を開業しとります。
最初の年こそ、7月の開業やったこともあって、勝ち星は1つだけで、獲得した賞金は4568万円っちゅうもんやったけど、次の年は、「獲得賞金3億7017万円」(19勝)と、一気に数字を伸ばしとったし、オースミグラスワンを使った2008年の新潟大賞典で初めて重賞を勝つと、ジュエルオブナイルを使った2009年の小倉2歳S、ギュスターヴクライを使った2012年の阪神大賞典、メイショウカンパクを使った2012年の京都大賞典、デンコウアンジュを使った2015年のアルテミスSとか、今までに7つの重賞を勝っとります。
荒川君が飯田明弘厩舎におった頃は、障害の重賞を勝ちまくったリターンエースや、2000年の産経大阪杯や2001年の鳴尾記念を勝ったメイショウオウドウとか、大きいレースを勝ってたくさん賞金を稼いどった馬がおったんで、それを間近で見て、「どういう馬がよう走るんか」をしっかり学べたんでしょうな。
そんで2012年の荒川厩舎は、さっきも書いたように、ギュスターヴクライを使った阪神大賞典と、メイショウカンパクを使った京都大賞典を勝つなど、今までで一番多い「5億7518万円」(26勝)の賞金を稼いだんですわ。
けど、去年までの4年間は、
2013年→獲得賞金3億3441万円(20勝)
2014年→獲得賞金4億5236万円(25勝)
2015年→獲得賞金3億1143万円(16勝)
2016年→獲得賞金3億2527万円(12勝)
っちゅう形で2012年の数字をずっと下回っとるんで、今年の荒川君は、「キッチリ巻き返したい」と考えとるんやろ。
ただ実際は、先週までの成績が「獲得賞金1億0181万円」(5勝)っちゅうもんで、去年の同じ時期(4月3週目まで)の「獲得賞金1億1493万円」(5勝)とほぼ同じペースなんやから、ワシが荒川君やったら「何とかせなアカン」と思うでしょうな。
でもって今週、荒川君の厩舎は、
1着賞金3800万円の福島牝馬S→デンコウアンジュ
1着賞金1500万円の比良山特別→ロングスピーク
っちゅう形で、賞金の高い特別レースに2頭を登録してきたんで、「どっちも勝負懸かり」と見ておくべきですわ。
それに、彼の厩舎は、デンコウアンジュを使った2015年のアルテミスSから、「重賞で42連敗中」なんで、福島牝馬Sに登録しとるデンコウアンジュには、「とにかく重賞の連敗を止めたい」っちゅう思いも込められとる筈やで。


2017/04/17
「もっとペースを上げなアカン」と考えとるでしょうな
鮫島一歩調教師(栗東)

主な管理馬:
ソルヴェイグ(2016年フィリーズレビューなど)
リトルゲルダ(2014年セントウルSなど)
シルクフェイマス(2004年京都記念など)


今週の主な登録馬:
モズカッチャン(フローラS)
グランセノーテ(飯盛山特別)
チャップリン(川俣特別・飯盛山特別)


担当者:調教師情報部 元調教師Y

皆さんもよう知っとる筈やけど、鮫島一歩君は、1979年から増本豊さんの厩舎で調教助手になってから、1999年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、増本さんの厩舎一筋で腕を磨いとりましたな。
そんで、初めの年は10勝止まりやったけど、次の年に20勝を上げると、それから2014年まで「年間20勝以上」を続けとって、今までにJRAで「452勝」を上げとります。
その内、重賞は、シルクフェイマスを使った2004年の日経新春杯で初めて勝つと、レインボーペガサスを使った2008年のきさらぎ賞や、キングトップガンを使った2011年の目黒記念や、リトルゲルダを使った2014年のセントウルSや、去年のソルヴェイグを使ったフィリーズレビューと函館スプリントSや、マコトブリジャールを使った福島牝馬SとクイーンSや、タガノトネールを使った武蔵野Sなど、今までに20回も勝っとるんやから大したもんですわ。
こうやって、ええ成績を残せとるんは、増本さんの厩舎で助手をやっとった時に、京都記念と阪神大賞典を勝ったダイナカーペンターや、高松宮記念など重賞を4つも勝っとるマサラッキなど、走る馬を間近で見とった経験を活かせとるからやろうな。
そんで2006年には、開業してから一番多い「41勝」(獲得賞金は6億3437万円)っちゅう数字を残して、「優秀調教師賞」をもらっとりましたし、2008年には、「7億4475万円」(重賞1勝を含む38勝)っちゅう、今までで一番多い賞金を稼いどりました。
せやけど、一昨年は、「17勝・獲得賞金3億6091万円(重賞0勝)」っちゅう成績で、14年も続けとった「年間20勝以上」が途絶えてしもうたし、賞金は2008年の半分以下に留まってしもうたんですわ。
せやから、去年の鮫島君は「必ず巻き返したい」っちゅう思いで全力を注いどった筈やし、実際、ソルヴェイグを使ったフィリーズレビューと函館スプリントS、マコトブリジャールを使った福島牝馬SとクイーンS、タガノトネールを使った武蔵野Sと、重賞を5つも勝って、全体で24勝を上げとりました。
けど、「重賞以外の19勝」の内、9勝が未勝利戦やったことが響いて、稼いだ賞金は「5億8640万円」っちゅうもんで、2008年より「1億5835万円」も少なかったんですわ。
せやから、今年の鮫島君は、「早い内からたくさん稼いで、2008年の賞金を超えたい」と考えとる筈なんやけど、先週までの成績は「11勝・獲得賞金1億7748万円」と、去年の同じ時期(7勝・獲得賞金1億7518万円)とほとんど変わらんペースなんで、ワシが鮫島君やったら、「もっとペースを上げなアカン」と考えるやろうし、
1着賞金5200万円のフローラS→モズカッチャン
1着賞金1050万円の飯盛山特別→グランセノーテ
1着賞金1050万円の飯盛山特別と川俣特別→チャップリン
と、賞金の高い特別レースに全部で3頭を登録しとる今週は、鮫島君が、どの馬も全力で仕上げるでしょうな。